企業組織のデザイン:最適階層、
ネットワークメカニズム
犬童健良
関東学園大学経済学部
[email protected]
企業組織のモデル
1
企業の管理階層と分権的情報処理
►
►
►
►
►
►
会社組織は分権化された情報処理と意思決定のシステムである。すなわち環境から入力
された情報が、経営階層すなわちManagerたちのネットワークによる分権的情報処理を
経て、最終結果である意思決定に至る。
こうした企業の分権的情報処理モデルでは、各Managerは限られた能力を持った自律
的な情報処理単位である。そこで会社組織全体の効率性は、例えば「処理単位の数P」と
組織が情報を受けつけてから意思決定に至るまでの「処理時間C」によって計測される。
またそれゆえその最適化は経済学的分析と情報科学の境界にある問題である。
企業組織の経済学的分析の分野では、企業の活動を、意思決定と意思決定のための情
報処理とみなすのが伝統だ。現代の企業におけるマネジメントの仕事は大変複雑な情報
処理になっており、多くの人を効率的に使わなければ計算を完遂できない。したがって、
かつてH.A. Simonが指摘したように計算主体である人を稀少資源と考えれば、企業組織
の最適デザインの問題が、経済学の関心事として浮上することになる。
いったいどのような会社組織のデザインが上記のような複雑・巨大な知的作業の効率的
遂行に適しているのだろうか? それは集中型・集権的な処理主体(いわばビックブラ
ザー)の指示にしたがうシステムだろうか、それとも分散型・分権的に相互に情報がやりと
りされる(チーム理論的な)情報共有のクモの巣なのだろうか?
また多くの処理単位をいかに効果的に情報処理に用いるかという問題は、従来計算機科
学(とくに並列計算)の分野で扱われてきたが、この両分野の交絡する線上に分権的企
業組織の研究が横たわっているわけである。またそれは意思決定と情報処理についての
限界合理性モデルに関連する。
本論文では企業の階層ないしネットワークの最適デザインの研究分野を紹介し、また筆
者が作成したPrologによる最適階層デザインのシミュレーションプログラムを紹介する。
企業組織のモデル
2
最適階層デザインの諸研究
►
►
►
►
►
企業の経営組織の経済学的分析はCoase、Chamberlinら制度派経済学者やChandlerによる多
事業部制組織の研究の後、その情報処理システムの側面に注目した経済学者ないし経営科学
者らによって開拓された。Arrow(1964)の論文からそのパイオニアたちの名をあげれば、J.
Marschak, H.A.Simon, L. Hurwicz, T. Marschak、R. Radner、そしてK.Arrow自身である。これに加
えるとすれば、”Organizations”でSimonと連名の著者J.G. Marchだろう。ただし、ここでは組織の
情報処理やシステム論的側面の研究を網羅することはしない。[*1]
彼らの共通点は、大企業の情報処理におけるコントロールとコミュニケーションの理論的な相
互依存に注目したことである。はやくから形式化の点で進んだのは、動的計画法(DP)による組
織モデルであり、Williamson(1967)以来、企業の最適規模や経営管理階層の最適デザインを探
求してきた。それは上記の相互依存を制約として企業の意思決定ルールを実施するために、ど
のような情報処理が適しているかを数学的に論じるものだ。
すなわち監視する部下の数(SpanOfControl)が多いと、手抜きが起きやすく、減らせば階層数
が増し、利益が減る管理の損失(Loss Of Control)あるいは「技能の特殊化とコミュニケーション
手間のトレードオフ」の下で、部下の数、階層数、賃金体系をどのように設計すべきであるか
(Beckmann,1976; Calvo and Wellisz,1978; Keren and Levhari, 1979, 1989; Rosen, 1982)。
Prat(1997)はさまざまな能力のマネージャを階層内に最適配置するDP問題---容量付き最小費
用木の性質を分析した。Qian(1994)はこれらのDPモデルを要約した上で、誘因(インセンティブ)
の問題を追加した。コミュニケーションないし情報システムの側面では、例えばCremer (1981)が
チーム理論(Marshak and Radner,1972)の状況で、2次形式の費用関数を仮定し、店集合の最適
