2009年2月17日
広域連携と道州制ー九州における取組みの現状
Ⅰ 日本の国土構造と地域格差
Ⅱ 道州制の意義と検討経過
Ⅲ 道州制の九州モデルの提案
Ⅳ 道州制実現への課題と今後の展望
九州地域戦略会議第2次道州制検討委員会委員長
北九州市立大学学長
矢田
俊文
Ⅰ.日本の国土構造と地域格差
矢田作成
空間的市場メカニズム
企業の空間行動ー立地・調達・市場
住民の空間行動ー居住・通勤・観光
国土構造形成
国土構造再編
国土問題発生
国土構造ー地域経済
政府の国土・地域政策
交通・通信基盤整備
国土・地域問題
政策課題
地域格差、大都市問題、
企業誘致・地域振興
衰退地域問題、自然破
生活基盤整備
壊(資源・環境)
バブル崩壊以降の地域格差の特徴
1.首都圏への人口移動ー60s,80sに次ぐ戦後第三の波
年間10万人台の社会移動←地方圏
2.中京圏の微増と関西圏の微減の対比
3.地方中枢(札、仙、広、福、新、岡)、中核都市
の社会増 vs 地方中心・中小都市の社会減
4.地方圏ー中枢都市圏、新幹線沿中核都市圏、中核都
市の社会増vs
半島・離島・中山間地都市の激減
東北ー仙台都市圏、山形・福島・盛岡都市圏、青森・秋田
九州ー福岡都市圏、熊本都市圏、大分・宮崎・鹿児島
>5.0
>1.8
> 0
>-1.8
中国地方都市別人口動向 1995-2005
『地域経済総覧』
鳥 取 県
島 根 県
岡 山 県
広 島 県
万人 05/95
万人 05/95
万人 05/95
万人 05/95
東広島
18.4 11.5
岡 山 69.6
5
米 子
15
4
倉 敷 46.9
3.3 広 島 115.4 3.3
鳥 取 20.2
2
赤 磐 4.4
2.1 廿日市
11.6 2.6
総 社 6.7
1.8
松 江 19.7
0.6
出 雲 14.6
0
福 山
45.9 1.1
瀬戸内 3.9 -0.3
山 形 県
口 県
万人 05/95
境 港
3.6 -2.4
津 山 11.1
浅 口3.73.7
-2.6
-3.3 三 原
江田島
10.4 -4.1
3 -4.3
>- 5.0
倉 吉
5.3 -5.6 安 来
益 田
浜 田
雲 南
江 津
大 田
4.4
5.2
6.3
4.4
2.8
4.1
-6.4
-7.4
-7.5
-7.9
-9.4
-9.6
笠 岡
玉 野
井 原
真 庭
新 見
美 作
高 梁
備 前
5.7
6.7
4.5
5.2
3.6
3.2
3.9
4
尾 道
-5.3 三 次
-6 呉
-5.5 安芸高田
-8.5 大 竹
-9.5 竹 原
-10 府 中
-10 庄 原
-10.5
15
5.9
25.1
3.3
3
3.1
4.5
4.3
山 口
19.2
下 松
防 府
宇 部
光
山陽・
小野田
岩 国
下 関
美 祢
周 南
柳 井
5.4
0
11.7 -1.7
17.9 -2.1
5.4 -2.5
-6.1
-6.7
-7.1
-7.5
-7.8
-8.4 長 門
ー10.1
ー11.1 萩
岡山・広島都市圏と宍道湖都市群・鳥取・山口・福山市のみが人口増加
6.6
15
29.1
1.8
15.2
3.6
4.3
-3.5
-4.2
-6.4
-6.4
-6.7
-7.9
4.1 -9.3
5.8
-11
中国地方都市別人口増加率と15-24歳人口比率
1 東広島
2 岡 山
3 山 口
4 米 子
5 広 島
6 倉 敷
7 廿日市
8 赤 磐
9 鳥 取
10 総 社
11 福 山
12 松 江
13 出 雲
14 下 松
15 瀬戸内
16 防 府
17 宇 部
18 境 港
人口 増加率 15-24 主要大学
18.4 11.5 16.8 広島大
5 12.2 岡山大等
69.6
19.2 4.3 12.8 山口大
9.9 鳥取大医
4
15
115.4 3.3 11.1 修道、安田
46.9 3.3 10.9 川崎医大等
11.6 2.6 11.3
4.4 2.1 10.2
2 12.2 鳥取大
20.2
6.7 1.8 11.9 岡山県立大
10 福山大
