3.3 火山と災害
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3.3.1 噴火以外の現象
• 火山性地震,地殻変動,火山ガス,地熱変
化,地形変化,土石流など
• 火山ガス:亜硫酸ガス,二酸化炭素,硫化
水素など
• 火山ガス被害:カメルーンのニオス湖,群
馬県草津白根山など。
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3.3.2 山体崩壊←水蒸気爆発
• 1888年 会津磐梯山 1.2km3 461名
– 裏磐梯の景観
– 前兆現象:数日前から弱い地震 爆発当日の
午前7時ごろから鳴動と地震 7時45分頃大
音響とともに最初の爆発 計15〜20回 併せ
て1分以内。
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3.3.3 津波←山体崩壊
• 雲仙眉山の1792年5月崩壊 島原大変肥
後迷惑 15,188人
– 前兆現象:前年の10月から地震がはじまり,
山崩れなどの被害がたびたび 3〜4月には熔
岩流下 5月崩壊。
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3.3.4 火山泥流と火砕流1/2
• 火山泥流=ラハール: 時速30〜60km,
到達距離100km
• コロンビアのネバド・デル・ルイス山で1985
年11月13日発生 2万3千人
– 前兆現象:1984年11月から有感地震,85年9
月から火山灰噴出
– ハザードマップが作成されていながら,生かせ
なかった。
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ネバド・デル・ル
イス山
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3.3.4 火山泥流と火砕流 2/2
• 米国ワシントン州セントヘレンズ山1980年
5月18日水蒸気爆発による山体崩壊
400m低下 2.3km3
– 作成済みハザードマップが生きて,死者26
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3.3.5 溶岩流
• 数百〜1200℃,人は移
動で回避可能
• 熔岩流に対し,誘導溝,
爆弾投下,注水
• 厚い熔岩流の先端など
が崩壊してメラビ型火
砕流(熱雲)や乾燥なだ
れが発生。
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1792年眉山崩壊と1991年雲仙普賢岳噴火
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3.3.6 降下火山砕屑物
• 1960年代以降の桜島(ブルカノ式噴火)の
降灰被害
• 79年のベスビオ火山のプリニー式噴火に
よるポンペイの降下軽石層害
– 噴煙柱は32,000mほど
– 総犠牲者数は1万人ほど
– 噴火開始から19時間ほどが最も激しかった。
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ナポリから見える
ベスビオ火山のプ
リニー式噴火
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3.3.7.1 小型の火砕流
• 遅くて20m/s,早いと200m/s
• 火砕流の火山灰の温度は数百℃ ごく微
量の煙を吸い込むだけ死亡
• 3種類の火砕流: 1. セントビンセント型熱
雲(上空放出後落下),2. プレー型熱雲
(熔岩円頂丘の一部が落下),3. メラビ型
熱雲(厚い溶岩流の先端などが崩壊)。
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3.3.7.2 大型の火砕流:クレータ
レーク型カルデラ
• 火口から100km以上,短期に100km3火砕
物を噴出,カルデラの形成
• 3.3.7.2.1 クラカタウ 1883年噴火:津波禍
36,417人 。
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3.3.7.2.2 タンボラ火山 1815年噴火
• 歴史時代最大級 犠牲92,000人(8万人は
餓死や疫病)
• 1815年のカルデラの形成で1400m低下
• 陥没カルデラ 径6×7km×1km深
• 地球の気候に影響。
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タンボラ火山の噴火経過
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3.3.7.2.3 姶良カルデラ 3万年前
• 現鹿児島湾北部,2.9万年前,噴出量100km3,
カルデラ径20km,シラス台地(火砕流台地)
• 発生時の火砕流の厚さは1000kmで周辺の
700mの山地を軽く越え,100km流走
• 火山灰は600km離れた京都で20cm,900km離
れた東京で5cmの白色火山灰層(AT 姶良-Tn)
