インドの通信・放送事情
2006年12月7日
(財)国際通信経済研究所
藍沢 志津
(財)国際通信経済研究所
インド
(財)国際通信経済研究所
通信市場の成長
16,000
(万)
固定電話*
移動電話**
合計
インターネット
ブロードバンド
14,032
14,000
12,478
12,000
11,307
10,422
10,000
9,841
9,288
9,014
7,594
8,000
6,507
6,000
4,801
4,487
5,222
4,619
5,737
4,685
4,800
5,018
4,884
4,000
2,000
0
545
4.7
2004年12月
*固定電話:CDMA-WLL(M)含む
555
18.3
2005年3月
589
39.9
2005年6月
613
61.2
2005年9月
670
90.3
2005年12月
694
134.8
2006年3月
出所:The Indian Telecom Services Performance Indicators for Financial Year Ending 31st March 2006
(TRAI、2006年6月28日)
**移動電話:GSMとCDMAの合計
(財)国際通信経済研究所
固定通信市場加入者数内訳
(2006年3月末現在)
加入者数は約5,018万(2006年3月)
Bharti
Reliance
299万人
135万人
HFCL
26万人
Shyam
17万人
MTNL
387万人
Tata/Hughes
402万人
BSNL
3,751万人
出所:The Indian Telecom Services Performance Indicators for Financial Year Ending 31st March 2006
(TRAI、2006年6月28日)
(財)国際通信経済研究所
移動体通信市場加入者数内訳
(2006年3月末現在)
加入者数は約9,014万(2006年3月)
Aircel
BPL
MTNL
Spice
205万人
193万人
134万人
HFCL
6万人
Shyam Telelink
3万人
Bharti
1,958万人
261万人
TTSL
485万人
IDEA
737万人
Hutchison
BSNL
1,536万人
1,765万人
Reliance
1,731万人
出所:The Indian Telecom Services Performance Indicators for Financial Year Ending 31st March 2006
(TRAI、2006年6月28日)
(財)国際通信経済研究所
GSM事業者の内訳(2006年3月末現在)
加入者数は約6,919万(2006年3月)
MTNL
3%
Aircel
4%
Reliance
Spice
3%
3%
BPL
2%
業界団体:
COAI(Cellular Operators Association of India)
Bharti
27%
IDEA
11%
Hutchison
22%
BSNL
25%
出所:The Indian Telecom Services Performance Indicators for Financial Year Ending 31st March 2006
(TRAI、2006年6月28日)
(財)国際通信経済研究所
CDMA事業者の内訳(2006年3月末現在)
加入者数は約2,095万(2006年3月)
BSNL
2%
MTNL
1%
HFCL
業界団体:AUSPI(Association of Unified
Telecom Service Providers of India)
Shyam Telelink
Tata Teleservices
23%
Reliance Infocom
74%
出所:The Indian Telecom Services Performance Indicators for Financial Year Ending 31st March 2006
(TRAI、2006年6月28日)
(財)国際通信経済研究所
インターネット加入者数内訳
(2006年3月末現在)
加入者数は約700万(2006年3月)
Bharti Infotel
VSNL
7%
10%
Sify
16%
BSNL
50%
MTNL
17%
出所:The Indian Telecom Services Performance Indicators for Financial Year Ending 31st March 2006
(TRAI、2006年6月28日)
(財)国際通信経済研究所
主要事業者のプロフィール
事業者名
携帯電話技術
特徴
Bharti
GSM
(ブランド名Airtel)
1985年設立。電気通信のほか農産物輸出も手がける新興企業。
持ち株会社Bharti Telecom、事業会社Bharti Televentures。
シンガポールSingTelが30.8%出資。Vodafone10%出資。
BSNL
GSM&CDMA
国営事業者(政府100%所有)
Reliance
GSM&CDMA
(ブランド名RIM)
1958年創業。石油・ガスを中核とするコングロマリット。
総合通信Reliance Infocomm(CDMA-WLL(M)、GSMのReliance Telecom。
Hutchison Essar
GSM
(ブランド名Hutch)
