第2章 契約とは
本章では、モデル取引・契約に関連する法律や
権利義務について解説します。
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契約とは何か
 契約とは何か
 契約とは約束であり、契約をした人達(当事者)は、権利を取得し、一方で義務を負う
ことになります。
 契約は民法や商法などの法律によって規律され、当事者は契約に法的に拘束される
ことになります。契約に違反した当事者は、相手方から損害賠償等を求められること
があります。
 契約書が無くても契約は成立
 契約書を作成しないで、「売ります。」「買います。」という口約束をするだけでも、契約
は成立します。自動販売機で缶ジュースを買うのも、売買契約といえます。
売ります
買います
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契約とは何か
契約の権利と義務
 契約の権利と義務とは具体的にどのようなものでしょうか。
 田中さん:「このリンゴを1個100円で売ります。」
 鈴木さん:「わかりました、そのリンゴを1個100円で買いましょう。」
 このリンゴの売買契約を、それぞれの権利と義務に分けると下の表になり
ます。
田中さん
当事者
鈴木さん
義務=債務
田中さん 鈴木さんにリンゴを引き渡す
権利=債権
鈴木さんから代金100円を受け取
る
鈴木さん 田中さんに代金100円を支払う 田中さんからリンゴを受け取る
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契約の種類
 契約類型
 民法では、13種類の契約が規定されており、これらは、典型契約と呼ばれて
います。
 典型契約以外の契約でも、自由に定めることができます(契約自由の原則)。
たとえば、ソフトウェアの使用許諾契約などがあります。
 情報システム取引でよく用いられる典型契約には、売買、請負、準委任など
があります。
分類
民法が定めた典型契約
財産を移転する
贈与
交換
売買
財産を利用する
消費貸借
使用貸借
賃貸借
労務を提供する
雇用
請負
(準)委任
その他の契約
組合
終身定期金
和解
寄託
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契約の種類
 取引で利用される契約
 情報システム取引でよく使われる契約は、売買、請負、準委任、ソフト
ウェア使用許諾の4種類です。
契約
関係する法律
利用される状況
売買契約
民法、商法
ハードウェア、消耗品の販売
請負契約
民法
プログラムの設計・制作
準委任契約
民法
コンサルティングなど
ソフトウェア使用許諾契約
著作権法
ソフトウェアの使用、複写など
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債権と債務
 契約で決めた権利を「債権」、義務を「債務」と呼びます。
 債権:相手に対して特定の行為をするように要求する「権利」
 債務:要求された特定の行為をする「義務」
 医療情報システム開発受託契約を例に債権と債務を考えてみましょう。
 契約の条件(請負契約):
A社はB病院に医療情報システムを要件定義書に従って構築し、引き渡す。
B病院は医療情報システム構築の代金100万円をA社に支払う。
A社の債務
B病院の債権
システムを構築して引き渡す義務
医療情報システムを受け取る権
利
A社の債権
代金100万円を受け取る権利
B病院の債務
A社に代金100万円を支払う義務
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債権と債務
契約の目的
 契約を締結する当事者は、最終的に以下のメリットを見いだしています。
 B病院は医療情報システムを導入して、医療業務の効率化を図る
 A社は医療情報システム構築の代金を受け取り、金銭的な利益を得る
 ただし、A社の債務の内容は、「医療業務の効率化を図る」ことではなく、「要件定義書
に記載された内容でシステムを構築する」というものです。したがって、A社は、医療業
務の効率が図られないというだけで責任を負うわけでありませんが、システムが要件
定義書どおりに構築されていない場合には、責任を負うことになります。
A社の債務
B病院の債権
システムを開発して引き渡す義務
医療情報システムを受け取る権
利
A社の債権
代金100万円を受け取る権利
B病院の債務
A社に代金100万円を支払う義務
債権と債務
債務不履行
契約で定めたことは、お互いに正しく果たす義務が
あります。契約違反となってしまう例を学びましょう。
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 契約の目的が達成されない原因としては、債務(義務)が果たされていないことが考
えられます。こうした状態を「債務不履行」といいます。「債務不履行」が認められる
