高エ研ライナックの高周波窓の現状
高エネルギー加速器研究機構
加速器第三研究系
道園真一郎
クライストロンユニット
WG rf window
SLED
WRJ -3
(v ac uum)
to SLED
WRJ -3
(v ac uum)
f rom k ly s tron
IP_B
IP_L
IP_A
Klystron rf window
klystron
alumina
c eramics
• クライストロンの出力部にクライス
トロン高周波窓
• SLEDとクライストロンの間に導波
管高周波窓(クライストロン交換
の際に加速管を真空に保つ)
2m acceleration structure x 4
e+/e- beam
高周波窓の仕様比較
diameter of ceramic
thickness of ceramic
ceramic
coating
transmission power
•
KEK
84.2 mm
3.2 mm
HA997(NTK)
TiN
max. 50MW
SLAC
84.2 mm
3.2 mm
AL995(WESGO)
TiN
max. 25MW
SLACと同様の構成だが、SLACでは出力を二分岐して高周波窓通過させているた
め、最大通過電力は2倍の差がある。
導波管高周波窓の運転統計
Install
92
93
94
95
96
97
98
99
2000
2001
sum
•
•
•
•
•
•
Living
3
2
5
2
14
18
1
3
6
5
59
Av. Op.
Cummulative
Failed mean life leak X-ray VSWR Contami Temp life
MTBF
Time
op.time
41,039
8
29,114
2
1
2
1
2
356,025
44,503
46,106
5
16,186
1
1
2
1
173,142
34,628
37,204
2
31,665
1
1
249,350
35,809
1
14,708
1
86,325
86,325
27,236
3
17,513
1
1
1
433,846 144,615
25,845
1
16,383
1
481,595 481,595
23,029
0
23,029
13,204
0
39,611
9,458
0
56,750
2,441
0
12,203
24,595
20
19,055
4
2
1
5
5
3
1,832,174
91,609
導波管平均運転時間は2.5万時間程度。
クライストロンのMTBFは3万時間程度を予定。
導波管高周波窓については、5万時間程度の寿命を期待。
それでも、今後、年間8-10個程度の高周波窓を交換。(7500h/y)
導波管高周波窓にリークがあると、クライストロン交換が運転中は、不可能となる
(加速管を真空パージしてしまうため)
用心のため、導波管高周波窓は早めの交換を行いたいと考えている。
破損窓
(a) 放射線が大量発生(‘97.4)。リークはなかったがクラックあり。
(b) 表面の汚れ。(炭素が付着したもの)
ルミネセンス
マルチパクタ時の発光
•
•
•
表面放電
レゾナントリングでのマルチパクタおよび表面放電時のルミネセンス。
マルチパクタ:0.5-10MW(コーティングあり)
表面放電:40-250MWで発生
マルチパクタによる局所的溶融
-
e
alumina
ceramic
luminescence
-
e
multipactor
multipactor: the electron multiplication
by rf field on the alumina surface having
high secondary electron emission (SEE)
coefficient
•
•
Sbandピルボックス型窓では0.510MW程度の通過電力でマルチパク
タが発生する。
長時間のマルチパクタの後には局所
的な溶融が見られる。
表面放電
Electric field
- - -- -- + +
+
+
+
+
TiN
-
- - +
+ +
Alumina
放電後のアルミナ表面の顕微鏡写真
• 表面放電は、TiNコーティング等に蓄積された電荷の解放
• 表面放電が生じた後には、リヒテンベルグ状の放電痕が見られる。
運転中の監視
•
1.
2.
3.
•
1.
2.
3.
