2010年3月5日 長周期地震動対策に関する公開研究集会
長周期地震動による建築物への被害把握
のために確認すべき項目の調査
(その1)被害把握手法の整理
中村 充 (大林組)
1
長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
全体の構成
・2章 超高層建築物の被害把握において特に考慮
すべき課題の整理
・3章 長周期地震動による構造体の損傷を把握
するために必要な応答量の取得方法の整理
・4章 建築物の応答量を基に構造体の損傷を推定
する方法の整理
・5章 発災後の経過時間を基軸とした構造体損傷
の総合的な評価方法の整理
・付録 実地震における被害調査および損傷評価の
実施例
2
長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
3章
長周期地震動による構造体の損傷を
把握するために必要な応答量の取得
方法の整理
3
長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
評価対象と応答量の種類
・ 建物の評価対象を大きくいくつかの部位に分割
「建物全体」 「層」 「構造部材単体」
「制振ダンパー」 「非構造部材」
・ 部位ごとに,どのような「応答量」を評価すること
で構造損傷を把握できるかについて検討
・ 建物部位に対して,構造損傷を評価するために
把握すべき応答量を列挙
例 「外観」 「変位」 「加速度」 「固有振動数」
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
評価対象と応答量の種類
評価対象
応答量
建物全体
層
構造部材単体
制振ダンパー
非構造部材(内
外装)
什器,設備
外観
・敷地の変状
・外装材の変状
,損傷
・設備の動作状
況
・内装材の変状,
損傷
・設備の動作状
況
・座屈(局部,捻
れ),亀裂,破
断
・耐火被覆落下
,防錆塗料剥が
れ
・座屈,亀裂
・防錆塗料剥が
れ
・油漏れ
・ずれ,割れ,脱
落,落下,転倒,
内外装材本体
の破損,取付け
用ファスナー類
の破損
変位
・傾き
・残留変位
・層間変位
[最大・履歴(累
積)・残留]
・床の傾き
・残留変位,変
形
・ダンパー変位
[最大・履歴(累
積)・残留]
・ずれ(移動量,
目地)
加速度
・基礎入力加速
度[最大・履歴]
・各階加速度
[最大・履歴]
その他の物性
・固有振動数
・層剛性
・表面硬さ
・温度[最大・履
歴]
・表面硬さ
・温度[最大・履
歴]
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答量の取得に資する方法と道具
およびセンサ
・応答量のそれぞれについて,具体的にどのような
道具あるいはセンサが必要となるか
応答量
測定手段
外観
目視,望遠鏡
亀裂
探傷(浸透,磁粉,超音波)
変位(一般)
スケール,巻尺,最大変位記録センサ,累積変位記録センサ,
動的変位計,監視カメラ
変位(鉛直度)
トランシット,下振り
変位(水平度)
水準器,レベル
加速度
P波センサ※1,加速度計
硬度
硬度計(超音波式,接触式)
温度
温度ヒューズ※2,記録式温度計
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答量の取得に資する方法と道具
およびセンサ
・ 「発災前準備の必要性」が重要
・ 発災前準備の必要レベルには「常置」と「臨時」の
違いが存在する
・ 「測定器」は,比較的簡単に利用可能なものから,
十分な準備と特殊な専門的知識を必要とするもの
まで,さまざま
→ 「簡易手法」と「詳細手法」に区別
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答量の取得に資する方法と道具
およびセンサ
・発災前に設置しておく必要があるもの
部位
応答量
簡易手法
詳細手法
建物全体
建物入力加速度
P波センサ
加速度計(地震計)
建物全体
固有振動数
-
加速度計(健全時データとして事前データが必要)
層
各階加速度
P波センサ
加速度計(地震計)
層
層剛性
-
加速度計(健全時データとして事前データが必要)
構造材
表面硬さ
-
硬度計(初期データが必要)
構造材
温度
温度ヒューズ
記録式温度計
ダンパー
変位
最大変位記憶センサ
累積変位記憶センサ
動的変位計
ダンパー
表面硬さ
-
硬度計(初期データが必要)
ダンパー
温度
温度ヒューズ
記録式温度計
什器・設備
外観