コングロマリット・エッサー・グループ(Essar Group(Ruia財閥))。香港Hutchison
Whampoaと提携。
イデア(IDEA)
GSM
Tata CellularとBirla AT&T Communicationsが合併。
Tata(50%弱)、Aditya Birla Group(50%強)→2006年4月にAdytiaがTata分
48.14%を買収し、98.3%所有。→TataはCDMAに特化。
TTSL(Tata)
CDMA
125年の歴史を持つ一大財閥。Ratan Tata氏。
固定系→CDMAWLL(M)。
MTNL
GSM&CDMA
国営事業者(政府所有率56%、デリーとムンバイ)。
VSNL
国際通信。インターネット接続。
国有系、国際通信現業部局(OCS)が前身。Tata(46.6%)、政府(26.2%)。
出所:各種資料より作成
(財)国際通信経済研究所
規制緩和の流れ
1885
1947
1986
1994
1997
1999
2000
2001
2002
2003
2005
インド電信法成立
BSNLが市内/長距離通信免許を取得
インド独立
MTNLが市内/長距離通信、VSNLが国際通信免許を取得
「電気通信政策(NTP:National Telecom Policy)」発表
固定電話事業への民間参入が可能に。
州単位をベースにした免許区(カテゴリーABC)を設定→キャリアの細分化
インド電気通信規制庁(TRAI)及びTRAI法成立
市内通信市場自由化
「新電気通信政策1999(NTP 1999:New Telecom Policy 1999)」制定
インド技術省(MIT:Ministry of Technology)設立(後に+通信省→通信IT省となる)
TRAI法改正により、TRAIの権限強化
苦情、紛争処理のためにTDSATを設置
長距離通信市場自由化
通信融合法案策定
国際通信市場自由化
統合アクセス免許制導入(固定と携帯の統合)
電気通信事業への直接外国投資(FDI)比率の上限を49%から74%に引き上げ(10月)
出所:DOTウェブサイト、
「インドの電気通信」(中沢順子、InfoCom Review Vol.38(2006))
(財)国際通信経済研究所
監督・規制機関
• 通信IT省(Ministry of Communications and
Information Technology)
IT局(Department of Information Technology:DIT)
電気通信局(Department of Telecommunications:
DOT):政策機能
• TRAI(Telecom Regulatory Authority of
India):規制機能
• TDSAT:紛争処理機能
(財)国際通信経済研究所
通信ー法制度
•
•
•
•
•
•
「1885年インド電信法(Indian Telegraph Act1885)」
「1933年インド無線法(Indian Wireless Act 1933)」
「1997年TRAI法(TRAI Act 1997)」
「2000年TRAI 改正法(TRAI(Amendment)Ordinance 2000)」
「2000年情報技術法(Information Technology Act 2000)」
「2003年インド電信(改正)法(Indian Telegraph(Amendment)
Act 2003)」
• 「2004年インド電信(改正)規則(Indian Telegraph
(Amendment)Rules 2004)」
(財)国際通信経済研究所
(財)国際通信経済研究所
20
20
20
20
20
20
19
19
19
19
19
19
05
04
03
02
01
00
99
98
97
96
95
94
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
19
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
00
99
携帯電話加入者数の推移
(中国:1994-2005、インド:1999-2006)
40000
35000
30000
25000
20000
15000
中国
インド
10000
5000
0
出所:ITU統計
通信政策と法整備
・キャリアの細分化
-携帯電話人口カバー率:22%(2004年末)→目標75%
-1990年代半ばの通信免許の通信圏域分布政策
・新政策と法整備
-1999年新電気通信政策
-キャリアに対する地理的規制の撤回
-送話者料金負担システム
-外国直接投資(FDI)の上限引き上げ(49%→74%)
-ユニバーサル・サービス義務の導入
-ADC(アクセス赤字補填料、BSNLに支払う)の合理化
通話分数に基づき徴収→収益ベース(固定キャリアに有
利、モバイルキャリアに不利)
(財)国際通信経済研究所
外資規制の緩和
• 2005年11月、外国直接投資規制上限49%→74%
• 事業分野:基本電話、セルラー電話、統合アクセス、国内
長距離/国際通信、VSAT、業務用無線(PMRTS)、
GMPCS(Global Mobile Personal Communications
Service)、その他付加価値サービス
• 条件つき緩和
– 残る26%はインド企業(外資49%以下、経営者インド系)所有と
