里山資本主義
~中小企業が担う安心の経済原理~
2014年11月11日
株式会社
日本総合研究所 調査部 主席研究員
株式会社 日本政策投資銀行 地域企画部 特任顧問
も た に
藻谷浩介
[email protected]
1
10
5
10
7
11
2
兆円
物価と違って、内需型企業の
売上に直結する指標
13
2
13
2
13
4
13
5
13
5
13
5
13
5
13
2
13
6
13
5
13
8
13
9
14
1
8
14
6
14
6
14
3
14
5
14
5
14
6
14
5
14
3
14
2
13
9
13
7
150
12
7
13
200
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
モノの売上はバブル崩壊以降横ばい
「失われた20年」に何が起きてきたの か?
100
暦年
9月までの実数に基づく試算
千円
250
50
外需と内需を一緒にしたGDPと
違って、内需のみを反映した指標
減っているわけではなく、
ここ5年間は微増
40
小売販売額(含む通販)
出典: 経済産業省・商業動態統計
30
20
50
10
0
0
輸出増でも国内ではモノが売れな
い
「失われた20年」に何が起きてきたの か?
兆円
百万人
100
80
13
2
13
6
13
5
13
8
13
9
出典: 経済産業省・商業動態統
計
13
5
小売販売額(含む通販)
13
2
150
14
6
14
6
200
60
11 8
100 10 5
80
50
42
33
41
49
輸出
出典: 財務省・国際収支状況
44
40
77
64 63 61 67
51
20
輸出は、増えても雇用を増やさず、
内需を増やさない…
0
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
暦年
実物経済と金融市場は別のもの
雇用の支える実態経済の
世界と、マネーゲーマーの
儲けのアップダウンは、まっ
たく関係がない
売上を増やすのは日銀ではなく企業
モノの売上は雇用に連動している
「失われた20年」に何が起きてきたの か?
兆円
百万人
100
58
11 8
100 10 5
65
66
就業者数(右軸)
13
5
6
13
5
13
8
13
9
出典: 経済産業省・商業動態統計
64
63
出典: 総務省・国勢調査/労働力調査
80
13
2
13
65
小売販売額(含む通販)
13
2
14
6
150
50
14
6
200
63
63
この雇用を支えているの
は小規模企業!
60
40
日本経済を支えているの
も小規模企業!
20
個人所得は税務申告ベース(金融所得、資産売却所得を含む)
就業者数には自営・非正規雇用・非常勤雇用を含む
0
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
0
暦年(就業者 数は各年10/1現在)
工業では雇用を支えられない
付加価値生産性
(付加価値額÷従業者数)
=国際
競争力
=GDP
付加価値額
出荷額
工業従業者数
雇用=皆さんが
一番欲しいもの
工業では雇用を支えられない
付加価値生産性
(付加価値額÷従業者数)
=国際
競争力
=GDP
付加価値額
出荷額
工業従業者数
雇用=皆さんが
一番欲しいもの
現役世代減少→就業者数減少
過去の実績
現役世代減少→就業者数減少
過去の実績 今後の予測
現役世代減少→就業者数減少
過去の実績 今後の予測
日本の足を引っ張る限界とは?
?
?
ところが、日本の本当の
問題は、お金がないことではなく
国際競争
で負けている。
「もっとマネーを稼げば問題は解決する」
お金ばかり稼いだあげくの循環・再生の失敗
「マネーの世界で負けたらもうおしまいだ」
経済成長率
が低すぎる。
① 子供の減少 =
人口の再生の失敗
というのは、
似非科学由来の強迫性妄想
② 再生できない化石燃料・核燃料を現世代で先食い
?③ 富裕層の貯金が「内臓脂肪化」して消費に循環せず、
デフレで物価や地価が上がらない。
(← 勝者で居続けたい富裕層が、お金を死ぬまで金融投資)
妄想に囚われる人の発想法:
代わりにお金をばらまく役の政府は、借金が空前の額に…
で社会が縮んでいく。
④
①地権者が売却も賃貸もせずに空き地・空き家を放置
この世はお金と資源の奪い合いだ! 奪い合いに
勝てないと食い物にされる!