監視カメラ
-
什器・設備
変位
監視カメラ
-
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答量の取得に資する方法と道具
およびセンサ
・発災後に適用することが可能なもの
部位
応答量
簡易手法
詳細手法
建物全体
変位(傾き・外装目地ずれ・立ち精度)
目視
トランシット
建物全体
固有振動数
-
加速度計(臨時計測)
層
変位(層間変形)
下げ振り
トランシット
層
変位(床傾き)
水準器
レベル
層
層剛性
-
加速度計(臨時計測)
構造材
外観(耐火被覆落下,防錆塗料剥がれ)
目視
-
構造材
亀裂
目視
探傷(浸透,磁粉,超音波)
構造材
表面硬さ
-
硬度計
ダンパー
外観(耐火被覆落下,防錆塗料剥がれ,オイルダン
パー・粘弾性ダンパー破損)
目視
-
ダンパー
亀裂
目視
探傷(浸透,磁粉,超音波)
ダンパー
表面硬さ
-
硬度計
非構造材
外観・破面
目視
ファスナー類の破断面の顕微鏡観察
非構造材
変位
巻尺等
-
什器・設備
外観
目視
-
什器・設備
変位
巻尺等
-
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・応答量取得手段の特徴と課題について整理
1) 測定手段が必要とする技術者のレベル
(普及度,難易度)
2) 測定手段が必要とする装置の特殊性
(普及度,コスト,電力等の要否)
3) 建屋内での作業性と安全性
(内装撤去の要否とアスベスト飛散防止)
4) 発災後,データを得るまでに必要な時間
(データの保存性,データの回収方法)
5) 必要な維持管理 (事前準備が必要な手段の場合)
6) 測定手段による損傷評価の精度,信頼性
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・例
部位
建物全体
応答量
変位(傾き)
手段
トランシット
必要技術者のレベル
建設技術者
装置の特殊性(電力等の要否)
レンタル品が普及
作業性(内装撤去の要否)
建物全体が見通せる立地が必要
発災後の対応時間
装備が手配でき次第対応可
精度,信頼度
作業者の技量に左右される
課題
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・例
部位
建物全体・層
応答量
建物入力加速度・各階加速度
手段
加速度計(地震計)
必要技術者のレベル
専門家
装置の特殊性(電力等の要否)
特殊. 電力必要だが,事前設置の場合通常UPSを装備.
作業性(内装撤去の要否)
事前設置が必要
発災後の対応時間
リモート管理されていれば,電話回線が復旧次第データ取得可能.
リモート管理でない場合,データ回収時間は交通状況に依存.
精度,信頼度
高精度,高信頼度
課題
装置が高額. 維持管理にコストがかかる
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・例
部位
建物全体
応答量
固有振動数
手段
加速度計(臨時計測)
必要技術者のレベル
専門家
装置の特殊性(電力等の要否)
特殊.電力必要(電池でも対応可).
作業性(内装撤去の要否)
特殊な準備作業は不要
発災後の対応時間
技術者と装置を準備する必要あり.数日~数週間オーダ必要.
精度,信頼度
微動測定結果は非構造材の影響を受けやすい
課題
構造損傷との定量的相関が不明
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・例
部位
構造材・鋼材ダンパー
応答量
外観・亀裂
手段
目視
必要技術者のレベル
特殊技術不要だが,定量化のためには知識が必要
装置の特殊性(電力等の要否) -
作業性(内装撤去の要否)
構造体を露出させるため,内外装撤去必要の可能性あり
発災後の対応時間
内外装を撤去する必要がある場合,撤去作業の完了待ち.
精度,信頼度
定量化の精度は低い
課題
鋼材表面の防錆塗装の方法で損傷時の変状様相が異なる
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・例
部位
構造材・鋼材ダンパー
応答量
亀裂
手段
超音波探傷
必要技術者のレベル
高度な技術者
装置の特殊性(電力等の要否)
特殊.電池駆動可
作業性(内装撤去の要否)
手法によって,構造体を露出させるため,内外装撤去必要の可
能性あり
発災後の対応時間
技術者と装置を準備する必要あり.数日~数週間オーダ必要.
内外装を撤去する必要がある場合,撤去作業の完了待ち.
