PHITS
Multi-Purpose Particle and Heavy Ion Transport code System
Variance reductionを用いた
X線治療のシミュレーション
2014年1月改訂
title
1
本実習の目標
X線を取り扱うシミュレーションを
variance reductionの機能を用いて
効率的に実行できるようになる。
100keVの光子( X線)を水ファントムに照射した場合の
光子フルエンスの空間分布
Purpose
2
実習内容
1. 単一エネルギーのX線シミュレーション
2. [weight window]を用いた吸収線量計算
の効率化
3. コーン状ビームの場合のX線シミュレー
ション
Table of contents
3
VarianceReductionXray.inp
初期設定の体系
Water
phantom
30 cm
10MeV
X-ray (photon)
50 cm
100 cm
Input file
4
体系の確認
はじめに、このインプットファイルで構築している
3次元体系を描画機能を用いて把握する。
Icntl=7としてPHITSを実行すると[t-gshow]が、
Icntl=11として実行すると[t-3dshow]が有効となり、
これらのタリー結果が出力されます。
[ T - Gshow ]
title = Geometry check on xz-plane
・・・・・・
・・・・・・
file = gshow-xz.dat
・・・・・・
・・・・・・
[ T - 3Dshow ]
title = Geometry check using [T-3dshow]
file = 3dshow.dat
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
Geometry
5
体系の確認
gshow-xz.eps
3dshow.eps
Geometry
6
空間分布
粒子フルエンスと吸収線量の空間分布を確認する。
Icntl=0として輸送計算を実行させ、粒子フルエン
スの空間分布([t-track]を使用)と吸収線量の空間
分布([t-deposit]を使用)を確認してみましょう。
[T-Track]
title = Track in xyz mesh
・・・・・・
・・・・・・
file = track.out
・・・・・・
・・・・・・
粒子フルエンス
[ T - Deposit ]
title = Dose in xyz mesh
・・・・・・
・・・・・・
file = dose.out
・・・・・・
・・・・・・
吸収線量
Analysis
7
粒子フルエンス
track.eps (1枚目) 光子のフルエンス分布
水ファントム
track_err.eps (1枚目) 相対誤差の分布
10 MeVのX線は50 cmの水ファントムを貫通している。
Analysis
8
吸収線量
dose.eps 吸収線量分布
水ファントム
dose_err.eps
相対誤差の分布
ビーム軸上に限れば、統計量が十分なタリー結果が得られている。
Analysis
9
吸収線量のx分布
水ファントム中の
吸収線量はどうか。
dose-x.epsの1枚目と5枚目
• ビーム軸(x=0 cm)付近の結果は十分な統計量をもつ。
• 水ファントムの前方(ビーム照射側)から後方部分まで同様の傾向。
Analysis
10
吸収線量のz分布
吸収線量の深さに関
する依存性はどうか。
dose-z.eps
• 水ファントムの前方から後方まで十分な統計量を
もつ結果が得られている。
Analysis
11
低エネルギーX線
(step1)X線(光子)のエネルギーを100keVに下げて、
水ファントムにおける吸収線量の結果を調べてみよう。
• 水ファントムにおける吸収線量の分布は
どのように変化するか。
[Source]
s-type = 1
proj = photon
e0 = 10.0
r0 = 0.1000
x0 = 0.0000
y0 = 0.0000
z0 = 0.000
z1 = 0.000
dir = 1.0000
[Source]
s-type = 1
proj = photon
e0 = 0.1
r0 = 0.1000
x0 = 0.0000
y0 = 0.0000
z0 = 0.000
z1 = 0.000
dir = 1.0000
ヒストリー数(maxcas=1000, maxbch=2)は変更せずに実行。
Step 1
12
粒子フルエンス
track.eps (1枚目) 光子のフルエンス分布
水ファントム
track_err.eps (1枚目) 相対誤差の分布
100 keVのX線は水ファントムの途中で減衰している。
Analysis
13
吸収線量
dose.eps 吸収線量分布
水ファントム
dose_err.eps
相対誤差の分布
水ファントムの後方には粒子が届いておらず、統計量が十分でない。
Analysis
14
吸収線量のx分布
水ファントム中の
吸収線量はどうか。
dose-x.epsの1枚目と5枚目
• 水ファントムの後方部分ではほとんどタリーされていない。
Analysis
15
吸収線量のz分布
吸収線量の深さに関
する依存性はどうか。
dose-z.eps
• Z=120cmより後方の領域では、十分な統計量をもつ
結果が得られていない。
Analysis
16
実習内容
1. 単一エネルギーのX線シミュレーション