45.9 1.1
19.7 0.6 11.8 島根大
9.7 島根大医
0
14.6
8.5
0
5.4
9.2
3.9 -0.3
11.7 -1.7 10.3
11 山口大工・医
17.9 -2.1
9.7
3.6 -2.4
人口 増加率 15-24 主要大学
5.4 -2.5 7.6
19 光
20 津 山 11.1 -2.6 10.7 美作大
21 浅 口 3.7 -3.3 9.9
22 小野田 6.6 -3.5 9.8
23 三 原 10.4 -4.1 9.5 広島県立大
24 岩 国 15 -4.2 8.5
25 江田島 3 -4.3 9.4
26 笠 岡 5.7 -5.3 9.5
27 井 原 4.5 -5.5 8.6
28 倉 吉 -5.6 -5.6 9.7
-6 9.5
29 玉 野 6.7
30 尾 道 15 -6.1 8.6 尾道大
31 下 関 29.1 -6.4 10.1 下関大
32 美 祢 1.8 -6.4 8.3
33 安 来 4.4 -6.4 8.7
34 周 南 15.2 -6.7 8.9 徳山大
35 三 次 5.9 -6.7 7.7
36 呉 25.1 -7.1 9.4 広島国際大
国勢調査
人口 増加率 15-24 主要大学
8.1
37 益 田 5.2 -7.4
9.4 島根県立大
38 浜 田 6.3 -7.5
8
39 安芸高田 3.3 -7.5
9.4
3 -7.8
40 大 竹
7.4
41 柳 井 3.6 -7.9
8.1
42 雲 南 4.4 -7.9
8.2
43 竹 原 3.1 -8.4
8.2
44 真 庭 5.2 -8.5
7.8
45 長 門 4.1 -9.3
8.9
46 江 津 2.8 -9.4
9.4 新見公立大
47 新 見 3.6 -9.5
8
48 大 田 4.1 -9.6
8.2
49 美 作 3.2 -10
50 高 梁 3.9 -10 14.9 吉備国際大
51 府 中 4.5 ー10.1 7.9
9.4
4 -11
52 備 前
7.4 萩国際大
5.8 16.2
53 萩
54 庄 原 4.3 ー11.1 8.4 広島県立大
1.人口増加都市は県庁所在都市・近郊都市、中山間都市は大幅人口減少
2.増加都市の15-24歳人口比率は全国平均以上(10.9%)
3.増加都市には大学が立地→若者の吸引→人口増の傾向
格差是正政策ー国土構造転換政策
国土構造の転換の二つの選択
企業・住民の空間行動のハード基盤の修正
=高速交通・通信体系の整備
→工業・サービス産業、オフィス、大学立地の膨張的拡散
=大都市圏の面的・軸的拡充
企業・住民の空間行動のソフト基盤の修正、国家機能の変更
=道州制の導入による中央集権体制の転換
→地方主体の経済・社会・教育文化政策
=行政・経済・文化・教育・情報・国際機能の分散
=首都圏の縮小、地方拠点都市圏の拡大
道州制への動き
Ⅱ.道州制の意義と検討経過
地方制度改革
地方分権
内閣府・
全国知事会
九州地域戦略会議
改革推進委員会 道州制ビジョン懇談会 日本経済団体連合会
1970s
(九州自治州構想)
1980s
(九州共同体構想)
1990s99.7合併特例法
(九州府)
2000s00.4地方分権一括法
05.5 九州経済連合会
機関委任事務廃止
道州制九州モデルを
04.地方自治法改正
05.6 九州経済同友会
都道府県・議会で議決
九州自治州構想
三位一体改革
05.6 九州知事会
04.道州制特区推進法
道州制移行の課題
05.新合併特例法
05.10第1次道州制検討
06.2 28次地方制度調査会 06.12地方分権
07.1 全国知事会
道州制の内容提案
改革推進法
道州制に関する基本的考え方 06.10 答申
07. 29次地方制度調査会
07.4 地方分権
07.2. 懇談会発足 07.3 経団連
07.5 第2次道州制検討
基礎自治体のあり方
改革推進委員会
08. 3 中間報告
委員会(矢田俊文)
道州制に向けた第1次提言
07.6自民党道州制推進本部
地域主権型道州制国家 07.7全国知事会