場合、①債務の完全な履行を求められるほか、②契約を解除されたり、③損害賠償
請求を受けたりすることがあります。
 A社が債務不履行となるケース
システムの納品が遅れた、要件定義書に記載された機能の一部ができていない。
 B病院が債務不履行となるケース
検収したのに代金を支払わない。
A社の債務
システムを開発して引き渡す義務
A社の債権
代金100万円を受け取る権利
納期遅れ、
一部機能未完
成など
支払遅延
など
B病院の債権
医療情報システムを受け取る権
利
B病院の債務
A社に代金100万円を支払う義務
ベンダの
具体的な契約違反となる債務不履行について
債務不履行とは何 理解しましょう。
か
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 債務不履行となる例
 仕様書には、日次処理を1時間以内に終えるとされていたのに、3時間
以上掛かり、かえって残業が増えてしまった。
 仕様書に書いてある通り操作しても機能しない。期待した結果にならな
い。
 債務不履行にならない例
 ユーザが想定外のフリーソフトウェアを勝手にインストールしたところ、
性能が発揮できなくなった。
 ベンダの責任とポイント
 ユーザの求めに応じて、瑕疵を直し、仕様書通りに性能を発揮させるこ
とにより、契約解除や損害賠償請求を防ぐことができます。
 内容があいまいな仕様書や、口頭での約束は、後々、争いの原因とな
ります。あいまいさを排除した精確な文書作成が重要です。
債権と債務
瑕疵担保責任
ベンダは正しく機能する製品やサービス
を提供する義務があります。
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 契約の目的が達成されない原因の一つに、瑕疵があります。瑕疵とは、欠陥すなわ
ち本来あるはずの性能を備えていないということです。システム構築などの請負契
約において、ベンダは、目的物の瑕疵について、一定期間責任を負うものとされて
います。
 目的物に瑕疵が見付かった場合には、①契約を解除されたり、②損害賠償請求を
受けたり、③瑕疵の修補を求められたりします。
A社の債務
バグ等不具合の修理
B病院の債権
瑕疵のないシステムを引き渡す義務
医療情報システムを受け取る権
利
A社の債務
B病院の債権
損害賠償に応じる義務
損害賠償
損害賠償を請求する権利
ソフトウェアの
瑕疵とは何か
具体的なソフトウェアの瑕疵について
理解しましょう。
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 瑕疵となる例
 プログラムが動かない、機能が動作しない、ハングアップする、
予期せずにファイルやデータを上書きしてしまう、計算を間違う
 瑕疵にならない例
 使用条件と異なる環境・設定で発生する不具合
 ベンダの責任とポイント
 ユーザの指摘でバグを直したり、代替措置を施したりすることで、契約
解除や損害賠償請求を回避できる場合があります。
 動作環境や運用条件については、事前の調査と十分な打ち合わせを行
い、想定外の利用や設定変更がなされないように配慮する必要があり
ます。
情報システム取引に
おけるベンダの責任
まとめ
情報システム取引では、
ベンダは次のような責任があります。
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 債務の完全履行
 契約(仕様書)で定めた機能を達成できる性能、機能を有する製品、ソフト
ウェア等を引き渡さなければなりません。
 定めた期日までに納品しなければなりません。
 これらに対応できない場合、①契約の解除(原状回復と損害賠償)、②損
害賠償を求められることがあります。
 瑕疵担保責任
 納品した成果物に瑕疵があった場合には、瑕疵のない物と交換したり修正
したりするという対応が求められます。
 これらの対応ができない場合、損害賠償を求められたり、さらに契約が解
除されたりすることがあります。
重要事項説明書
で用いられる契
約
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重要事項説明書では、請負契約と準委任契約が用いられます。
また、これらの他、売買契約が併せて締結されることがあります。
<カスタマイズモデル>
要件定義
準委任
A 要件定義支援及びパッケージソフトウェア候補選定支援業務
契約
B パッケージソフトウェア選定支援及び要件定義支援業務契約
<オプションモデル>
C パッケージソフトウェア選定支援及び要件定義支援業務契約
準委任
設計・開発
請負
D 外部設計支援業務契約
売
E ソフトウェア設計・制作業務契約
F 構築業務契約
買
移行・運用準
備
準委任
G データ移行支援業務契約
H テスト支援業務契約
I 導入教育支援業務契約
保守・運用
準委任
J 保守業務契約
K 運用支援業務契約
売買契約の特徴
構築業務などの際に行われる機器
の販売などが売買契約に当ります。
