日本不動産金融工学会公開セミナー
「日本の不動産金融の再生を考える」
日本の不動産金融市場の現状と今後の課題
2009年7月2日 新霞ヶ関ビル 灘尾ホール
モルガン・スタンレー証券株式会社
マネージングディレクター
クレジット・プロダクト本部 副本部長
早稲田大学 国際不動産研究所 客員教授
赤井 厚雄
目次
Section 1
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
Section 2
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
Section 3
わが国不動産金融市場の抱える諸課題と求められる方向性
Appendix A
付録
本日のポイント
金融の観点から見た望ましい「不動産のあり方」
• サブプライム問題の影響を受けるわが国不動産市場
• 不動産はわが国の金融にとって大切な国内資源
• 不動産市場におけるわが国固有の課題の存在
• 不動産市場の活性化を国民生活の豊かさにつなげる
• そのために具体的に何をすべきか
1
Section 1
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
国際的資金フローの大転換
80
5000
60
4000
3000
40
2000
20
1000
0
4/22/2009
2/22/2009
12/22/2008
10/22/2008
8/22/2008
6/22/2008
0
4/22/2008
• 海外資金依存のツケが回って
きたわが国投資市場
6000
2/22/2008
• レバレッジ資金返済目的で日
本資産の換金売りが発生
7000
100
12/22/2007
• 中国・インドなどの成長経済へ
の投資拡大
8000
10/22/2007
– Dow等の主要株価インデッ
クスの下落
120
8/22/2007
– 2007 年 7 月 以 降 の ABX,
CMBXなどのクレジットスプ
レッドの大幅な拡大および変
動の急速な高まり
Dow Index 及び ABX (Price), CMBX 推移
(それぞれ2007/6/22の値を100として換算)
6/22/2007
• 従来のバリューストーリーと割
安感に基づく欧米機関投資家
の投資資金流入がストップ
Dow(左軸)
ABX (AAA)(左軸)
CMBX (single-A)(右軸)
ヘッジファンドの
損失発生・清算
ABCP の
流動性枯渇
金融機関の
損失拡大
Ambac, MBIA等
モノライン会社の
格下げ
サブプライム
ABSやCDOの
相次ぐ格下げ
2
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
米国金融機関の動向 (1)
商業銀行におけるバランスシート縮小圧力
• 2007年度まで拡大傾向にあっ
たバランスシートが、2008年度
には縮小傾向に
• 金融機関における資金レバレ
ッジの低下が進む
• 直近半年(2008年3月-9月)で
の米国商業銀行の資産減少額
米国商業銀行の総資産・負債の残高推移
($bn.)
12,000
1,600
11,500
1,500
11,000
1,400
10,500
1,300
10,000
1,200
9,500
1,100
9,000
1,000
8,500
900
8,000
800
総資産(左軸)
8/7/08
7/7/08
6/7/08
5/7/08
4/7/08
3/7/08
2/7/08
1/7/08
12/7/07
11/7/07
9/7/07
10/7/07
8/7/07
7/7/07
6/7/07
5/7/07
4/7/07
3/7/07
2/7/07
1/7/07
12/7/06
11/7/06
10/7/06
9/7/06
8/7/06
– その他有価証券(株式・社債
等)
– 約15兆円($133bn)の減少
7/7/06
– 約26兆円($233bn)の減少
6/7/06
– 総資産
その他有価証券(株式・社債等)
出所 Assets and Liabilities of Commercial Banks in the United States (as of August 29, 2008)
3
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
米国金融機関の動向 (2)
投資銀行におけるバランスシート縮小圧力
• 欧米の投資銀行・証券会社も
サブプライム問題の影響を受
けバランスシートの大幅圧縮へ
• 「投資銀行」は消滅
• 「秩序立った資金レバレッジの
解消」が金融機関経営の課題
に
欧米投資銀行等による資産売却の動向(ロイター・ブルームバーグニュースより抜粋、1ドル108円で計算)
モルガン・スタンレー
シンガポールGICにウェスティンホテル東京売却(約780億円)
2008年2月
2008年4月
グッドウィル株式を売却
MSCI株の半分を売却(約920億円)
2008年7月
メリルリンチ
2007年8月
2007年12月
2008年7月
2008年7月
蘭エイゴン、米メリルリンチの生保子会社2社買収で合意(約1400億円 )
法人向け金融部門の大半をGEキャピタルへ売却
ブルームバーグ株を売却(約4860億円)