という強迫観念がある
の使い捨てに限界が来た。
財産
にしがみつくあなたの強迫観念→循環再生
② 自分より先に競争に敗けて食い物にされる人や国
の失敗
→
若者の所得減→出生減
を見て、同情せず
むしろ安心する!(→格差も容認)
が消費に回らず
消費不足で「不景気」続く
③→
不安でたまらず
お金と不動産にしがみつく
◎ 子供の減少
◎ エネルギー
◎ 貯金
循環しない。
◎ 土地建物が再利用されず空いていく。
妄想から自由になる
“里山資本主義”とは何か?
里山資本主義的発想法:
「マネー資本主義」の欠陥を補うサブシステム
(保険)
① お金と資源の奪い合いに狂奔せずとも、
資源+お金+善意を循環させ、経済を元気にする
「里山を食い物にする」ことで、豊かに生きて行ける
② 里山は多くの人口は養えないけれど、金と地位に
! 里山
や離島に眠る、金銭換算すると無価値の資源
釣られた人が出て行く分、新規参入は大歓迎
①耕作放棄地、②立木、③半端モノ農産品、④退職者、⑤野獣…
③ 自然相手に、人間同士の勝ち負けは無意味
→ お金より人の絆、学術より生活術
! でもそれを資本として活かすと、水/食料/燃料
+αを自給+物々交換できる (←農山漁村では常識ですが…)
① 食糧+エネルギーの自給率向上で、外に出て行くお金が減る
里山資本主義で
循環・再生へ
② 物々交換で絆が強まる
③ 自給+絆で、天災に強い地域となる
① 絆と里山の恵みが、子育て負担をやわらげる
無価値の資源を資本として活かすと、
工夫次第で外からも
!
② エネルギー自給の拡大で化石燃料依存症を緩和
っとお金を稼げ、そのお金を地域内で回せる
③ 自給による安心感が消費と実物投資を拡大
④ 6次産業がしみじみと外貨を稼ぐ
⑤ 地消地産(=地元民と 観
光客が、地元産を消費すること)で、その外貨が地域内で回る
④ 空家と耕作放棄地を再利用
⑥ 地元産自然エネルギーを都会に売る ⑦ 若者の雇用が増える
マネー資本主義と里山資本主義
動機
目標
戦略
マネー資本主義
里山資本主義
自分が、いま、一番になる
社会が滅びずに続いていく
お金儲けの一番を目指して
代わりのない中継者になる
際限なく稼ぎ、貯め込む
= 稼いでは回しバトンをつなぐ
粗暴バージョン:
素朴バージョン:
他者/他集団から奪い取る
何でも自給自足する
知能バージョン:
成熟バージョン:
未来/次世代から搾取する
←簿外資産を浪費して蓄財する
循環・再生が可能な範囲で
ほどほどに稼ぎ、使う
(地下資源、水、土壌、大気、子供、絆
...)
← 使ったものは元に返す
← インフラと清浄な環境を残す
←借金や汚染物質を後世に残す
手法
等価交換 / 金融投資
自由競争 / リスクの個人化
物々交換・贈与 / 実物投資
協働 / リスクの社会化
滋賀県で起きていること
(人口流出入を見込んだ、国立社会保障・人口問題研究所の予測)
県内在住者(外国人含む):2010年→20年 +0.3万人
2000→2010年の+6.8万人から、大幅なペースダウン
155年後には現役世代がゼロ!になるペースの、不意打ちのような減少
0-14歳人口の増減:
↓絶対数
↓増減
2010年 21.1万人→2020年 19.1万人 △2.0万人 △9%
15-64歳人口の増減:
↓絶対数
↓増減
2010年 90.8万人→2020年 85.0万人 △5.8万人 △6%
65歳以上の人口:
↓絶対数
↓増減
2010年 29.2万人→2020年 37.2万人 +8.1万人 +28%
↑その中の75歳以上の人口:
↓絶対数
↓増減
2010年 14.2万人→2020年 18.7万人 +4.5万人 +32%
首都圏一都三県で今起きていること
(人口流出入を見込んだ、国立社会保障・人口問題研究所の予測)
首都圏内在住者(外国人含む):2010年→20年 +7万人
2000→2010年の+220万人から、大幅なペースダウン
150年後には現役世代がゼロ!になるペースの、不意打ちのような減少
0-14歳人口の増減:
↓絶対数
↓増減
2010年 4.4百万人→2020年 4.0百万人 △39万人 △9%
15-64歳人口の増減:
↓絶対数
↓増減
2010年 23.9百万人→2020年 22.3百万人 △154万人 △6%
65歳以上の人口:
↓絶対数
↓増減
2010年 7.3百万人→2020年 9.3百万人 +201万人 +27%
↑その中の75歳以上の人口:
↓絶対数
↓増減
2010年 3.2百万人→2020年 4.8百万人 +165万人 +52%
中華人民共和国で今起きていること
(人口流出入を見込んだ、国際連合人口部の予測)
中国在住者(外国人含む):2010年→20年 +73百万人
まだ増加が続いている
2000→2010年の+135百万人から、大幅なペースダウン
0-14歳人口の増減:
↓絶対数
↓増減
2010年 2.5億人→2020年 2.6億人 +15百万人 +6%
15-64歳人口の増減:
↓絶対数
↓増減
2010年 10.0億人→2020年 10.0億人 +4百万人 +0%
65歳以上の人口:
↓絶対数
↓増減
2010年 1.1億人→2020年 1.7億人 +54百万人 +48%
↑その中の75歳以上の人口:
↓絶対数
↓増減
2010年 0.4億人→2020年 0.5億人 +10百万人 +24%
率上昇より絶対数増加が問題
30
%
増
.