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 契約の目的
 ハードウェアや消耗品を売買する際に適用する契約です。ベンダは商品を引き渡
しと、ユーザは代金を支払うことを約束します。
 ベンダは、正しく動作するものを引き渡す義務があります。
 債務不履行
 ベンダは、期日までに納品を行わない場合などは、債務不履行として損害賠償請
求を受けたり、さらに契約が解除されたりすることがあります。
 瑕疵担保責任
 「カタログや仕様書に書いてある機能が存在しない」ことなどが瑕疵に当たり、ベン
ダは瑕疵担保責任を負います。
 企業同士の取引において、ユーザが引渡しを受けたときは、すぐに瑕疵がないか
を検査しなければなりません。
 引渡後にユーザが瑕疵を発見した場合、ユーザから損害賠償を請求されたり、契
約を解除されたりすることがあります。企業同士の取引では、瑕疵担保期間を引き
渡し後6ヶ月とする特約のある場合が多く、この場合、引渡後6か月間は、ユーザ
から瑕疵を理由に損害賠償を請求されることがあります。
請負契約の
特徴
重要事項説明書のEソフトウェア設計・制作業務契
約及びF構築契約が請負契約に当ります。
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 契約の目的
 一方が仕事を完成させることを請負い、その相手方が完成した仕事に
対して報酬を支払う際に適用します。請負契約の対象となる仕事として
は、プログラムの設計・制作、ネットワークの構築などがあります。
 完成が目的ですので、情報システム取引では、何をもって完成とするか
を明確にするため、詳細な仕様書、設計図、指図書などが必要となりま
す。
あいまいな仕様書、設計図では、正しい
完成状態が分かりません。正確、緻密な
文書による合意が必要になります。
請負契約の
特徴
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 代金支払債務の発生時期
 代金の支払債務は、仕事が完成した後でないと発生しません。
 債務不履行
 ベンダは、期日までに仕事を完成させない場合などは、債務不履行とし
て、損害賠償請求を受けたり、さらに契約を解除されたりすることがあり
ます。
 瑕疵担保責任
 仕事の目的物に瑕疵がある場合、ベンダは瑕疵を直すなどの対応をし
なければなりません。
 瑕疵が、ユーザの提供した資料等又はユーザの与えた指示によって生
じたときは瑕疵担保責任は問われません。しかし、ユーザの資料や指
示が不適当であることを知りながら、ベンダがそのことを告げなかったと
きはこの限りではありません。
 また、瑕疵が見つかった場合、ベンダは、瑕疵担保責任としてユーザか
ら損害賠償を請求されたり、契約を解除されたりすることがあります。
準委任契約の
特徴
重要事項説明書のA、B、C、D、G、H、I、J、K
が準委任契約に当ります。
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 契約の目的
 事務処理を目的とする契約です。請負と異なり仕事の完成を目的として
いません。
 コンサルティング業務などで、ベンダがアイディアや知識を提供し、ユー
ザと共同して仕様書を策定する契約などが準委任に当たります。
 保守契約や運用支援業務なども仕事の完成義務がないことから、準委
任契約と位置付けられます。
請負は仕事を完成させることが契約の
目的ですが、準委任は委託された事務
を適切に処理することが目的です。
準委任契約の
特徴
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 特徴
 ベンダは、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務(善管




注意義務)を負います。この善管注意義務は、社会一般の取引上要求さ
れる程度の注意を払っているかという基準で判断されます。
善管注意義務違反があった場合、ベンダは、ユーザから品質不良等に
よって生じた損害につき賠償請求を受けることがあります。
ベンダは、ユーザから請求があったときと、仕事が終わったときには、処
理の状況をユーザに報告する義務があります。
ベンダが業務で受け取った物や金銭、得た権利などは、ユーザに引き渡
す義務があります。
ユーザの義務としては、費用や契約で定めた報酬の支払義務などがあり
ます。
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ソフトウェア使
用許諾契約の特
徴
 契約の目的
 ソフトウェアに関する権利の売買はせず、ソフトウェアの使用権や複製権
をユーザに与える(許諾する)ことを目的とした契約です。
 ソフトウェアに関する権利は、ソフト会社にあり、ユーザは使用権などの
一部の権利を許諾してもらいます。
 契約は、ソフト会社とユーザが直接結ぶものが一般的です。
ソフト会社
ユーザ