ローンスターがメリルの不良資産取得(約1兆2000億円)
リーマン・ブラザーズ
2007年11月 HSBC株式売却
3-5月に資産1200億ドル(約12兆9600億円)以上を売却
2008年6月
資産運用部門ニューバーガーを80億ドル(約8640億円)で売却の予定
2008年7月
商業用不動産資産400億ドル(約4兆3200億円)の売却に向け交渉中
2008年8月
シティグループ
NYの旧トラベラーズ本社ビル売却へ-約18億ドル(約1940億円)
2007年9月
2007年12月 ニューヨーク市のビル2棟を15億8000万ドル(約1700億円)で売却合意
債権120億ドル(約1兆3,000億円)を売却・米紙報道、リストラ加速の公算
2008年4月
総資産の2割(41兆円)、3年以内に売却する方向
2008年5月
2008年6月
日本の消費者金融から撤退:「ディック」閉鎖
独リテール銀行業務を77億ドル(約8310億円)で仏クレディ・ミュチュエルに売却
2008年7月
農林中金、米シティの資産5000億円を購入
2008年7月
4
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
売り込まれた日本株式
わが国の株式市場は欧米よりもさらに大幅に下落した!
• 日本の株式市場はサブプライ
ム震源地の欧米よりも大幅に
下落
Equity Index Movement (2007/1-2009/6) (2007/1/9を100として換算)
130
120
DOW (米国)
日経平均
DAX (ドイツ)
2009年5月
2009年3月
2009年1月
2008年11月
2008年9月
2008年7月
– DAX (ドイツ) 40%
2008年5月
– FT100(英国) 34%
40
2008年3月
– Dow(米国) 37%
50
2008年1月
– 日経平均(日本) 35%
60
2007年11月
• 主要株価指数の下落率 (2008
年1月~2009年6月23日)
70
2007年9月
– DAX (ドイツ) 3%
80
2007年7月
– FT100(英国) 9%
90
2007年5月
– Dow(米国) 7%
100
2007年3月
– 日経平均(日本) 24%
110
2007年1月
• 主要株価指数の下落率 (2007
年1月~2008年8月末)
FT100 (英国)
5
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
大きな影響を受けたJ-REIT市場
• 上場REITの破綻 (ニューシテ
ィレジデンス投資法人)
J-REITにおける外国人投資家の売買状況および東証REIT指数、TOPIXの推移
160
売買額(10億円)
J-REIT売買額
東証REIT指数およびTOPIX
東証REIT指数
3,000
TOPIX
140
120
2,500
100
2,000
80
60
1,500
40
20
1,000
0
-20
500
-40
-60
0
20
04
年
20 3月
04
年
20 5月
04
年
20 7月
04
20 年9
04 月
年
20 11月
05
年
20 1月
05
年
20 3月
05
年
20 5月
05
年
20 7月
05
20 年9
05 月
年
20 11月
06
年
20 1月
06
年
20 3月
06
年
20 5月
06
年
20 7月
06
20 年9
06 月
年
20 11月
07
年
20 1月
07
年
20 3月
07
年
20 5月
07
年
20 7月
07
20 年9
07 月
年
20 11月
08
年
20 1月
08
年
20 3月
08
年
20 5月
08
年
20 7月
08
年
9月
• 2007年前半のピーク時からの
下落幅は、TOPIXよりも東証
REIT指数の方が大きい
資料:東京証券取引所のデータをもとに作成された国土交通省土地・水資源局 不動産投資市場研究会配布資料
6
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
低迷するCMBSの発行市場
国内証券化市場の中でも際立った発行額の減少
証券化商品の新規発行額推移
• 国内証券化市場の中で
も 際 立 っ た 発 行額 の減
少
• 2007 年 下 半 期 発 行 額
1.59兆円
• 2008 年 上 半 期 発 行 額
0.15兆円(▲90.6%)
• 2010年にはおよそ1.1兆
円の償還を予定
億円
110,000
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
1994
1995
1996
1997
CMBS
出所
1998
RMBS
1999
2000
2001
消費者信用債権
2002
リース
2003
2004
自動車ローン
2005
CLO/CDO
2006
2007
2008
2009
その他
モルガン・スタンレー
7
サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場
全国で地価が下落
国土交通省地価Lookレポート(平成21年5月公表)
• 平成20年第4四半期に高度利
用地の不動産価格が急落=「
収益を生んでいる不動産の価
格が下落」