パーティションを求めた。またBolton&Dewatripontは、最適ネットワーク設計において技能の特
殊化(学習)が処理時間を節約することに注目した。Marshak and Reichellstein(1996)によるネッ
トワークデザイン論については後述する。
Geanakoplos and Milgrom(1991)はCremerと類似の費用関数で、managerたちの限界合理性を
導入したとき、階層組織によってチームとしての能力が高まることを論じた。学習する適応ネット
ワークとしてモデル化する研究も進展しつあるようだ(Dow, 1990)。企業の情報処理に注目した
Arrowの研究を受け継ぎ、青木昌彦[ノート*2]は日米企業の権限とコミュニケーション様式の比
較研究(Aoki,1986)を始めたが、またより最近では比較制度分析を提唱している。
企業組織のモデル
3
Radnerのパラドックス
現代の企業におけるマネジメントは、一方では業務レベルの意思決定における分権化が
進み、戦略計画レベルでは集権化の特徴が強化されている。これは前段で述べた観点で
は幾分パラドキシカルであると思われる。Radnerは階層構造が分権的情報処理の効率
化に役立っていることを示し、このパラドックス問題(*)を解こうと考えたようだ。
► Radner(1992, 1993)は3タイプの活動に階層モデルを適用する。(1)線形意思決定
ルール、(2)プロジェクト選択、(3)パターン照合。(1)は環境の入力信号を単位変換して
集計する。典型は会計情報の処理(仕訳や財務諸表の作成)。(3)は事例&類似性ベー
ス意思決定。
► またRadnerはF.Knightの言葉を引用しながら「情報処理としてのマネジメント活動」の分
権化に着目し、「行動としての業務的決定」の分権化から区別する。つまり業務的なより
下位レベルの仕事は分権化し、権限や監査・査定といった計画機能は集権化するデザイ
ンや、その逆に事前に評価・計画を十分民主的に行った上で、業務はマニュアルどおり遂
行するデザインがともに考えられる。
► ところで、業務的意思決定の分権化と人事評価・査定・昇進システムの集権化との組み
合わせは、知的熟練のインセンティブを与え、これまでの日本企業における経営の特色と
されている。だが階層による分権的情報処理の効率化というRadnerのモデルは、むしろ
日本企業に見られるマネジメントスタイルとそのパフォーマンスを説明するかもしれない。
いいかえれば、日本企業におけるマネジメントの特色を、条件適応性や進化的合理性に
よって説明する理論の説得力は、割り引かれることになる。先に提示した疑問(*)に対し
ては、Radner自身が批判的にこう答えている。「だからといって皆さんはこれがありふれ
た会社内の権限階層を正当化したり、説明したりするものだと推断してはいけません。」
4
企業組織のモデル
►
Radnerの最適階層
もちろんRadnerは会社組織を階層のみと考えているわけではない。より一般
的には時間間隔Tで発生するバッチ処理一回分の入力情報量(コーホート)N
を、処理時間(ディレィ)Cで計算するネットワークの中で、最小の処理単位使用
数Pをもつものを効率的ネットワーク(Efficient Network)と定義している。
► Radner(1993)は効率的ネットワークの形状を、階層の組み合わせとして特徴
づけると共に、大量の情報を比較的単純な階層によって処理することの効率
性(いいかえれば、ほぼ効率的なネットワークの形状)を吟味しているわけであ
る。
► また処理単位と処理時間の相対価格pの影響や情報処理システムにおける規
模の経済性を明らかにするべく、NとTを変化させて(P,C)効率性フロンティア
の形状を調べ、図ような法則性を導いた。
►
C(P-N/T) = N/T
ただし左はN,P,N/(P-N/T)が十分大き
い数のときの近似式。またPとCの下界は
P = N/T + (N/pT)^(1/2)
P≧N/T
C = (pN/T)^(1/2)
C≧1+Log_2 N
企業組織のモデル
である。
5
最適階層の作成(1ショットモード)
図のように平衡階層をReductionして効率化したネットワークでは
Skip-Level Reportingが入れ子状に現われる。
効率的でない1ショット階層の例(
P=15,C=11;
N=4 効率的な1ショット階層(
P=8,C=8;N=40)
第1層 第2層 第3層 第4層
第1層 第2層 第3層 第4層