2. [weight window]を用いた吸収線量計算
の効率化
3. コーン状ビームの場合のX線シミュレー
ション
Table of contents
17
Variance reductionの利用
Variance reductionの機能を利用して、低エネ
ルギーX線の水ファントムにおける深層透過計
算を効率よく実行する。
タリー計算におけるweightの役割
粒子フルエンス
吸収線量
今回はweight window法を利用する
Variance reduction
18
Weight window法
ウェイトの下限値WLによって分割する粒子数が変化
WL=0.15の場合
WU=2.5
WU=1.25
ウェイト
ウェイト
W=1
WL=0.5
WL=0.25
領域1
領域2
粒子数 1 → 1
WL=0.08の場合
WU=2.5
WU=2.5
W1=1
W1=1
WU=0.75
WL=0.5
W2=0.5
WL=0.15
粒子数 1→W1/W2=2
ウェイト
WL=0.25の場合
WL=0.5
WU=0.40
W2=0.33
WL=0.08
粒子数 1→W1/W2=3
• ウェイトの上限値WUは初期設定ではウェイト下限値WLの5倍
• 分割数が2の場合のウェイト(W2=0.5)がウィンドウに入るかどうかを
確認し、入らない時は分割数が3, 4, 5の場合を試す
Weight window
19
Variance reductionの利用
[weight window]セクションを設定し、低エネル
ギーX線の水ファントムにおける深層透過計算
を効率よく実行しましょう。
• 段階的にウェイトを変化させるために、水ファン
トムの領域を分割する。
• 水ファントムの前方から後方にかけて段階的に
ウェイトをかける。
段階的
Variance reduction
20
領域の分割
(step2)水ファントムの領域を5つに分割してみよう。
[surface]と[cell]セクションを修正し、水ファントム
の領域を5つに分割する。
Step 2
21
領域の分割
(step2)水ファントムの領域を5つに分割してみよう。
[surface]と[cell]セクションを修正し、水ファントム
の領域を5つに分割する。
[Surface]
・・・・・・
・・・・・・
set:c1[10.0]
17
pz 100.0+c1
18
pz 100.0+c1*2
19
pz 100.0+c1*3
20
pz 100.0+c1*4
999
so 1000.0
[Cell]
11
1 -1.0 11 -12 13 -14 15 -17
12
1 -1.0 11 -12 13 -14 17 -18
13
1 -1.0 11 -12 13 -14 18 -19
14
1 -1.0 11 -12 13 -14 19 -20
15
1 -1.0 11 -12 13 -14 20 -16
98
2 -1.20e-3
#11 #12 #13 #14 #15 -999
99
-1
999 $ Outer region
Step 2
22
ウェイトの設定
(step3)[weight window]セクションを適切に設定し
てみよう。
分割した5つの領域において、段階的にウェイトを
変化させる。
Reg 11
12
13
14
15
1/3/2.5を最初の領域(reg 11)に掛け、
1/2.5ずつ変化するように設定する。
Step 3
23
ウェイトの設定
(step3)[weight window]セクションを適切に設定し
てみよう。
分割した5つの領域において、段階的にウェイトを
変化させる。
[weight window] off
part = photon
eng = 1
1.0
reg
ww1
11
1/3/2.5**1
[weight window]
part = photon
eng = 1
1.0
reg
ww1
11
1/3/2.5**1
12
1/3/2.5**2
13
1/3/2.5**3
14
1/3/2.5**4
15
1/3/2.5**5
ヒストリー数(maxcas=1000, maxbch=2)は変更せずに、輸送計算を実行。
Step 3
24
粒子フルエンス
track.eps (1枚目) 光子のフルエンス分布
水ファントム
track_err.eps (1枚目) 相対誤差の分布
水ファントムの後方領域まで粒子が届いている。
Analysis
25
吸収線量
dose.eps 吸収線量分布
水ファントム
dose_err.eps
相対誤差の分布
後方領域のタリー結果が得られるようになった。
Analysis
26
吸収線量のx分布
水ファントム中の
吸収線量はどうか。
dose-x.epsの1枚目と5枚目
• 前方領域の結果はほとんど変わらない。
• 後方領域は、ビーム軸(x=0 cm)を中心に線量分布が得られている。
Analysis
27
吸収線量のz分布
吸収線量の深さに関
する依存性はどうか。
dose-z.eps
• Z=120cmより後方の領域でも、十分な統計量をもつ
結果が得られるようになった。
Analysis
28
ウェイトを設定する際の注意点
X線の平均自由行程(水中では数10cm)を考慮して
適切に領域を分割する必要があります。
track.eps (1枚目) 光子のフルエンス分布
水ファントム
track_err.eps (1枚目) 相対誤差の分布
• 効果的な粒子数の増加が行われていない。
weight