平成21年第4四半期(H21.1.1~H21.4.1)の動向
• 行き過ぎた下落ペースへの調
整も



主要都市の高度利用地では前回に引き続き調査対象の150地区のうち148
地区で下落
三大都市圏では全地区で下落(6%以上下落した地区は前回調査の35地
区から41地区に増加。ただし下落幅の拡大傾向は収まる兆しも)
地方圏においても地価の下落傾向は続くが前回調査(平成20年第4四半
期)で大きな下落を示した地区を中心に下げ止まりの傾向も
8
Section 2
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
巨大な資産市場の存在
わが国金融・資本市場の競争力の源泉として
• 非金融資産の大部分を占める
土地と建物を合わせて約
2,300兆円の資産価値
2006年末現在の総資産と国富(正味資産)
兆円
非金融資産
うち在庫
2,501 負債
89
うち有形固定資産
1,160
うち無形固定資産
22
うち土地
金融資産
うち株式
総資産
出所
「平成18年度国民経済計算」(平成12年基準・93SNA)
注
1兆円未満切捨てのため、合計は一致せず
5,845
1,228
6,060 正味資産=国富
2,716
724
8,561 総負債・正味資産
8,561
9
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
巨大な内需の一つ
金融・資本市場の競争力強化の切り札としての潜在力
• 「貯蓄から投資へ」の流れは
停滞。2008年7月末の民間銀
行の預金超過は145兆円(過
去最高水準)
• 銀行に資金はあるが、資本が
足りない
• 米国発のサブプライム問題の
波及効果とし て 、わが国に も
「証券化悪玉論」が蔓延し、資
産市場への資金流入がストッ
プ
競争力の源泉
優良企業の国内立地
巨大な資産市場
金融市場の取るべき
方向性
コーポレートファイナ
ンスの高度化
アセットファイナンス
市場の成長
• 「投資から貯蓄へ」と逆流
課題
「貯蓄から投資へ」の
「証券化悪玉論」のも
進展に依存せざるを
とで方向感を喪失、足
得ないため、時間を
踏み状態
要する
10
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
本来の強みを生かせない国内金融資本市場
• 世界経済フォーラム (World Economic Forum)で発表された2008年度の国際
競争力ランクでは日本は131ヵ国中9位 (2007年度8位、以下同様)

