第 5 学年
理科学習指導案
指導者 千葉市立花見川第三小学校
栗林 修
1.研究主題
自ら学び心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成
【部会テーマ】
○個を生かした学習指導の進め方《小中合同主題》
○教科の本質にもとづき、児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導法の追究
《小学校主題》
2.単元名
流れる水のはたらき
3.単元について
(1)単元観・指導観について
本単元は、学習指導要領「B(3)流水の働き:地面を流れる川や水の様子を観察し、流れる水の速
さや量による働きの違いを調べ、流れる水の働きと土地の変化の関係について考えをもつことができる
ようにする。」を受けて構成されている。ここでは、地面を流れる水や川の働きについて興味・関心を
もって追究する活動を通して、流水の働きと土地の変化の関係について条件を制御して調べる能力を育
てるとともに、それらについての理解を図り、流水の働きと土地の変化の関係についての見方や考え方
をもつことができるようにすることがねらいである。
本学級の子どもたちは、男子12名、女子 7 名、計19名の学級で、学習に対して意欲的に取り組む
子どもと、そうでない子どもとの差が大きい。また、自然の中での生活経験が乏しく、経験したことを
学習に結びつけて理解させるのが非常に難しい。流れる水に関しても、雨水が流れているのを見たこと
がある子どもは多数いるが、その様子を詳しく観察した経験が無く、学習に役立つ生活体験までには至
らない。中には流れている様子を全く見たことがないという児童もいる。そのため、子どもたちには流
れる水の働きである「侵食作用」
「運搬作用」
「堆積作用」の 3 つの働きを実験で丁寧に扱う必要がある
と考えた。また、大日本図書のグラウンドや土山などで行う流水実験では、
「侵食作用」「堆積作用」を
確認することはできるが、
「運搬作用」を確認することは難しい。6 学年流で扱う「土地のつくりと変化」
では、運搬作用が大きく関わるため系統性を考えるとしっかりと扱う必要があると考えた。
そこで、本単元では運搬作用に焦点をあてる流水実験を行う単元構成を考え、導入としてグラウンド
で流れている雨水や、意図的に流した水の様子を観察することで経験不足を補い、流れる水の 3 つの作
用に気付かせたい。
また、川の流れを再現する実験では、クラス全員で 1 つの実験の観察を行うことでは、満足に水や石
等が流れる様子を観察できず、自分の問題としてとらえられない子どもがいる。特に本学級では学級全
体で活動を行うと、特定の子どもが中心となって活動を進めてしまうことがほとんどであり、その他の
子どもたちが自ら進んで活動する様子が見られないことが多い。そのため、理科室で行える簡易な流水
実験器を使用することで、尐人数での実験を行いたい。このことにより、子どもが問題意識をもち、自
ら進んで活動することで、実感を伴った理解をすることができると考える。
1
4.単元の目標と評価基準
○ 地面を流れる水や川のはたらきについて興味・関心をもって追究する活動を通して、水や川の働
きについての理解を図り、流水の働きと土地の変化の関係について見方や考え方をもつことがで
きる。
○川のようすに興味・関心をもち、流れる水のはたらきを自ら調べようと
自然現象への
関心・意欲・
態度
している。
○自然の川での流れる水のはたらきに興味・関心をもち、自然の川での現
象を自ら調べようとしている。
○流れる水のはたらきと生活との関係に興味・関心をもち、その関係を自
ら調べようとしている。
○流れる水と土地の変化について予想をもち、条件に着目して実験を計画
し、表現している。
○流れる水のはたらきと土地の変化を関係づけて考察し、自分の考えを表
科学的な
思考・表現
現している。
○上流と下流の川原の石の大きさや形と流れる水のはたらきを関係づけて
考察し、自分の考えを表現している。
