06/06/03 入研協 (@パレスホテル立川)
学習進度をクラスタリングする
手法について
林 篤裕
(独立行政法人 大学入試センター 研究開発部)
e-mail: [email protected]
1
1. はじめに
 スコアリング・レポート(Scoring Report)
 学習診断
(Learning Diagnosis)
 点数だけでなく、学習指針を受験者に返す
 Rule
Space Method
 分類手法のひとつ
: 受験者を学習進度ごとに
 科学的推論能力テスト
 紹介
 実験、適用例
 まとめと今後の展開
2
1. はじめに
 スコアリング・レポート(Scoring Report)
 学習診断
(Learning Diagnosis)
 点数だけでなく、学習指針を受験者に返す
 Rule
Space Method
 分類手法のひとつ
: 受験者を学習進度ごとに
 科学的推論能力テスト
 紹介
 実験、適用例
 まとめと今後の展開
3
スコアリング・レポート

学習診断 (Learning Diagnosis)
 点数だけでなく、学習指針を受験者に返す
 近年、アメリカで注目されている

試験成績 :
得点という数値のみ
+
==> よりきめ細かい教育
未学習単元の指摘

“次の一手”、“道しるべ” を示す
 学習効果が期待できる
 試験
: 指導 <===> 評価、選抜
システマティックに
4
2. Rule Space Method



解答パターンから習熟進度を判断、分類
教育評価の分野から誕生した手法
[発想] : 同じ得点 ≠ 同じ学習進度


K.Tatsuoka(1980’s)
クラスタリング手法 <== 統計的観点
解答パターンから学習進度に基づいて
 受験者を Knowledge State (KS) に分類


Knowledge State (KS)
学習進度、習得・未習得単元
 受験者個々人を分類

5
6
7
8
2. Rule Space Method



解答パターンから習熟進度を判断、分類
教育評価の分野から誕生した手法
[発想] : 同じ得点 ≠ 同じ学習進度


K.Tatsuoka(1980’s)
クラスタリング手法 <== 統計的観点
解答パターンから学習進度に基づいて
 受験者を Knowledge State (KS) に分類


Knowledge State (KS)
学習進度、習得・未習得単元
 受験者個々人を分類

9
Rule Space Method (RSM)

道具立て
個々の問題(Item、設問、項目)
 最小の単元セット(Attribute)

 関係を示す行列(Incidence
Matrix,
Item-Attribute Matrix, Q-Matrix)


受験者の解答パターン(Item Response Pattern)
実例
入力 : Item、Attribute、Incidence Matrix
 出力 : Knowledge State (KS)

10
Items
11
(公約数)
(約分)
12
Attributes
A1 : Separate the whole part from the fraction part when a≠0 or d
A2 : Get the common denominator(CD) when c≠f
A3 : Convert the fraction part before getting CD
A4 : Reduce the fraction part before getting CD
A5 : Answer to be simplified
A Result of RSM
13
合計:428名
Attributes
A1 : Separate the whole part from the fraction part when a≠0 or d
A2 : Get the common denominator(CD) when c≠f
A3 : Convert the fraction part before getting CD
A4 : Reduce the fraction part before getting CD
A5 : Answer to be simplified
A Result of RSM
14
合計:428名
Rule Space Method (RSM)

Knowledge State (KS)に分類
回答パターンを元に : 学習進度、習得・未習得単元
 受験者個々人を分類
 階層関係

 どの位置(ステージ)に現在立っているか?
 今後どのような方向に進めば良いか?

絡み合った Attribute
解答パターンの把握:思考方法、習得技量
 別解
 問題分析がキーポイント : “Attribute”

15
3. 科学的推論能力テスト
 科学的推論能力テスト
 Science
Reasoning Test (SR-Test)
 受験者の問題解決特性を把握する試験
 提示された資料を元に読み解いて
問題解決を行うタイプの試験
<====> 従来の学科目試験
16
ACTの試験

AAP : ACT Assessment Program
非営利法人 ACT,Inc. が提供
(American College Testing, Inc.)
 教科カリキュラムに基づくテスト

 英語
: 70問(45分)
 数学 : 60問(60分)
 読解 : 40問(35分)
 科学的推論能力テスト : 40問(35分)
 多肢選択型設問

ACTの許諾を得て実験に利用
17
試験問題の特徴




自然科学分野の論理思考に関する能力
受験者の問題解決特性を把握する試験
自然科学に必要な判断能力、分析能力、
評価能力、論理性、問題解決能力を測る
個々の Passage (大問)
A.科学的な情報を提示する資料部分 : 3種類
B.資料に続く幾つかの多肢選択式の設問群
18
資料の提示形式