製造業などのイノベーションが評価されている一方で、金融資本市場の評価
は42位 (36位)と高くは評価されず、資金調達のハードルの高さや金融市場
整備の立ち遅れが日本経済の大きな問題点として取り上げられている
• 日本の金融資本市場の課題

リスクマネーのアベイラビリティー:48位 (37位)

取引慣行の透明性: 38位 (38位)

プロジェクトの内容に基づくファイナンスの提供:48位 (53位)

資金移動への制約:67位 (58位)

銀行の経営の健全度:93位 (84位)
出所
The Global Competitiveness Report 2007-2008
11
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
アセット・ファイナンスニーズ掘り起こしの必要性
• 上海・シンガポールは中継金
融という外需に依存してお
り、国際金融市場の動揺の影
響をもろに受けざるを得ない
• 不動産は「金融産業の資源」
• 内需中心のアセット・ファイナンスニーズ掘り起こし(シンガポール、香港、上海に
は存在しないわが国特有の巨大なニーズ)の重要性
• このニーズ(内需)に対応するファイナンス市場を成長させれば、シンガポール、
香港、上海にない「二刀流」(内需と外需)の金融市場成長戦略を推進することが
可能に
• 国際金融拠点としてのインフラ整備に対する金融ニーズにいかにして取り組んで
いくか?
• 不動産ファイナンス市場の日米比較(GDP比で大きな格差)。潜在力はまだまだ
生かせていない
• わが国の都市インフラは昭和30年代後半から40年代(東京オリンピック・大阪
万博)にかけて整備され、更新の時期を迎えている
• 内外の機関投資家による投資の成功が都市再開発等インフラの更新をもたら
し、国際金融拠点整備にも結びつく
12
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
日本は「不動産資源大国」
東京は世界の主要都市で最大のオフィス市場
世界主要都市におけるオフィス市場の規模
(’000平米)
70,000
61,431
60,000
50,400
50,000
40,000
31,935
30,000
21,780
17,142
20,000
11,600
10,000
4,634
4,283
3,567
シンガポール
上海
2,155
0
東京
出所
パリ
ニューヨーク
大阪
ロンドン
フランクフルト
シドニー
香港
Colliers International (Global Office Real Estate Review 2008)、東京・大阪は固定資産税の課税台帳に基づく数値
13
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
更新の時期を迎えた都市インフラ
• 内需としての都市の再開発ニ
ーズ
• 新耐震基準導入以前のストッ
クが大きなシェアを占める
• 国際金融拠点整備とインフラ
更新を同時に進める必要性
• 耐震補強と環境性能強化をあ
わせた建て替えニーズの掘り
起こしで日本版グリーン・ニュ
ーディールの可能性
• 東京都にある建物を全て環境
配慮型に切り替えることにより
見込まれる新規設備投資額は
12兆円(生産誘発効果31兆円
、雇用誘発効果の合計230万
人)
法人所有建物の建築年別床面積(全国)
(’000平米)
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
342,596
309,912
270,614
47,431
S36-S55
S56-H2
H3-H12
新耐震基準導入以前
H13-H14
新耐震基準導入以後
出所 国土交通省「平成15年法人建物調査」
注 工場敷地等以外にある建物で、社宅・従業員宿舎・賃貸用住宅及び他者への販売を目的として所有する土地(棚卸資産)に該当する土地にある建物を除く。
法人所有建物の建築年別床面積(東京都)
全建築物の建築年別着工面積(大阪市内)
(’000平米)
(’000平米)
60,000
70,000
52,161
63,462
60,000
50,000
46,759
50,000
34,693
40,000
32,592
46,426
40,000
30,000
30,000
20,000
5,950
10,000
20,000
7,934
10,000
0
0
S36-S55
新耐震基準導入以前
S56-H2
H3-H12
H13-H14
新耐震基準導入以後
出所 国土交通省「平成15年法人建物調査」
注 工場敷地等以外にある建物で、社宅・従業員宿舎・賃貸用住宅及び他者への販売を目的として所有する土地(
棚卸資産)に該当する土地にある建物を除く。
S42-S55
新耐震基準導入以前
S56-H2
H3-H12
H13-H14
新耐震基準導入以後
出所 大阪府
注 昭和55年以前の調査の集計は暦年、昭和55年以降は会計年度に変更
14
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
不動産投資市場の生態系
様々なプレーヤーを含む生態系としてバランスのとれた成長を図る必要性
個人
再生等が必
要な不動産
エ
ク
イ
テ
ィ
投
資
家
不
動
産
ノ
ロン
ーリ
ンコ
ー
ス
格付機関
格付付与・
モニタリング
CMBS
テエ
ク
ィイ
JR
E
I
T
不
動
産
投
資
法
人
債
REIT
投資
口
機関投資
家
不動産再生・価値創造の
プロセス
企業
私
募
フ
ァ
ン
ド
不
動
産
ノ
ロン
ーリ
ンコ
ー
ス
テエ
ク
ィイ
安定化した不動産
出所 : モルガン・スタンレー
15
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
不動産ファイナンス市場の成長と経済波及効果
国土交通省・不動産投資市場研究会における検討
• 不動産ファイナンス市場が十
分な規模に成長すれば、現在
の不動産業全体(約70万人)を
上回る雇用を誘発する可能性
• 雇用面では農林水産業や商業
などへの波及効果が大きい
• 東京オリンピック開催による経
済波及効果の4倍。羽田空港
際拡張の7倍
• 不動産ファイナンス市場が米国並みに成長すれば、経済全体での生産誘発効
果は12兆円、雇用誘発効果は約75万人(野村総合研究所竹端克利研究員の
