部 長 調 整 資 料
平成22年9月6日
「宮古島産マンゴーの船舶・航空複合輸送試験」
平成22年度試験結果・概要
農業研究センター
農業システム開発班
【目的・1】
宮古-那覇間の航空輸送能力に由来する滞貨発生
消費地
宮古
那覇
常温航空輸送
35
2009年実績(350t)
2010年予測(420t)
2011年予測(540t)
2012年予測(680t)
30
出荷量(t /日)
25
20
常温航空輸送
所要日数:2~3日間
大型機材
(767)
就航
航空輸送体系(現行)の輸送限界
15
日量1~1.5t滞貨
(2009年度)
10
↑
滞貨が発生(2009年度)
5
0
6/20
6/25
6/30
7/5
7/10
7/15
7/20
宮古島マンゴーの出荷予測
・収穫ピークは6月下旬~7月上旬
・使用機材は小型のB737
(観光客が増大する7月中旬以降は大型のB767)
・航空貨物輸送能力の限界による滞貨発生
⇒マンゴーの生産量が増大し、更なる滞貨発生の恐れ
【目的・2】
宮古-那覇間を船舶輸送とする船舶・航空複合輸送
航空輸送のボトルネックである「宮古島-那覇」間の輸送手段を船舶輸送に置き換える
次いで那覇から大都市消費地までを従来どおり航空輸送とする船舶・航空複合輸送
船舶・航空
複合輸送
船舶輸送
定温(25℃)による
常温航空輸送
所要日数:4~6日間
消費地
宮古
航空輸送
那覇
航空輸送
常温
常温航空輸送
所要日数:2~3日間
【問題点】
・マンゴーは追熟が進むため、温度管理に注意を要する
(低温輸送できないので、輸送日数が増えると熟が進む)
・船舶便は宮古(早朝)→石垣(夕方)→那覇(翌早朝)であり、輸送時間が1日増える
・船舶便は週3便であるため、輸送待ち時間が最大2日発生
【計画・1】
船舶・航空複合輸送と航空輸送の日程比較
船舶・航空複合輸送
予想されるスケジュール
収穫後2日待
収穫後1日待
収穫翌朝出港
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
朝
昼
夕方
夜
朝
昼
夕方
夜
朝
昼
夕方
夜
朝
昼
夕方
夜
朝
昼
夕方
夜
朝
昼
収穫
港持込
航空輸送
実際の
スケジュール
収穫
空港持込
宮古→那覇
(航空輸送)
収穫
コンテナにて
20℃保存
港持込
コンテナにて
20℃保存
収穫
那覇→消費地
(航空輸送)
販売
消費者着
港持込
宮古発
25℃船舶輸送
那覇港着
那覇港→那覇空港(横持ち)
那覇→消費地
(航空輸送)
販売
消費者着
・船舶便は早朝出港のため、輸送時間が1日増える
・船舶便は週3便のため、輸送待ち時間が最大2日発生
【計画・2】
船舶・航空複合輸送試験計画
卓上試験
船舶・航空複合輸送区
+3日区
+2日区
+1日区
収穫
評価
20℃保管
↓
収穫
評価
20℃保管
↓
収穫
評価
20℃保管
保管温度を20℃から25℃に変更
25℃保管
日程
6/13
6/14
6/15
6/16
朝
昼
夜
朝
昼
夜
朝
昼
夜
朝
昼
夜
6/17 (終日)
6/18
昼
6/19 (終日)
6/20
昼
↓
輸送試験
航空輸送区
6/23
6/24
6/25
収穫
評価
常温保管
常温保管
(消費地到着時)品質評価
常温保管
追跡評価
日程
6/26
朝
昼
夜
朝
昼
夜
朝
昼
夜
朝
昼
船舶・航空複合輸送区
航空輸送区
+3日区
+2日区
+1日区
収穫/評価
港に搬入
20℃保管
↓
収穫/評価
港に搬入
20℃保管
↓
収穫/評価
港に搬入
20℃保管
コンテナ温度を20℃から25℃に変更 収穫/評価
宮古→那覇船舶輸送
空港搬入
琉球海運「みやらび」
宮古→那覇
06:00宮古出港
航空輸送
石垣経由
常温保管*
08:00那覇到着
港から空港へ常温輸送
那覇→宮古・航空輸送
常温保管
夜
朝
昼
夜
6/28 (終日)
6/29
(消費地到着時)品質評価
*輸送会社の手違いにより,冷蔵(5℃)保管.