1 入力×5 入力× 入力× 入力× →余剰人
1 入力× 入力×
員(灰)の
2 入力×5 1
2 入力× 1
仕事を抱
1
1
リストラを
3 入力×5 入力×1
3 入力× 入力× 入力×
大ガメ
1
層1,2,
4 入力×5
4 入力× 1
3の順に
5 入力×5 入力× 入力×
5 入力× 入力×
中ガメ
繰り返す
6 入力×5 1
6 入力× 1
1
→
7 入力×5 入力×1
7 入力×5 入力× 入力× 入力× 小ガメ
1
1
8 入力×5
計
8 入力×5 1
計
⊿処理単位数
8
4
2
1
15 ⊿処理単位数
4
2
1
1
8
最大処理時間
5
2
2
2
11 最大処理時間
5
1
1
1
8
40
40
総アイテム数
総アイテム数
企業組織のモデル
6
表計算による検算
企業組織のモデル
7
能力の異なるManagerを最適配置する
Prat(1997)は、Radnerに似た足し算をするネットワークで、しかしプロ
セッサの計算能力を意思決定変数としたときの、DPに基づく最適階
層デザイン問題を考察した。以下に紹介するPratの命題1と2はメカ
ニズム設計者にとって指針となるだろう。
ただしモデルの仮定として、階層数が少ないほど情報伝達の遅れ
が少ないので利益R(L)が上がるが、ただしプロセッサーの能力(入
力数 k)は異なり、それに応じた賃金w(k)を支払わなければならな
いものとする。
● Pratの命題[*]:賃金関数が差分において非増加のとき、最適階
層は能力Nの単一プロセッサである。そうでないとき、最適階層の集
合は、以下の3性質を満足する階層を少なくとも一つ含む。
(1)各レベル内で能力の差は高々1である。
(2)能力はレベルにおいて非減少。つまり各レベルの最小能力は
前レベルでの最大能力以上。
(3)入力層(レベル1)を除くレベル2より上位階層では、能力1のプロ
セッサーは使用されない。
企業組織のモデル
8
Prologによるシミュレーション
Pratが論じた処理能力の内生的制約をもつ最適階層の問題を
シミュレーションするプログラムを、筆者はPrologで作成した。プ
ログラム dpfirm0.pl は筆者のホームページからダウンロードで
きる(http://www.us.kanto-gakuen.ac.jp/indo/)。
階層(=木)の表現方法はいろいろ可能だが、ここではProlog
のリスト表現を利用するモデル例を紹介する。(右図参照)
筆者のプログラムでは、情報アイテムは数値でもシンボルでも
かまわない。前者については、実際に足し算を実行できる。以
下はその実行例だが、右図の木aに対応する木Aに対して、計
算数式BとそのコストCを出力している。ただしこの例ではコスト
関数は容量(=入力枝数)に等しいと仮定している。
?- compute_hierarchy_with_cost(A,B,C).
A = [[-1, 2, -5, 1], [-6, 2, 3], [1]]
B = -3=1+ (3+2+ -6)+ (1+ -5+2+ -1)
C = 11;
hierarchy0(a,
[
[-1,2,-5,1],
[-6,2,3],
[ +1]
]
).
hierarchy0(c,
[
[a,b,c,d],
[e,f,g]
],
[
[h]
]
).
Figure.
企業組織のモデル
9
最適階層の生成実験
処理能力の高いプロセッサ(=マネージャ)は階層数を減らし、それゆえ収益を維持すのに役立つが、賃金も
高い。最適階層を求めるプログラムでは、所与の情報アイテム集合に対し、可能な木構造を生成し、その中で最
大利潤を与えるものを選ぶ。
筆者のPrologプログラムを用いて、名目5アイテムの場合の最適階層を、同一の粗収入関数Rと3種類のコス
ト関数(総賃金)について、求めてみた(図も参照)。最初のケースは線形賃金ゆえ、Pratの命題1に合致し、単
一階層のみが得られる。残りの2つは命題2の条件に合致しないが、他の出力の中に見出せる。なお図中の三
角形と中の数字はプロセッサ処理能力を表す。
% case 1-3:
revenue(R,L):- R is 100-20*L.
% case 1:
wage_function(C,W):- W is 10 * C.
%---------------------------------------------------------?- tell_and_solve([a,b,c,d,e],P).