精度,信頼度
高精度,高信頼度
課題
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
各応答取得方法の特徴と課題点
・例
部位
ダンパー
応答量
変位
手段
最大変位記憶センサ
必要技術者のレベル
特殊技術不要だが,定量化のためには知識が必要
装置の特殊性(電力等の要否)
特殊.通常,電力不要
作業性(内装撤去の要否)
事前設置が必要.記録結果の読み取りは,通常,点検口等か
ら可能
発災後の対応時間
目視読取り可能なものであれば,直後の対応可能.特殊な読
取装置を要するものは装備が手配でき次第対応可
精度,信頼度
一定の精度確保は可能
課題
構造損傷の定量的評価には不十分
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
応答量取得における新しい技術の活用
・AEセンサ
低コスト化を目指した簡易センサ 亀裂検出
・自己診断センサ
最大歪記憶材料の活用 低コスト化
・RFIDタグセンサ
導電性塗料による亀裂検知シートとRFIDの組合わせ
・RTK-GPS
GPSの利用による絶対位置検知→残留変位検知
・建物層間の相対変位を直接測定するセンサ
層間変位を直接計測→損傷指標を直接測定
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
応答量取得方法の整理からわかったこと
・ 被災後の対応のみで損傷評価が可能な手法や,鉄骨造
の耐火被覆等を除去することなく非破壊で損傷検出が可
能な手法は,いずれも現時点では限定的
→ 簡便性,低価格を目指した新しいセンサ&
地震計の開発が待たれる
・ 損傷評価につながる応答量と実際の損傷との定量的関係
について明確でないものが多い
→ 実建物における地震観測・計測などを通じて
知見が積み重ねられることが必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
4章
建築物の応答量を基に構造体の損傷を
推定する方法の整理
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
時間軸と目的に応じた構造体の
損傷推定方法
■構造体の損傷推定方法
(1) 建物の実応答量に基づく推定
(2) 地震応答解析に基づく推定
を総合的に考慮し,建物の残存耐震性と継続使用性
を判断することが望ましい
■時間軸の概念
・ 発災後の経過時間と目的に応じて,構造体の損傷推定
方法は異なる
■事前準備の必要性
・ 早急に被害調査を行える体制を,事前に整備しておくこ
とが重要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
時間軸と目的に応じた構造体の
損傷推定方法
■発災当日~翌日
・緊急
/継続使用可否の簡易判断
・実応答 /外観検査 : 建物の傾斜,層の残留変形
センサー : 非構造部材損傷,最大値
・応答解析/入力地震波 : 最寄りのK-NET記録等を使用
建物モデル : 1質点or多質点(事前準備必要)
■発災後1週間~半年程度
・高精度 /継続使用可否の詳細判断,補修計画作成
・実応答 /外観検査 : 鉄骨柱梁接合部探傷
センサー : 時刻歴加速度記録
・応答解析/入力地震波 : 建物基礎位置の入力を作成
建物モデル : 多質点orフレームモデル
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
損傷評価指標
(1)建物全体・層・構造部材
■損傷評価指標となりうるもの
・現状では確立された指標はない
・簡易:外観の変状(建物の傾き,層の残留変形)
・詳細:(層・部材)塑性率
(層・部材)累積塑性変形倍率
■損傷評価指標の定量評価
・累積塑性変形倍率の「安全限界値」が利用可能
(北村春幸ら「性能設計における耐震性能判断基準に関する研究」
日本建築学会構造系論文集,2006.6)
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
損傷評価指標
(2)制振ダンパー
■損傷評価指標
・鋼材ダンパー:限界状態の定義が明確
[ 塑性率、 累積塑性変形倍率 等 ]
・その他のダンパー(オイル,粘性,粘弾性,摩擦)
:限界状態の定義が不明確
← 設計で損傷を許容しない
損傷限界範囲内での性能確認試験のみ
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
損傷評価指標
(2)制振ダンパー
■長周期地震動を想定した多数回繰返しへの対応
・鋼材ダンパー
:データ蓄積あり
例:鋼材ダンパーの設計疲労曲線(文献5)
・その他のダンパー(オイル,粘性,粘弾性,摩擦)
:データ蓄積不十分
例:摩擦ダンパーの耐久性試験(文献6)
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
損傷評価指標
制振ダンパーの多数回繰返し試験の例
■摩擦ダンパーの
耐久性試験(文献6)
全歪振幅
■鋼材ダンパーの設計
疲労曲線(文献5)
破断サイクル数
軸降伏型鋼材ダンパー
高力ボルト摩擦接合
滑りダンパー(FSD)
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
損傷評価指標
■損傷評価指標における課題
⇒ 評価対象(建物・層・構造部材・ダンパー)毎の
損傷評価指標の整備が必要
⇒ ダンパーの損傷評価指標の整備が必要
(簡易な指標・詳細な指標)
⇒ ダンパーの限界状態に関する実験・解析デー
タの蓄積が必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
応答量から損傷評価指標への変換
■応答量から損傷評価指標への「変換」プロセス
・「応答量」:多種多様
↓・・・(変換)
中間段階としての「指標」
↓・・・(変換)
「損傷評価指標」