なるが、その外資比率は比例計算で74%に組み入れること。
– 経営者の過半数はインド系。
– CTO、CFOはインド人。
– (上記はこれまで外資比率が49%以下であった通信事業者にも
適用)
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
外資規制の制限
・「国家安全保障特例法(National Security Exemption
Act)」
・外国資本によるインド国内企業の買収、合併が国益に反
すると判断された場合に、それを保留または禁止する権
限を政府に付与する法案
・「センシティブな分野」:港湾、空港、通信、ISP、製油所、ガ
スパイプライン、石油・天然ガス採掘所、造船、治金、防
衛、データ処理、製薬分野
・「センシティブな地域」:国家安全保障上最重要な核開発
地域、宇宙開発地域、防衛施設周辺や国境沿い、ジャン
ム・カシミール州、チャティスガール、北東部の州。
・懸念される国々や地域:中国、香港、マカオ、台湾、パキス
タン、バングラデシュ、アフガニスタン、北朝鮮
・タックスヘブンで名高いモーリシャス、キプロス、ケイマン
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
諸島からの不審な投資
(財)国際通信経済研究所
通信ー主要な政策
• 1999年新電気通信政策(New Telecom Policy 1999:
NTP-1999)
• マラン通信IT大臣の「10項目のアジェンダ」
• ブロードバンド政策2004(Broadband Policy 2004)
• 国家電子政府計画(NeGP)
(財)国際通信経済研究所
1999年新電気通信政策
(New Telecom Policy 1999:NTP-1999)
・DOT、TRAI、事業者の役割の明確化
・法律に準ずる性質のガイドライン
・電気通信分野及びIT分野の融合を含む自由化
-TRAIの役割の明確化
-新規参入に関するガイドラインの設定
-ケーブルテレビ事業者に対する、データ及び音声通信サービス
提供の認可
-一般電気通信事業者との相互接続の認可
・2000年までのDOTの電気通信サービス部門の独立及び法人化
→BSNL
・2000年8月から民間事業者の長距離通信市場への参入が認められた
→市場競争の開始
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
新電気通信政策(現在策定
中)
• アハマド通信IT担当国務大臣、7月26日の下院書面に
よる答弁
• 項目
– アクセス
– 周波数分配
– 電気通信機器の製造
– R&D
– 規制緩和及び合理化
– 付加価値サービス
– サービス品質等
• 既に大手の利害関係者が政策草案の準備に関してコ
メントを寄せている。
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
マラン通信IT大臣の「10項目のアジェンダ」
・2004年5月26日、情報通信技術の促進
①情報/通信/メディア技術の融合、②行政の透明性、
③ブロードバンド接続④次世代無線通信技術、
⑤国内インターネット交換及びインド・ドメイン名、⑥ IPV6への移行、
⑦セキュリティ及びデジタル署名、⑧メディア・ラボ・アジア、
⑨言語コンピューティング、⑩有能なIT人材アウトソーシング
・ 2006年5月24日、担当部署を明記
-DOT担当:①ネットワークの拡大、②ルーラル地域の電話、③ブロードバンド、④
製造R&D。
-DIT担当:⑤電子政府、⑥インド言語のための技術、⑦半導体製造、ATM、その
他のハイテク産業に対する投資政策の策定、⑧ITソフトウェア及びITeS
(Information Technology Enabled Services)の成長
-郵務局担当:⑨インディアポスト(India Post)改革のためのインド郵便局(Indian
Post Office Act)改正、⑩「いつでもどこでも」のバンキング。
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
ブロードバンド政策2004
• DOT、2004年10月
• GDPの成長に伴うブロードバンド・サービスの需要を
認識。
• 遠隔教育、遠隔医療、電子政府、エンタテインメントを
通じて生活の質を高めると同時に雇用を促進するた
め、ブロードバンド・サービスの普及を促進することを
目的とする。
• ブロードバンド・サービスを「インターネット接続を含む
常時接続の双方向サービスで、その速度はPOP
(Point of Presence)から一般利用者向けに、下りで
最低でも256kbps」と規定。
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
主要通信事業者の進出状況
• AT&T
-AT&T Indiaが新外国直接投資制限下で初の国内長距離/国際長距離
(NLD/ILD)免許を取得。
-2007年1月、Mahindra社との合弁AGNS India設立。74%出資。
• BT
-BT Telecom India Pvt. Ltd.国内長距離/国際長距離(NLD/ILD)免許申
請中。
-Jubilant Enpro Pvt. Ltd.と合弁事業。74%出資。160万米ドル(1億8,560
万円)の投資。
-アジア太平洋地域で2,100万米ドルの投資。