P = tree:[a, b, c, d, e], items:5, levels:1, revenue:80, wages:50, profit:30 ;
Yes
% case 2:
wage_function(C,W):- W is 3 * C ^ 2.
%---------------------------------------------------------?- tell_and_solve([a,b,c,d,e],P).
5
2
[abcde]
P = tree:[[a, b, c], [d, e]], items:5, levels:2, revenue:60, wages:51, profit:9 ;
2
P = tree:[[a, b, d], [c, e]], items:5, levels:2, revenue:60, wages:51, profit:9 ;
3
2
[[ a b c ] [ d e ]]
------<omitted>-----% case 3:
wage_function(C,W):- W is 3 * C ^ 3.
%---------------------------------------------------------?- tell_and_solve([a,b,c,d,e],P).
P = tree:[[[a, b], [c, d]], [[e]]], items:5, levels:3, revenue:40, wages:102, profit: -62 ;
企業組織のモデル
P = tree:[[[a, c], [b, d]], [[e]]], items:5, levels:3, revenue:40, wages:102,
profit: -62 ;
------<omitted>------
2
2
2
1
[ [[a b] [c d]] [[e]] ]
10
組織のトレードオフ:Quianの最適階層
すでに見たようにPrat(1997)はさまざまな能力のマネージャを階層内に最
適配置するDP問題を、誘因(インセンティブ)や手抜き(モラルハザード)の
問題を無視して、純粋に容量付き最小費用木の性質として分析したもの
だった。一方、経営階層ないし管理階層の役割は、「管理」という中間生産
物の出力である。組織設計論では、各マネージャが管理すべき部下の数
(SOC)、階層数、賃金体系(誘因スキーム)をどのように設計すべきである
かが議論されてきた(Beckmann,1976; Calvo and Wellisz,1978; Keren
and Levhari, 1979, 1989; Rosen, 1982)。
► 監視しないといけない部下の数(SpanOfControl)が少ないと手抜きが起き
やすく、一方、管理を万全にするためそれを減らすと、階層の厚みが増し、
途中での管理の損失(Loss Of Control)の危険も高まり、より多くの中間管
理者に賃金を払わなければならない利益を圧迫する。しかし意欲やモラー
ルの低い人たちを働かせようとして、監視ばかりにコストを掛けるより、作業
者に適切な誘因(インセンティブ)を与えて自発的に仕事を進めてもらうのが
むしろ合理的であろう。
► Qian(1994)はこれらのDPモデルを要約した上で、誘因(インセンティブ)の
問題を追加した。以下ではQuianのモデルと定理を参考に、表計算を用い
た0-1努力選択の場合の最適階層のモデリングとシミュレーションを示そ
う。なおシートモデルはファイル名odesign.xlsとして筆者のホームページ
(http://www.us.kanto-gakuen/indoから入手できる。
►
企業組織のモデル
11
0-1努力選択のケースの最適階層モデル
(Quian,1994)
►Quian(1994)の本論
は微分可能な場合の連
続型モデルを主に論じ
ているが、Appendix A
では離散型モデルにつ
いて証明を示している。
モデルと定理を右図に
まとめた。
►Quianの与えた解は
各層tにおいてs(t)=2、
したがってx(t)=2^tの
マネージャを配置する
というものである。
►表計算を用いたシミュ
レーションによって後で
示されるように、残念な
がら、総作業者数Nが
所与の場合、この定理
は正しくない。
O ptim alm anagerialhierarchy w ith recursive production technology
Reference: [1] Q ian, Y. (1994). Incentives and loss of control in an optim al hierarchy. RES 61:527-544.
******* The discrete 0-1 effort choice m odeling (see Ref 1 Sec 3 and Appendix A)********
ustm ent of the organizati on
optim al design
Theadjproblem
(Ref 1 proposition A.1.) (Ref 1 proposition A.2.)
T
if c=θ/(4g)>1  
if θ>4g
correlation
total perform ance indecies:
g a t s t x t   max
 Ny T 
s t , a t ,T
T = log_2 N , N >=2.
