ひとり一人の“夢と想い”を重視する住民の健康維持増進
特別報告
第21回日本健康教育学会学術大会
学会長講演
ひとり一人の“夢と想い”を重視する
住民の健康維持増進
星 旦二*₁
第₂₁回日本健康教育学会学術大会を首都大学東
表 1 新しい健康支援分野1-3)
京で開催させていただき,学会長講演の機会とと
医療と共に,教育,輸送,住居,都市開発,労働,工業生産,
もに,その概要をまとめる機会をいただきました.
農業 by WHO ₁₉₉₁
ここでは,WHO が示したヘルスプロモーション
Additional Factors presented by Hoshi ₂₀₀₅ World Health
Promotion Conference in Korea supported by WHO.
における健康づくりの背景や基礎理論とともに,
科学的な先行研究を踏まえ,これからのヘルスプ
ロモーション活動における「ひとり一人の“夢と
想い”を重視する住民の健康維持増進」を重視し
た健康教育の方向性を展望してみたいと思います.
Ⅰ 科学的先行研究
1 .WHO ヘルスプロモーションが提示する健康
づくり分野
₁.口紅,化粧,身だしなみ
₂.主体性を持つ財布の自己管理
₃.歯科医師の主治医を持つこと
₄.夢を持てること
いが背景ないし基盤となり,前向きに夢が持てる
ことと連動していることである.よって,健康教
育学的にみた健康支援方策としては,生きがいの
WHO は,ヘルスプロモーションにおける健康
ある楽しいくらしを支援する環境の整備を重視す
づくり分野として,₁₉₉₁年に,保健医療福祉活動
る意義が支持されたと言える.その他の健康維持
だけではなく,
「教育,輸送,住居,都市開発,工
要因としては,肝臓病を持たないこと,一定の収
業生産,農業の部門を健康に関連づけて優先して
入を確保することである₃)
(表 ₁ ).
いく」必要性を示している₁).
2 .健康を規定する各要因
全国自治体₁₆市町村に居住する高齢者₂.₂万人の
ヘルスプロモーションが推進される背景として
生存を ₂ 年間追跡した調査,それに都市郊外高齢
は,健康維持にとって,医療の役割がそれほど大
者₁.₃万人の生存を ₆ 年間追跡調査した結果を総括
きくはないことの共通理解があげられる.米国公
すると,地域や都市部を問わず,統計学的に有意
衆衛生長官が示した Healthy People₄)では,健康
な生存維持要因が示されている₂).その要因は,
を規定する ₄ 要因として,保健医療福祉活動と生
「口紅化粧身だしなみ」と連動する外出頻度を維持
活習慣,そして環境と遺伝を示し,健康に寄与す
し,知的能動性を代表する財布を自己管理し,か
る保健医療の役割が₁₀%程度と小さく,生活習慣
かりつけの歯科医師を持ち,それに,主観的健康
(₅₀%)や環境(₂₀%)が保健医療より大きいこと
感である「自分は健康だ」と認識できる各自の想
を示している.Healthy People が示した ₄ 分野以
外で,健康を規定する要因としては,最終学歴や
*₁ 首都大学東京・都市システム科学域
住所:〒₁₉₂-₀₃₉₇ 東京都八王子市南大沢₁-₁
TEL:₀₄₂₆-₇₇-₂₃₅₅ FAX:₀₄₂₆-₇₇-₂₃₅₂
E-mail:[email protected]
Copyright © Japanese Society of Health Education and Promotion
所得といった社会経済的要因があげられる.
主な感染症による死亡率が急速に低下した理由
は,医療や薬物による成果というよりも,上下水
307
星
e6
e1
e7
.39
e2
.71
.25
.73
自宅死亡割合 高齢者有業割合 要介護認定割合 介護保険料・円
.50
.62
.84
-.11
高齢者の取巻状況
.85
.78
要介護状況
z1
.82
-.46
.21
図 1 感染症死亡率低下と医薬₅)
医療整備状況
.92
.81
.85
道の整備や,経済活性に基づく食の豊かさが背景
となっていることが,Mckeown₅)によって報告さ
れている(図 ₁ ).
