名古屋大学21世紀COEプログラム
「宇宙と物質の起源:宇宙史の物理学的解読」
粒子-反粒子対称性の破れの謎を探る
2006年12月24日
第4回ORIUM-COE シンポジウム
クリスマスレクチャーズ
名古屋大学大学院 理学研究科
飯嶋 徹
(N研、素粒子研究チーム)
宇宙論・宇宙物理
素粒子と初期宇宙史
Big Bang !
超弦理論
32
19
10 /10
1028/1015
ゲージ
理論
WMAP衛星
ダーク・エネルギー (73%)
ダーク・マター(23%)
物質優勢宇宙
10-44力の大統一
10-36
新しい物理
10-10
~1 TeV
X?
超対称性
H ヒッグス
Z
1015/100
W

q
q
10-5
CPの破れ時間(秒)
標準理論
クォーク/レプトン

ニュートリノ
新しいハドロン状態
q
1012/0.1
q
QGP (クォーク・
q
q
温度/E グルーオン・プラズマ)
(K/GeV)
ハドロン
q
q
q
qq
q
q q
原子核
元素合成
p n
n p
現在の素粒子標準理論
物質構成粒子
(フェルミオン)
クォーク
力を媒介する粒子
(ボゾン)
電磁相互作用
強い相互作用
レプトン
弱い相互作用
3世代構造
反粒子の存在
q  q , e  e , ve  ve , ...
全ての素粒子には、質量や寿命などが同じだが、
符号の異なる相棒(反粒子)が存在する。
3
消えた反粒子?
可能なシナリオ…
X qe
X と X の崩壊率の非対称度~O(10-10)
X q e
物質優勢の宇宙
10,000,000,001
クォーク
10,000,000,000
反クォーク
4
消えた反粒子?
可能なシナリオ…
X qe
X q e
X と X の崩壊率の非対称度~O(10-10)
物質優勢の宇宙
1
これが我々!
CP (粒子-反粒子) 対称性の破れが鍵をにぎる。
5
B中間子
bd
bd
B中間子
反B中間子
質量は陽子の約5倍程度
寿命は0. 000 000 000 00153 秒(1.53ピコ秒)
Bファクトリーで崩壊の違いを精密に測る。
6
Bファクトリー(B工場)
B
陽電子(3.5GeV)
電子(8GeV)
e

e

B
電子-陽電子衝突で大量のBB中間子対を生成する。
7
KEKB加速器
e-(8GeV)
e+(3.5GeV)
8
KEKB加速器
e-(8GeV)
e+(3.5GeV)
ルミノシティー
1.7 x 1034 cm-2s-1 !
年間約2億対のBBを生成。
9
データ蓄積の状況
2006年7月24日時点
KEKB + PEP-II
KEKB/Belle:
630.0 fb-1
PEP-II/BaBar: 378.8 fb-1
Total = 1000fb-1
109 BB対!
KEKB
for Belle
PEP-II
for BaBar
10
Belle測定器
11
中央飛跡検出器
12
小林益川理論
CPの破れのもと
2
Q
3
1
Q
3
 u  c   t 
 d   s  b 
     
b(s,d)
u
V*ub(s,d)
-
W
13
B中間子の振動
t
b
B
0
W
d

d
W

t
B
0
b
素粒子の“変身”
14
B崩壊でのCP対称性の破れ
B中間子の崩壊
反B中間子の崩壊
B0
B0
J / K S
B0
J / K S
B0
B0
B0
B0  B 0  B 0  B0
違う!
• (初期状態が)B0 と B0 で二つの波の干渉が異なる。
15
B崩壊におけるCPの破れの発見
B  J / K S
0
2006年(532M BB)
2001年(31M BB)
sin2f1= 0.642 ±0.031 (stat) ±0.017 (syst)
0 tag
B
_
B0 tag
16
わかったこと+深まる謎
• 小林・益川理論の正しさ(クォークの世界の粒
子・反粒子非対称の理由)
• 小林・益川だけでは、宇宙の物質優勢を説明
できない。非対称が足りない。
• 小林・益川メカニズム以外のCP非対称の源
が必要(新しい物理が必要)。
• 今後の研究は新しい物理の証拠探しへ!
17
新しい物理の探索
• 不確定性関係
E   t 
B中間子崩壊の中間状態に重い粒子が登場する。
W粒子
t
b
B
0
W
d

