働きすぎの日本人
2012年7月3日
日本事情
火曜2限:26教室
黒 田 兼 一
主要国の年間労働時間の変化
2
JIL『国際労働比較』(2007)
労働時間の国際比較
2000年
週労働時間50時間以上の割合
国
週労働時間50時間以上の労働者割合
日本
28.1(%)
アメリカ
20.0
イギリス
15.5
ドイツ
5.3
フランス
5.7
イタリア
4.2
オランダ
1.4
ベルギー
3.8
デンマーク
5.1
スウェーデン
1.9
フィンランド
4.5
オーストラリア
20.0
ニュージーランド
21.3
4
JIL『国際労働比較』(2007)
主要先進国の年間労働時間
2004年
JIL『国際労働比較』(2007)
長時間労働の国・日本

時短先進国ドイツと長時間の国日本
1980年代、年間で約500時間の違い
500÷40=12.5 つまり3ヶ月強に相当

政府の公約「経済運営5カ年計画」
1990年代初期には年間総実労働時間を
1800時間程度まで短縮すると約束
週48時間労働から40時間労働へ(1988年)
2004年、その目標を廃棄!
週労働時間50時間以上の割合
2000年
国
週労働時間50時間以上の労働者割合
日本
28.1(%)
アメリカ
20.0
イギリス
15.5
ドイツ
5.3
フランス
5.7
イタリア
4.2
オランダ
1.4
ベルギー
3.8
デンマーク
5.1
スウェーデン
1.9
フィンランド
4.5
オーストラリア
20.0
ニュージーランド
21.3
JIL『国際労働比較』(2007)
労働時間の二極化
森岡孝二『働きすぎの時代』岩波書店、2005年、129ページ
働かせ過ぎの現代ニッポン

1886年シカゴ・ヘイマー
ケット広場事件
Eight hours labour,
Eight hours recreation,
Eight hours rest
 ケインズの予言
「100年後には週15時間だ
け働くようになっている!」
労働時間法制の基礎知識

労働基準法にはどう規定されているか

残業時間は?
第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間につい
て40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時
間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
第36条 使用者は、労働組合、労働者の過半数を代表する者と
の書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合にお
いては、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、
又は休日に労働させることができる。
http://www.houko.com/00/01/S22/049.HTM#s4
労働時間法制の基礎知識(2)

時間外手当
第37条 使用者が、労働時間を延長し、又は休日に労働さ
せた場合、通常の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の
範囲内で割増賃金を支払わなければならない。
3.使用者が、午後10時から午前5時までの間において労働
させた場合、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以
上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

諸外国
時間外労働の上限:多くの国は1日2時間、
年間の上限もフランスは130時間、アメリカは割り増し50%
労働時間法制の基礎知識(3)
年次有給休暇
第39条 使用者は、6箇月間継続勤務した労働者
に、10日間の有給休暇を与えなければならない。
 2 使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者
に対しては、1年ごとに、前項の日数に、次のように
加算した有給休暇与えなければならない。
1年1日、2年2日、3年4日、4年6日、5年8日、
6年以上10日

(すべてわかりやすく条文を修正してある)
年次有給休暇の取得状況
年 付与日数 取得日数 取得率
1995年
15.5日
8.2日
52.9%
1998
17.4
9.4
53.8
2000
17.8
9.0
50.5
2001
18.0
8.9
49.5
2002
18.1
8.8
48.4
2003
18.2
8.8
48.1
2004
18.0
8.4
46.6
厚生労働省:就労条件総合調査
時間外勤務をする理由
JILPT(2007)
電機連合(2007)
時間内では片付かない仕事量
時間内では片付かない仕事量
57.2
自分の仕事をきちんと仕上げたいから 34.1
突発的な業務がしばしば発生する
45.9
要員が足りない
27.9
人員削減で人手不足
20.3
所定外でないとできない仕事がある
13.4
取引先と時間を合わせる必要がある 18.8
業務をこなせる人材が少ない
11.9
事業活動の繁閑の差が大きい
16.5
10.3
56.0
事業活動の繁閑の差が大きい
9.9
仕事の進め方に無駄が多い
手当を増やしたい
6.1
より高い成果を上げたい
8.2
上司がいて先に帰りづらい
4.1
上司や同僚がいて先に帰りづらい
6.2
進め方に無駄が多くダラダラ残業する 3.6
手当を増やしたい
3.5
残業が評価され、査定に影響する
3.3
長時間働く方が評価される
1.8
仕事と自己啓発の時間も兼ねている
2.4
定時で帰るより働いている方が楽しい 0.8
黒田兼一他編著『人間らしい働き方・働かせ方』99ページ
サービス(不払い)労働時間の実態
2004年6月度の実態(月時間)
平
均
Total
平均
35.4
38.1
29.4
20歳代 30歳代 40歳代
43.2
27.8
42.4
32.8
34.5
27.2
50歳代 高卒以下 大卒以上
27.2
32.4
33.2
24.5
41.1
35.7
上段:男性
下段:女性
小倉・藤本『日本の長時間労働・不払い労働時間の実態と実証分析』
JIL労働政策研究報告書№22、2005年
日本の労働時間の問題点

所定内労働時間と所定外労働時間

サービス残業

低い年次有給休暇取得率
所定内労働時間の短縮
所定外労働時間の減少は鈍い
無給の残業、フロシキ残業、過労死、過労自殺
95年56%→03年47.4%
残業を前提とした人員管理、多い仕事量
時間単位取得を検討中(2008年実施??)

高失業率と長時間労働の共存!
さて、皆さんの国はどうでしょうか?

年間総労働時間を調べてください
減少傾向にありますか?
それとも増大傾向ですか?

残業や休日出勤はどうでしょうか
日本のようにサービス残業などありますか?
残業や休日出勤した場合は手当が支給されますか

祝祭日と有給休暇の実情を調べてください
年間の祝祭日を具体的に教えて下さい
有給休暇は年間何日くらい与えられますか?
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日本事情5