破壊との関連
VSWRのfaultが多いものは窓のリーク可
能性大(反射による電界上昇)
高周波窓の温度上昇大きいものもリーク
の可能性あり
放射線発生が大きいものは壊れている
可能性大
対策
頻繁なVSWRによる反射が生じた場合の
運転値の変更(出力の低減)(毎週)
定期的な高周波窓の温度測定(スリーブ
の熱伝対)(年二回)
定期的な放射線測定(年二回)
履歴の監視
温度上昇
30
April, 1999
3H713
1F101
2M702
3H719
25
⊿T(℃)
20
15
10
5
0
0
5,000
10,000 15,000 20,000 25,000
30,000 35,000 40,000
operation time (hours)
•
•
導波管高周波窓の高周波運転中の温度上昇と運転時間との関係。
幾つかの窓では、運転時間とともに温度上昇が増加→一部溶融し、損失が増加し
ている。
高周波窓の評価
•
•
•
材料の選定
– 顕微鏡観察
– 誘電損失測定
– 密度測定
– カソードルミネセンス測定(F中心がないか)
– レゾナントリングを使った大電力試験
コーティングの最適化
– 二次電子放出測定(SEM)
– 高周波損失測定(空洞共振器法)
電界を低下させる構造(TWC型窓)
– レゾナントリングによる大電力試験
セラミック表面
•
材料の評価基準
1. 粒径が小さい(緻密)こと
(粒径が小さく、空孔の少ない
ものが材料として優秀。)
2. 誘電損失が小さいこと
(純度が高く、空孔が少ないも
のがよい。)
•
•
•
単結晶のアルミナ(サファイ
ア)は、空孔が多く、材料と
して不適。
UHA99(左下)は粒径が小
さく、優秀であったが、メタラ
イズが難。
HA997を採用
レゾナントリング
frequency
: 2856MHz
pulse length : max. 2μ s
pulse duration: 50pps
peak power : < 400 MW
average power: < 40 kW
-8
base pressure : 10 Pa
-6
pressure during rf operation : <10 Pa
溶融面でのカソードルミネセンス
-
+
+
α-center
-
+
-
+
-
+
-
+
-
+
-
+
e+
2e-
+
-
+
+
-
-
+
+
-
-
+
F+-center
F-center
F+
F+-center及びF-centerの欠陥モデル
Conduction-band
1p
3
p
1s
2B
2A
200nm
1B
200nm
230nm
330nm
410nm 1
260nm
+-center
F-center
F
A
F+-center及びF-centerの電子エネルギー準位
•
溶融表面ではF中心のピークが現れる。
F
レゾナントリングでのルミネセンス
F+
Intensity [arb]
Cr+++
マルチパクタ時の発光
200
300
400
500
600
Wave Length [nm]
•
•
レゾナントリングでのマルチパクタ時のルミネセンス。
>200MWの通過試験を行い、F中心の有無等を評価する。
700
コーティングの最適化
10-1
8
7
tanδ
10-2
6
10-3
4
tanδ
SEE
5
3
10-4
2
1
SEE @1keV
SEE @2keV
0
0
1
2
3
4
10-5
5
厚い膜で見られる高周波通過によるTiNの剥れ
Film thickness (nm)
• マルチパクタを抑える程度に厚い(>0.5nm)
• 厚いコーティングの場合、高周波損失が大きい。(コーティングの鱗状
のはがれも見られる。)(<3nm)
二次電子放出測定
e-
Ip
Faraday cup
Triger
Q ++ +
Alumina
Faraday cup current
+40 V
Iab
•
A
IF
A
パルスビーム法による二次電子放出係数の測定
誘電損失測定
•
空洞共振器法を用いた測定(TE011およびTE111
モード)
TWC型高周波窓
diameter of ceramic
thickness of ceramic
maximum electric field
@ 50 MW operation
(tangential to ceramic)
(normal to ceramic)
pass-band(<1.2VSWR)
•
pill-box type
84.2 mm
3.2 mm
TWC-type
84.2 mm
7.6 mm
4.1 kV/mm
2.2 kV/mm
rectangular waveguide
72.1 x 34.0
H
Iri
s iris
5.6 kV/mm
600 MHz
0 kV/mm
80 MHz
TWC(Travelling wave in ceramic)型
窓は、セラミック内が進行波となる為、
通常のピルボックス型窓よりセラミッ
ク表面の電界が低い。(約半分)
Iris
alumina ceramic
f 84.2 t 7.59
Alumina ceramic

t
84 x 3.2
E
E
2 .0
2 .0
1 .5
1 .5
1 .0
1 .0
0 .5
0 .5
R F
1 /2
R F
l
w in d o w
T W C -ty p e w in d o w
for water
cooling
iris
まとめ
•
KEKLinacの高周波窓は通過最大電力が50MWとSLACの2倍
•
交換までの平均寿命は5万時間を期待(年間8-10個の交換)
•
高周波窓の破損は、マルチパクタによる表面溶融と表面放電による破壊
マルチパクタ→弱い部分の局所溶融→F中心生成→過熱→貫通孔
表面放電→表面溶融→F中心生成→過熱→貫通孔
•
運転中に、VSWRのFault回数や温度上昇、放射線測定を行っている。
•
高周波窓の性能向上のために
1.
材料の選定(緻密でtanδ小さいもの)
2.
TiNコーティングの最適化(マルチパクタを抑え、高周波損失を最小)
を行ってきた。
さらにこれ以上の大電力通過では、
3. セラミック内で電界を下げるために高周波窓の構造最適化
(TWC型窓)
が不可欠となる。
表面放電
誘電損失
30
3H719
25
2M702
⊿T(℃)
20
1F101
15
10
5
0
0
10
20
30
40
50
60
tanδ *10 -5
• 誘電損失と温度上昇は、直接的には関係しない。
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高エ研ライナックの高周波窓の現状