第2次中間報告
08.10 区割委員会 第二期地方分権改革の提言
08.7 第3次中間報告
08.12第2次勧告 税財政委員会 08.11経団連
「区割りのあり方」
国の支分局廃止
道州制に向けた第2次提言
委員会(石川敬一)
08.10道州制九州モデル
第28次地方制度調査会
07.02.28
「道州制のあり方に関する答申について」
1.地方公共団体として都道府県に代えて道州を置く
→ 道州及び市町村の二層
2.都道府県の事務→市町村、国(地方支分局)の事務
→道州に移譲
3.道州議会、首長ー直接公選
4.区域割り
3例、大都市圏域、東京特例
5.原則として全国同時移行、先行もあり
6.分権型社会に対応しうる地方税体系、財政調整制度
道州制の意義ー行政システムの転換=4つの原理
道州制
1.分権性の原理-統治機構の国と道州の分割
地域主権の確立
→国の規制・縦割り行政からの解放
国土構造転換
2.補完性=近接性の原理ー県の事務の市町村移管、住民サービス
→都道府県の規制からの解放
住民に身近な行政
都道府県合併
3.一体性の原理
広域行政の実施
→都道府県境の撤廃、圏域一体の地域づくり
4.効率性の原理
→多重行政の解消、税負担の軽減
矢田作成
九州における道州制検討体制と経過
2005.10
九州地域戦略会議 議長 九経連会長、副議長 知事会長
九州知事会議
福岡・佐賀・長崎・大分
九州経済連合会
(会長1名・副会長12名)
九州商工会議所連合会会長1名
熊本・宮崎・鹿児島・沖縄
九州経済同友会代表委員2名
山口の9知事
九州経営者協会会長1名
2005.10-2007.3
第1次道州制検討委員会 委員長石川敬一九電工会長 7県、経済界9
2007.5-2009.3
第2次道州制検討委員会 委員長矢田俊文北九州市立大学学長 ほか
7県(部長)、多久市長、九州経済連合会3、福岡経済同友会1、
熊本経済同友会1、九州商工会議所連合会1、九州経営者協会1
Ⅱ
道州制の九州モデルの提案
現行憲法下での 新しい国のかたち=地方分権型国家
国と地方の役割分担
200810.30
国家統治、外交、防衛など
国家の存亡に関わること
①中央集権システムの改革
例
国
②国と県の二重行政解消
③危機的財政の改善
外交、防衛政策、通貨・金融、
エネルギー政策など
道州
ナショナルミニマムー年金、生活保護等
河川・空港の整備や産業振興など
④東アジアの拠点として九州
道州全体に関わる広域的な事業
⑤九州の活性化、豊かな暮らし
例
警察、広域防災、空港、鉄道、港湾、
高速道路、広域的な産業振興など
⑥都道府県・市町村制度改革
市町村
住民直接関わるサービス全般
例
消防、防災、市町村道、農道、林道整備、
都市計画、まちつくり、児童福祉、母子福祉など
国と地方の役割分担の基本原則
1.国と地方の役割分担
(1)国と地方の役割分担を明確に区分する。
(2)国の役割ー法律で限定的に列挙する。
(3)道州域を越える広域事務は道州が連携して行う。
(4)国・地方とも、それぞれ企画立案から執行まで一貫して行う。
(国から地方への委託は必要最小限ー戸籍・旅券・国政選挙など)
(5)国の地方への関与は基本的事項にとどめる。
2.道州と市町村の役割分担
(1)市町村優先の原則ー道州の役割は道州の条例で定める
(2)道州の市町村への関与は基本的事項にとどめる。
(3)市町村域を越える広域事務は市町村が連携して行う。
(4)企画立案から執行まで一貫して行う。(委託は最小限)
国と地方の役割分担の基本原則
3.全国的な統一性の確保に関する基本原則
(1)内政分野に関わる全国的な統一性の確保は、一次的には地方が担
うことを責務とする。←内政を地方が担う原則
公的年金、医療保険、義務教育などのナショナルミニマム
国ー基本理念、政策大綱など基本的事項を示す
道州・市町村ー具体的制度設計と運用
生活保護ー今後の議論
全国的統計、統一規格の事務、社会保障に関する事務
道州または市町村を母体とする執行機関を共同設置案
(2)内政分野の係るものも含め、対外交渉は国が一元的に行う。
