ゴースト場凝縮と宇宙論
向山信治 (東京大学)
平成19年5月29日
•Arkani-Hamed, Cheng, Luty and Mukohyama, JHEP 0405:074,2004.
•Arkani-Hamed, Creminelli, Mukohyama and Zaldarriaga, JCAP 0404:001,2004.
•Mukohyama, Phys.Rev.D71:104019,2005.
•Arkani-Hamed, Cheng, Luty and Mukohyama and Wiseman, JHEP 0701:036,2007.
•Cheng, Luty, Mukohyama and Thaler, JHEP 0605:076,2006.
•Mukohyama, JCAP 0610:011,2006.
•Mukohyama, JHEP 0705:048, 2007.
イントロ
• 長距離での重力
銀河の回転曲線
余分な引力
超新星の観測
宇宙の加速膨張
• 通常のアプローチ: 新しいタイプの(未知
の)物質 (DARK MATTER) とエネルギー
(DARK ENERGY)を導入
暗黒成分は昔もあった???
19世紀、水星の近日点移動
が発見された時、、、
太陽
水星
人々は、 Vulcanという名
の“dark planet”を導入し
て説明しようとしたが、、、
太陽
水星
本当の答えは “dark planet”ではなく、「重力を変えなさ
い」という事だった、Newton から GR へ
ダークエネルギーやダークマターを
導入する代わりに、重力を長距離や
長時間で変更できないだろうか?
理論を変える?
有効理論が巨視的スケールで破綻
(例:Massive gravity, DGP model)
Massive gravity & DGP model
H0-1
1000km
Need UV
completion
Look like
4D GR
length scale
Modified gravity
in IR
4D GR
Need UV
completion
length scale
lPl
microscopic
UV scale
Exactly 4D GR
巨視的UVスケールの出現を避けつつ、重力を
長距離や長時間で変更することは可能なのか?
ダークエネルギーやダークマターを
導入する代わりに、重力を長距離や
長時間で変更できないだろうか?
理論を変える?
有効理論が巨視的スケールで破綻
(例:Massive gravity, DGP model)
状態を変える?
重力のヒッグス相
最も単純なもの:ゴースト場凝縮
Arkani-Hamed, Cheng, Luty and Mukohyama, JHEP
0405:074,2004.
ヒッグス機構
• 対称性を自発的に破り、ゲージ粒子に質量
を与える!(理論自体は対称性を持つ。)
• 力の法則が、ガウス則から湯川則へ!
弱い相互作用を記述できる!
ゴースト場凝縮
Arkani-Hamed, Cheng, Luty and Mukohyama, JHEP 0405:074,2004.
• Lorentz対称性を自発的に破り、重力子に
“質量”を与える!(理論自体は、もちろん
Lorentz対称性を持つ。)
• 力の法則が、ニュートン型+時間依存する振
動型へ!(但し、振動部分の時間のスケール
は非常に長い)
= 重力のヒッグス機構
ヒッグス機構
オーダー
パラメータ

ゴースト場凝縮
 
V (|  |)
P  ( )2 


不安定性
タキオン
凝縮点
V’=0, V’’>0
 
2
2
ゴースト
2


P’=0, P’’>0
自発的に破 ゲージ対称性
る対称性
変更する力 ゲージ場による力
時間座標の変換に対
する不変性
重力
力の法則
ガウス型+振動型
湯川型
低エネルギー有効理論は
対称性の破れのパターンだけで決まる
背景を特徴づける仮定:

   0 で timelike
計量は極大対称:
ミンコフスキー または ドジッター
p  
 を時間座標に選ぶ

 (t , x )  t.
(p=0, ユニタリゲージ)
残っている対称性の変換
  
x  x (t , x )
残っているこの対称性で不変な、
最も一般的な作用を書き下す.
(
pの作用: ユニタリゲージをUndo!)
平坦な背景から始める
g      h
h       
 i によって
h00  0, h0i   0i , hij   i j   ji
残っている対称性
i で不変な作用は?
平坦な時空が解であると仮
2
定したので、摂動の2次から
 h00  OK
2
始まる
 h0i 
1
Kij    0 hij   j h0i   i h0 j 
K 2 , K ij Kij OK
2
Leff  LEH
pの作用
1 2  2 ij
2

 M  h00   2 K  2 K Kij 
M
M

4
0
p



h00  h00  2 0p
Kij  Kij   i  jp
2
1
2

2
Leff  LEH  M  h00  2p   2 K   p
M

2

ij
i
j
 2 K    p Kij  i  jp  
M

4





E  rE
1
dt  r dt
dx  r
1 / 2
dx
作用は
不変
2
2

1

(

p
)
3
2
dtd
x
p



2

M
2
p  r 1/ 4p
IRでleadingの非線形項
3
dtd
 x
p (p ) 2
~2
M
のスケーリング次元は 1/4. (Barely) irrelevant!
Consistentな低エネルギー有効理論



• 対称性の破れのパターンだけから、低エネル
ギー有効理論を決定できた!
• どんなラグランジアンから出発しても、対称性
の破れのパターンが同じでありさえすれば、
必ず同じ有効理論になる。
• Robustな予言が可能!
結果が面白いかどうかに依らず、詳しく調べる
価値がある(と思う)。
幸運なことに、ゴースト場凝縮は非常に興味深
い宇宙論的帰結を導く。
対称性の自発的破れのスケールMに対する制限
0
100GeV
許される領域
1TeV
禁止される領域
ジーンズ不安定性
(太陽に適用)
重力レンズ効果
(CMBに適用)
時間の遅れ
(超新星に適用)
禁止される領域
禁止される領域
対称性の破れのスケールMが100GeV以下な
らば、矛盾する観測や実験は今のところない
宇宙論へ応用!
M
ヒッグス機構
オーダー
パラメータ