使う権利、複写する権利を許諾します
ユーザ
ソフトウェア使
用許諾契約の特
徴
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 特徴
 ソフトウェア会社の考え方によって、ユーザに与える権利が異なるので、




注意が必要です。
多くのソフトウェアが、ソフトウェアの変更、リバースエンジニアリング(解
読)を禁止しています。
また、許可無く第三者にソフトウェアの権利を販売したり、無償でソフトを
配布することなどを禁止しています。
多くのソフトウェアが、著作者は一切の責任を負わないとしており、ソフト
ウェアの使用によって生じた損害は賠償せず、また、不具合があったとし
ても損害を賠償しない(修正を保証しない)としています。
不具合の修正は、ソフトウェア会社とユーザとの間で別途、保守契約を結
ぶなどの措置が必要な場合もあります。
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契約の成立
 契約はどのように成立するのでしょうか
 契約は「申込」と「承諾」という意思表示によって成立します。
ベ
ン
ダ
「100万円で在庫管理システムを開発します」 (申込)
「わかりました、開発を発注します」 (承諾)
 申込が入れ替わる例
「100万円で在庫管理システムを開発します」 (申込)
ベ
ン
ダ
「100万円は高い、95万円なら発注します」
(拒絶と申込)
「わかりました、95万円で開発します」 (承諾)
ユ
ー
ザ
契約の成立
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 意思表示
 契約書がある場合は、押印又は署名によって意思表示を行うことになり
ます。押印をする場合、印鑑は三文判でも有効で、実印である必要はあ
りません。
 しかし、口頭や電話のやりとりでも「成立」したと見なされる場合がある
ので、必ず「書面をもって契約にしましょう」と言い添えましょう。
契約の成立
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 承諾は、言葉で告げる以外の行為でなされることもあります。
 シュリンクラップを破ると契約成立と書かれた、パッケージソフトウェアの
CD-ROMの”シュリンクラップを破る。” (注)
 PCの画面で ”「同意する」ボタンをクリックする。”
 郵便などでの契約
 通信販売などで注文を郵便で行う場合は、郵便やFAXを発信したときに
「申込」があったものとされます。(発信主義)
 ただし、メールやFAXを使って注文しても、エラーで相手に届かない
場合は、契約が成立しないことに注意しましょう。
 申込を受けた側が郵便やFAXなどで注文を承諾した場合は、それが相手
に到着した場合に「承諾」が認められます。(到着主義)
(注)CD-ROMのシュリンクラップを破ることで契約が成立したとは言えないのではないかという
学説があり、また、シュリンクラップ契約に関する法律や判例はありませんので注意が必要です。
無効な契約
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 次の条件を満たさないと契約は無効になる可能性があります。
 何をするのかが確定できること
 実現可能であること
 法律や公序良俗に反しないこと
 無効になりうる契約の例
 「コンピュータで何でもできる」契約
 何ができるか確定できません
 タイムマシンに乗って1800年代を探索する旅行ツアー
 タイムマシンは存在しないので実現できません
 10万円で競争会社のWebシステムに侵入しデータを破壊する契約
 違法行為です
 無効な契約では、債権、債務が発生しません。既に受け取っ
た物やお金は、返還しなければなりません。
営業秘密・知的財産権
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 営業のノウハウやビジネスモデルなどの知見は、営業秘密として、不正な利用
から保護されています。
 ただし、これらの知見が「営業秘密」として保護の対象となるためには、アクセス
を制限したり、資料に「秘」などと明示して営業秘密であることを明確にするなど
の管理が必要となります。
 また、著作権、特許権など無体物に対する権利を知的財産権といい、法律に
よって他人の侵害から保護が与えられています。
 システム開発取引では、相手方の営業秘密や知的財産権の内容を開示するこ
とが避けられません。契約において、これらの情報の取扱いを定めた上で、営
業秘密を不正に開示・利用したり、知的財産権を侵害したりすることがないよう
配慮しなければなりません。
個人情報
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 個人情報の保護
 デジタル化とネットワークが発達し、個人の生活や趣味、嗜好などの個人情報がネット上
で露わになるおそれが高まってきました。そこで、個人情報保護法が制定され、個人の情