2
0
倍
増
.
2
4
倍
増
60
%
増
現役世代の減少と高齢者の増加
6
5
歳
以
上
人
口
の
増
減
率
(
2
0
1
0
→
4
0
年
)
80%
生産 年齢人口 の減少 と
高齢 者の増加 (今後30年間)
全国の市町村の比較
60%
国立社会保障人口問題研究所 2 013年予測
40%
高
齢
者
が
急
増
20%
20 0年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
現役世代が減少
0%
-20%
-50%
10 0年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
75 年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
-45%
-40%
-35%
-30%
15 0年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
-25%
15-64歳人口の減少率(2010→40年)
-20%
-15%
現役世代の減少と高齢者の増加
6
5
歳
以
上
人
口
の
増
減
率
(
2
0
1
0
→
4
0
年
)
80%
8 7%
生産 年齢人口 の減少 と
高齢 者の増加 (今後30年間)
広島市
全国の市町村の比較
60%
福岡市
仙台市
札幌市
沖縄
愛知県
豊田市
神奈川
国立社会保障人口問題研究所 2 013年予測
宮城
新潟
愛媛
鳥取
40%
北海道
20%
福島
徳島
長
崎
和歌山
青森
高知
秋田
-20%
-50%
埼玉県
秩父市
山
形
75 年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
-45%
-40%
埼玉
奈
山 良
梨
福岡
茨城
山
島 口
根
-35%
京都
群
馬
静
香岡
富 川
山
鹿
児
島
愛知
兵
庫
栃木
岩手
0%
千葉
大阪
石川
広島
三重
宮
崎
岡山
熊 佐
大 本 賀
分
福 岐
長 井 阜
野
東京特別区
東京
20 0年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
現役世代が減少
10 0年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
-30%
高
齢
者
が
急
増
滋賀
15 0年で
現役世代
がゼロ に
な る ペ ース
-25%
15-64歳人口の減少率(2010→40年)
-20%
秋田県
大潟村
△ 1 0%
長野県
下條村
-15%
現役世代の減少と高齢者の増加
6
5
歳
以
上
人
口
の
増
減
率
(
2
0
1
0
→
4
0
年
)
100%
生産 年齢人口 の減少 と
高齢 者の増加 (今後30年間)
全国の市町村の比較
80%
60%
国立社会保障人口問題研究所 2 013年予測
40%
20%
0%
-20%
-50%
-40%
-30%
-20%
-10%
15-64歳人口の増減率(2010→40年)
0%
現役世代の減少と高齢者の増加
6
5
歳
以
上
人
口
の
増
減
率
(
2
0
1
0
→
4
0
年
)
栗東
100%
生産 年齢人口 の減少 と
高齢 者の増加 (今後30年間)
草津
全国の市町村の比較
80%
愛知県
豊田市
湖南
60%
大津
国立社会保障人口問題研究所 2 013年予測
東京特別区
名古屋
野洲
40%
竜王
東近江
大阪
甲賀
長浜
20%
高島
彦根
豊郷
-20%
-50%
愛荘
近江八幡
日野
米原
秋田県
大潟村
長野県
下條村
0%
甲良
守山
多賀
-40%
-30%
-20%
-10%
15-64歳人口の増減率(2010→40年)
0%
同じグラフで世界を比較すると…
4.0
6
5
歳
以
上
人
口
の
増
減
率
(
2
0
1
0
→
4
0
年
5 .7
シ ン ガ ポール
生産年齢
人口減少
3.5
生産年齢
人口増加
メキ シ コ
ブ
韓国
3.0
タイ
台湾
2.5
2.0
日本 1990 -19 20
日本 1995 -19 25
日本 2000 -20 30
1.5
1.0
イラン
日本 2000 -20 30
日本
20 10 -2 04 0
-40%
イ
タ
リ
ア
マ レー シ ア
イ ン ドネシ ア
ベ トナ ム
フィリピ ン
T
バン グ ラ デ シ ュ
ラ
ジ
日本
h
香港
19 75 -2 00 5 ル
a
日本
中国
i
日本 ト 19 65 -1 99 5 日本 1960 -19 90
ル
l 日本 19 70 -2 00 0 コ
日本
旧ソ 連中央ア ジ ア 5 ヶ 国
19 80 -2 01 0
19 85 -2 01a 5
パキ ス タン
インド
nD カ リブ 諸国
エジプト