-2009年までに2億5,000万米ドルの収入が目標。今後2年間でさらに6,000
人を採用(現在1万5,000人)
• Vodafone
-Bharti Televenturesに10%出資(2005年10月)
出所:Total Telecom、各社ホームページより作成
(財)国際通信経済研究所
ベンダーの進出状況
Ericsson
2005年2月にジャイプール工場操業開始
Bhartiから10億米ドル(約1,172億円)のネットワーク構築受注。Bhartiが免許を持つ15サーク
ルの全都市に提供。
BSNLのGSMネットワークをめぐるモトローラとの争い。
Svanberg社長「今後2~3年が勝負。ゼロサムゲーム」
Motorola
BSNLのネットワーク構築受注に失敗。裁判所に提訴。
ノーテル
ウッタルプラデシュ州の鉄道システムにインド最大級のGSM-Rネットワーク構築。
アルカテル
2005年末までに6億米ドルの投資
チェンナイに無線ブロードバンドのための研究センター
ノキア
10番目の端末工場(2,000人採用)
シーメンス
バンガロールに研究開発センター、コルカタに工場
LG電子
プネで端末生産、2010年までに6,000万米ドル投資予定
サムスン
1997年参入、バンガロールとノイダで研究開発センター
フアウェイ
バンガロールに製造及び研究開発センター建設、1億米ドルの投資予定
インテル
WiMAXのパイロット・ネットワーク建設(ムンバイ、デリー、プネ、バンガロール)
出所:Total Telecom、各社ホームページより作成
(財)国際通信経済研究所
都市部とルーラル地域の電話
普及率の推移ー広がる格差ー
35
(%)
31.13
30
26.2
25
21.3
20
都市部
15
14.3
12.2
10.4
10
5
0
4
1.3
0.3
1996年3月
4.8
1.6
0.3
1997年3月
5.8
1.9
0.4
1998年3月
6.9
2.3
0.5
1999年3月
9.08
8.2
7.04
平均
2.9
0.7
2000年3月
3.6
0.9
2001年3月
5.1
ルーラル地域
1.5
1.2
4.3
2002年3月
9.86
2003年3月
1.7
2004年3月
1.74 1.94
2005年7月
2005年3月
出所:TRAIプレス・リリース2005年10月3日
(財)国際通信経済研究所
デジタル・ディバイド対策
・「バーラト・ニルマン」
・「ワン・インディア・プラン」
・「国家電子政府計画(NeGP)」
・3Gサービス
(財)国際通信経済研究所
バーラト・ニルマン
• 2005年5月16日、シン首相
• インド構築(富国)
• 2005-2009年、 1兆7,400億インド・ルピー
(約4兆5,588億円)
• 電力、道路、飲料水、電話、灌漑設備、住
宅の6項目
• 「すべての市町村に電話を(2007年11月ま
でに残りの6万6,822市町村をカバー)」
(財)国際通信経済研究所
ワン・インディア・プラン
・ 2006年3月1日、国営事業者であるBSNLとMTNLの「ワン・インディア
(One India)料金プラン」が開始
・マラン通信IT大臣が「インド国内の通話を全て一律低額料金に」と提唱
・固定電話/WLL/携帯電話の区別に関わらず、また市内/長距離の区
別にも関係無く、すべて一律の「1分間1インド・ルピー(約2.62円)」で統
一するというもの(50km以内の市内・長距離通話は3分1インド・ル
ピー)
・背景:携帯-携帯間の通話料金が、固定-携帯間の料金より安くなって
おり、昨年、固定電話の解約率が大幅に増加した。これに対し、マラン
大臣はこの一律低額料金プランの導入により、インド全体のトラフィッ
クが増加し、固定電話の解約率も減り、結果的に両社の収益も増加す
る、と考えた。
(財)国際通信経済研究所
国家電子政府計画
(National e-Governance Plan:NeGP)」
•
•
•
•
•
マラン通信IT大臣、2006年6月14日
今後5年間で2,300億インド・ルピー(約5,980億円)を投資
中央・地方行政機関において26のプロジェクトを実施
「地方の一般市民の家庭で利用できる電子政府サービス」
土地所有記録、運輸、登録、MCA-21(企業法務省(Ministry of
Company Affairs)主導で行なわれている電子政府イニシアチ
ブ)、輸入税、中央物品税、電子政府サービス・センタ(60万の
村落に対して10万か所を設立予定)のプロジェクトに関しては、
今後6か月から1年以内に完成させる予定。
• 各省庁・行政機関の予算により運営されるが、プロジェクトの中
には、官民協力に基づきサービス料金を徴収して費用を賄うも
のもある。
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
3Gサービスの動向
• 政府は3G用周波数の割当てを計画中
– 2006年9月、TRAIが勧告発出。
– 2007年3月~6月サービス開始。
– 2.1GHz帯、800MHz帯、450MHz帯。
– 期限を定め、全面サービス開始を義務付け。
(対象地域にルーラル地域も含む)
→デジタル・ディバイド対策
出所:PIB(Press Information Bureau)発表資料
(財)国際通信経済研究所
ダウンロード

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