試算)
– GDPへの貢献度は約8兆円(1.6%)
• 不動産業のバランスシートと切り離した資金調達が進めば、不動産業の生産
性は0.6%、土地の生産性は0.8%上昇(学習院大学細野薫教授の試算)
16
わが国金融・資本市場にとって不動産市場とは?
情報集積産業としての不動産ファイナンスビジネス
•
多岐にわたる不動産ファイナ
ンスビジネスのプレーヤー
–
–
デューデリジェンス
ベンダー
プロパティ
マネジャー
アレンジャー・オリジネータ
ー・投資家等のメインプレ
ーヤー
ファンド
マネジャー
不動産ファイナンスの実施
にあたって、メインプレーヤ
ーと共に案件に携わる周
辺分野の専門家・専門事
業者
格付機関
アレンジャー
アセット
マネジャー
アンダーライター
エクイティ型不動産証券化商品
(既存物件)
サービサー
オリジネーター
エクイティ型不動産証券化商品
(開発案件)
デット型不動産証券化商品:CMBS
監査法人・
会計事務所
コンピュータソフト
会社
出所
ノンリコースローン
レンダー
投資家
不動産鑑定事務所
ビルメンテナンス
会社
「不動産証券化・不動産金融
賃貸仲介会社
信託銀行
シンクタンク、
コンサルタント等
法律事務所
不動産売買
仲介会社
不動産ソリューション
会社
デベロッパー
総覧 2008」
17
Section 3
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
わが国不動産市場に足りないもの
• 透明性
• 長期資金
• リスクマネー
• 「再生」の視点
• 「地域」の視点
• 適正な資金循環を促すシステム(制度の枠組み)
18
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
国内投資家による不動産投資市場の現状評価
宿題を片付けるのはいつ?
100%
多額の投資資金を受容しうる
不動産投資市場規模の大きさ
投資対象不動産・商品の優良
または安定した収益性
80%
市場が持続的に成長を続ける
こと
-15.3, 64.7
投
資
決
定
上
の
重
要
度
投資対象不動産・商品の多様
性
60%
投資判断の前提となる市場の
透明性や信頼性
40%
投資指標情報の入手しやすさ
インデックス、取引価格)
(等
不動産市場特性を生かす適正
なルールや制度の整備
-32.0 , 60.4
-35.1, 59.1
-29.0, 49.1
-33.2, 49.2
-9.1, 41.2
-41.5, 43.0
-31.7, 37.6
税制優遇等の投資インセン
ティブの充実度
-13.4, 31.1
-20.8, 29.8
20%
-33.6, 16.5
不動産投資に精通した投資家
利益重視の運用機関等の増加
長期安定的な投資姿勢の投資
家層が厚いこと
0%
-50%
-20%
-10%
0%
10%
現状認識・評価
資料:国土交通省「不動産投資家アンケート調査」(平成19年度)
注:投資決定上の重要度(縦軸)について、回答比率から
(大いに重要+やや重要)-(あまり重要でない+重要でない)を算出。
現状認識・評価(横軸)について、回答比率から
(充分+概ね充分)-(やや不充分+きわめて不充分)を算出。
出所
-40%
-30%
日本市場が他国に比べて相対
的位置づけが優位にあること
国土交通省土地・水資源局 不動産投資市場研究会配布資料
19
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
国内投資家の動向
「金融村」と「不動産村」の間に横たわる大きなギャップ
不動産投融資を拡大する
市場等の変動に応じて拡大・縮小姿勢を変える
不動産投融資は行わない
0%
20%
14.9
全体
企業年金
5.1
13.7
11.4
40%
20.7
21.6
現在の不動産融投資を維持・継続する
不動産投融資は、縮小する
無回答
60%
11.9
9.5
2.1
25.0
4.02.3
4.0
48.2
1.2
0.6
建設・不動産会社
5.7
4.0
17.0
13.2
17.0
22.9
28.6
23.1
1.7
26.4
51.4
16.9
3.7
57.7
50.9
5.7
2.1
39.0
64.2
金融機関
100%
73.1
22.3
Jリート・私募ファンド
80%
8.6
45.7
18.5
10.8
23.1
27.7
5.7
0.0
1.5
38.5
32.3
3.81.9
0.0
3.81.9
0.0
8.6 2.9
11.4
2.9
3.1
4.6
資料:国土交通省「不動産投資家アンケート調査」(平成19年度)
出所
国土交通省土地・水資源局 不動産投資市場研究会配布資料
20
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
海外投資家の評価
投資インフラ整備の遅れが大きなハードルに
【投資の適格性に関する事項】
【不動産投資インフラ整備の状況に関する事項】
重要度
評価
ビジネスコミュニケーション、情報源(WEB
等)の多言語対応
5.0
経済規模
5.0
4.0
3.0
期待利回りの水準
税制優遇等投資インセンティブの
充実度
経済の成長性
情報入手場所の明確性
3.0
2.0
2.0
1.0
司法の効率性
0.0
不動産市場の流動性
4.0
1.0
情報の透明性(信頼性)
0.0
経済の安定性
行政手続き等の明瞭性
不動産市場の成長性
都市ごとの投資指標
実勢取引価格(成約賃料を含む)
不動産投資インデックス
資料:国土交通省「不動産市場の国際化の実態把握に関する調査」
注:各項目について、「投資決定上の重要度」と「日本の評価」について5段階で尋ね、その回答を5ポイントから
1ポイントまでで点数化し、回答数に応じて加重平均して求めた数値をグラフに表した。
出所
国土交通省土地・水資源局 不動産投資市場研究会配布資料
21
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
情報インフラ面での課題(透明性)
マクロレベルと金融商品レベルでの送れ
•
•
•
金融庁の金融商品取引業者
向け総合的な監督指針の一
部改正(08年4月から施行)
日本証券業協会に「証券化
商品の販売に関するWG」が
設置(08年3月)、証券化商
品の取引の透明性向上とト