○モデル実験で見出したきまりを実際に川にあてはめて考察し、自分の考
えを表現している。
○流れる水の速さや量と流れる水のはたらきとの関係について、条件を整
えて実験を行い、その過程や結果を記録している。
○降水量と川の水の量の関係をグラフから読み取ったり、資料などを活用
観察・実験の
技能
して調べたりしている。
○安全に配慮し、川の流れとそのはたらきについて観察や実験を計画的に
行い、その過程や結果を記録している。
○洪水や洪水を防ぐ工夫について、インターネットなどを活用して情報を
週数している。
○流れる水には、侵食・運搬・堆積の働きがあることを理解している。
○降水によって川の水の量が増え、川の流れは速くなり、侵食や運搬のは
たらきが大きくなり、土地のようすを大きく変化させることがあること
自然現象への
知識・理解
を理解している。
○上流と下流で川原の石の大きさや形に違いがあり、その違いは流れる水
のはたらきに関係していることを理解する。
○堤防などで洪水を防ぐ工夫をしたり、洪水時の対策などを立てたりして
いることを理解している。
2
5.単元の指導計画(11時間)
時間
学習活動と内容
雨水がグラウンドを流れる様子や、流れたあとがどうなっているのか
1
観察しよう。
雨が降っているときに雨水がどのように流れているのか、また、流れたあとはど
うなっているのか観察し、話し合う。
資料をもとに川の流れについて気付いたことを話し合おう。
2
い、侵食・運搬・堆積について調べていくことを確認する。
第
一
次
流
れ
る
水
の
は
た
ら
き
資料や前時の体験をもとに流れる水のはたらきについて気付いたことを話し合
流れる水にはどんなはたらきがあるのだろうか。また、水の量がふえ
3
・
4
ると流れる水のはたらきはどうなるだろうか。
流水実験器に土でゆるい坂をつくり、水やおがくずを流して流れの様子や速さ、
水のはたらきについてグループごとに調べる。また、流す水の量を増やすと流れの
様子や土の様子がどのように変わるか調べる。
実験結果をもとに、流れる水のはたらきをまとめよう。
実験の結果をもとに、流れる水のはたらきには地面などを削る「侵食作用」、削っ
たものを押し流す「運搬作用」
、土などを積もらせる「堆積作用」があることをまと
5
める。
流れる水には、土を削り、削った土を押し流して、積もらせるはた
らきがある。
流れる水の量が増えると流れが速くなり、はたらきも大きくなる。
第
二
次
雨
の
降
り
方
と
水
の
作
用
川の水の量が増えるのはどんなときだろうか。また、水の量が増える
と流れる水のはたらきで、土地はどうなるだろうか。
川の水の量が増えるときや川の水の量が増えると流れる水のはたらきで土地はど
6
うなるのか考える。
雨がたくさんふると川の水の量がふえる。水の量が増えると水の働き
も大きくなり、運搬されたものは流れのおそいところにたいせきする。
3
上流と下流の石の様子がちがうのはなぜだろう。
第
三
次
7
(
本
時
)
上
流
と
下
流
の
石
上流と下流の石を見比べ、どんな違いがあるのか、また、なぜそのよう
な違いができたのか、流水実験器を使って観察する。
流れる水のはたらきにより、大きい岩は上流に残り、小さい石は下流
に運ばれる。
8
ビデオやインターネットを使って、自然の川での流れる水のはたらきによる現象
を見て、川の石が流水のはたらきでどのように変化するかまとめる。
洪水を防ぐために、どんな工夫をしているのだろうか。
今までの学習をもとに、洪水が起こるしくみについて話し合い、洪水を防ぐため
第
四
次
9
に川のどんな場所で、どのような工夫がされているのか調べる。
洪水を防ぐために、てい防を作ったり、ひなんや救助の対さくを立て
川
と
わ
た
し
た
ち
の
生
活
たりしている。
これまでの学習をふりかえり、流れる水のはたらきについてまとめよう。
10
・
11
流れる水のはたらきについて、3 つのはたらきや上流と下流の石の変化、洪水へ
の対策など、川の水のはたらきについてまとめる。
「ふりかえろう・学んだことを生かそう」を行う。