また,一定人口が確保されている全国自治体市
別にみた平均寿命は,標高が高いほど統計学的に
有意に長くなっている.このことは,汚染のない
.65
人口当病院病床数人口当診療病床数
e5
z2
.63
.40
病床利用率
e4
e3
CMIN=11.552 p=.398
AGFI=.822 GFI=.930 NFI=.924
RMSEA=.033 AIC=45.552
図 2 介護状況の規定要因構造分析8)
水や空気それに緑を含む自然の恵みが,動植物と
健康寿命を低下させる要介護割合を県別にみる
共に,生物である人間の成長や QOL に大きく寄
と,その較差は二倍近くあり,最も関連するのは,
与している可能性を示し,健康水準が様々な要因
人口あたりの病院病床数であることを報告してき
で規定されていることを示唆している.
た₈)
(図 ₂ ).
3 .健康日本21の目的と課題
健康寿命の延伸は,医療だけでは貢献できない
わが国の健康日本₂₁が示した二大目標は,早世
ことが,ヘルスプロモーションの背景である.地
予防と健康寿命の延伸である .そのための方法
域の健康寿命を真に延伸させるためには,従来の
論として,総論ではヘルスプロモーションを推進
医学モデルだけではなく,信頼に裏打ちされた社
する意義が示されている.しかしながら,各論で
会関係資本の維持は勿論のこと,日々の生活やく
提示された内容は,人々のリスクを発掘する医学
らしを支える就労や生きがい,お祭りを含む地域
モデルが大部分であり,様々なサルート要因,つ
文化の継承,そして景観や安心安全を含む地域社会
まり人の優れている点を紡ぎ,日々のくらしや生
環境整備の必要性が指摘され₉),新しい健康づく
活や住居や地域環境を重視した生活モデルは充分
りの理念と実践方法論が求められていると言える.
には共有されていない.
₄ .生活習慣と健康との因果構造
医療整備が優れている都市部は,地方に比べて
生活習慣が生存と関連することを明確にしたの
年齢調整死亡率はむしろ高いのが現状である.平
は,USA のブレスローらである₁₀-₁₁).著者らは,
均寿命の最も低い県の一つは大都市の大阪府であ
高齢者₁.₃万人を三年後に再調査しその生存率を六
り,特に東京都や愛知県の女性の順位は特に低く
年間追跡し,健康維持要因の因果構造を分析した.
位置している .また,全国の自治体の標高と平
その結果,学歴と所得と関連する『社会経済的要
均寿命との関連をみると,山間部に位置する標高
因』(『 』は潜在変数を示す)が基盤的な背景と
が高い自治体ほど,平均寿命が統計学的にみて有
なり,その後の望ましい 『健康三要因』と『生活
意に長いのである .