レーサビリティを確保のため
の態勢構築に着手(WGは
08年3月~09年02月までに
17回開催)
デット型の証券化商品につい
てSIRP(標準情報レポーテ
ィングパッケージ)を作成(A
BS、CLO、RMBS、CMBS
)を作成
•
「証券化商品の販売等に関
する規則」(自主規制規則)を
制定・施行(09年)
•
金融商品取引業者向け監督
指針の一部改正において、
監督上の評価項目として自
主規制規則への対応を追加
(第1種および第2種金融商
品取引業者)
<課題①>
不動産市場における賃料等の基礎的データの整備・蓄積が不十分
 幅広い不動産情報収集体制の構築が急務
 不動産投資インデックスの整備による情報発信
 データベースの整備による東京圏以外の不動産投資市場の開拓
<課題②>
 CMBS・J-REITなど証券化商品におけるディスクロージャーの標準化の
遅れ
 トレーサビリティ(追跡可能性)の確保
 海外投資家資金の流入を促し、不動産市場の国際化を促進
 投資管理を容易にし、投資家の新規参入を促進
 取引コストの縮減により、不動産投資市場に流動性を付与
22
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
情報インフラの重要性
世界の不動産の情報透明性インデックスにおけるわが国の位置は下落中
•
日本は、04年から06年にか
けて透明性が改善したが、
08年は僅かな改善にとどま
った
•
透明度スコア中高では香港・
シンガポールが上位にランク
•
中国・インドが透明度レベル「
中」に昇格
•
J-REIT等の市場拡大が鈍化
•
業界スタンダードとなる投資
インデックスの整備が進んで
いない
•
J-REITの海外物件投資の解
禁を契機として、英語による
情報開示の進展を期待
2008
1
2
2
4
5
6
7
8
9
10
11
11
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
2006
2004
4
1
1
3
5
7
9
8
17
15
6
10
11
12
14
18
15
20
21
19
13
24
22
26
27
23
5
1
3
2
4
6
11
8
15
14
7
9
12
10
16
19
17
18
22
13
21
23
20
24
28
26
国
カナダ
オーストラリア
米国
ニュージーランド
英国
オランダ
フランス
スウェーデン
ベルギー
アイルランド
香港
シンガポール
フィンランド
ドイツ
デンマーク
スペイン
オーストリア
ノルウェー
イタリア
スイス
南アフリカ
ポルトガル
マレーシア
チェコ共和国
ポーランド
日本
スコア
2008
1.17
1.20
1.20
1.21
1.31
1.33
1.34
1.43
1.48
1.52
1.55
1.55
1.56
1.58
1.68
1.70
1.72
1.78
1.82
1.87
1.96
2.09
2.25
2.32
2.37
2.39
透明度レベル:高
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
2006
27
29
35
n/a
32
44
34
n/a
n/a
37
48
25
33
n/a
29
n/a
n/a
31
39
46
n/a
36
42
40
41
n/a
n/a
n/a
2004
25
30
38
n/a
n/a
45
32
n/a
n/a
37
50
29
31
n/a
27
n/a
n/a
34
36
n/a
n/a
35
39
40
41
n/a
n/a
n/a
国
ハンガリー
イスラエル
ロシアのTier 1都市
エストニア
スロバキア
ドバイ
ギリシャ
ロシアのTier 2都市
ブルガリア
ブラジル
ルーマニア
メキシコ
チリ
ラトビア
台湾
リトアニア
ロシアのTier 3都市
韓国
タイ
ウクライナ
バーレーン
フィリピン
中国のTier 1都市
アルゼンチン
インドのTier 1都市
インドのTier 2都市
クロアチア
アブダビ
スコア
2.50
2.50
2.63
2.64
2.70
2.78
2.79
2.83
2.91
2.92
2.92
2.94
2.95
2.95
3.07
3.08
3.14
3.15
3.16
3.18
3.23
3.23
3.33
3.34
3.34
3.38
3.42
3.46
透明度レベル:中高
透明度レベル:中
出所:Jones Lang LaSalle Transparency Index 2008よりモルガン・スタンレー作成
23
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
資金循環面での課題(長期資金)
(近年の改善点)
• 2008年4月より 、税務上の適
格機関投資家に、海外年金基
金、外国政府機関の100%子
会社等が追加された
• 短期資金に支配される不動産投資市場
– 現在、わが国不動産デット市場を支えているのは、比較的短期の資金運用を行うことを中心的な運用
スタイルとしている都市銀行、外国銀行、系統金融機関及び地方銀行等
– 期間5年以内、多くは2年から4年程度の短期変動金利での運用
⇒短期投資資金に頼らざるを得ない不動産デット市場の現状
(更なる改善に向けて)
• 適格機関投資家の届け出期間
の 通 年化 が望 ま れ る (現 状 、
1,4,7,10月の年4回のみ)
↑
現在、当該短期資金の流入がストップし、資金繰り難による破綻事例が多発
• 長期資金導入へのハードル
– 本来ニーズとして長期の資金運用ニーズを持つ年金投資家や、それらの資金を集めるかたちで運用
するファンド形態の投資家などは、ほとんど見られていない
– 従来の証券取引法の下では、年金基金のほとんどが、特定社債への投資を行っておらず、また適格
機関投資家となっていないこと、また、ファンドにおいては、適格機関投資家となり得る形態が限られて
いることが背景
– 「適格機関投資家の壁」によりSWF等の投資は現物に限定されてきた
• 安定的な資金循環による持続的な市場拡大の必要性
– 不動産運営主体は、不動産市場に必然的に存在するサイクルを前提とし、中長期的な安定リターン
を追求すべき
⇒長期のファイナンス資金を不動産市場に導入し、不動産の運用とその資金調達の期間
構造のバランスを取ることが重要
24