+
T
# tiers (= the top)
t 1
dT/dN = 1/(N log 2)
s .t .
m anagerial
y(T)
x t  x t 1 s t
effectiveness
the interm ediate products of the m anegirial hierarchy
y t  y t 1 a t
y(t)= a(t)*y(t-1), so y(T)=a(1)*…*a(T).
 1, x T  N and y 0  1 .
x
V = N θ-4g(N -1)
y(T)N θ
gross output
0
dV/dN = θ-4g
i.e., gross revenue w ith the price 1.
+
1-y(T)
loss
A discrete 0  1 effort choice problem .
in total m anagerial effectiveness.
design variables at each tier:
the case of yT  1
2^t*c^(A*(1-2^-t))
2^t
?
x(t)
# em ployees in tier t
( a t  1 for all t  1, , T )
2c^(A*2^-t)
2
s(t)
span of control
T
w hich is constant at each tier, then x(t)=s(t)*x(t-1).
st x t  min

st , x t , T
effectiveness
t 1
1/P
+
P
of m onitoring
s .t .
2gc^(A*2^-t)
2g
w (t)
w age
xt  xt  1 s t
A*c^(A-1)
*) m axim um num ber of w orkers absorbed in the hierarchy
x0  1, xT  N .
m odeling w orkers
a(t) = 0 or 1
effort choices
w ork disutility g(a(t))=1 if a=1, 0 otherw ise
fully effectiveness:
θ>0
output per w orker
incentive schem es
pay 0 if a < a* is know n, and
pay w otherw ise w ,
w here a* is an effort level to im plem ent.

incentive com patibility condition
w - g(a*) >= P *0 + (1-P ) * w -g(a) for alla < a*.
efficiency w age
em ployee's w alfare
w =g(a*)/P assum ing P=1/s.
u = g(a(t))s(t) - g(a(t))
企業組織のモデル
12
表計算によるシミュレーション:インセンティブ賃金
Quianのモデルでは作業者(あるいは中間管理者)に支払う効率性賃金を用いている。す
なわち、任意の努力水準選択に対し、モニタリング確率の下で各作業者が期待効用最大
化するとき、望ましい努力水準をインプリメントする。ただし、モニタリング確率はスパンオ
ブコントロールに反比例すると仮定する(P=1/S)。
► 0-1選択では、努力水準1をインプリメントするために、努力水準0の場合の期待効用よ
りも努力した場合の賃金支払いから労働負効用を減じた純効用が、大きいことが必要で
ある。この条件はインセンティブスキームと呼ばれ、効率性賃金を導く。(以下の表計算の
シミュレーションを参照。)
►
Efficiency W age
2.5
2
U tility and C hoice
1.5
1
0.5
0
0
1
2
3
4
-0.5
-1
-1.5
W age R ate
a(t)
u(0)
u(1)
g(1)/P =
W age R ate S chduler
s(t)
P
w (t)
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
2
0.5
auto interval
企業組織のモデル
2
a(t)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
1.4
1.6
1.8
2
2.2
2.4
2.6
2.8
3
u(0)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
u(1)
-1.000
-0.800
-0.600
-0.400
-0.200
0.000
0.200
0.400
0.600
0.800
1.000
1.200
1.400
1.600
1.800
2.000
0.2
13
表計算によるシミュレーション:最適階層
►
►
Quianモデルは比較的単純なDPモデルである。以下の図のように、表計算によるシミュレーション(ファ
イル名odesign.xls)では、 0-1選択ケースで、むしろPratの定理に類似した結果が得られる。なお管
理すべき最下層の作業者数N=100、労働の負効用gはつねに1とした。
ちなみに最適なSOC組の計算にはエクセルの標準ソルバーを用いた。ソルバーの用いるアルゴリズム
については次のスライドと関連ホームページを参照されたい。実際、以下の解はソルバーが数分で求
めたものだが、小さいtでスキップレポートを含むものも出力される。また初期値が最適解に近くても、そ
の解は不安定である。
Sim ulation of optim alhierarchy
θ=
# tiers
1
y(t)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
T
1-y(t)
1