報は厳格な管理が求められるようになりました。
 個人情報保護法
 個人情報等データベースを事業の用に供する者(ただし、取り扱う個人情報の数が過去
半年以内のいずれの日においても5,000を超えない者を除く。)は、個人情報の管理が義
務付けられています。
 利用目的の特定・制限、適正な取得、取得に際しての利用目的の通知、データ内容
の正確性の確保、安全管理措置、従業者・委託先の監督、第三者提供の制限、開示
請求、訂正請求、利用停止請求、苦情処理
 以下の場合は、本人の同意なしに開示が可能です。
 法令に基づく場合
 国、地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに協力する必要がある場合で
あって本人の同意を得ることにより事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき
 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を
得ることが困難であるとき
 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であっ
て、本人の同意を得ることが困難であるとき
個人情報
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 個人情報とは
 個人情報は、氏名 、性別、住所、生年月日、勤務先、電話番号など複数の情報
で、「特定の個人を識別することができるもの」を指します。
 例えば、氏名:山田一郎、住所:東京都千代田区霞が関1丁目1番地、という組
み合わせは個人を特定できるので、個人情報になります。
 生年月日:昭和45年1月1日、性別:男性、という組み合わせは個人を特定でき
ないので、個人情報にはなりません。しかし、これにメールアドレスが組み合わ
されば、個人情報になります。
 損害賠償
 京都府宇治市で住民データが流出した際は、1人あたり15,000円(弁護士費用
を含む)の損害賠償が判決で確定しています。
 この金額で計算すると、10,000人のデータが流出した場合、
1億5千万円もの賠償が必要になります。これ以外にも裁判費用、
企業イメージの低下など有形無形の損害を被ることになります。
個人情報
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 個人情報と情報システム
 情報システムと個人情報は切っても切り離せない、密接な関係を持っています。
 販売管理、財務管理などは、マスタデータや適用データに個人情報が含まれます。
 人事管理は、給与、税金、医療費などさまざまな個人情報とプライバシーに関わる
情報が含まれます。
 Webフォーム、アンケートシステム、電子メールなども、個人を特定できる情報を含
んでおり、場合によってはプライバシーに関わる情報が含まれます。
 インターネットでの通信販売システムなどは、個人情報やクレジットカード情報など、
重要な情報を取り扱います。
 ユーザとの取決め
 ベンダがユーザからデータを預かる場合にも、
ユーザと同じように個人情報の取り扱う義務があります。
 こうした場合は、データの受渡方法、暗号化、保管方法などの
取扱基準を、ユーザと事前に文書で合意しておきましょう。
システム開発
モデル契約
モデル取引・契約書では、どのようにして契
約が成立するのでしょうか。
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 基本契約書と重要事項説明書
 モデル契約書は、基本契約書と重要事項説明書から成り立っています。
 ベンダ・ユーザの作業内容や代金額など契約条件の多くが、重要事項説明書で定
められます。
 基本契約書では、すべてのプロセスに共通する基本事項を定めています。
 契約の締結
 ベンダとユーザがシステム開発契約を締結する場合、基本契約書と重要事項説明




書の両方を作成して、押印する必要があります。
これらのうち、重要事項説明書は、各取引のプロセスの始めに、その 都度作成し
ます。一括受注であっても、プロセスごとに作成します。
重要事項説明書の押印に際しては、内容をベンダがすべて読み上げ、
ユーザの疑問点の解消に努めなければなりません。
ユーザは、重要事項説明書の内容に不明な点がある場合は、ベンダに
説明を求め、十分に納得した上で押印をしなければなりません。
基本契約書の方は、同一ベンダ・ユーザ間では最初のプロセスを
始めるときに1通だけ作成します。
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以上で第2章の解説は終了です。
eラーニングメニューに戻り「第2章のセルフチェック」を選択して、
理解度の確認テストを受けてください。
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