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
わが国及び米国におけるCMBSの平均償還期間
2006年以降発行の日本のCMBS(全体)
• 米国では7年超のCMBSが全
体の65%を占め、市場全体で
の加重平均ベースの平均償還
期間は約7.8年
金額ベース
加重平均ベース平均償還期間
40%
3.3年
30%
• そのため商業不動産の換金売
りは多くない
20%
• それに対し、日本では平均償
還期 間は 、3.3年 程 度 に 止 ま
り、証券化市場を通じた不動産
市場への長期安定資金の供給
が進んでいないのが現状
0%
出所
超
年
下
年
11
12
超
12
年
以
下
年
超
11
年
以
下
10
9年
8年
超
10
年
以
下
超
9年
以
下
7年
超
8年
以
下
6年
超
7年
以
下
5年
超
6年
以
下
4年
超
5年
以
下
3年
超
4年
以
下
以
超
3年
2年
2年
以
下
10%
モルガン・スタンレー集計に基づく
2006年以降発行の米国CMBS(全体)
金額ベース
加重平均ベース平均償還期間
40%
7.8年
30%
20%
10%
出所
モルガン・スタンレー集計に基づく
超
年
12
下
年
11
超
12
年
以
下
年
10
超
11
年
以
下
9年
超
10
年
以
下
8年
超
9年
以
下
7年
超
8年
以
下
6年
超
7年
以
下
5年
超
6年
以
下
4年
超
5年
以
下
3年
超
4年
以
下
以
超
3年
2年
2年
以
下
0%
25
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
証券化された不動産ノンリコースローンの投資家属性
日米で顕著な差
• 現状、日本においては、証券化
された不動産ノンリコースロー
ン(CMBS)発行額の 90 %程
度が大手銀行、外国銀行、系
統金融機関及び地方銀行など
、短期の資金運用ニーズの強
い投資家によって占められて
いる
新発CMBS購入投資家層の属性(日本)
金額ベース
2006年度
生命保険
2.4%
地方銀行、その他地
方金融 11.6%
• 米国では、投資信託、ファンド
を通じて、個人・年金の資金が
不動産市場に流入
新発CMBS購入投資家層の属性(米国)
金額ベース
2006年度
損害保険
0.1%
年金基金(直接投資) 2.8% その他金融機関
0.4%
政府系金融機関 6.7%
事業法人
0.4%
銀行
17.6%
信託銀行
6.1%
投資信託
29%
大手銀行
79.4%
保険会社
20.2%
出所
モルガン・スタンレー
出所
ファンド
22.7%
モルガン・スタンレー
26
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
市場の生態系における課題(リスクマネーと「再生」の視点)
不動産ファイナンス市場のいびつな成長
• 不動産市場の価値創造に金融
市場の果たすべき役割は本来
大きい
個人
企業
• 失われた10年以降限定的な形
で「リスクマネー」が供給
• 市場を通じて資産の再生・リサ
イクルと情報の蓄積を行なう
非収益不動
産
収益不動産
収益化
• 証券化を通じた業務のアンバ
ンドリング化と相互牽制
オポチュニティ・ファ
ンド (再生型)
• これらの活動が円滑におこな
われるための情報インフラをも
つ金融システムのグランドデザ
インが必要
非収益化
収益化
非収益化
• これまでは、Jリート中心の保
護政策が進められてきた
J-REIT・コアファ
ンド
再開発
• リスクマネーを生かしつつ全体
としてのシステムがうまく回る
ための金融監督規制の枠組み
が課題
オポチュニティ・フ
ァンド (処分型)
これまでの中心
これから求められるルート
• 「日本型アセットファイナンス市
場」の可能性
• 不動産の再生現場にいかに資
金を流すか?
出所
モルガン・スタンレー
27
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
地域金融機関における課題(地域の視点)
新しい枠組みの下で地域の資金循環を再生する
「失われた10年」以前
「失われた10年」以後
中央
中央
中央
中央金融機関
家計
企業
資金
運用
貸出
預金
資金
調達
中央
中央
家計
家計
企業
中央
中央金融機関
資金
運用
貸出
預金
資金
調達
家計
預金
預金
証券
証券
証券
証券
証券
証券
政府
証券
証券
政府
アセットファイナン
ス市場への投資
資金
運用
資金
調達
不動産市場
地方
地方金融機関
家計
資金
運用
貸出
預金
資金
調達
地方
地方
家計
家計
預金
証券
資金
調達
地方金融機関のアセットファイ
ナンス市場への参加は一部
地方
地方
企業
アセットファイ
ナンス市場
企業
地方
地方金融機関
資金
運用
貸出
預金
資金
調達
家計
預金
証券
証券
証券
証券
政府
証券
証券
証券
政府
「失われた10年」以前において、金融機関を中心とした間接金融
システム下、資金過剰主体から資金不足主体への資金循環が機
能していた。
出所
間接金融の直接金融化が進む中、中央金融機関はアセットファイナンス市場への積
極的な参加を果たす。一方、地域内での融資にアセットファイナンス手法を活用する
地方金融機関は一部に留まる。
モルガン・スタンレー
28
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
不動産市場の持続的・安定的成長における課題
国民生活を豊かにするために
• 不動産ファイナンス市場は未だに幼稚産業の域だと認識すべき(従来型の間接
金融は不動産担保に大きく依存)
• 情報集積産業としての成長可能性と産業政策的視点導入の必要性
• 情報インフラ整備の重要性
• 内外の長期安定的な投資資金を導入する必要性
• リスクマネーを活用し不動産の再生を支える金融システムの枠組みが必要
• アセット・ファイナンスを活用した地域金融の再生が必要
⇒不動産と金融を結ぶ一つの「新しい産業」としての不動産ファイナンス市場の成
長を促す政策のグランドデザインが必要
29
わが国不動産市場の抱える諸課題と求められる方向性
国民生活を豊かにするための不動産市場の活性化に向けて
なにをなすべきか
日本型アセット・ファイナンス市
場モデルとは?