6/27
「船舶・航空複合輸送」区の試験区設定について
・出港待ちを想定して「+3日(2日間出港待ち)」~「+1日(収穫翌日出港)」とする
・収穫時期を慣行の「全果鮮紅色区」と、それよりも数日早い「部分鮮紅色区」とする
⇒輸送日数の増加に対応
【結果(卓上)・1】
船舶・航空複合輸送による消費地到着時の
果実品質(卓上試験)
重量減少率(%)
熟度
収穫時
輸送後
炭疽病発病度
果皮色
L*値
収穫時
輸送後
a*値
収穫時
輸送後
b*値
収穫時
輸送後
G値
収穫時
輸送後
船舶・航空複合輸送区
+3日区
+2日区
+1日区
全果
部分
全果
部分
全果
部分
鮮紅色 鮮紅色
鮮紅色 鮮紅色
鮮紅色 鮮紅色
1.8
1.8
2.0
1.5
1.2
1.3
3.1
1.1
2.5
1.3
2.4
2.0
5.0
4.8
4.4
3.7
4.3
3.6
9
9
19
0
6
3
44.2
45.7
36.2
34.3
27.3
32.5
6.7
13.5
45.1
46.9
29.1
33.9
19.1
33.7
3.4
14.5
45.7
46.8
31.6
33.7
23.9
34.0
4.5
21.3
45.4
46.2
30.2
34.1
19.6
32.4
4.2
15.5
46.9
47.9
32.2
32.8
26.7
34.6
4.5
21.5
・熟度は慣行収穫では航空輸送と同等
・部分鮮紅色収穫によって、熟度に余裕が生じる
☆果汁の品質に大きな差異は無い(データ省略)
50.5
50.9
29.2
32.9
27.0
39.0
5.8
12.0
航空
輸送区
全果
鮮紅色
1.4
3.2
4.7
0
45.8
47.8
34.5
33.6
28.9
34.5
6.2
25.2
【結果(卓上)・2】
船舶・航空複合輸送による消費地到着時の
果実評価(卓上試験)
優れる
香り(果皮)
普通
劣る
過熟
熟度(果皮)
適熟
未熟
優れる
食味(果肉)
普通
劣る
全果
部分
鮮紅色
鮮紅色
+3日区
全果
部分
全果
部分
鮮紅色
鮮紅色
鮮紅色
鮮紅色
+2日区
+1日区
船舶・航空複合輸送区
・いずれの試験区にも有意な差異は検出されなかった
全果
鮮紅色
航空
輸送区
【結果(輸送)・1】
船舶・航空複合輸送試験の温度推移
(船舶・航空複合輸送区)
45
20℃・港で出港待機
宮古>>那覇
(船舶)
温度(℃)
40
(航空輸送区)
宮古>>那覇
(航空)
35
那覇>>宮古
(航空)
航空輸送「品温」
30
複合輸送
(+3日)「品温」
25
複合輸送
(+2日)「品温」
複合輸送
(+1日)「品温」
20
船舶・航空複合輸送「環境温度」
15
12:00
6.23
0:00
6.24
12:00
0:00
6.25
航空輸送「環境温度」
12:00
0:00
6.26
12:00
0:00
6.27
12:00
・港での出港待機中に品温は21℃前後まで低下
・那覇到着10時間前には品温は25℃以上に到達
⇒出港待ち時の温度をさらに低くすることで追熟抑制効果大?
(常温航空輸送区は業者ミスにより那覇で冷蔵保管となったため、参考値とする)
【結果(輸送)・2】
船舶・航空複合輸送試験による消費地到着時の
果実品質(輸送試験)
重量減少率(%)
熟度
収穫時
輸送後
炭疽病発病度
果皮色
L*値
収穫時
輸送後
a*値
収穫時
輸送後
b*値
収穫時
輸送後
船舶・航空複合輸送区
+3日区
+2日区
+1日区
全果
部分
全果
部分
全果
部分
鮮紅色 鮮紅色
鮮紅色 鮮紅色
鮮紅色 鮮紅色
3.1
3.4
2.6
2.8
2.6
2.8
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
5.0
4.4
4.8
4.2
4.3
3.1
6
8
17
6
6
9
45.1
44.0
26.7
29.8
17.7
28.0
41.2
42.3
21.6
29.8
11.2
25.5
46.2
44.8
27.2
28.0
19.2
27.8
43.3
43.6
21.8
28.7
14.1
27.0
45.0
42.4
33.3
30.2
15.9
25.1
43.6
46.2
22.7
30.2
13.9
31.1
航空
輸送区
全果
鮮紅色
2.1
1.0
3.9
3
45.7
45.3
26.2
29.1
17.4
28.4
・熟度は輸送日数の増加にしたがって進む
・部分鮮紅色収穫によって、熟度に余裕が生じる
☆果汁の品質に大きな差異は無い(データ省略)
(常温航空輸送区は参考値)
【結果(輸送)・3】
船舶・航空複合輸送試験による消費地到着時の
果実評価(輸送試験)
過熟
熟度
適熟
未熟
優れる
外観
普通
劣る
優れる
香り
普通
劣る
美味しい
普通
食味
*
*
*
不味い
全果
部分
鮮紅色
鮮紅色
+3日区
全果
部分
全果
部分
鮮紅色
鮮紅色
鮮紅色
鮮紅色
+2日区
+1日区
船舶・航空複合輸送区
全果
鮮紅色
航空
輸送区
・いずれの試験区にも有意な差異は検出されなかった
(常温航空輸送区は参考値)
【まとめ】
まとめと今後の課題
《結果》
・宮古から那覇までを定温船舶輸送、続く那覇から消費地までを航空輸送とする船舶・航空複
合輸送において、果実の一部に鮮紅色が出始めた段階で収穫した果実を用いることで、従
来(果実全体に鮮紅色が出た段階で収穫した果実を航空輸送)と同等の熟度で消費地に到
着可能である
・果実の一部に鮮紅色が出始めた段階で収穫した果実は、果実全体に鮮紅色が出た段階
で収穫した果実と、追熟後の品質に顕著な差異が無い
《検討課題》
・慣行の常温航空輸送との品質比較
・コンテナ積載方法および効率の検討
《船舶輸送の可能性と課題》
・出港待ち時間の温度設定を20℃から15℃に下げることで、更なる追熟抑制を図る
・船舶便の運行スケジュール調整による輸送所要時間の削減
→石垣経由から那覇直行(1日短縮可能)
→毎日運行(1~2日間の出港待機時間削減)
現行の航空便よりも高品質
・航空輸送時の温度管理
保持が可能になる!
ダウンロード

マンゴーの船舶・航空複合輸送試験結果報告会資料(PPT:133KB)