日射遮蔽と組み合わせた
微細水ミストの被験者実験
1093114
1093143
石井 英丈
大森 勇
研究目的
昨年は、日除けなしの条件で、ミスト冷却効果の快適感への影
響を調べる被験者実験を行った。
ミストによる気温低下は確認できたが、ミストの有無による心理
量の大きな変化は見られなかった。
待機場所(安静時)を日陰空間としたため、日射の有無による
影響が勝ってしまい、ミストの有無に関する評価が得られな
かった可能性がある。
本年度は、実験エリアに数種類の日除けを設置し、日射遮蔽と
ミストを組み合わせた時の快適感への影響を調べる被験者実
験を行った。
また、待機場所(安静時)も、ある程度の日射が入る空間とした。
実験エリア概要
900 1,800
〃
〃
14,400
〃
■
▲
△
●
◆
遮風ビニールシート
〃
〃
1,800 900
3,600
待機場所
(建築棟)
900 1,800 900
(グラウンドフェンス)
□
△
■
▲
日除けなし
■
日除け設置エリア
▲
■
▲
△
遮風ビニールシート
待機場所
実験エリア
実験日・条件
・実験日
実験エリアの環境測定(被験者なし)
8月16日~8月23日の内、雨天以外の6日間
被験者実験
8月24日~9月28日の内、雨天以外の10日間
・被験者
固定の8名(21~25才、男子7名、女子1名)
Ⅰ班(被験者A~D)Ⅱ班(被験者E~H)で班分け
・衣服について
条件を揃えるため、白地の半袖・半ズボンで統一
・日除け
色と日射遮蔽率の異なる6種類の日除けを用意
・アンケート
設問は9項目からなり、7段階で評価する
日除けの種類
スタイロフォーム(88%)
以降、スタイロ
すだれ(63%)
( )は環境測定の物理量から算出された日射遮蔽率
日除けの種類
黒寒冷紗50%(71%)
以降、黒50%
黒寒冷紗90%(85%)
以降、黒90%
( )は環境測定の物理量から算出された日射遮蔽率
日除けの種類
白寒冷紗10%(25%)
以降、白10%
白寒冷紗55%(57%)
以降、白55%
( )は環境測定の物理量から算出された日射遮蔽率
実験エリア詳細
900 1,800
〃
〃
900 1,800 900
3,600
(建築棟)
□
△
〃
パターンa
(グラウンドフェンス)
待機場所
白55%
14,400
〃
日除けなし
黒90%
■
▲
■
▲
日除けなし
スタイロ
〃
1,800 900
黒50%
すだれ
■
▲
■
▲
白55%
白10%
△
●
◆
パターンb
測定機器(GLからの高さ)
○:ミストノズル(2500mm)
●:超音波風速計(700mm)
■:グローブ温度計(1200mm)
□:全天日射計・赤外放射計(1000mm)
▲:シェルター温度計(700mm)
△:アスマン式通風乾湿計(1200mm)
◆:垂直温度計T熱電対
(GLから500、1000、1500、2000、2500mm)
着座時
△
エリア配置図
1,800
″
2,500
アスマン通風乾
湿計(1200mm)
全天日射計
赤外放射計
(1000mm)
超音波風速計
(700mm)
グローブ温度計
(1200mm)
2,500mm
2,000mm
熱電対
1,500mm
1,000mm
500mm
GL
シェルター温度計(700mm)
設問
1
気温
非常に
涼しい(寒い)
設問
2
湿度
非常に
乾いている
設問
3
日射A
(眩しさ)
気温についてはどのように感じますか?
涼しい
どちらかといえば
涼しい
同じ
どちらかといえば
暑い
暑い
非常に
暑い
湿っている
非常に
湿っている
湿度についてはどのように感じますか?
乾いている
どちらかといえば
乾いている
同じ
どちらかといえば
湿っている
日差しから受ける『眩しさ』についてはどのように感じますか?