•
シンプル(1次証券化中心路
線の堅持)
•
わかりやすい(情報開示の標
準化推進)
•
不動産と金融の真の融合を
図る
•
–
都市インフラの更新への活
用
–
企業セクターのバランスシ
ート適正化への寄与(CRE
)
–
長期資金の本格導入(制度
、インフラ整備)
–
十分な規模の市場に
21世紀型インフラの集積に
役立つ都市型基幹産業
不動産と金融を適正に結びつける(日本型アセット・ファイナンス市場モデル)
成約価格情報に基づく全国不動産データベースの導入と不動産パフォーマンスインデ
ックスの整備

不動産金融商品の透明性向上に向けた情報開示標準化の推進

内外の長期安定的な投資資金の導入推進を見据えた投資規制にかかわる環境整備

日本銀行による不動産金融商品の担保適格化によるクオリティ・コントロールと金融機
関のレベルアップ(日本型アセットファイナンス市場)

「地方のまちづくりに役立つノンリコースローン市場」の本格導入による「地域力」の強化

不動産金融商品買取機構(時限)の設立による市場整備

不動産・金融市場対策を経済財政諮問会議の主要テーマに
(不動産と金融に関する基本政策の作成による新たな行政プロセスの創造)
30
Appendix A
付録
付録
米国各セクターに見るレバレッジの分布
米国では企業セクターと家計セクターに顕著な差
U.S Credit Market Debt/GDP(%)
350%
300%
Great Depression
250%
GSE
200%
Financials
150%
Government
100%
Corporates
50%
Households
2007
2004
2001
1998
1995
1992
1989
1986
1983
1980
1977
1974
1971
1968
1965
1962
1959
1956
1953
1950
1947
1944
1941
1938
1935
1932
1929
0%
Source: Morgan Stanley、FRB
31
付録
日本におけるレバレッジの分布
企業セクター・家計セクター共に低いレバレッジ
Japan Credit Market Debt/GDP(%)
600%
Bubble economy
500%
Government
400%
GSEs
300%
Financials
200%
Corporates
100%
Households
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
0%
Source: Morgan Stanley、BOJ
32
付録
過剰貯蓄・余裕資産の増加
レバレッジ資金の出し手として
世界の外貨準備高の急増
世界的な「過剰貯蓄」も一因
[対GDP, %]
世界の貯蓄率
24
23
22
21
20
1980
1983
1986
1989
1992
1995
1998
2001
2004
2007
出所: IMF、モルガン・スタンレー
出所: IMF
33
付録
主要中央銀行における適格担保
• FRB・BOE共にCMBSを適格
担保として受け入れ
• 日 本 銀 行 は1999年にABS を
適格担保として導入。2002年
にはRMBSを含めたが、その
後の進展はなし
BOE
流動性供給オペ担保
Sovereign paper
Government guaranteed agencies and US
GSEs
Covered bonds
ABS backed by coporate loans and
bonds(most senior, backing asset should
be rated A3/A- or higher)
ABS backed by credit cards and other
consumer debt (most senior, AAA)
CMBS (most senior, excludes construction
loan)
RMBS (most senior)
ABCP (A-1+/P1/F1+, with liquidity line by
A1/A+ banks)
ECB
ECB debt certificates
Central government debt instruments
FRB
U.S. Treasuries and Fully Guaranteed
Agencies:
国債・政府短期証券・政府保証付債券
BOJ
Government Sponsored Enterprises:
地方債・財投機関等債券
Debt instruments issued by central banks International Agencies:
社債(公募A格)
Local and regional government debt
instruments
Brady Bonds
短期社債・企業が振出す手形
Supranational debt instruments
Foreign Governments
保証付短期外債
Covered bank bonds
Foreign Government Agencies
資産担保債券(公募、AAA格)
Credit institutions debt instruments
Municipal Bonds
Debt instruments issued by corporate and
Corporate Bonds
other issuers
ABS (most senior, excludes synthetic
German Jumbo Pfandbriefe
ABS - AAA (includes Collateralized Loan
and Debt Obligations)
Asset-Backed Securities - non AAA
(excludes Collateralized Loan and Debt
CMBS - AAA
MBS/CMO (includes agency and private
Trust Preferred Securities
Mutual Funds
GSE Stock (FNMA, FHLM)
Bankers Acceptances, Certificates of
Deposit, and Commercial Paper
Commercial and Agricultural Loans:
Agency Guaranteed Loans
Commercial Real Estate Loans
Construction Real Estate Loans
Residential Real Estate Loans
Consumer Loans
Tri-party repo eligible asset
資産担保短期債券(a-1格)
外国政府債券、国際金融機関債券(公募、
AA格)
コマーシャル・ペーパー
企業に対する証書貸付債権(A格)
出所:各中央銀行HP
34
付録
証券化の信用創造機能とリスク
• 今回の混乱は、市場において
必ずしも十分にテストされてい
な い 、 未 熟 な ABS CDO や
ABCPなどの「二次証券化商
品」と、ヘッジファンド経由で流
入した短期の流動性とが結び
ついたことにより発生
• 「日本型アセットファイナンス市
場」では「一次証券化商品」を
中心とした「シンプルで分かり
やすい」証券化商品を育成す
べき
間接金融
一次証券化商品の縮小が信
用収縮を招くリスク
信用創造機能
一次証券化
ABS, RMBS, CMBS等
過剰な信用創造リスク
二次証券化
CDO, ABCP コンデュイット等
35
付録
不動産事業の資金調達に係るニーズ・課題と対応
「地域のまちづくりに役立つノンリコースローン市場整備に関する研究会」
ニーズ
○優良な民間都市開
発事業の推進
・地域活性化のための
まちづくりの推進
○地域金融の活性化
・地域金融機関の有す
る資金の地方のまち
づくりへの活用
○地方のまちづくり
に対する投資の活
性化
・投資家が安心して投
資できる市場環境整
備
作成: 国土交通省住宅局
課
題
対応の方向性
■事業者
○不動産事業者の経営
状況悪化
⇒ コーポレートローンの
供給縮小
■ノンリコース
ローン供給促進
・事業の収益性のみに
着目して資金調達
■地域金融機関
○金融環境の悪化
⇒ 自己資本比率規制へ
の対応等から不動産向
けローンに消極的
■ローンの証券化
・ローン債権をオフバラ
ンス化、良質な証券に
入れ替え
■投資家
○地方の不動産事業に
関する情報の不足
⇒ 地方物件の投資に消
極的
○地域集中リスクの存在
⇒ リスクヘッジが課題
■証券化商品に係る情
報開示の標準化の推
進
・統一的判断が可能
■複数の地域の案件を
まとめて証券化
・地域リスクを分散
個
々
の
地
域
金
融
機
関
等
の
取
組
の
み
で
は
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が
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難
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ン
リ
コ
ー
ス
ロ
ー
ン
の
証
券
化
ス
キ
ー
ム
の
構
築
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付録
不動産事業向けノンリコースローン証券化スキーム
○ 国の支援のもと、複数の地域金融機関のノンリコースローン債権(又は受益権)を証券化
SPCが買い取り、証券化するスキームを構築。標準化されたフォーマットにより
証券化商品に係る情報を開示。
不動産事業者:良質な物件について、事業者の信用力にかかわらず、資金調達が可能に
地域金融機関:ローンに係るリスクウェイトを軽減することにより、ノンリコースローンの
供給を促進
投資家:地域リスクが分散され、投資判断容易な投資商品となることにより、投資機会拡大
街なか居住再
不動産
ノンリコース
ローン
金融
生ファンド
機関A
事業
債権譲渡
出資
不動産
事業
不動産
事業
ノンリコース
ローン
金融
代金または
MBS
債権譲渡
機関B
ノンリコース
ローン
証券化
SPC
MBS発行
投資家
(金融機関等)
代金または
MBS
金融
機関C
債権譲渡
作成: 国土交通省住宅局
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付録
(参考)街なか居住再生ファンドの概要
中心市街地やニュータウン等における民間の多様な住宅等の整備事業及び活動拠点
等の整備事業に対し、出資により支援。
○対象事業者 民間の住宅等の整備事業、街なか居住の再生に資する活動拠点等の
整備事業を実施するSPC
○対象区域 中心市街地活性化基本計画の区域、ニュータウン、景観計画の区域、都
市再生緊急整備地域の区域 等
○スキーム
街なか居住再生フ
ァンドから出資
■平成20年度二次補正
対象事業者に、ノンリコースローンを証券化するSPCを追加
作成: 国土交通省住宅局
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サブプライム問題の影響を受けたわが国不動産市場