ゴースト場凝縮
 
V (|  |)
P  ( )2 


不安定性
タキオン
凝縮点
V’=0, V’’>0
 
2
2
ゴースト
2


P’=0, P’’>0
自発的に破 ゲージ対称性
る対称性
変更する力 ゲージ場による力
時間座標の変換に対
する不変性
重力
力の法則
ガウス型+振動型
湯川型
一様等方(FRW)宇宙で

L  P ( )
2

P  ( )2 
ゴースト場凝縮は
系のアトラクター!
運動方程式は、
を考えると、
 t [a P  ]  0
3
  0
不安定
または
3

P  a 0
 a  
2

P( )  0

暗黒エネルギーと暗黒物質の代わり
2
になれるか?
P ( )


通常のヒッグス機構
V 
一様等方な(FRW)背景宇宙
L=0
L 0 L 0
についてはOK!
L=0
0
eff

線形摂動についてもOK!
現在の値

eff
暗黒エネルギー
暗黒物質
的成分
的成分
非線形ダイナミクスは?
凝縮相
インフレーションを起こせるか?
• ゴーストインフレーション
Arkani-Hamed, Creminelli, Mukohyama and Zaldarriaga, JHEP 0404:001,2004
Hybridタイプ
Slow-rollではない
• スケール不変な揺らぎ
COBE normalization r/r~10-5: H/M~10-4
• 近い将来、観測で区別できる可能性
ガウシアンからのズレが比較的大きい
fNL ~ 80 (@ k1=k2=k3)
3点関数の形
pのスケーリング次元
揺らぎの大きさ
r
r
~
~
Hp

H
 
M 
 ~ M 2
p ~ M  ( H / M )1/ 4
5/ 4
H
[通常は
ガウシアンからのずれ
最低次の非線形項
1/4
H
non-G ~  
 M  1/ 5
 r 
~  
 r 
M Pl 
p (p )
]
2
2
M
非線形項の
スケーリング次元
実際に計算すると、 “0.1”x(r/r)1/5 ~ 10-2.
fNL ~ 80 程度に対応。
インフレーションを起こせるか?
• ゴーストインフレーション
Arkani-Hamed, Creminelli, Mukohyama and Zaldarriaga, JHEP 0404:001,2004
Hybridタイプ
有効理論の適用範囲内
Slow-rollではない
で可能!
• スケール不変な揺らぎ
COBE normalization r/r~10-5: H/M~10-4
• 近い将来、観測で区別できる可能性
観測でモデルの
ガウシアンからのズレが比較的大きい
成否が判定できる!
fNL ~ 80 (@ k1=k2=k3)
3点関数の形
ゴーストインフレーションでの3点関数
1  k2 k3 
F (k1 , k2 , k3 )  6 F  , 
k1  k1 k1 
k2 / k1
k3 / k1
k3 / k1
k2 / k1
近い将来、
ガウシアンからのずれが“局所的”な場合
観測で区別できる!
3
1
  G 
k2 / k1
k3 / k1
5

f NL   G2   G2

ここまでのまとめ
• ゴースト場凝縮は、 最もシンプルな重力のヒッグス
相。
• 低エネルギー有効理論は、対称性の破れのパター
ンだけで決定される。ゴーストは含まない。
• 長距離・長時間で重力が変更される。
• 一様等方宇宙と線形摂動については、あたかも暗
黒エネルギー+暗黒物質のように振舞う。
• ゴーストインフレーションは、スケール不変な揺らぎ
を生成。ガウシアンからのずれにより、近い将来、
観測によって成否を判定可能。
重力のヒッグス相の豊かなダイナミクス
• 有限サイズの効果
• 重力源の運動の効果
摩擦、ゴースト場凝縮静止系の引きずり、、、
• 非線形ダイナミクス
would-be caustics, bounce
• 静止系の大規模構造
• ブラックホールへの膠着
対称性の自発的破れのスケールMに対する制限
0
100GeV
許される領域
1TeV
禁止される領域
ジーンズ不安定性
(太陽に適用)
重力レンズ効果
(CMBに適用)
時間の遅れ
(超新星に適用)
禁止される領域
禁止される領域
対称性の破れのスケールMが100GeV以下な
らば、矛盾する観測や実験は今のところない
M
コメント
• 重力+場の理論において最も対称性が高い
のは極大対称。美しいがつまらない。
(Minkowski or dS) + (Lorentz不変な真空)
• ゴースト場凝縮は2番目に対称性の高い
クラスを与える。豊かで興味深いダイナミクス。
(Minkowski or dS) + (南部ゴールドストーンボ
ソンが1つ)
• もっと性質を調べる必要がある。
• UV completionがあれば嬉しい。
Mukohyama, JHEP 0705:048, 2007
ヒッグス機構
オーダー
パラメータ

ゴースト場凝縮
 
V (|  |)
P  ( )2 


不安定性
タキオン
凝縮点
V’=0, V’’>0
 
2
2
ゴースト
2


P’=0, P’’>0
自発的に破 ゲージ対称性
る対称性
変更する力 ゲージ場による力
時間座標の変換に対
する不変性
重力
力の法則
ガウス型+振動型
湯川型
ダウンロード

ゴースト場凝縮と宇宙論