29
実習内容
1. 単一エネルギーのX線シミュレーション
2. [weight window]を用いた吸収線量計算
の効率化
3. コーン状ビームの場合のX線シミュレー
ション
Table of contents
30
コーン状ビーム線源
X線をペンシル状ビームからコーン状ビームに
変化させ、照射領域を拡げてみましょう。
[source]セクションにおいて、domパラメーターを設定する。
dom: 立体角範囲(degree)
dom = d
d度
Source
31
Domの設定
(step4)domの値を変化させ、水ファントム表面にお
いて直径20cmの照射領域となるようにしてみよう。
• [source]セクションにおいて、domパラメーターを設定する。
• 照射領域を確認するために[t-cross]タリーを使用する。
[Source]
・・・・・・
・・・・・・
dir = 1.0000
dom = 1
[ T - C r o s s ] off
title = x-distribution of fluence
mesh = xyz
x-type = 2
・・・・・・
・・・・・・
まずは、[weight window]セクションはoffにして輸送計算を実行。
Step 4
32
粒子フルエンスのx分布
水ファントム表面にお
ける粒子フルエンス。
flux-x.epsの12枚目
Dom=1の場合:直径約4cm
Dom=6の場合:直径約20cm
Analysis
33
粒子フルエンス
track.eps (1枚目) 光子のフルエンス分布
水ファントム
track_err.eps (1枚目) 相対誤差の分布
水ファントムの表面で20cm幅に広がっている。
Analysis
34
吸収線量
dose.eps 吸収線量分布
水ファントム
dose_err.eps
相対誤差の分布
ただし、後方領域には粒子が届いていない。
Analysis
35
吸収線量のx分布
水ファントム中の
吸収線量はどうか。
dose-x.epsの1枚目と5枚目
• 前方領域は、線量分布の幅も20cm程度となっている。
• 後方領域には、ほとんど粒子が届いていない。
Analysis
36
吸収線量のz分布
吸収線量の深さに関
する依存性はどうか。
dose-z.eps
• やはり、Z=120cmより後方の領域では、十分な統計
量をもつ結果が得られない。
Analysis
37
Variance reductionの利用
(step5)ウェイトを設定して、効率よく計算してみよう。
offにしていた[weight window]セクションを有効にする。
[weight window] off
part = photon
eng = 1
10.0
reg
ww1
11
1/3/2.5**1
12
1/3/2.5**2
13
1/3/2.5**3
14
1/3/2.5**4
15
1/3/2.5**5
ヒストリー数(maxcas=1000, maxbch=2)は変更せずに、輸送計算を実行。
Step 5
38
粒子フルエンス
track.eps (1枚目) 光子のフルエンス分布
水ファントム
track_err.eps (1枚目) 相対誤差の分布
後方領域まで粒子が届くようになった。
Analysis
39
吸収線量
dose.eps 吸収線量分布
水ファントム
dose_err.eps
相対誤差の分布
後方領域の吸収線量も評価できている。
ただし、一番後ろの領域はまだ不十分。
Analysis
40
吸収線量のx分布
水ファントム中の
吸収線量はどうか。
dose-x.epsの1枚目と5枚目
• 前方領域は、ほとんど変化なし。
• 後方領域の統計量は増加したが、まだ十分ではない。
Analysis
41
吸収線量のz分布
吸収線量の深さに関
する依存性はどうか。
dose-z.eps
• Z=120cmより後方の領域で統計量が増加した。
Analysis
42
まとめ
• 10MeVのX線を線源とするシミュレーションを
行った。
• 水ファントムの領域を分割し、[weight window]
を用いて段階的にウェイトを変化させ、効率良く
深層透過計算を実行した。
• コーン状のビーム線源を設定し、照射領域を拡
大させた場合のシミュレーションを行い、この線
源の場合の深層透過計算を行った。
Summary
43
演習問題
1. コーン状線源を使用した場合に、水ファントムとの間にmovable collimator
を配置することにより、10cm×10cmの正方形の照射野を作成する
2. 水ファントムを分割する領域を増やし、水ファントムの最後方部の吸収線量
を十分な統計量で評価する
ヒント
• 「lecture」→「therapy」 →「XrayTherapy」のインプットファイルにある
movable collimatorの部分をコピーして利用する
• [source]セクションのdomを増やし、collimatorの効果が出るようにビーム
幅を拡げる
• Collimatorの間隔を変更し、水ファントム表面でビーム幅が10cmとなるよ
うに調整する
• 水ファントムを7分割し、ウェイトを段階的に変える
Homework
44
演習問題回答の例
100keVの光子( X線)を線源とする光子フルエンスの空間分布
水ファントム表面における光子フルエンス分布(xy断面図)
Homework
45
ダウンロード

Variance reductionを用いたX線治療のシミュレーション