d
W
t

b クォーク
B0
b
s クォーク
トップ
クォーク
トップクォークやW粒子以外の効果が見えないか?
18
“新しい現象”か?(2003年)
19
ペンギン崩壊におけるCPの破れ
B  J / K
0
0
B0  f K 0
B_0 tag
B0 tag
sin2f1= 0.64 ±0.04
sin2f1= 0.44±0.27
両者の結果が異なれば新しい物理の証拠となる。
20
Bt崩壊によるヒッグス探索
b
B

u
W
H

t
タウレプトン


ニュートリノ
崩壊の中間状態
•標準理論ではウィークボゾン(W-)が飛ぶ。
•新しい物理があれば、荷電ヒッグス(H-)も
飛び、崩壊分岐比が変化するかもしれない。
21
Bt 崩壊の発見 (2006年)
22
荷電ヒッグス粒子に対する制限
• 荷電ヒッグスの存在
可能な領域は白い部
分に限られる。
• 今回得られた制限
は、過去の高エネル
ギーでの直接探索
結果をはるかに凌ぐ。
23
今後の素粒子研究
フレーバー物理
クォーク
Bファクトリー
荷電レプトン JPARC
ニュートリノ SK
の混合現象
ヒッグス粒子
の物理
質量の起源解明
LHC ILC
新しい物理
(新粒子)
の探索
Figure by
Dr. Hayasaka
(Nagoya Univ.)
標準理論を越えた新しい粒子世界の探索へ!
エネルギーフロンティア加速器
• LHC(CERN)
7TeV 陽子×7TeV 陽子, 2007年完成予定
• 国際リニアーコライダー計画 (ILC)
25
インテンシティーフロンティア
スーパーBファクトリー計画
= 現在の約50倍のビーム強度
約1036 cm-2s-1
5年で10倍!
26
タウレプトンの崩壊と新物理の探索
e
e
t

?


?
0
t
t
t
 (e )
 ( e)
(ml2 )23(13)
27
宇宙論・宇宙物理
素粒子と初期宇宙史
Big Bang !
超弦理論
32
19
10 /10
1028/1015
ゲージ
理論
WMAP衛星
ダーク・エネルギー (73%)
ダーク・マター(23%)
物質優勢宇宙
10-44力の大統一
10-36
新しい物理
10-10
~1 TeV
X?
超対称性
H ヒッグス
Z
1015/100
W

q
q
10-5
CPの破れ時間(秒)
標準理論
クォーク/レプトン

ニュートリノ
新しいハドロン状態
q
1012/0.1
q
QGP (クォーク・
q
q
温度/E グルーオン・プラズマ)
(K/GeV)
ハドロン
q
q
q
qq
q
q q
原子核
元素合成
p n
n p
補足資料
29
研究概要
素粒子物理学
• 基本粒子は何か?
• 基本法則は何か?
宇宙
原子
基本粒子
百億光年
1億分の1センチ
<10兆分の1センチ
初期宇宙の解明も。
31
素粒子の相互作用
電子
e

光子
クォーク

A
B
q
• 力は「ゲージ粒子」の交換で生じる
32
弱い力
• 弱い力はウィークボゾン W の交換によって引
き起こされ、反応前後でクォークが変化する。
u
 2
 
 3
ダウン・クォーク
d
 1
 
 3
アップ・クォーク
W

e

電子
Wボゾン
e
反電子ニュートリノ
33
CP対称性の破れの歴史
• 1964年 K中間子の崩壊で発見
• 1973年 小林-益川理論
– クォークが6種類あればCP対称性は必然的に破れる。
– 当時知られていたクォークは3種類後に全て発見された。
• 1981年 三田らがB中間子崩壊で大きなCPの破れ
を予言。
Bにおける大きなCPの破れ
は、小林‐益川理論を含む
標準理論の最終課題のひ
とつ(だった)。
34
CPの破れの源
b(s,d)
V*ub(s,d)
W
bc
bu
u
-
真空(ヒッグスの海)
ヒッグスとの相互作用
質量+混合
重いクォークから軽いクォークへの変化で
波の位相が変化する。
35
B中間子の崩壊は“二刀流”
• 木の形
b
B
W
0
c J /

c
s
d
d
KS
B 0  J / K S
• 箱+木の形
t
b
B
0
W
d
B
W


t
d
d0
W
b
B0  B0  J / KS
KS
s
c
J /
c
36
スーパーBファクトリでは…
J/Ks
fKs
37
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ppt - 名古屋大学理学研究科高エネルギー素粒子物理学研究室