(例:塑性率,累積塑性変形倍率)
・現状は研究者が独自の「応答量」-「指標」で整理
⇒ 「変換」プロセスの体系的な整理が必要
(評価に要する時間・評価精度)
⇒ 技術者に共通の指標が必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
応答量から損傷評価指標への変換
独自の「応答量」-「指標」関係の例
■さび止め塗料の剥離
状況-ひずみ量(文献7)
■鋼材の硬さ変化率ー
累積塑性歪(文献8)
累積塑性歪
硬さ変化率
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
損傷評価指標に影響する因子
■損傷評価指標に影響する因子(構造部材)
・建設年代によって異なる仕様が損傷評価指標に影響
・使用材料:鋼材,溶接材料,溶接方法,・・・
・部材断面:柱(□,H),梁(ハニカム,H),・・・
・接合ディテール:スカラップ,梁端混用接合,・・・
・施工法:パス間温度管理,・・・
■最近の知見
・載荷履歴:塑性変形能力に影響(文献12,13,14)
・実大実験による性能検証(文献10,11)
⇒ 因子の影響の定量化,実験データの蓄積が必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
地震応答解析による推定
■発災初期段階
・目的
/継続使用可否の簡易判断(緊急,簡易)
・解析方法 /応答スペクトル利用or時刻歴解析
・建物モデル/1質点or多質点(事前準備必要)
・入力地震波/最寄りのK-NET記録を直接利用
■発災から一定時間経過後
・目的
/詳細判断,補修計画作成(詳細,高精度)
・解析方法 /時刻歴解析
・建物モデル/多質点系orフレームモデル
・入力地震波/建物基礎位置の入力波を作成
■損傷評価の所要時間短縮のための課題
・事前の解析モデル準備
・損傷評価プロセス,手法のマニュアル化
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
地震応答解析による推定
入力地震動
■解析用の入力地震動の設定方法が課題
・ 被災建物において地震観測を行っていない場合,
種々の方法により入力波を設定することになる
→ 解析結果の精度(ばらつき)に影響を与える
■地震観測記録の入手先
・K-NET(防災科研,20~25km間隔),KiK-NET
・自治体,官民研究機関,ビル所有者等による地震観測
⇒非公開である事が多く,行政等から観測記録
の積極的公開への働きかけが望まれる
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
地震応答解析による推定
入力地震動
■建物基礎位置の入力波の設定
・ 最寄りのK-NET記録から,建物基礎位置の入力を作成
する方法は幾つか考えられる(SHAKE等を利用)
・ 精度や作成手間の点で直接地震観測に勝るものはない
⇒超高層建物には,全数(または建物群単位で)
基礎位置の地震観測が行われることが望ましい
■地震観測を普及させるための課題
・ 初期費用,維持管理費用の更なる低コスト化
・ 継続使用性の判断,復旧期間の短縮に有効であるという
社会認識を醸成させる仕掛けが必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
地震応答解析による推定
建物のモデル化,応答出力と評価
簡易・短時間
■1質点系モデル
・主に応答スペクトルを利用し,周期と減衰を仮定
・高次モードの影響,高さ方向の応答分布等の仮定必要
・全体的な応答を評価(概ね弾性範囲か,など)
■多質点系モデル(等価せん断型など)
・建物図面や設計図書が入手可能な場合
・層レベルの損傷を評価(最大,累積,残留)
■フレームモデル(平面,立体)
・設計時のモデル情報が残存しない場合ハードル高い
・部材レベルの損傷を評価(最大,累積,残留)
詳細・長時間
⇒所要時間短縮には,モデルの事前作成が必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
地震応答解析による推定
建物の地震応答解析技術の限界
■現在のシミュレーションの限界
・ 最新の解析技術を駆使しても,大地震時の建物の
実挙動・損傷を完全に評価することは困難
■精度向上のために
・ E-ディフェンス等の振動台実験による更なる検証と
知見の蓄積が有効
・ 建物地震観測の普及による実応答データの更なる蓄積と
観測結果に基づく検証の積み重ねが望まれる
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
地震応答解析による推定
地震観測と地震応答解析の融合
■損傷(塑性率等)を地震観測に基づき推定する場合
・ 地震観測は高精度だが,高コスト
・ 限られた観測点から部材個々の損傷をすべて推定する
ことは困難
・ 地震観測等の実応答量と地震応答解析とを併用した
損傷評価が現実的
⇒ 地震観測と地震応答解析の融合による低コスト・
高精度な損傷推定を目指すべき
⇒ そのためには,最低限の観測の具体化と知見の
積み重ねが必要
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長周期地震動による建築物への被害把握のために確認すべき項目の調査
残存耐震性の評価
■現行の技術指針(S造対象)の特徴
・国内:建築防災協会「震災建築物の被災度区分判定基準および
復旧技術指針」(文献9)
・海外(米国):FEMA-352(文献15)
・主に中低層が対象,簡略な評価手法に限定
■現行の技術指針の課題
・超高層の残存耐震性を過小評価する恐れ
・制振ダンパー付き建物は対象外
・多数回繰返しによる累積損傷の扱いが不明
⇒ 超高層を対象とした残存耐震性評価研究を
すすめることが必要
36
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