誰がトンデモ医事裁判を
作るのか?
高松少年鑑別所
医務課
池田正行
台湾沖航空戦
大本営発表
●轟撃沈: 航空母艦11隻 戦艦2隻 巡洋艦3隻
巡洋艦若(もしく)は駆逐艦1隻
●撃破: 航空母艦8隻 戦艦2隻 巡洋艦4隻 巡洋
艦若は駆逐艦1隻 艦種不詳13隻
●撃墜 112機
実際には・・・・
●大破:重巡洋艦1、軽巡洋艦1
●小破:航空母艦1
●航空機89機
トンデモ医事裁判の時代背景
• 1999年:都立広尾病院事件,横浜市立大学
病院での患者取り違え
• 2000年:東京女子医大事件
• 2001年:北陵クリニック事件
医学無用の医事裁判
取り調べをしていた刑事が突然、号泣
し始めたのです。そして、こう叫びました。
「これだけ社会問題になると、だれかが
悪者にならなきやいけない。賠償も遺
族の言い値で払われているのに、なぜ
こんな難しい事件を俺たちが担当しな
きゃいけないんだ」
病院が管理責任を個人に転嫁
佐藤一樹氏の場合1
• 01年3月、肺動脈弁狭窄・心房中隔欠損症の女児(
当時12歳)東京女子医大日本心臓血圧研究所で手
術中、大静脈から人工心肺に血液がうまく抜き取れ
ない異常が発生し、脱血不良で患者に脳障害が発
生,術後2日で死亡した.
• 01年6月:死亡原因調査委員会を学内に設置
• 01年10月:内部報告書は、死亡原因は、人工心肺
のポンプを高回転にした操作ミスに起因する脳障害
と結論付けた。
• 02年1月に警察が人工心肺を操作した佐藤一樹氏
への事情聴取を開始
佐藤一樹氏の場合2
• 02 年6月:業務上過失致死容疑で逮捕, 3ヶ
月もの間勾留
• 02 年7月:地検が起訴
• 02 年9月:東京地裁で初公判
• 04 年3月:無罪→検察が控訴
• 05年11月:控訴審でも無罪
• 11年1月:病院側が『衷心から謝罪する』こと
によって和解
大学が「捏造」
手術当日、人工心肺終了後にほかの医師や臨床工学技
士と原因を話し合ったのですが、その結果、血液の逆流
の原因はフィルターの閉塞ということで全員の認識が一
致しました。ところが、内部報告書では全く異なることが
原因となっていた。 報告書を作った委員会は、当時の
副院長の東間紘氏を委員長として学内の教授3人からな
り、心臓外科医は含まれなかった。これでは原因究明は
不可能です。事故を医師個人の責任にし、大学の管理
責任を逃れようとする意図を感じざるを得ませんでした。
私はすぐに大学に抗議しましたが、聞く耳を持ちません
でした。
捏造報告書の背景
• メディアによる病院・医者叩きの流行
• 警察・検察にとっておいしい飯のネタ
– 医療者を「割る」のは簡単!
• 大学側の思惑
– 特定機能病院として収益確保
– 大学病院・調査委員会の「権威」
– 人工心肺という医療機器の特殊性
業務上過失の「意義」
私がこれまで最も怒りを感じてきたのは、東京女子
医大に対してです。事実と異なる報告書を作成した
上、私が一審で無罪となった今でも(注:2008年7月
時点)、その内容を訂正していません。 それだけで
はない。私は、参考人だったとき大学幹部から「国内
で心臓外科医を続けたいなら、報告書を批判しない
ように」と脅されました。同情して報告書に意見した
同僚の医師も、「天に唾するようなものだ」と大学幹
部にとがめられるなど、様々な妨害があったのです。
大学は所属する医師を守ってくれるどころか、逆に責
任を押し付けてきたのです。
メディアに虚偽情報を流した病院
岸和史氏の場合1
• 03年8月(当時、和歌山県立医大放射線科助
教授)下咽頭癌の患者に3次元放射線治療
• 兼任技師の誤りにより,11% 多い量が照射さ
れた(過剰照射の定義は10% 以上)
• 04年5月患者は突然の下咽頭出血によって
窒息死
• 報道対応に慌てた病院の記者会見は、「過剰
照射が死因」とする内容で報じられた
岸和史氏の場合2
• 07年1月、警察は岸氏と技師4人を業務上過失
致死容疑で書類送検した。
– 警察では、私が有罪である筋書きを示されました。
「先生の指示ミスで事故が起きたことを全員認めて
いる。あとは先生が認めれば終わるので調書に署
名せよ」と言われました。つじつまが合わないと反
論すると、「ならば殺人罪の被疑に切り替える」と言
われ、底知れぬ恐怖を覚えました。自分の主張を
残すには遺書しかないのかと。
岸和史氏の場合3
病院は遺族との示談に失敗して民事訴訟を起こされ、
私にこの解決を命じました。病院側は死に体で、記者会
見で死因を過剰放射としながらその因果関係が分かっ
ておらず、まともな答弁書や意見書の見当もつかないあ