習慣と食生活』が規定されるものの,生存日数と
₆)
₇)
₇)
308
日健教誌 第20巻 第 4 号 2012年
ひとり一人の“夢と想い”を重視する住民の健康維持増進
望ましい食と好ましい生活習慣が
健康長寿を規定すると解釈される
.78
.72
.85
.30
.23
.48
e12
.53
.19
.43
.16
2004年後の
健康寿命
-.69
z6
2004年からの
生存日数
z6
.20
2001年
健康三要素
d2
.76
.57
.67
.96
.52
.45
2004年
要介護度
e1
.73
e3
e2
2001年
身体的健康
.27
.53
.79
iadl
疾病治療数
e7
e8
e9
z4
.50
.68
.53 .28
.25
趣味活動
e4
CMIN=14.278 P=.046 女性
NFI=.998 IFI=.999 RMSEA=.006
.04
adl
2001年
社会的健康
e13
z3
-.20
.89
.52
.27
主観的健康感 昨年比較健康 生活満足
.47
e13
z5
.91
.28
2001年
精神的健康
z2
.66
2004年
要介護度
-.81
.90
.45
.40
.40
2004年後の
健康寿命
社会経済的要因
年間収入額
2004年食生活と
生活習慣
.13
2004年からの
生存日数
.37
.81
.43
学歴
e12
z1
.00
.27
.18
生活習慣得点 食生活得点
.89
.42
.23
2004年食生活と
生活習慣
d1
.16
.17
生活習慣得点 食生活得点
d2
d1
e11
e10
-.01
近所付合
.47
外出頻度
-.27
e5
e6
CMIN=5517.876 P=.000 女性
NFI=.875 IFI=.880 RMSEA=.036
図 3 健康寿命を規定する社会経済要因,健康三要素,生活習慣12)
要介護度と関連する『健康寿命』への規定要因と
して,
『生活習慣と食生活』からの規定力はほとん
高齢者の健康寿命関連要因の因果構造
ど見られず,
『健康三要因』からの規定力が大きい
2 0 0 4年
食生活と生活習慣
ことを報告している₁₂).よって,従来から指摘さ
れていた『生活習慣と食生活』と『健康寿命』と
の関連は,
『社会経済的要因』が交絡要因である可
2 0 0 1年
社会経済要因
能性を指摘している₁₂).
2 0 0 4年
健康三要素
つまり,生活習慣は社会経済的要因とその後の
望ましい健康三要素に規定される結果要因であり,
学歴と所得を本質的な基盤要因とし,精神的健康
2 0 0 4年以降
健康寿命
図 ₄ 健康寿命を規定する各要因因果構造
や身体的そして社会的健康が望ましいことに連動
なモデルは,社会経済的要因が支援環境となって
して,望ましい生活習慣を支えている可能性を指
₁₃)
いるという意味で,「ゼロ次予防に関する私論」
摘している.好ましい生活習慣が健康寿命を規定
概念モデルが,量的追跡研究で支持されたものと
するよりも,好ましい生活習慣が保てる背景基盤
理解している.
は,社会経済に支えられた前向きに生きることが
₅ .生活習慣行動変容と生存との関連
出来ることである.社会経済的要因は,生活習慣
成人に対する生活習慣を好ましいものに変える
と食生活,それに健康寿命の双方に影響するとい
行動変容を促し,その後の健康度と生存効果を追
う点で,交絡要因になっている可能性が示唆され
跡した,大規模追跡研究 MRFIT₁₄)では,行動変
る(図 ₃ ).図 ₄ は,図 ₃ をモデル化して示した.
容には有意な効果がみられたものの,死亡率の低
再現性が求められる.
減化は見られていない.また,フィンランドの介
これらの研究成果は,健康寿命の維持のために
入追跡研究₁₅)では,行動変容群の総死亡率が対照
は,社会経済的要因という基盤的な要因が,支援
群よりも統計学的に有意に増加している.健康に
環境整備として求められることを示唆している.
とって好ましい生活習慣へと行動変容を促した群
よって,₁₉₈₉年に報告した,健康づくりの根源的
と,促さなかった群のその後を追う研究が実施さ
309
星
れている.対象者は,フィンランドでの管理職男
性で,₁₉₁₉ 年から ₁₉₃₄年までに生まれた ₃,₄₉₀人
e3
.77
-.25
.17
学的に有意に増加したのである.試験を開始して
から₁₅年間で,介入群は₆₇人が死亡し,放置群は
₄₆人しか死亡していなかったのである.