全世界
ニ
ュ
ー
イ スラ エル
Fde カ ナ ダ
イ スラ エル
ジ ーラ ン ド
+パレス
ティ ナ
ス ペ イ ンi n
オ ー ス トラ リ ア
米国
m
オ ラ ンnダ
ア ルゼン チ ン
オース
l a ベ ルギー
トリ ア r
フラ ン ス
Source: World Population Prospects:
a
スイ ス
英国
The 2012 Revision, United Nations
nk
ス ウェ ーデン
フィン
d
ドイ ツ
ランド
滋賀県
ロシア
デ ン マ ーF
ク
ウクラ イ ナ
e
下條村
-20%
サウ ジ ア ラ ビ ア
201 0→204 0年の人口の変化
生 産年 齢人 口増 減と老 年人 口増 減
d 0%
20%
40%
e
15-64歳人口の減少率(2010→40年)
r
60%
80%
日米開戦前夜の日本在住者
15-64歳 4,295万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
89万人
戦後復興の頃の日本在住者
15-64歳 4,966万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
106万人
所得倍増計画の頃の日本在住者
15-64歳 6,000万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
163万人
大阪万博の頃の日本在住者
15-64歳 7,157万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
221万人
安定成長移行期の日本在住者
15-64歳 7,883万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
366万人
バブル最盛期の日本在住者
15-64歳 8,590万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
597万人
阪神大震災の頃の日本在住者
15-64歳 8,716万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
717万人
2000年問題の頃の日本在住者
15-64歳 8,622万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
900万人
現在の日本在住者
15-64歳 8,174万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
1,419万人
10年後の日本在住者
15-64歳 7,341万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
1,879万人
20年後の日本在住者
15-64歳 6,773万人
在日外国人を含
む数字
75歳以上
2,278万人
30年後の日本在住者
75歳以上
2,233万人
15-64歳 5,787万人
在日外国人を含
む数字
40年後の日本在住者
75歳以上
2,385万人
15-64歳 5,002万人
在日外国人を含
む数字
50年後の日本在住者
75歳以上
2,336万人
15-64歳 4,418万人
在日外国人を含
む数字
逆落としに減っていく現役世代
モノの消費量はど
んどん縮小
モノの消費量はど
んどん拡大
子持ち家族多い→
住宅や食器や車の
消費量拡大
高齢者は貯蓄に走る
高齢者が増え現役は減る滋賀県
数字には居住外国人を含む
0%増
高齢者が増え現役は減る首都圏
数字には居住外国人を含む
高齢者が増え現役は減る中国
数字には居住外国人を含む
高齢者が増え現役は減る韓国
数字には居住外国人を含む
安定を実現した長野県下條村
数字には居住外国人を含む
里山資本主義・高齢化の大逆転
× 20世紀: 高齢化する田舎/若々しい大都市
○ 21世紀: 高齢者が減る田舎/激増する大都市
→ 大都市では今後高齢者が激増 / 田舎ではむしろ減りだす
→ 田舎は、今の医療介護体制を維持できれば何とかなるが、
大都市ではいつまでも医療介護の体制整備が追いつかない
→ 先に高齢化した田舎で成り立つ企業が、全国で生き残る
→ 人口が少ない方が食料自給率や自然エネルギー自給率を
高く保つことができ、長持ちする社会ができる
→ 結局生き残るのは子供が生まれる地域 / 都会の子育てを容
易にするより、子育ての容易な田舎に若者を戻す方が早い
ただし問題は、惰性のように続く若者の流出を
止められるか。雇用創出よりも、耕作放棄地と
空家の賃貸促進による、若者受け入れがカギ。
高齢者激増が突きつける課題
○ 大都市部での高齢者の激増 →
首都圏などの自治体の財政困窮
→ 地方に回す財源が枯渇
○ 高齢者の未病を進められるか?