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
y(T)
5
x(t)
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
Loss
1
g(0)=
g(1)=
100
possible
# w orkers
# w orkers
in the tier
to be m anaged
effectiveness
loss
t
N=
1
3
9
27
54
108
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
gross output
y(T)N θ
N
0
100
span of
control
0 use t? s(t)
1
3
9
27
54
100
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
100
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
No
No
No
No
No
No
No
No
No
No
No
No
No
No
No
3
3
3
2
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
cum ulative
effectiveness
disutility
of m onitoring
(=w age)
∑g*s(t)*x(t)
P
=∑w (t)*x(t)
09 0.333333333
36 0.333333333
117 0.333333333
225
0.5
425
0.5
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
425
0
objective function
∑g*s(t)*x(t)
425 ->m in
企業組織のモデル
efficiency
w age
effort choice
w (t)
a(t)
-
3
3
3
2
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
u(0)
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
2
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
14
ソルバーについて
►
►
►
►
►
エクセルの標準ソルバーはFrontline社からMS社のエクセルにアドイ
ンソフトとして供給されている。また同社から性能の改善されたソル
バー製品が販売されている。 (マイクロソフト サポート技術情報 –
214115およびフロントライン社のホームページ
http://www.solver.com/technology.htm参照)
標準ソルバーにはLasdon とWarenの一般化還元勾配法(GRG2)の
コードが用いられている。よって線形計画問題のほかに、非線形計画
問題(NLP)を解くことができる。
混合整数計画問題(MILP)に対しては連続緩和問題の分岐限定操作
を行うプログラムを用いている。連続緩和問題および線形モデルでは
シンプレックス法を使っているそうである。
前ページのシートモデルは0-1整数計画問題20の意思決定変数の
比較的簡単なモデルだが、局所最適解が求まっている。
実務的な問題を一般的な数理計画用ソルバーで解こうとすると、モデ
リングのためのテクニックが必要である。業務の問題について十分な
知識があれば、論理プログラミングの系譜を引き継ぐ制約処理を用い
ることもできる。
企業組織のモデル
15
最適ネットワークの設計
企業組織の経営階層の研究と並んで、Hurwicz以来のメカニズムデザイン理論
では、市場メカニズムによるワルラス対応の実現にかんする最適メッセージプ
ロセスが議論されてきた。しかしこのアプローチでは伝統的にメッセージ空間の
サイズ(変数の数)でメカニズムの複雑性を計っており、計算にかかる時間が無
視されていた。また従来のメッセージ空間は各自が他の全員に対して情報送受
信するような共有黒板であった。
► 一方、現実の会社組織は、ある程度の規模になれば、すべての情報を共有化
するのは明らかに不効率である。Radnerは大規模な企業はそれ自体が小さな
市場経済だという。それゆえ情報的分権化の良いデザインが探求される。ちな
みに、必要なとき必要なだけの情報を意思決定者に届ける経営情報システム
(MIS)の開発は、経営情報管理の長年の夢でもあった。
► この文脈で活躍してきた数理経済学者コンビであるMount and Reiter(1990)は、
rdネットワークと呼ばれる一種のニューラルネットモデルを使って上の問題に
チャレンジした。彼らの研究は一般均衡理論とニューラルネットの両分野に共
通する微分幾何を駆使したものだが、Radnerらに先んじて階層組織による効率
的資源配分の分散計算を定式化していたといえる。以下に述べるように、
Marschak and Reichelstein(1996)はむしろ彼らの以前のアプローチを一般化
する形で、より具体的応用がしやすい定式化を提案した。
►
企業組織のモデル
16
標準メカニズム
従来のメカニズムデザイン理論で扱われてきたHurwicz-Reiter流の「標準的メカニズム」
は以下のように定義される。
► E:環境の集合、
► N:エージェントの集合。N={1、・・・、n}とする。
► ●スタンダードメカニズム<S、g~、h>
►





S:メッセージスペース。Siの直積S1×・・・×Sn、
fi:エージェントiの応答ルール。fi:S×Ei→Si、
g~=(g~1、・・・、g~n):合意ルール。
g~i(s、ei)=fi(s、ei)-si、
h:結果関数。均衡メッセージsi=fi(s、ei)に対して適用。
達成基準(performance standard).
