JSTM
JSTM E 7106:2013
鋼構造物の延性を評価するための鋼材試験方法
平成25年4月1日 改正
一般財団法人 建材試験センター 発行
E 7106:2013
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1
適用範囲 ························································································································ 1
2
引用規格 ························································································································ 1
3
用語及び定義···················································································································
1
用語及び定義
3.1
上降伏点 ······················································································································ 1
3.2
耐力 ···························································································································· 1
3.3
引張強さ ······················································································································ 1
3.4
降伏比 ························································································································· 2
3.5
一様ひずみ ··················································································································· 2
4
試験片及びその採取位置···································································································· 2
5
試験機 ··························································································································· 3
6
試験 ······························································································································ 3
7
4
降伏比の求め方················································································································
降伏比の求め方
8
一様ひずみの求め方··········································································································
5
一様ひずみの求め方
9
試験結果の報告
5
試験結果の報告················································································································
報告
(1)
建材試験センター規格
JSTM
E 7106:2012
鋼構造物の延性を評価するための鋼材試験方法
Mechanical test for steel to evaluate the ductility of steel structures
序文
この規格は,1992 年に制定され,これまで改正されずに今回の改正に至っている。今回の改正は、引
用規格の改正に対応するために改正した。
1
適用範囲
この規格は,鋼材の力学的特性の中で,鋼構造物の延性を評価する上で最も重要な降伏比および一様
ひずみを定義し,それらの測定方法を定めたものである。対象とする構造物は主として骨組構造であり,
その延性とは,骨組または部材の塑性変形能力をいう。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これら
の引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を
含む。
)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3
JIS B 7721
引張試験機・圧縮試験機-力計測系の校正方法及び検証方法
JIS Z 2241
金属材料引張試験方法
JIS Z 8401
数値の丸め方
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
上降伏点
引張試験の経過中,試験片平行部が降伏し始める以前の最大荷重(N)を平行部の原断面積(mm2)で
σ
除した商。記号は su ,単位は(N/mm2)で表す。
3.2
耐力
引張試験において規定された永久伸びを起こす時の荷重(N)を平行部の原断面積(mm2)で除した商,
記号は σ l ,単位は(N/mm2)で表す。ただし,とくに規定のない場合は永久伸びの値を 0.2%とする。
3.3
引張強さ
引張試験の経過中,試験片の耐えた最大荷重(N)を平行部の原断面積(mm2)で除した商,記号は σ β ,
2
E 7106:2013
単位は(N/mm2)で表す。
3.4
降伏比
上降伏点 σ su ,または耐力 σ l を引張強さ σ β で除した商,記号は上降伏点を用いて算出した場合を Yu,
耐力を用いて算出した場合を Yl で表す。とくに,この両者を区別する必要のない場合は,単に Y で表し
てよい。
3.5
一様ひずみ,
十分に長い平行部を有する試験片を用いた引張試験で,引張強さに達した直後の試験片平行部分の平
均ひずみ,記号はεt で表す。
4
試験片およびその採取位置
a)
鋼板,平鋼,形鋼または管類から採取した全厚の引張試験片によって降伏比および一様ひずみを測
定する場合の試験片形状は,図
図 1 に示す JIS Z 2201 の 14B 号試験片とする。
b)
棒鋼,鋼板,平鋼または形鋼から削り出した円形断面の引張試験片によって降伏比および一様ひず
みを測定する場合の試験片形状は図
図 2 に示す JIS Z 2201 の 14A 号試験片とする。
図 1-
-14B 号試験片
板厚が 40mmを超える鋼板,平鋼または形鋼からこの試験片を採取する時には,試験片平行部断面
の中心が板厚の 1/4 の位置になるように削り出すことを原則とする。
3
E 7106:2013
図 2-
-14A 号試験片
c)
板厚 40 ㎜以下の鋼板,平鋼,形鋼又は管類からなる鋼材の降伏比及び一様ひずみを測定する時は,
図 1 の 14B 号試験片を全厚で採取して使用することを原則とする。ただし,試験片を破断させるに
