2012年度 サービス管理責任者指導者研修 就労分野
工賃向上計画の作成
~ ビジネス・プランのうち財務計画の初歩の初歩を考える ~
2012年10月4日
国立のぞみの園 事業企画局研究部
志賀 利一
演習:工賃向上計画の作成のタイムテーブル
財務計画の初歩の初歩
16:30-16:40
財務計画の講義
ビジネス・プランニングの概要
財務計画の意義
固定費とキャッシュ
16:40-16:45
演習の進め方
学園まんじゅう事業の説明
2つの課題とタイムスケジュール
16:45-16:55
演習①
売上推移のタイプ選択
月間の売上目標の決定
16:55-17:05
演習②
事業開始時の運転資金の計算
(余裕があればリスクと対策話し合い)
17:05-17:15
グループ発表
売上推移のタイプ別選択状況
2~3グループ発表
17:15-17:20
まとめ
ビジネス・プランニングの確認
労働法規も少し(最低賃金・社会保険・休憩等)
ビジネス・プランニングの概要
ビジネス・プランニングとは
 どのような目標に向けて、どのような事業を、どのような段取りで進めていくのかを、
マネージメントチームが取りまとめる計画書
 起業家なら、資金の調達等において最も重要となる資料
 就労支援事業において、生産活動を企画・計画する際に欠かすことができない。
サービス管理責任者は、当然このマネージメントチームの重要な一人である
その内容(就労支援版)
① 事業内容:生産活動の商品・サービスとその特徴と基本的経営戦略の概要
② 人的体制:事業の責任者と職員体制、参画する利用者像
③ 市場予測:商品・サービスの優位性や市場の動向、中長期的な見込
④ 財務計画:収支予測、資金計画をしっかりと数字で
← 今回の演習
⑤ リスク要因:発生する可能性のある潜在的リスクとその対策案(撤退の底も予測)
財務計画の意義
財務計画の意義





新たな事業(生産活動)の財務状況予測を数字で明確に示す
売上目標額の設定(その実現可能性も考えておく)
必要な運転資金の設定(資金入手の方法と返済方法)
工賃向上計画に沿ったものか(利用者に支払う金額をわかりやすく明記)
財務状況のシュミレーション(現実の様々な条件に沿った可能性を検討)
その内容
① 売上見込:売上目標額の設定と短期・中期・長期の予測
← 今回の演習
② 初期費用:不動産取得、設備機器等費用、改修費、事前職員教育等
③ 収支予測:月単位の売上と支出の予測(当面の運転資金予測) ← 今回の演習
④ 損益計算・貸借対照:年度単位の予算(減価償却等の長期的な計画)
⑤ 損益分岐分析:月単位・年単位で損益バランスをどのように保つか資産
大前提:利用者の工賃は固定費として考える
固定費とは
 生産・販売量の変化に関係なく生じる「費用」のこと
 具体的な固定費の例
 人件費(工賃)、賃貸料、減価償却費 他
 一方、変動費とは生産・販売量に比例して増えていくもの。例えば、
 原材料費、光熱水費、販売手数料 他
直感的に固定費がわからないと・・・




固定費は、言い換えれば、運営していくぎりぎりの費用のことです。
この費用を想定せずに、売上見込を考えることはできません。
そして、工賃の総額(総人件費)を設定せずに、固定費を考えることはできません。
売上高の変動に合わせて、工賃額を変えていませんか? → 何時まで経っても工
賃向上は望めません。
ちなみに
 賃金のあり方は、経営に直接結びつくものですし、本人の能力、生計、世間相場、そ
して成長を適切に評価するなど、さまざまな側面から検討が必要です(障害者雇用
管理マニュアルより省略・抜粋)
 定期的に定額の収入が得られることにより、計画的な消費が可能となり、貧困を乗り
越え、生活の質を高めることが可能になる(貧困の経済学参考にした文書)
学院だんご
背景





地方都市の商店街で50年間続いた老舗のだんご屋からの提案(協議)
店舗・ブランド名そのままに就労支援事業に引き継いでほしい
建物は賃貸、当面(1年以上)技術指導を行うがその費用は不要
過去3年の売上は、メインが単価100円の学院だんごを500個、360日販売
過去3年の製造・販売は、4人(店主・妻・娘・従業員1人/製造技術者)
事業見込の前提
だんご屋から数件離れた商店街に30人規模の就労支援事業を展開中
就労支援事業(元の事業所の一体運営)として学院だんごの製造・販売を行う
メインが単価100円の学院だんごを日に500個、360日販売
メイン以外の商品で毎日1万円ほどの売上がある
概ね利用者が6人働ける職場建物は賃貸、当面(1年以上)技術指導等のサポート
を受ける
 建物の賃貸は、月30万円(固定費)、光熱水費は概ね月30万円(変動費)
 従業員1人は同一の労働条件で雇用継続(生産活動で給与支払予定、年収200万)
 可能な限り利用者には高い工賃を払いたい