► メカニズム<S、g~、h>が達成基準F:E→Zを実現する(realize)というのは、すべてのe
∈Eに対して、次の2条件が満たされる場合。
►


μ(e)={s|g~=0}≠φ
{h(s)|s∈μ(e)}⊆F(e)。
企業組織のモデル
17
ネットワーク・メカニズム
一方、MarschakとReichelsteinの「ネットワークメカニズム」は以下のように定義され
る。
► E:環境の集合、
► N:エージェントの集合。N={1、・・・、n}とする。
► ●ネットワークメカニズム<M、g、h>
►









►
M:送受信にかんして行列表示されたメッセージ空間。
M^i:エージェントiの送信メッセージ、
M_i:エージェントiの受信メッセージ、
Pi(M):Mの第i行と第i列の和。その要素
Pi(m)はエージェントiの聞く部分メッセージ。
g:Pi(M)×Ei→M^i。合意ルール。
すべてのiについて、gi(Pi(M)、ei)=0。
h:Pi(M)→Z^i。ノンパラメトリック結果関数。
達成基準(performance standard).
ネットワークメカニズム<M、g、h>が達成基準F:E→Zを実現するというのは、す
べてのe∈Eに対して、次の2条件が満たされる場合である。


μ(e)={m|g=0}≠φ
{h(s)|m∈μ(e)}⊆F(e)。
企業組織のモデル
18
例.内部振替価格メカニズム
例. A Multiplant Firm(Marschak and Reichelstein,1995)
4部門のマネジャーをエージェントA1、A2、A3、A4とする。
最終製品製造部門A1とA2。各生産量Q1、Q2。それぞれの
費用関数e1(Q1)、e2(Q2、I)は局在的情報である。
中間製品製造部門A3。A2が使用。生産量I。費用関数e3(I)
本社A4。収益関数e4(Q1、Q2)。
►
►
Agent 1:
output:Q1
Cost:e1
Agent 4:
Revenue:e4
価格U1
価格U2
Agent 3:
Output:I
Cost:e3
価格V
数量Q2
Agent 2:
Output:Q2
Cost:e2
数量1
会社の意思決定ルール:

数量Q1
内部価格u1、u2、v => 生産量 Q1、Q2、I。
コミュニケーション・ルール:



A4はA1に価格u1を伝え、A1はA4に局所利潤 π1=u1・Q1-e1(Q1) を最大にする生産量Q1
を伝える。
A4はA2に価格u2を伝え、A2はA4に局所利潤 π2=u2・Q2-e2(Q2、I) を最大にする生産量Q
1を伝える。
A2はA3に価格vを伝え、A3はA2に局所利潤 π3=v・I-e3(I) を最大にする生産量Iを伝える。
エージェントごとの通信チャネル数は(2、4、2、4)。全体では6回線。これをもって内部価
格メカニズムの「通信努力」を計るものとする。
► もしA3が作る中間製品をA1とA2がともに使うとすると、通信回線は各エージェントごとに4
回線ずつ、全体で8回線必要となる。
► 上の例題でのネットワークメカニズムMは、次のようなコミュニケーションダイヤグラムとし
て表せる。行はsenderとしての送信メッセージ、列はrecieverとしての受信メッセージであ
る。
►
企業組織のモデル
19
例題のメカニズムのPrologモデル
送信\受信
\ 1 2 3 4
------------------
1
- - - Q1
2
- - v Q2
3
- I - -
4
u1 u2 - -
------------------
表1.
% the individual agent and the network
%--------------environment(e1,[
%agents
agents([1,2,3,4]),
agent(1), agent(2), agent(3), agent(4),
%output variables
outputs([Q1,Q2,I]),
%action and its responsibile agent
output(1,Q1,agent(1)),
output(2,Q2,agent(2)),
output(3,I,agent(3)),
%local_environments
valuations([E1,E2,E3,E4]),
valuation(agent(1),cost(E1),[(1,Q1)]),
valuation(agent(2),cost(E2),[(2,Q2),(3,I)]),
valuation(agent(3),cost(E3),[(3,I)]),
valuation(agent(4),revenue(E4),[(1,Q1),(2,Q2)]),
end_of_model
]).