3種類
① データによる表示 : Data Representation
グラフや表
② 研究の要約 : Research Summaries

実験デザインや実験データ
③ 相反する観点 : Conflicting Viewpoints

いくつかの仮説や視点
19
20
資料の提示形式
① データによる表示 : Data Representation

グラフや表
② 研究の要約 : Research Summaries
実験デザインや実験データ
③ 相反する観点 : Conflicting Viewpoints

いくつかの仮説や視点
21
22
資料の提示形式
① データによる表示 : Data Representation

グラフや表
② 研究の要約 : Research Summaries

実験デザインや実験データ
③ 相反する観点 : Conflicting Viewpoints
いくつかの仮説や視点
23
24
SR-Testの設問
科学的思考を用いて辿り着くこと
提供された情報をもとに
関連する概念を発見・把握し、理解
提示された情報と各自で引き出した結論
明らかになった仮説
批判的に吟味する必要性も
事実を知っているかということよりも、
提示された情報から科学的論理思考を
行う能力があるかどうかを測る
25
4. 実験方法



SR-Testの一つの版を利用、日本語版
286名の大学 1年生、45分間で解答
7つの Passage (総設問数 40)
大問番号 設問数
取り扱われている題材
P assage 1
5
元素の同位体
P assage 2
6
光合成による C O 2 の収支
P assage 3
5
原生動物の分類
P assage 4
7
重力の測定方法の検討
P assage 5
6
放射性元素の半減期による年代測定
P assage 6
6
ビタミン C の含有量測定
P assage 7
5
振り子の運動

関係するトピック
物理、化学
生物
生物
物理、地学
物理
化学
物理
割り付け


属性に注意しながらなるべく均等になるように
Passage提示順
26
表2.各Passageの取り扱っている題材
大問番号 設問数
取り扱われている題材
P assage 1
5 元素の同位体
P assage 2
6 光合成による C O 2 の収支
P assage 3 X 5 原生動物の分類
P assage 4
7 重力の測定方法の検討
P assage 5
6 放射性元素の半減期による年代測定
P assage 6
6 ビタミン C の含有量測定
P assage 7
5 振り子の運動

関係するトピック
物理、化学
生物
生物
物理、地学
物理
化学
物理
問題分析(Task Analysis)
Passage 3は除外 : 思考過程が他と異質
 Item数 : 40 ==> 35

45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
頻度
正答数毎の頻度
0
5
10
15 正答数 20
25
30
35
平均:29.6
4. RSMに適用


Knowledge Stateを求めてみる
適用データ
SR-Test の日本語バージョン
 286名分の項目反応パターン
 Item数 : 35
 Attribute数 : 当初 約80 (Passage 3は除外)


まずは部分的に : Passage 1,2,4
Item数 : 18
 Attribute数 : 12 <== 当初約25

28
An example of Incidence Matrix

Task Analysis : Attributeの抽出
Extraction of Attribute, refining
Domain Expert of these subject, teacher
筆記式での解答例も参考に
29
30
Working with figures,
tables and graphs
Logical relation in
sentences
Deductive thinking
31
Result of RSM for SR-Test
32
286名中225名(78.7%)
Result of RSM for SR-Test
33
286名中225名(78.7%)
Result of RSM for SR-Test
9 8 6
: 仮説の成立条件 : 思考
: 「同位体」の理解 : 事柄・現象
: 文章の論理的な関係 : 思考
: If-Then 関係
: 思考
: 「重力」の理解
: 事柄・現象
2 5
34
286名中225名(78.7%)
Rule Space Method

SR-Testに対する解釈例

解答するための3つのキーポイント
 文章の論理的な関係
関係 [8]
 「重力」の理解 [9]
 If-Then

副次的なポイント
 仮説の成立条件
[5]
 「同位体」の理解 [2]

[6] : 思考
: 思考
: 事柄・現象
: 思考
: 事柄・現象
分類結果の妥当性

クラスター毎の被験者の特性
 項目反応パターン
35
Rule Space Method


Attribute の重要性
問題分析(Task Analysis)
Attribute の抽出作業
 試験問題に精通した専門家

教員、ドメイン・エキスパート
大掛かりな作業 : 行きつ、戻りつ。精錬。
 RSM の有用性の可否を握る。核心。

Knowledge
State (KS)の特性に強く影響する。
36
5. まとめ

RSMの紹介




クラスタリング手法
学習進度に基づいて
適用例 : SR-Test
今後の展開 : 有用性の確認





関連トピック


Facet Theory
POSA

結果の吟味
Attributeの再精煉?
全体の Items に対して適用
他の Items にも適用
Attribute
問題分析(Task Analysis)
 効率的な抽出方法の開発
 精煉方法、ノウハウ

(Partial Order Scalogram Analysis)

学習診断実現に向けて

理論的、システム的
37
ダウンロード

上記の PowerPoint ファイル