自主参加型国内排出量取引制度
国内排出量取引制度とは?
企業はまず、過去三年間のCO2排出量から平均値を割り出し、 09年度の排出予測量を計
算する。その後に環境省からの補助金での設備整備を含めて、自社が削減できる量を算出す
る。 それを排出予測量から差し引いたものを排出枠(JPA)と呼び、政府から排出の上限とし
て企業に与えられることになる。つまり企業はこの政府から与えられる排出枠以内にCO2排
出をとどめることになる。
排出枠の算出方法
←企業の自主的な削減目標
基準年度排出
量
過去3年排出量
実績の年平均
値
06年度
07年度
←09年度の排出をしていい量
(排出枠)
111411 下澤祐介
121233 小林明日香
111099 本間貴大
121347 中島祥子
111318 西野睦美
121564 田中寛之
・自主参加制
参加企業数が少なくなる。排出量削減効果に期待できない。
現在、試行排出量取引に自主目標を設定して参加する企業は616社。
全国企業数は約28,000、うち上場企業は3,900。
参加義務化する有用性?
「義務」の問題点@EU
排出枠需要超過・・・排出枠価格が急落したときの問題
2008年秋からの世界不況で企業が生産を減らしたため、CO2の排出量が減り価格が1トン
10ユーロ代に急落。価格が減ると、企業はCO2排出削減のための事業や技術開発よりも、
排出枠そのものを買うようになる。
→不況時には企業の負担が減るが、中長期的に見ると、資金が開発に向かわず技術革新
が進まなくなる。
08年度
しかし運営していく上で、実際のCO2排出量が排
出枠を超 えてしまった場合、国内排出量取引を
行うことになる。下図にあるように、排出枠を超え
てしまった会社は、排出枠を下回る排出量に抑え
られた企業から排出枠を買い取ることが可能にな
る制度である。こうすることでどちらの企業も排出
枠内にCO2排出を抑えることができるとともに、排
出に関わる知見を積み重ねることができ、社会に
環境対策に乗り出す企業としてアピールすること
も可能になる。 しかし、期間終了までに排出枠を
補えなかった場合、環境省からの補助金を返済し
たり社名を公表したりといった、罰則が科せられる。
国内クレジット制とは何か。
国内クレジット制とは排出量取引の際に認められる1つの取引の方法で、ある企業(主に大
企業が)自らの会社内での省エネ化を完了させたが排出枠を超えてしまっている場合や、会
社内での設備投資よりも他企業等(主に中小企業など)での設備投資・技術支援にかかる費
用のほうが安く、費用対効果が大きい場合には、中小企業に技術・資金援助を与えて、実際
にCO2を削減できた量(クレジット)を自社の排出枠超過分に充てることができる仕組み。
国内クレジット制度のイメージ図
中小企業等のCO2削減を
実際に行う事業者
問題点
101328 追田好章
111033 段香緒里
削減量相当の国内クレジット
中小企業等に技術・資金
援助をする企業等
排出削減の技術・資金のなどの支
援
メリット
排出量取引の利点は主に3つある。
①市場メカニズムを通して、温室効果ガスを最小のコストで削減することができる。
→取引に利益が伴うために、企業間で削減へのインセンティブが発生しそれがまた削減を促
すという市場原理によるものである。
②企業がこの制度を利用した利潤の追求を目的として、できるかぎり排出量を抑えようとする
ことによって新しい技術特にいわゆる省エネ技術の開発、発達が促進されそれらの技術や商
品が広まることによって、その社会全体の温室効果ガスの排出削減につながると考えられる。
③自由参加性を取ることでもともと環境対策に力を入れることができなかった、中小企業も温
室効果ガス削減に貢献できる。
・中小企業、家庭の排出量削減ができない
参加義務は一定以上のエネルギーを消費している企業にしかないため、EUでは全体の排出
量の3~4割しか規制の対象になっていない。多数を占める中小企業や家庭の排出をどう規制
するかが今後の課題となっている。
・広報不足
今年3月の政府による企業アンケート調査で排出量取引施行後も「参加予定なし」と答えた企
業(726社)の理由第一位は、制度の存在自体を知らないなど「周知・広報が不十分」。第二位
は「事務負担が大きい」、第三位は「経済情勢からの判断」。
・ 自主設定目標の信憑性
参加企業が自主的に排出削減目標を設定するため、余剰排出枠を創出する目的で目標を低
く設定する恐れがある。
・目標不尊守の罰則
社名公表という罰則があるため、企業はブランドネームを落とすことを懸念して、参加する意
欲を失う。
改善策としての提案
まだ試行段階であるにもかかわらず、社名公表という大きなリスクを背負わされてしまうことは
参加意欲をそぐおおきなデメリットであると考える。企業に排出量取引への参加メリットをより感
じさせる為に、「環境省が大々的に参加企業を宣伝し、参加企業のCSRとつなげる」ことが考え
られる。環境省が広く宣伝すればそれに関心を持った消費者の意識が高まり、商品購入時など
において企業選択がおこる。削減に積極的に取り組んでいる企業の社会的評価はあがり、それ
に負けまいと今まで削減に関して消極的だった企業もエコに取り組むようになると考えられる。
また、継続のインセンティブが弱いために参加企業の出入りが激しくなることが想像される。
そのため、環境省はより広報を充実させることが一番の課題となってくるのではないだろうか。
一案として、環境省として認定マークのようなものをつくり、積極的に排出量を削減した企業の商
品に認可マークを与えたり、HP上での環境省認定マークの使用許可を与えることで、消費者へ
のCSRアピールになり、企業にとって参加する意欲となるだろう。また同時に消費者の意識改革
にも取り組むことができる。
こういった一連の流れで、国内排出量取引は社会的にも環境的にもより意義が大きいものとな
り、地球環境保全のために企業と消費者一体となって取り組んでいける制度として成長できるの
ではないだろうか。
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環境政策 2