細胞の構造と機能
細胞の発見
イギリスの物理学者フックが手製の顕微鏡を用いてコルクの切片を
観察し、コルクが多くの室に分かれているのを認め、これを細胞(c
ell)と呼び、縦切りの切片で見ると膜で仕切られた細い管であると
述べている。
シュライデンは1838年、「植物の発生」と題する論文の中で、植物の
基本単位は細胞であり、それは核を中心に作られると考えた。
動物生理学者シュワンは動物の細胞も植物と同じ構造であり、やは
り核を中心に細胞が形成されると考えた。シュワンはさらに細胞の
概念を広げ、たとえ形や機能が異なっていても基本的には同じ細
胞であり、この細胞が生命の基本単位となり、それが発達し分化
していろいろな構造をつくると結論した。(細胞説)
細胞について
シュライデンとシュワンによって細胞説が提唱されてから、全ての生
物は細胞からできていて、細胞が生物の最小単位であると考えら
れるようになった。
細菌やシアノバクテリアなどの細胞には核はないが、遺伝物質である
DNAが細胞の中にあり、増殖できる。このような細胞を原核細胞
(モネラ)という。このような細胞からなる生物を原核生物という。
その他の生物の細胞は核や細胞小器官や複雑な膜系を持ち、真核
細胞と呼ばれ、この細胞からなる生物を真核生物と呼ぶ。
したがって生命の真の最小単位はモネラであり、「細胞」という語には
「自己複製=細胞分裂をする生命単位」という意味を与えるのが
正しいと考えられる。
原核生物と真核生物
• 原核生物
– 1.マイコプラズマ
– 2.真正菌類
• グラム陽性菌(ブドウ球菌、枯草菌 など)
• グラム陰性菌(緑膿菌、大腸菌 など )
– 3.後生細菌
• 真核生物
– 1. 植物
– 2.動物
– 3.菌類 (真菌類(カビ等)、担子菌類(キノコ等)など)
細胞成分
細胞の主成分は水、タンパク質、糖質、脂質、核酸、有機低分子
化合物、無機塩類であり、これらの物質は単独、または他の物
質と複合体を作って様々な機能を果たしている。
水
細胞内で行われるほとんどの化学反応が水の中で行
われ、水がないと反応が進まない。
タンパク質 約20種類のアミノ酸がペプチド結合によって鎖状に
並んだ巨大分子。アミノ酸の種類と配列によってタン
パク質の種類や機能が決まる。
糖質
ブドウ糖などの単糖類やグリコーゲンなどの多糖類が
あり、主にエネルギー源として利用される。
脂質
有機溶媒に溶けるものの総称。
核酸
塩基と五炭糖とリン酸が結合したヌクレオチドが多
数ひも状に結合した巨大分子。
真核細胞の構造
細胞膜
細胞質
リソソーム
ゴルジ体
リボソーム
粗面小胞体
滑面小胞体
ミトコンドリア
核小体
核膜
動物・植物細胞特有の器官
• 動物細胞
– 中心体
• 植物細胞
– 細胞壁
– 葉緑体
– 液胞
– 白色体
細胞小器官
小胞体
扁平または小胞状の膜が集まった構造。脂質の合成、タンパク質
の修飾、タンパク質の梱包。
ゴルジ体
扁平な袋状の膜が数層重なった構造体。小胞体から受け取ったタ
ンパク質の糖鎖を完成させ、行く先ごとに分別して送り出す器官。
リソソーム
真核細胞内の膜で包まれた細胞質構造体で、加水分解酵素に富
み、細胞消化に機能する。
核膜
二重の単位膜が作る大きな袋にたくさんの小孔(核膜孔)が開いた
もの。
核外遺伝子
この2つの小器官は、独自の核を持ち、基本的には原核細胞が真核細胞の
細胞内に食べこまれたものと考えられている。
ミトコンドリア
全ての真核細胞の細胞質中にある細胞小器官で、エネルギー産生や呼吸
代謝を行なう。
ミトコンドリアのDNAは母親の物のみを受け継ぐ。ルーツはアフリカに住ん
でいた1人の女性にたどりつき、その女性のことを「ミトコンドリア・イヴ」と
名付けた。
葉緑体
光合成が行われる色素体。
細胞膜の構造
糖質
リン脂質
疎水基
タンパク質
原形質に接して外界と細胞内部の境界となっている生体膜を
いう。
二つのリン脂質が疎水基を向けあい、膜の外側が親水基に
なるように並び、リン脂質の二重膜構造をとっている。
細胞膜の働き
細胞膜は中央部に疎水性の層を持つため、親水性の分子や
イオンなど、大部分の細胞成分を通過させない。
ブドウ糖やアミノ酸など、細胞にとって栄養源となる水溶性の
分子は脂質二重層に埋め込まれた様々なタンパク質に
よって細胞内へ運ばれる。このように、一部の物質だけを
通過させる細胞膜の性質を半透性という。
細胞膜の内外に物質を運ぶ膜タンパク質は輸送タンパクと呼
ばれ、その多くはエネルギーを使って仕事をする。エネル
ギーを消費して行われる物質の移動を総称して能動輸送と
いい、エネルギーを消費しない、濃度の高い方から低い方
へ向かって自由に膜細胞を移動する事を受動輸送という。
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