過去3年間の経営状況
売上の概要
学院だんご:
その他菓子類:
(単価)100円 × (販売数)500個/日 × (営業)360日/日
(概ね自社製品:売上額)10,000円/日 × (営業)360日/日
※製造は7時~14時頃 ※販売は10時~18時
年間収支(キャッシュ概要)
収入
学院だんご
その他
支出
18,000,000 経営者(3人)
3,600,000 従業員人件費
(売上月額:180万円) 光熱水費
2,000,000
2,400,000
材料費(35%)
7,560,000
租税(10%)
2,160,000
留保(償却等)
2,000,000
雑費
(合計)
5,320,000
21,600,000 (合計)
160,000
21,600,000
※ 減価償却費や租税については計算しやすいようにシンプルにしました
売り上げ推移のタイプ選択と売り上げ月額
下記の路線から選択!
A 安定維持路線
D 販路拡大路線
B 新装開店期待路線
E 新装開店・販路拡大路線
C 製造負荷軽減路線
F 各班独自選択
計算が得意
な班限定
※ 売り上げ目標額は、今回は12ヶ月目の数字とします
売り上げ目標額と年間の収入を決める
売り上げ目標額
月額
円を目標額とする
年間収入の計算式
Aタイプ (売り上げ目標額) × 12
Bタイプ (売り上げ目標額) × 12.5
Cタイプ (売り上げ目標額) × 10
Dタイプ (売り上げ目標額) × 10.5
Eタイプ (売り上げ目標額) × 11
Eタイプ (売り上げ目標額) × ???
(イ) (年間の収入)
円
※ 1万円未満は切り捨て
自動的に決まる支出と目標工賃額を決める
自動的に決まる支出
○ 賃貸料(固定費)
3,600,000 円
○ 高熱水費(変動費だけど見込で)
2,400,000 円
○ 技術者人件費(固定費)
2,000,000 円
○ 材料費
(年間収入) × 35% =
円
○ 消費税
(年間収入) ×
円
2% =
(ロ)(自動的支出)
円
目標工賃額の予測
○ 目標工賃額/月
円
× 6人 × 12ヶ月 =
(ハ)(工賃年額)
円
※ 初年度は内部留保(減価償却・設備更新積立等)は考えなくてもよい
収支バランスの調整と初期の運転資金の計算
収支バランス確認
収入
支出
(イ)年間の収入
(ロ)自動的支出
(ハ)工賃年額
合計
合計
※ プラス・マイナスが50万円以上の場合は、前に戻ってやり直し!
初期の運転資金計算
○ (ハ)年額工賃
÷ 5 =
○ 技術者人件費(年額)
÷ 5 =
○ 賃貸料(年額)
÷ 5 =
○ 材料費(年額)
÷ 4 =
○ 高熱水費(年額)
÷ 5 =
(合計)
円
障害者総合福祉部会骨格提言より
障害者就労センター
一般就労
自営


障害者総合福祉法に位置付ける
多様な働き方についての施行事
業行い、同法施行後3年をめど
にこれを検証する。その結果を踏
まえ、障害者の就労支援の新た
な仕組みについて検討する。
デイアクティビティセンター
作業活動
支援部門
左記以外
の部門
就労支援の
一貫として作
業活動を中心
とした社会参
加活動等に
取り組む。
生活訓練、
趣味・創作
活動等を通
じて社会参
加活動に取
り組む。
適切な仕事を安定的に確保する。
*
*
*
*
官公需優先発注の制度化
官公需における随意契約の促進
雇用率制度とリンクした見なし雇用制度の導入
民需の発注促進 など
労働法規適用(全面適用または部分適用、自営を除く)
賃金補てんの制度化の検討
労働法規適用なし
年金等による所得保健
*労働法を適用することが適切でない人が働く場を失わないよう、十分に配慮すること。
財務計画の意義
財務計画の意義





新たな事業(生産活動)の財務状況予測を数字で明確に示す
売上目標額の設定(その実現可能性も考えておく)
必要な運転資金の設定(資金入手の方法と返済方法)
工賃向上計画に沿ったものか(利用者に支払う金額をわかりやすく明記)
財務状況のシュミレーション(現実の様々な条件に沿った可能性を検討)
その内容
① 売上見込:売上目標額の設定と短期・中期・長期の予測
← 今回の演習
② 初期費用:不動産取得、設備機器等費用、改修費、事前職員教育等
③ 収支予測:月単位の売上と支出の予測(当面の運転資金予測) ← 今回の演習
④ 損益計算・貸借対照:年度単位の予算(減価償却等の長期的な計画)
⑤ 損益分岐分析:月単位・年単位で損益バランスをどのように保つか資産
ビジネス・プランニングの概要
ビジネス・プランニングとは
 どのような目標に向けて、どのような事業を、どのような段取りで進めていくのかを、
マネージメントチームが取りまとめる計画書
 起業家なら、資金の調達等において最も重要となる資料
 就労支援事業において、生産活動を企画・計画する際に欠かすことができない。
サービス管理責任者は、当然このマネージメントチームの重要な一人である
その内容(就労支援版)
① 事業内容:生産活動の商品・サービスとその特徴と基本的経営戦略の概要
② 人的体制:事業の責任者と職員体制、参画する利用者像
③ 市場予測:商品・サービスの優位性や市場の動向、中長期的な見込
④ 財務計画:収支予測、資金計画をしっかりと数字で
← 今回の演習
⑤ リスク要因:発生する可能性のある潜在的リスクとその対策案(撤退の底も予測)
(補足) 損益分岐点の計算式
基本の計算式
損益分岐点 = 固定費 ÷ { 1 - ( 変動費 ÷ 売上高 ) }
前年の収支計算だと
収入
学院だんご
その他
支出
18,000,000 経営者(3人)
5,320,000
固定
2,000,000
固定
光熱水費
2,400,000
変動
材料費(35%)
7,560,000
変動
租税(10%)
2,160,000
変動
留保(償却等)
2,000,000
固定
160,000
変動
3,600,000 従業員人件費
雑費
(合計)
損益分岐点
21,600,000 (合計)
21,600,000
= 932万円÷{1-(1,228万円÷2,160万円
= 2,167万円
・・・ 損益分岐点ギリギリだった
)}
(補足) 損益分岐点の概念
固定費と変動費
描き方を変えると
総費用線
変動費
固定費
変動費
固定費
総費用線と売上高の交わる点
損失と利益
利益
売上高
総費用線
損失
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