○ 終の棲家を確保できるか?
○ 死に場所を確保できるか?
○ 車を運転しなくなった高齢者に
いかに歩いて暮らしてもらうか?
現役世代減少が突きつける課題
○ 首都圏でも中国でも現役世代が
減少 → 「地域間格差」ではなく、日
本全体そしてアジアの地盤沈下
○ 就業者総数の減少→所得総額の
減少→消費総額の減少の連鎖
○ 税収減少→国の借金どう返す?
○ 医療福祉介護の担い手の不足
○ 増え続ける空き地をどうするか?
止められないこと・できること
× 止められないこと
→ 今の住民が毎年1歳ずつ歳を取っていくこと
→ (多くの)若者が地域外に就職して出て行くこと
△ 止められること
→ 出生率の低下はやり方次第で止められる
→ 当地で育ち就職時に出て行った若者が、出て
行ったきりとなることも、工夫次第で止められる
○ 空き地・空き家を活かして、むしろ前向きにできること
→ 子育てしながら働く若い世代を呼び込める
→ 無病息災で天寿を全うする高齢者を増やせる
→ 来訪・滞在・短期定住する外来者を増やせる
どこから稼いでどこに貢いでいるのか
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本
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字
アジアと米国から稼ぎ中東に貢ぐ日本
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日本人は化石燃料代・ウラン代を払う
ために働いているようなもの。
ガソリン代もまだどんどん上がる。
化石燃料輸入額増加の原因は
原発停止ではなく、輸入単価の上昇
日本の「国際競争」の現実
× 日本の国際競争力は、バブル崩壊以降低下の一途。
→ 日本の輸出額は、震災・超円高・ユーロショックの
昨年でも、バブル期の1.5倍以上の高水準。
× 日本はアジア新興国との競争に負けている。
→ 中国(+香港)、韓国、インド、台湾、シンガポール、 米
国等に対し、日本は貿易黒字+経常収支黒字。
× 円安に戻れば輸出が増えて、日本経済は再生する。
→ 輸入燃料の高騰で、日本の貿易は逆ザヤ。
→ 輸出(=売上)が増えれば増えるほど赤字が増大。
→ 円安に戻れば、燃料代増加で赤字がなお拡大。
行き詰まったのは「低価格品大量生産」路線。
里山資本主義・エネルギーの大逆転
× 20世紀: 建物は鉄筋コンクリか新建材プレハブ
○ 21世紀: 集成材を使った木造近代建築の時代
→ 燃えない、丈夫で長持ちで地震に強い、集成材建築が新登場
→ 欧州では7階建てや9階建ての木造高層建築も増加中
→ 地元産集成材を使えば、山の木が再び宝に化ける
→ 集成材の副産物である木屑やチップを燃やすと、灯油より
何割も安いコスト(場合により半額)で暖房や発電ができる
!
ただし問題は、日本の施主がほとんど木造建築の
技術革新に気づいておらず、集成材が使われず、
木屑も発生しないので、発電もできないこと。
林業先進国 (中欧の)オーストリア
日本より豊かな中欧の小国:
首都圏も京阪神も
! 人口は中国5県程度、一人当たり所得は1.5倍
自然に比べて人口が多すぎるので
→ 天然資源もないアルプスの山国だが、日本より豊か
→逆立ちしてもオーストリアにはなれない
日本に対しても貿易黒字(スワロフスキーのガラス工芸が有名)
! 過去10年ほどで林業大国になった
しかし、山間過疎地なら
人口が少なく木も水も多いので
オーストリアも超えられる。
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年間で自然に再生される森林資源の70%を利用
木は集成材に加工し、低層・中層建築は木造が当たり前に
年間に1兆円弱の木材資源を輸出し、外貨を稼ぐ
林業は収入の高い職業として若者に人気
! 自然エネルギー大国
過疎だからこそできる!