非常に
暗い
暗い
どちらかといえば
暗い
同じ
どちらかといえば
眩しい
眩しい
非常に
眩しい
1
2
3
4
5
6
7
アンケートはの待機場所と比較して7段階で評価する。
実験の流れ
Ⅰ班
ミストなし
ミストあり
パターンa 被験者A
日除けなし
日除けなし
黒90%
黒90%
待機(5分) 実験(5分)待機(5分)
3分後にアンケート記入
パターンa 被験者E
Ⅱ班
エリア外待機
日除けなし
日除けなし
黒90%
黒90%
待機(5分) 実験(5分)
3分後にアンケート記入
黒50%
すだれ
すだれ
黒50%
黒50%
黒50%
すだれ
実験終了
すだれ
実験終了
各被験者の日除け順
900 1,800
〃
〃
14,400
〃
〃
〃
1,800 900
3,600
待機場所
(建築棟)
900 1,800 900
(グラウンドフェンス)
日除けなし
黒90%
黒50%
すだれ
日除けなし
スタイロ
白55%
白10%
被験者A・E
被験者B・F
被験者C・G
被験者D・H
被験者D・H
被験者A・E
被験者B・F
被験者C・G
被験者C・G
被験者D・H
被験者A・E
被験者B・F
被験者B・F
被験者C・G
被験者D・H
被験者A・E
実験結果
9/3 12:48~13:28
超音波風速計
ミスト噴霧時間
―風速(m/s) ―気温(℃)
ミスト噴霧時間
3~4℃程度の気温低下
風
風速が弱いと、ミストが地面まで落ち、気温が下がる
風速が強いと、ミストが飛ばされ、気温が下がらない
風速が強いと
気温が上がる
ミストあり(日射量923W/㎡)
白寒冷紗10%
白寒冷紗55%
熱画像
スタイロ
ミストなし(日射量873W/㎡)
白寒冷紗10%
白寒冷紗55%
8月31日 12:45
日除けなし
8月31日 12:55
スタイロ
日除けなし
快適感と温冷感の相関
日射遮蔽率
快適エリア
快適エリア
不快エリア
不快エリア
青○ミストあり
赤○ミストあり
不快エリアは申告値1~3の集計結果。
快適エリアは申告値5~7の集計結果。
評価値毎の集計結果(%)
※中間値である4は省いています。
快適感と温冷感の相関
ミストの噴霧により
快適感が増している
ことがわかる。
ミストの噴霧により、
申告値が不快エリア
ミストの噴霧をしても
にシフトしてします。
申告値が快適エリア
にシフトしないことが
わかる。
※( )は日射遮蔽率です。
スタイロ (88%)
ミ ス ミストなし
ト の 噴 霧ミストあり
に よ り 、増減
『快適』エリアの申告値
+13%
不快エリア
4% → 17%
が大きく増分しているこ
+6%
71% → 77%
快適エリア
とがわかる。
黒50% (71%)
ミストなし
ミストあり
不快エリア
7%
→
快適エリア
59%
→ 91%
3%
黒90% (85%)
ミストなし
不快エリア
3%
→
ミストあり
1%
-2%
ミストの噴霧により『不
+18%
78% → 96%
快適エリア
快』エリアの申告値が
13%増分し、より不快に
なっていることがわかる。
すだれ (63%)
増減
ミストなし
ミストあり
-4%
不快エリア
16% →
+32%
快適エリア
40% → 77%
11%
増減
-5%
+34%
日除けなし (0%)
白10% (25%)
ミ ス ミストなし
ト の 噴 霧ミストあり
を し て も増減
-10%
不快エリア
42% → 32%
『快適』エリアに申告値
がシフトしない。
+28%
20% → 48%
快適エリア
増減
ミストなし
ミストあり
増減
不快エリア
81% →
80%
-1%
快適エリア
4% →
11%
+7%
効果と温冷感の相関
※効果とは、暑熱対策として効果があるかという意味で
す。
効果ありエリア
効果ありエリア
効果なしエリア
効果なしエリア
不快エリアは申告値1~3の集計結果。
快適エリアは申告値5~7の集計結果。
※中間値である4は省いています。
日射遮蔽率の大きい日除
けは、日除け自体の効果が
高いため、ミストを噴霧して
もミストによる効果の増分
が少ない。
※( )は日射遮蔽率です。
黒90% (85%)
スタイロ (88%)
ミストなし ミストあり 増減
ミストなし ミストあり 増減
ミストの噴霧により、『効
+3%
効果なしエリア
1% → 4%
果あり』エリアの申告値
78% → 86% +8%
効果ありエリア
が増加していることがわ
かる。
黒50%
(71%)
効果なしエリア
-2%
ミストの噴霧をしたことで、
2% → 0%
『効果なし』エリアの申告
86% → 97% +11%
効果ありエリア
値が増加していることが
わかる。
すだれ (63%)
ミストなし ミストあり 増減
ミストなし ミストあり 増減
効果なしエリア
10% → 3%
-7%
効果なしエリア
25% → 8%
-17%
効果ありエリア
59% → 93%
+34%
効果ありエリア
39% → 80%
+41%
ミストの噴霧をしても、大
白10% (25%)
きく『効果あり』エリアに
ミストなし ミストあり 増減
申告値がシフトしないこ
効果なしエリア
50% → 21% -29%
とがわかる。
効果ありエリア
7% → 63%
+56%
日除けなし (0%)
ミストなし ミストあり 増減
効果なしエリア
99% → 73%
-26%
効果ありエリア
1%
→ 18%
+17%
評価点日射量と快適感・暑熱感の相関
○評価点日射量の求め方
1.
日除けの実日射量
= 透過率
日除けなしの実日射量
2. 実験時間の評価点日射量=
日除けなしの日射量×透過率
評価点日射量と快適感・暑熱感の相関
○風速1m/s未満
◇風速1~2m/s未満
青:ミストあり
赤:ミストなし
×風速2m/s以上
▲25℃以下
不快に変わる
暑熱感
300W/㎡
待機場所と比較して日射量が
300W/㎡を超えてしまうと、不
快へとシフトしてしまうため、日
除けは必要である。
300W/㎡
快適感
不快に変わる
気温と快適感の相関
○風速1m/s未満
青:ミストあり
赤:ミストなし
◇風速1~2m/s未満
×風速2m/s以上
25℃
日除けなし
不快に変わる
25℃
スタイロ
気温が25℃を下回ると快適
感が『不快』へとシフトしてし
まうことがわかる。このこと
から、ミストは気温25℃以
上での噴霧が望ましい。
不快に変わる
まとめ
 今回の実験から日射遮蔽とミストを組み合わせ
ることで暑熱対策としての効果を上げられること
が分かった。
 気温が25℃を下回る環境でのミスト噴霧は逆に
不快さを与えてしまうことが明らかになった。
 以上のことから、暑熱対策として、25%程度以
上の日射遮蔽率の日除けと、気温25℃以上の
環境でミストを噴霧させることで快適性と暑熱対
策としての効果を向上できることが確認できた。
ダウンロード

ミストあり