無線センサネットワーク省電力化のための
複数シンクを用いた負荷分散制御
能登正人
後藤
典
神奈川大学大学院工学研究科
電気電子情報工学専攻
27, May, 2011
目次
2
1. 研究背景・目的
2. 既存方式と問題点
3. 提案手法
4. シミュレーション実験
5. 結果と考察
6. 今後の課題
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はじめに
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 ユビキタス情報化社会を進展させる重要なネット
ワーク技術として、無線センサネットワークに関心
が集まっている。
 無線センサネットワークの特徴
⇒小型、数が膨大、低消費電力
 センサーから得た多様な情報を収集
⇒「人の行動」「屋外/屋内の環境」を的確に把握
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センサネットワーク
4
 複数のセンサによって構成
されるネットワーク
 センサとシンクにより構成


シンク
電波到達範囲
センサ
センサ:温度などを測定し、
無線技術でシンクへ転送
シンク:センシングデータ
を集約
 センサ同士が自律的に無線
ネットワークを構築し、バ
ケツリレー式に情報を転送
させ、大規模な情報収集が
可能
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センサネットの課題
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 無線センサネットワークを実現するには、大量のセ
ンサをうまく管理する必要がある。
 耐故障性やスケーラビリティが重要
⇒低消費電力で動作することがキーとなる。
 消費電力の低減により
 ネットワーク寿命の延長
 設置の自由度 + 適応可能なアプリケーションの増加
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目的
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 無線センサネットワークにおける、ネットワーク
寿命延長のための省電力化の実現
 既存の負荷分散手法の改良により、ネットワーク
寿命を延長させる方式の提案
 シンクの配置数による影響を検討
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従来手法(複数シンク)
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 単一シンクを用いた手法では、特定のノードに負
荷が集中してしまうことがある。
 多数のノードが収集したデータがシンク付近に集
められるため、シンク付近のノードの通信量が全
体に比べて高くなってしまう。
 これを回避するためには、
シンクを複数設置
することで負荷分散が可能となる。
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従来手法(ルーティング)
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 各センサノードが自身に最も近い(少ないホップ数
で)シンクに通信をするようルーティングする。
→ NS(Nearest Sink)方式
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従来手法の課題
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 複数シンクの配置により、シンクノード付近の負
荷分散が可能になったが、負荷集中が起きるのは、
シンクノード付近のノードだけとは限らない。
センシング情報量の非均一性
 トポロジーを考慮していなため、ノードの配置による消
費電力の影響を考えていない

 ネットワーク全体の負荷を均一化させられるよう
な手法が必要となっている。
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提案手法
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 ネットワーク全体で主に通信負荷の大きくなる
ノードは、シンク付近のノードとボトルネックリ
ンクのようなノードの分布に偏りのあるリンクで
ある。

このようなノードを負荷集中ノードと呼ぶ。
 データの発生量やネットワークに偏りのあるトポ
ロジーにおけるネットワーク寿命の最大化には、
各シンク付近のノードと負荷集中ノードのデータ
通信量を等しくなるように調節することが有効だ
と考えられる。
分散送信移行処理
 分散評価値決定処理

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分散送信移行処理
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 移行のタイミング
 各ノード毎に一定時間当たりに発生する全体のデータ量
と、各シンクが受信するデータ量との比をとり、片方の
シンクにデータが集中している状況を検知
 ボトルネックノードのような負荷が集中しているノード
を検出
 自身が負荷集中ノードであるかを判定する
 分散送信方式は各ノード毎にチェックを し、各
ノードで発生しているデータ量および電力消費量
が、全体の平均よりも上回っていれば、そのノー
ドを分散送信方式に移行させる。
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分散評価値決定処理
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 分散評価値決定処理では、以下の4つを評価値決定
のための重みづけ要素にする。
各シンクへのホップカウント数
 自身の全近接ノード数と自身に最も近いシンクの方向に
ある近接ノード数
 自身の電力消費速度
 負荷集中ノードからのホップカウント数

 これらを分散処理に用いることで、各シンクおよ
び負荷集中ノードのデータ量の均衡化を図り 、
ネットワーク寿命の延長を実現させる。
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シミュレーション実験
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 各パラメータ
フィールドサイズ
ノード数
ノードの間隔
通信半径
シミュレーション時間
送信消費電力
受信消費電力
データ発生量
メッシュ型
150×150[m]
190
10[m]
15[m]
200[minute]
12[mA]
1.8[mA]
32 ,256[byte]
ボトルネック型
100×100[m]
60
10[m]
15[m]
200[minute]
12[mA]
1.8[mA]
32 ,256[byte]
 データ発生量は均一ではない
⇒特定の場所はデータ発生量を多くしている
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評価方法
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 データ到達率
:Data Receive
単位時間当りに各シンクが受け取ったデータ量の和
:Data Generate
単位時間当りに全ノードで発生したデータ量の和
 ネットワーク生存時間
=全ノードからシンクへのデータ到達率
⇒先行研究を参考に99%以上と定義
 シミュレーション試行回数は10回
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データ到達率
(メッシュ型)
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 提案手法のネットワーク生
存時間の延長が確認できる。
 従来手法の場合、データ到
達率の低い値を推移してい
る期間がある。
 シンク数が増えるとデータ
シンクを2つと4つ用いた時のデータ到達率
がより多くのシンクへ分散
送信されるので、負荷分散
の効果が高まると考えられ
る。
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データ到達率および消費電力特性
(ボトルネック型)
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左図はデータ到達率のグラフであり、提案手法によるネットワー
ク生存時間の延長が確認できる。
右図は電力消費特性のグラフであり、ボトルネックリンクになっ
ているノードの消費電力特性を表したものである。提案手法の方
がノードの消費電力が少なく、効率の良い通信をしていることが
分かる。
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データ到達率およびシンク数によるネットワーク寿命
(ボトルネック型)
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100
Data arrival rate (%)
80
70
Time (minutes)
sink2NSimp
sink2PM
sink4NSimp
sink4PM
sink8NSimp
sink8PM
90
60
50
40
30
20
10
550
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
bottleneck PM
2
0
0
100
200
300
400
Time (minutes)
500
600
700
3
4
5 6 7 8
Number of sinks
9 10
 左図はデータ到達率のグラフであり、シンクの数を増加によ
りネットワーク生存時間が延長されることを確認できる。
 右図はシンク数毎のネットワーク生存時間のグラフである。
シンク数の増加毎に、増加率は低下している。分散制御の効
果がシンクの増加により、低下しているためだと考えられる。
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おわりに
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 データの発生量およびネットワーク構成に、偏り
が存在するネットワークにおいて、ネットワーク
寿命を延長する分散送信方式を提案した。
 メッシュ型およびボトルネック型において提案手
法の性能を評価し、分散送信方式は、従来手法と
比較してネットワーク寿命を延長することを確認
した。
 シンク数を増やすことにより分散送信方式の有効
性が高まるが、分散制御の効率は低下することを
確認した。
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今後の課題
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 大規模ネットワークを想定した環境での評価を行う。
特定の種類のみのデータを集める時の効率的な収集方法や、
異なる種類のデータの判別方式などの研究を行う。
 シンクの最適な配置数および配置場所について検討する。

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