外出頻度
.440
.23
e6
.05
近所付合
.50
.80
e5
.25
.07
趣味活動
.26
2007
社会的要因
d1
.124
.416
を設定している.介入による追跡効果を見ると,
容群の全体でみた総死亡率は,減るどころか統計
.25
.64
2004
身体的要因
人選び,無作為に₆₁₂人の介入群と₆₁₀人の対照群
教育を受け,行動を変えるように促された行動変
e4
e1
.59
治療中疾病数 IADL得点 ADL得点
の中から,臨床的には健康であるものの,₁₉₆₀年
代に検診を受けてリスクがある人を₁₉₇₄年に₁,₂₂₂
e2
.06
2001
精神的要因
.76
.57
.70
e9
e8
.48
.49
主観的健康感 昨年比較健康
d2
.23
生活満足感
e7
CMIN=436.047 P=.000 IFI=.952
NFI=.929 RMSEA=.021 男性
図 ₅ 健康三要因の因果構造1₆)
₆ .社会的健康を規定する精神的健康と身体的健康
著者らは,都市郊外居住高齢者に対する郵送自
記式質問紙調査を六年間で三回調査し,初回調査
回答者で ₆ 年間に市外に転居した₉₁₉名と死亡した
₁,₈₉₉名,および二回目と三回目の調査のいずれか
に回答しなかった₇,₀₈₀名,加えて₂₀₀₁年時点で₈₅
歳以上₉₂₂名を除いた₂,₃₇₅名を分析し,高齢者に
おける WHO が示す健康三要素の因果構造を長期
追跡研究によって明確にしてきた.その結果,内
生潜在変数,つまり因果の矢印を受けるだけの最
終的な変数の決定係数が男女ともに最も高いモデ
ルは,₂₀₀₁年の“精神的要因”を基盤とし,₂₀₀₄
年の“身体的要因”を経て₂₀₀₇年の“社会的要因”
図 ₆ 子供の生活習慣規定要因
を内生潜在変数とするモデルであった(図 ₅ ).男
7 .子供達の生活習慣と家庭生活との関連
性における決定係数は₂₅%,女性では₂₃%であり,
子供達の好ましい生活習慣は,家族として親が
高い適合度が得られたのである .
子供と共に運動し,豊かな食を共に囲むことを経
Rowe ら
は,老年学の視点からみた高齢者の
て規定されることが,約一万人の小中高校生とそ
望ましい老いの姿として,サクセスフルエイジン
の親の調査をつなぎ合わせて明確にしてきた(図
グを提唱し,その条件として(₁)病気や障害をで
₆ ).また,東京都都立高校₁₇₄校 ₁ 年生₃,₁₂₆人
きるだけ軽減する,(₂)身体・認知機能を高く維
(回収率₄₈.₈%)を解析した.夢ある高校生は,喫
持する,
(₃)人生への積極的関与を提示している.
煙だけではなく,薬物にも手を染めないことが明
本研究結果と合わせて考察すると,心と想いな
確にされた.子供達の望ましい生活行動にとって
いし,各人の「夢」に対して積極的に関与してい
も,将来に対する夢ある生活が,その根源的な背
る高齢者は,病気の軽減化と身体機能の維持,そ
景要因である可能性が示唆された₁₈).
₁₆)
₁₇)
して社会的健康につながる因果構造が存在する可
能性が推定される.「夢が持てる」精神的健康が,
Ⅱ 結 論
その後の健康維持を支援する基盤として位置づけ
これからの新しいヘルスプロモーションと健康
られる必要性が示唆される.
教育を展望していくために,以下を提案する.文
310
日健教誌 第20巻 第 4 号 2012年
ひとり一人の“夢と想い”を重視する住民の健康維持増進
化の成熟度を図る指標の一つは,多様性の容認と
主体性の発揮がある.我が国の健康日本₂₁では,
専門主導型によるアプローチよりも住民主体
(people first)を重視し,十分な情報提供に基づく
本人の意志決定(informed choice)システムをめ
ざしている.しかしながら自治体には,指導課が
存在したり,指導マニュアルが提案されている現
実がある.時には,個人の責任(victim blaming)
が求められすぎている.WHO が提示する健康支
援の基本は,当事者が中核となり,十分な情報提
図 7 本人の夢を支援する健康支援環境整備
供に基づく本人の意志決定を,指導ではなく支援
することが,ヘルスプロモーションに基づく健康
る」支援環境によって規定されている可能性が高
教育の基本である.