• この3千年後に,海底にいわば桜島の前身として
の中央火口丘が形成される。
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九州地方のカルデラと火山性堆積物の分布
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鹿児島湾北縁の姶良カルデラ壁と
シラス台地
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池田湖と
開聞岳
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摩周カルデラ
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3.3.7.2.4 クレーターレーク型
カルデラの形成と大規模火砕流
• オレゴン州国立公園内の径8kmのクレーター
レーク型カルデラの模式地
– 7000年前の大噴火:A. プリニー式噴火,B. 小規模の
スコリア質の火砕流,C. リング状の割れ目形成,
60km遠方まで流出(図3.15下段),山体は円筒状に
1000m以上の深さまで陥没。
• 日本では北海道,東北地方北部,箱根,九州中
南部に分布
• 追加:鬼界カルデラ 7,000年前 噴出量150km3,
東西20km,南北15kmの海面下のカルデラ。
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3.3.8 成層圏エアロゾル
←大規模爆発
• ベンジャミン=フランクリンの認識:1783
(天明3)年アイスランドのラキで熔岩噴泉
による歴史時代最大規模の熔岩流→火山
性微粒子が太陽光の到達量を減衰→地
上気温の低下(疑問あり)→1万人が餓死
フランス革命1789年の遠因
• 同年,浅間山噴火→天明の大飢饉 数十
万人が餓死。上州一揆。
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赤道付近の大規模爆発 1/2
• 1815年タンボラ噴火→世界の平均気温3℃低
下 噴火1年後,夏の気温が低下,ヨーロッパと
北アメリカで「夏のない年 year-without-asummer」
• 1883年インドネシアのクラカタウ噴火,1963年
バリ島アグンの噴火の後に気温低下
• 1980年5月のセントヘレンズ,8月のアイスラン
ドヘクラ,1982年のメキシコエルチチョンなど,
成層圏に達する大規模爆発があったが,明瞭
な気温低下は見られなかった。
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赤道付近の大規模爆発 2/2
• 1880-1975年のほぼ100年間について,火
山活動による成層圏のエアロゾルと北半
球の平均気温の変動と関連
• 成層圏のエアロゾルは地上への太陽光の
直達量を減らすが,併せてエアロゾルは散
乱した熱放射を吸収,成層圏の温度が上
がる→成層圏での赤道上空と極上空の間
の熱勾配が強調され→大気循環が活発化
→中緯度の大気が冷える。
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3.3.8.1 クラカタウ1883年噴火と
気候変動
• 爆発の3ヶ月後の11月末には日本や欧州
でも昼間も薄暗く,異常に濃い朝焼けや夕
焼けが観測された
• 噴煙柱内の亜硫酸ガスはエアロゾルとなり,
長く滞留する→圏界面上20〜30kmの高
度で2〜3年,50kmでは約5年という。日本
では1884年の凶作に対応。
• 1884年 秩父事件
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クラカタウ1883年噴火による光学異常
(ビショップ環)の伝播と火山灰の移動
方向
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3.3.8.2 天保の大飢饉
• 宮城県遠田郡涌谷町の花井安列の日記
• 天保の大飢饉1835〜37,大塩平八郎の
乱などの一揆や打ち壊し←中米ニカラグア
のコセグイナ火山の爆発 1835年1月22日,
径2×2.5km,500m深の陥没カルデラの
形成。
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天保7年の夏の気候
天保7年7月1日の日記:朔日朝,少々雨降り御座候 朝単衣着
用致居候 九つ時(正午)より雨はれ候 くもり居候 冷気相成
袷相用候 八つ(午後2時)頃又又大雨ふり相成り夜中迄ふり
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3.4 噴火予知
• 3.4.1 有珠山の勲章 岡田弘
• 3.4.2 難しい噴火予知
– 有珠山2000年噴火,岡田氏の科学者として
の使命感と,その地道の社会的活動
– 火山観測データなどから噴火前兆現象を捉え
ることと,住民の安全を守ることには,かなり
の距離がある。
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