十分な試験機の載荷能力がない場合や,供試材が棒鋼の場合には,図
図 2 の 14A 号試験片を用いても
よい。
d)
一様ひずみを測定せず,降伏比だけを測定する場合は,図
図 3 又は図
図 4 に示した JIS Z 2201 の 1A 号
または 4 号を用いてもよい。
単位
試験片の
種類
幅
b0
試験片の
原標点距離
L0
平行部長さ
Lc
肩部の半径
R
1A 号
40±0.7
200
220 以上
25 以上
図 3-
-1A 号試験片
厚さ
a0
もとの厚さのまま
mm
4
E 7106:2013
図 4-
-4 号試験片
e)
試験片の採取,作製,きょう正,精度などに関する規定は,JIS Z 2241 に準拠する。
5
試験機
本規格では,JIS B 7721 の規定に合格した引張試験機を用いなければならない。試験機のすえ付け,
組立て,精度の確認は JIS Z 2241 に準拠する。
6
試験
a)
試験片平行部の中央に任意の標点距離 l 0 (mm)を設定する。
b) 引張荷重は最大荷重を明らかに過ぎるまで連続的に負荷することを原則とし,任意の荷重 P(N)に
おける l 0 内の平均ひずみ ε を測定し,図
図 5 に示すような応力(σ)~ひずみ(ε)曲線を求める。
σ=
ε=
P
A
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
l p-l 0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
l0
ここに,
P:
A:
l p:
任意の引張荷重(N)
試験片平行部分の原断面積(mm2)
荷重 p の時の標点間距離(mm2)
図 5-
-応力(σ
応力(σ)~ひずみ(ε
)~ひずみ(ε)曲線
5
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c)
降伏比だけを測定する時は,上降伏点(または耐力)と引張強さを求めればよく,図
図 5 の応力(σ)
~ひずみ(ε)曲線は必ずしも求めなくてもよい。
d)
引張荷重は,最大荷重を明らかに過ぎるまで連続的に負荷することを原則とする。負荷速度はひず
み増加率(S-1)で記録する。とくに指定のない時は,JIS Z 2241 の規定に準拠し,鋼においては上
降伏点(または耐力)の 1/2 から上降伏点
(または耐力)
までは試験片平行部のひずみ増加率を 0.00005
~0.00015S-1(平均応力増加率で表すと 0.1~0.3N/mm2/S)とし,降伏後引張強さまでは 0.00015~
0.015S-1 とする。
e)
本規格に従って行う試験では,原則として試験温度を記録する。ただし,5~35℃の範囲は室温と表
示してよい。
f)
5.2 項 図 5 の応力(σ)~ひずみ(ε)関係曲線を求めるための荷重検出装置及びひずみ検出装置は定
期的に検査を行い,正しく作動するようにしなければならない。
7
降伏比の求め方
a)
降伏比 Yu は,次の式によって求める。
Yu =
σsu
σβ
ここに,
b)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
σsu:
σ β:
上降伏点(N/mm2)
引張強さ(N/mm2)
上降伏点が明瞭に現れない材料の降伏比 Yε は次式で求める。
Y=
σε
σβ
ここに,
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
σ ε:
σ β:
耐力(N/mm2)
引張強さ(N/mm2)
永久伸びをε=0.2%にとった耐力で降伏比を求めた時に
は,Y0.2 と表示する。
c)
降伏比は小数点以下 3 桁目で丸める。数値の丸め方は JIS Z 8401 による。
d)
試験片平行部の原断面積,上降伏点,耐力,引張強さの求め方は JIS Z 2241 に従う。
8
一様ひずみの求め方
a)
一様ひずみ εt は,5.2 項 図 5 で得られた応力(σ)~ひずみ(ε)曲線において,図
図 6 のように引張
強さを σβ を過ぎて 0.99σβ に低下した時のひずみとして求める。
6
E 7106:2013
図 6-
-一様ひずみ(
一様ひずみ(εt)
b)
一様ひずみは小数点以下 3 桁目で丸める。
9
試験結果の報告
試験結果は次の事項について報告する。
a)
試験場所
b)
試験年月日
c)
材料の種類
d)
試験片の寸法
e)
試験片の採取方法
f)
降伏比,一様ひずみ
g)
試験温度
h)
ひずみ速度
i)
その他
1
JSTM E 7106:2013
鋼構造物の延性を評価するための鋼材試験方法
解 説
この解説は,規格に規定・記載した事柄を説明するもので,規格の一部ではない。
1
改正の趣旨
改正の趣旨
今回の改正に当たっては,引用規格の改正等に伴う見直し及び JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)
との整合を図ることを趣旨とした形式改正である。
この改正案は,平成 24 年 8 月 30 日開催の第 1 回建材試験センター(JSTM)標準化委員会(委員長:菅
原進一
2
東京理科大学
教授)において審議,議決された。
改正の経緯
改正の経緯
主な改正点は,次のとおり。
a)
引用規格の改正に伴い,規格本体の箇条 2 及び試験片の図を変更した。
b)
従来単位を国際単位系(SI)へ改めた。
c)
JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)との整合を図り,規格票の体裁を改めた。
3
原案作成委員会の構成表
原案作成委員会の構成表を,次に示す。
建材試験センター規格(JSTM)標準化委員会
)標準化委員会 構成表
建材試験センター規格(
(委員長)
(委員)
(関係者)
(事務局)
菅
田
桝
加
河
田
氏
原
中
田
藤
合
辺
名
進
享
佳
信
直
新
所
一
二
寛
介
人
一
東京理科大学
東京工業大学
宇都宮大学
東京大学
工学院大学
早稲田大学
野 口 貴 文
東京大学大学院
清 家
東京大学大学院
剛
属
永 田 明 寛
首都大学東京
春 田 浩 司
一般社団法人公共建築協会
富 田 育 男
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
黒 木 勝 一
藤 本 哲 夫
佐 竹
円
一般財団法人建材試験センター
一般財団法人建材試験センター
一般財団法人建材試験センター
解
1
★JSTM 規格票及び JSTM 規格票解説についてのお問合せは、経営企画部調査
研究課まで、FAX[048(920)3821]で御願いいたします。お問合せにお答え
するには、関係先への確認等が必要なケースがございますので、多少お時間
がかかる場合がございます。あらかじめご了承ください。
★JSTM 規格票のご注文は、経営企画部調査研究課
FAX[048(920)3821]
TEL[048(920)-3814]で承っておりますので、お申込みください。
建材試験センター規格(JSTM)
鋼構造物の延性を評価するための鋼材試験方法
平成25年4月1日 発行
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発行所
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部
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東京都中央区日本橋堀留町2丁目8番4号
03(3664)9211
FAX
03(3664)9215
http://www.jtccm.or.jp/
中央試験所
〒340-0003
電話
西日本試験所
工事材料試験所
FAX
048(931)8323
山口県山陽小野田市大字山川
0836(72)1223
〒338-0822
電話
禁無断複写・転載
048(935)1991
〒757-0004
電話
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