いのである.よって,健康教育に関与する専門家
疾病を予防し,健康を維持回復させる方法論を,
は,結果要因だけに注目するのではなく,そのよ
医学だけに限定せずに各分野との連携を重視し,
うな状況に至らしめた家庭や地域や学校,それに
そのプロセスと協働して取り組んだその成果を共
職場の支援環境にも注目し,それぞれの状況に応
有することを重視するヘルスプロモーション活動,
じた,住民がエンパワーメントされる健康支援活
つまり健康支援と支援環境の整備であるゼロ次予
動が求められる.早世した人の責任を強調(victim 防活動(supportive environment for health) の一
blaming)したり,手段を目標にしてしまう「手段
層の推進が,公的責任として求められている.健
の目標化」を避け,人々のサルートつまり優れた
康を支援する新しい支援基礎理論の一つとして健
要因を紡ぐ健康支援を提案する(図 ₇ ).
₁₃)
康理学つまり,「健理学」の特性と支援方法を提
案
₁₉)
する.
【提案②】
健康理学つまり,「健理学」を提案する.以下
【提案①】
は,病理学と健理学の特性とともに,健康支援方
健康に生きる手段の一つに過ぎない血圧の安定
法を比較したものである₁₉)
(表 ₂ ).
化,望ましい生活習慣の獲得は,社会経済要因や,
健理学の暫定的な定義は,
「健理学では,日常の
食育や楽しく遊ぶ家族に囲まれた「夢をはぐくめ
暮らしを重視し,ネガティブなリスク因子よりも,
表 2 健理学の特性と健康支援方法19)
病理学と健理学の特性
病理学
健理学
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
医学のモデル
リスク
Risk
マイナス Negative
あら探し
専門家 Profession
指導
ふるい分け
形態学 組織学
Powerless
その時点、短時間
非日常
主体性より、客体化
生活モデル
Salute Health
ポジィティブ Positive
良いところ探し
素人
Layman
支援
分けない
機能学
力量形成 Empowerment
毎日
日常
主体性
HOSHI 2010
病理学と健理学・特性と支援方法
病理学
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
薬物療法中心
医学が中心
治療
指導
病気の治癒
二次予防中心
Complete Well-being
その時点での判断
Victim blaming
病気=悪、悲劇、非国民
病気判断=異常
専門家の価値付け
健理学
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
自然治癒力中心
統合医療 総動員
てあてと予防
支援、傾聴
病気の受容
ゼロ次予防、一次予防
Dynamic Spiritual
Process
ICF 支援環境
病気=生きている証拠
病気判断=機能で見る
主体の価値判断
HOSHI 2010
311
星
ポジィティブなサルート因子を重視し,同時に本
人の主体性を尊重した意志決定を促す Informed
Choice を活用し,セルフケア,エンパワーメント,
健康生成論(SOC)を基礎的な理論ないし方法と
健の科学 ₂₀₀₃;₄₅: ₅₅₂-₅₅₇.
₇) 星 旦二.代替・統合医療と新しい健康.森林医
学.東京:朝倉書店,₂₀₀₆:₂₃₉-₂₅₂.
₈) 星旦二,栗盛須雅子,中山直子,他.都市在宅高
齢者に対する自記式質問紙調 査回答割合の関連要因
して活用し,専門家による価値付けをせず,本人
と選択バイアス.厚生の指標 ₂₀₁₀;₅₇:₁₄-₂₀.
と支援者が相互に学習し,相互に成長していくプ
₉) 出口満,伊香賀俊治,村上周三,他.健康維持増
ロセス重視の健康を支援する基礎理論の一つ」で
ある₁₉).
我が国の経済学的に見た医療制度の特性は,
「出
来高払い制度」で有り,「成功報酬型」ではない.