4.国と地方の役割分担の担保措置ー事務の競合調整する仕組み。
5.道州間及び道州内市町村間の権限・事務の調整組織設置。
無駄な調整コスト
有明海をめぐる錯綜する行政管理機構
多大な時間・
環
費用・人材を
境
かけて未解決
省
長
崎
県
佐
賀
県
熊
本
県
水
資
源
公
団
国
土
交
通
省
経
済
産
業
省
文
部
科
学
省
→意思決定
の一本化=
道州制へ
福
有
明
海
岡
県
沿岸市町村
大
恵み
協働
農
林
水
産
省
分
県
活用
漁民、農民、市民、企業、大学
協働
道州制九州モデルのもとで税財政制度
基本的考え方
1.役割分担案に対応ー内政は道州・市町村が原則
ただし、ナショナル・ミニマムの扱い方で異なる
2.安定的な地方税体系の構築
地域間偏在性の少ない、課税標準の可動性の低い税目
-住民(所得)税、消費税、固定資産税、事業税
社会資本形成に密接に関係する税目ー自動車関係税
3.所得配分機能、経済安定化機能を有する国税、調整財源
地域偏在度高い、景気変動性高い税目
-法人税、所得税(累進課税分)、相続税
道州制九州モデルのもとでの税財政配分案
法 人 税
事 業 税
国 税
調整財源
(90%)60%
(10%)'40%
道州税
市町村税
100%
都道府県税
100%
所 得 税
(50%)20%
(40%)60%
(10%)20%
100%
酒 税
たばこ税
100%
(60%)80%
(40%)20%
(60%)80%
(40%)20%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
不動産取得税
100%
固定資産税
都市計画税
国税
市町村民税
国税
国税
地方税
国税
国税
都道府県税
100%
揮発油税
軽油引取税
自動車税
自動車取得税
軽自動車税
市町村税
都道府県民税
100%
相 続 税
消 費 税
現 行
国税
市町村税
国税
都道府県税
都道府県税
都道府県税
100%
市町村税
都道府県税
100%
100%
赤字は 生活保護、医療、年金を国が負担した場合
市町村税
市町村税
税財政制度のイメージ(Type H-1(A))
資料 4-1
○年金は国、医療は道州、生活保護は基礎自治体の役割として整理した場合のイメージ。
○Type-Hの考え方をベースとしつつも、国の支出額の増大を踏まえて、税の配分割合等について一部変更。
租
税 (87兆円)
道州が徴収
国税
(約14兆円)
所得税(1/5)
法人税(3/5)
関税
収入印紙税
など
(約14兆円)
道 州
税
市町村税
(約30兆円)
(約19 兆円)
(約24兆円)
所得税(3/5)
住民税(市町村)※
法人税(2/5)+市町村税法人税割
固定資産税
相続税
消費税(1/5)(交付金)
都市計画税
地方間の調整組織
(約10兆円)
(約9兆円)
など
(全州会議)
住民税(州)
事業税
消費税(4/5)
自動車税
揮発油税
酒税
など
(約40兆円)
国税
(国債)
調整財源
各州に総額を配分後、
各州のルールで市町村へ配分
州と市町村の配分は仮おき
(約33兆円)
市町村税
道州税
(地方債)
(地方債)
補助金等は廃止
国の
最終支出
(約18兆円)
道州の最終支出
(約49兆円)
※所得税の2割は市町村税へ移譲
市町村の最終支出
(約45兆円)
Ⅳ
道州制実現への課題と展望
①基礎自治体のあり方
小規模市町村
政令指定都市
1.国民運動
2.区割りの確定
JUMP
3.道州制基本法等
関係法令の制定
②州政府のあり方
③権限・人材の移行
HOP
平成の大合併
地方分権一括法
三位一体改革
地方分権改革推進法
STEP
広域圏地方計画策定
28次地方制度調査会答申
道州制ビジョン懇談会報告
全国知事会ー道州制見解
日本経済団体連合会提言
広島県分権改革推進計画ー広島モデル
九州地域戦略会議ー九州モデル
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