6.本時の指導
(1)目標
○モデル実験を通して、上流・中流・下流の石の様子が違う理由を石の大きさと流れる水の速さと
を関連づけて考えることができる。
(2)提案内容
①
室内における運搬作用を確認するための手立て
6学年の「土地のつくりと変化」の学習では、流れる水のはたらきで学習した内容を関連づけ、
土地のつくりや地層の広がりなどの推論をすることが求められている。特に、地層の学習では、
水のはたらきによる小石や砂、粘土などの粒の大きさの違いが運ばれ方に関係しているというこ
とが、理解を深めるために重要となってくる。しかし、大日本図書の教科書では運搬作用を確か
める実験として実際の川に行って調べる活動が記載されているが、現実的には難しい。そこで、
室内における流水実験装置で運搬作用に目を向けた指導計画を提案したいと考えた。
②
教具の工夫
川の流れを再現する流水実験では、新たに土山を作るのは大きな手間となり、天候にも左右さ
れやすい。また、室内用の実験器は高価で各校に一つ程度の準備が限界であるため、子どもたち
4
が十分に観察を行うことが難しい。今回利用した実験器は、安価で用意することができるため、
複数個用意し小グループでの観察が可能となる。また、条件制御がしやすく、大きな誤差が出る
ことが尐ないため、均一な実験結果が得られるのではないかと考える。
(3)本時の展開(7/11)
学習活動と内容
1
教師の支援と評価■
上流・中流・下流の石の様子と流れる水
○前時までに学習したこと、考えなど確認事項に
の速さを見比べて、気付いたことを話し
ついては掲示しておき、一目でわかるようにし
合う。
ておく。
・石の大きさがちがう。
○前時までに学習した内容を想起するように助言
・大きい石と、小さい石がある。
する。
・周りの景色が違う。
2
本時の課題をつかむ。
上流・中流・下流の石の様子がちがうのはなぜだろう。
3
上流と下流の石の様子がなぜちがうの
○上流と下流の流れの速さが違っ
か予想を立て、話し合う。
たことを想起させる。
・流されて小さくなった。
○なぜそう考えたのか理由や根拠
・最初から大きさがちがう。
を明らかにして伝え合うこと
・小さい石は川の途中で出てきた。
で、問題意識をもって実験に臨
・流れが緩やかになったから止まったの
めるようにする。
かもしれない。
・丸い石は転がりやすいから遠くまでい
くのかな。
4
実験を行う。
○実験器具が実際の川のどの部分にあたるのか確
・上・中・下の場所ごとに、石の大きさ
がどう違っているのか観察する。
認する。
○水を流す方向や、実験器の角度など、グループ
・分かったことを絵や言葉を使ってワー
クシートにまとめる。
水
急な流れ
大きな石
事に条件が変わらないように確認する。
○各班の状況を確認して、一斉に実験にとりかか
ゆるやかな流れ
れるようにする。
○分かったことや、気が付いたことはノートに書
きながら観察を行うように助言する。
中くらい
砂
きな石
■自分の予想と比較しながら実験を行うことがで
きている。(技能)
大きな石は上に残って、小さな石
■モデル実験を通して、上流・中流・下流の石の
様子が違う理由を石の大きさと流れる水の速さ
や砂が下にたまった。
とを関連づけて考えることができる。
(科学的な思考・表現)
5
5
実験の結果を確認する。
○全ての班が発表できるように、机間指導し、指
・下に砂がたまった。
名計画を立てる。
・真ん中には中くらいの石が残っている。
・上の方には大きな石が残った。
6
結果を考察する。
○結果からどのようなことがいるか、考えさせる。
・上流は流れが速いから、大きな石が残っ
て、中流は流れが緩やかだから小さな石
しか流さないね。
・上流には大きくて重い石が残った。
7
まとめをする。
上流・中流・下流では流れる水の速さが違うため、大きい石は上流に残り、中ぐらい
の石は中流に残り、小さい石は下流に運ばれる。
6
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