本学会は,予防重視の学問体系を模索しているこ
とから,成功報酬型の体型でその本領が発揮出来,
人々に貢献できるはずである.今後,実証的な検
証と共に,本理論のさらなる深化と展開が求めら
れる.
文 献
₁) Sundsvall Statement on Supportive Environments
for Health. Third International Conference on Health
Promotion, Sundsvall, Sweden, ₉ – ₁₅ June ₁₉₉₁. 進に向けた地域環境評価ツー ルの開発と有効性の検
証.日本建築学会環境系論文集 ₂₀₁₂;₇₇:₁₉-₃₂.
₁₀) Breslow L, Berkman LF. Health and ways of livingThe Alameda county study. New York: Oxford University Press, ₁₉₈₃
₁₁) 森本兼曩,星 旦二.生活習慣と健康.東京:
HBJ 出版,₁₉₈₈
₁₂) 星 旦二.都市在宅高齢者における生きがいの実態
と三年後の健康長寿との因果構造.生きがい研究
(財団法人長寿社会開発センター) ₂₀₁₁;₁₂:₄₆ –
₇₂.
₁₃) 星 旦二.ゼロ次予防に関する試論.地域保健 ₁₉₈₉;₂₀:₄₈ – ₅₁.
₁₄) Multiple risk factor inter vention trial research
group. Multiple risk factor intervention trial. Risk factor changes and mortality results. JAMA ₁₉₈₂; ₂₄₈:
₁₄₆₅–₁₄₇₇.
http://www.who.int/healthpromotion/conferences/
₁₅) Strandberg TE, Salomaa VV, Naukkarinen VA, et al.
previous/sundsvall/en/(₂₀₁₂年₁₀月₁₀日にアクセ
Long-term mortality after ₅-year multifactorial primary
ス).
₂) Hoshi T, Ryu S, Fujiwara Y. Urban health and deter-
prevention of cardiovascular diseases in middle-aged
men. JAMA ₁₉₉₁; ₂₆₆: ₁₂₂₅ – ₉.
minant factors for longer life for the elderly urban
₁₆) 星旦二,高城智圭,坊迫吉倫,他.都市郊外在宅
dwellers in Tokyo. Proceedings of the International
高齢者の身体的,精神的,社会的健康の ₆ 年間経年
Symposium on Sustainable Urban Environment ₂₀₀₇;
₆₁ – ₆₆.
₃) 星 旦二,栗盛須雅子,RYU S,他.都市の健康水
準と都市部在宅高齢者 の健康長寿規定要因.都市科
学研究 ₂₀₀₈;₂:₆₃-₆₇.
₄) The Surgeon General Report on Health Promotion and Disease Prevention. Healthy people. USA:
DHEW/PHS, ₁₉₇₉: ₈–₉.
₅) Mckeown T. The role of medicine. Princeton University Press, Princeton, ₁₉₇₉: ₉₂.
₆) 櫻井尚子,星 旦二.健康日本₂₁がめざすもの.保
312
日健教誌 第20巻 第 4 号 2012年
変化とその因果関係.日公衛誌 ₂₀₁₁;₅₈:₄₉₁ –
₅₀₀.
₁₇) Rowe JW, Kahn RL. Successful aging. Gerontologist
₁₉₉₇; ₃₇: ₄₃₃ – ₄₄₀.
₁₈) 東京都教育委員会.平成₁₇年度健康づくり支援の
ための基礎調査報告書.東京:東京都教育委員会,
₂₀₀₆.
₁₉) 星 旦二.連載・健理学のすすめ・健理学にもと
づいた健康支援を展開しよう.公衆衛生情報 ₂₀₁₁;
₄₀:₃₀ – ₃₂.
(受付 ₂₀₁₂.₁₀.₂.;受理 ₂₀₁₂.₁₀.₁₇.)
ダウンロード

ひとり一人の“夢と想い”を重視する 住民の健康維持