りさまでした。 私の心中は患者・遺族寄りでした。患者
さんに過剰照射をすぐ告げたのも私です。私は早く償え
ることを願い、解決の任務を受けました。その後、初め
て見る病院の重要書類に驚きつつ真相を知りました。そ
れらを基に、放射線治療では国内で最高の科学者に考
えを尋ねて見解を文書にしていただき、短期間で和解で
きました。検察は起訴猶予の不起訴処分としましたが、
私は亡くなった方と遺族に真摯な反省を誓いました。
法医学の教授が胸部レ線読影
西田博氏の場合1
• 02 年11月、アルバイト先の病院で休日昼間
の内科外来を担当
– 全身倦怠感と微熱を主訴とし、糖尿病の既往を
有する70 歳代男性.胸部X 線検査では右肺に広
範な浸潤影
– 肺炎として抗菌薬を含む500mL の点滴2本を処
方して入院させ,夕方、勤務時間を終えて帰宅
– その3 時間後に患者は急変し、当直医の蘇生の
かいなく、外来受診から8 時間後に死亡。
西田博氏の場合2
• 当直医の死亡診断は、西田氏の外来診断と同
じ「重症肺炎」による急性心不全だったが
• 遺族は、警察に告訴
• インターン時代にしか臨床経験がない法医学の
教授が胸部レ線まで読影
• その教授が単独で書いた鑑定書の死因は「肺
水腫による心筋障害」
• 患者死亡から4年後の06 年秋、西田氏は被疑
者となり、07年2 月から10月までに警察(19 回)
と検察(1回)の取り調べを計20 回受けた。
司法解剖鑑定書の中身は?
司法解剖所見のみではなく、私が診察時に撮影したレ
ントゲン写真のあり得ない読影までしていました。たとえ
ば,「バタフライ状の肺水腫の陰影がある」としていまし
たが、刑事ですら取り調べの際、「どう見ても片肺にしか
浸潤影がない」と本音を漏らす始末でした。しかもその
内容は、論理的に破綻したものでした。例えば、死因に
ついて。「虚血性心筋損傷に伴う急性肺水腫と判断され
る。急性心筋損傷は糖尿病性の血管変性によりもたらさ
れた心筋損傷による中枢性の急性肺水腫の悪化に伴う
と考えられる」(原文)と、意味不明で堂々巡りでした。揚
げ句の果て、頭部外傷などに続いて起こる「中枢性肺水
腫」と、今回の「心原性肺水腫」を混同していました
西田博氏の場合3
• 被疑者として警察・検察の取り調べを計20 回
• 検察は不起訴
• 遺族が再検討を申し入れた検察審査会も不
起訴相当とした
• 専門家3人に意見書を書いてもらった費用や
弁護料などは計約500万円。医賠責保険は
刑事事件には適用されないので、これらはす
べて自費だった
警察の仕事は人を罪に陥れること
病院という組織を刑事事件で罰する法律はあり
ませんから,警察は病院の組織的な問題には目
を向けず、チーム医療が主流の中、一個人を罪
に追い込もうとする。私の事案では、当直医や看
護師への警察の聴取は最初から私に不利な証
言を得る目的で行われました。当直医や看護師
は自分が罪に問われたくない思いがあるので、
警察の誘導に乗ったりうそをつきます。つまり警
察は、都合の良い証拠や証言でストーリーを作り
上げ、被疑者を罪に陥れようとします。
北陵クリニック事件の背景
• 病院叩き・医者叩きの大流行
• 北陵クリニックが抱える問題
– 莫大な公費を使った「臨床研究」
– 経営は赤字・杜撰な診療・薬剤管理
– 救急対応ができずに重症患者頻発
– 医者が逃げ出し,看護師が対応
• またもや法医学教授のアシスト
• 警察・検察が「事件」として暴走
• 「東北帝国」の中で全てが完結
検察という病
今そもそも検察官調書はほぼ完全にといっていいほど
信頼を失っている
(市川寛 検事失格 私はこうして冤罪を作りました
検察というのは、今まで中身の詰まった立派な銅像だと
思われていたけれど、実は中は空洞で、しかも台座も
腐っていた。(中略)もうこの像はいつ倒れるかわからな
いし、怪我人も出ている以上、やはりどこかで誰かが、
「王様は裸だ」「像は倒れかけている」と言わなければい
けない時期が来たということでしょうね
(郷原信郎 検察崩壊~失われた正義~ 毎日新聞社)
刑事告発の幼児性と卑劣さ
• 検察に媚びを売る:EBMが何の略号かも知らな
い「こわいおじちゃん達」におすがりする弱い者
いじめ
• 黒幕達には免罪符
• 同罪他社にも免罪符
• メディア:自分の利益相反には知らぬふり
• 刑事訴訟法は組織を処罰しない!
– 「犯人」の「自白調書」が最大の問題
– 組織の構造的問題はどうでもいい
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なぜ弁当が要るのか?