→ 木屑を使った木質ペレットの利用が普及、価格も石油の半分
→ エネルギーの3割弱が自然エネルギーで自給されている
→ ペレットストーブやペレットボイラーを製作する企業も成長
仏に対し年々赤字の増える日本
伊に対し年々赤字の増える日本
スイスに対しても年々赤字増大
里山資本主義・産業の大逆転
× 20世紀: 「ハイテク工業時代」に出遅れた田舎
○ 21世紀: 「6次産業の時代」の有望株・田舎
→ ハイテク産業地域の苦境:商品陳腐化加速・低収益・雇用減
→ 地元の農水産品に根ざしたブランド品や集客交流は好調
→ 国際競争に強いのはスイスや仏伊など6次産業の強い国
→ 当地も、里山里海の生活文化を生かしたブランド確立を!
ただし問題は、その肝心の田舎の地元産品が、
安い原材料として東京に出て行くこと。カギは、
地元での加工、ブランド化。量から質への転換。
日本と各地域の産業の活路
× 円安とインフレ誘導によるデフレ脱却と景気回復に期待する
→ 円安は輸入食材や燃料価格を高騰させるので、
経費が上昇し、多くの企業の収益は悪化する
→ 経費の増加を価格転嫁できない企業には、
「インフレ」は単なる経費アップでしかない
× 誰よりも安い価格を提供し、他が先に価格競争でつぶれていく中
で、歯を食いしばって生き残る
→ 皆がそうすれば地域・業界の全体が赤字に沈む
○ 客数が減る中で生き残るのは「値上げの天才」のいる地域・企業
→ 品質重視の客層相手に、十分利ザヤの取れる、
ブランドのある商品・サービスを売って生き残る
地域外に出て行くお金を減らそう
売上
都会に預け
ず地域内に
再投資!
地域か
ら資金
調達!
儲け
地域か
ら資金
調達!
地域の自
然エネル
ギー活用!
地域外への売り上げを増やし、
もっと「外貨」を獲得!
地域内
向けは
安く!
地域の
業者に
発注!
コスト
地産地
消物々
交換を
促進!
雇用増!
賃上げ!
兼業奨励!
内部
配当 金利 光熱 地代 設備 原材 給料
留保
費 家賃 費 料費
地域内の誰かの 地域外に出て 受け取った人が
行ってしまう 地域内でまた使う
貯金に回る
多くは結局、地域内で
は使われないまま
地域内では循環せずに
都会や海外を活性化させる
地域内で循環し、雇用と
若者人口を増やす!
現役世代が増えているニセコ町
数字には居住外国人を含む
現役世代が増えているニセコ町
外国人観光客の増えるニセコで
数字には居住外国人を含む
現役世代人口が増えているのは
「地域でお金が回っている」から
① 客数ではなく滞在日数=客単価の拡大
② 単価のうち地元に落ちる部分の拡大
= 地元原材料使用、地元民給与アップ
③ 貯金の地域内への再投資
④ 工事の地域内への発注
「里山資本主義」的地域活性化を
① 欧州型の外貨獲得:安さではなくブランドで勝負
当地独自の生活文化に支えられた、ハイセンス・少量・
高単価の「地域ブランド商品」「生活文化観光」で外
から稼ぐ(=「いま」「ここ」にしかないものを売る)。
②地域内資金循環の拡大:稼ぎをもっとぐるぐる回す
地域内産の食材、建材、人材の質を上げて地元で使い
倒し (外からの安物は使わない)、未就労女性や障碍
者を雇用し、時短で「時給」を高め、兼業を奨励する。
③地域内エネルギー循環の拡大:極力地元産を活用
地域内の建築物には地元産木材を使い、木屑の燃料利
用を進める。小水力・風力・地熱 +廃熱を余さず使う
。
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第25回滋賀県経営研究集会 基調講演データ