mechanism(m1,[
%message space for network communication
hear(from:agent(4),to:agent(1),price_of(U1,output(1))),
hear(from:agent(1),to:agent(4),quantity_of(Q1,output(1))),
hear(from:agent(4),to:agent(2),price_of(U2,output(2))),
hear(from:agent(2),to:agent(4),quantity_of(Q2,output(2))),
hear(from:agent(3),to:agent(2),quantity_of(I,output(3))),
hear(from:agent(2),to:agent(3),price_of(V,output(3))),
%agreement rules
agreement_rule(agent(1),local(cost(E1)),max(arg([Q1]),U1*Q1-E1)),
agreement_rule(agent(2),local(cost(E2)),max(arg([Q2,I]),U2*Q2-E2-V*I)),
agreement_rule(agent(3),local(cost(E3)),max(arg([I]),V*I-E3)),
agreement_rule(agent(4),local(revenue(E4)),max(arg([Q1,Q2]),E4-U1*Q1U2*Q2)),
end_of_model
]).
企業組織のモデル
20
►
►
►
►
►
メカニズムの設計と評価:
複雑性の測度とコミュニケーション努力
●例題のネットワークメカニズムによる達成
m=(Q1、Q2、I、u1、u2、v)とする。g1(P1(m*)、e1)=g1((Q1*、u1*)、e1)=0ならば、Q1*
はu1*・Q1-e1(Q1*)を最大化しており、また逆も正しい。
同様にg4((Q1*、Q2*、u1*、u2*)、e1)=0というのは、Q1*とQ2*の下でe4(Q1*、Q2*)-u
1*・Q1*-u2*・Q2*が最大化されているということと同等である。
●レスポンシビリティ
結果関数hにより、3つの出力変数(Q1、Q2、I)についてそれぞれ実行責任を割り当てる。上例
では、それぞれ4がQ1とQ2について、また3がIについて責任を追うエージェントである。


►
►
►
►
►
●効率性
M*をMの非対角成分からなる行列とする。ネットワークメカニズム<M、g、h>が次元数最小で
ある(dimensionally minimal)というのは、任意の<M'、g'、h'>に対して、dim M'* ≧ dim M*
ということ。
またネットワークメカニズム<M、g、h>が(与えられたメカニズムのクラスにおいて)優越されな
い(undominated)のは、任意の<M'、g'、h'>に対し、あるjについて、dim Pj(M'*)> dim Pj
(M*)、またはすべてのiについて、dim Pi(M'*)= dim Pi(M*)であるということ。
●努力の計測
エージェントの個別の努力は、n次元ベクトル(l1、・・・、ln)で表せると仮定すると、「効率的フロン
ティア上にある」メカニズムは、すべてのiについて、li = dim Pi(M*)である優越されないメカニ
ズム<M、g、h>である。


►
h4(P4(m))=h4(Q1、Q2、u1、u2)=(Q1、Q2);
h3(P3(m))=h4(I、v)=I.
dim M* => 総努力(total effort)、
dim Pi(M*) => 個人努力(individual efforts)
先の例題から明らかであるように、総努力は個人努力の合計を2で割ったものである(dim M*=
Σdim Pi(M*)÷2)。したがってあるクラスで次元数最小であるメカニズムはそのクラスで優越さ
れない。またそれゆえその努力ベクトルは効率的フロンティア上にある。
企業組織のモデル
21
メカニズム評価のPrologプログラム
% no self-addressed messages
%-----------------------------------------------star_messages(M,MX):mechanism(M,X),
O=hear(from:J,to:I,_),
findall(O,
(
member(O,X),
J \= I
),
MX).
%-----------------------------------------------% dimensional complexities of message space
%-----------------------------------------------dimension(M,ihears(I,PM),D):ihears(M,I,PM),
length(PM,D).
dimension(M,(from:J,to:I,Msg),D):mechanism(M,X),
O=hear(from:J,to:I,Msg),
member(O,X),
length(Msg,D).
dimension(M,star(MX),D):star_messages(M,MX),
O=hear(from:_J,to:_I,MSG),
findall(MSG,member(O,MX),MY),
flatten(MY,MZ),
length(MZ,D).
dimension(M,ihears(I,star(PM)),D):ihears(M,I,PM),
star_messages(M,MX),
intersection(PM,MX,PMX),
length(PMX,D).
メッセージ行列の非
対角成分
各エージェントの
メッセージ
各種の次元測度
全努力と個人の努
力
企業組織のモデル
% Pi(M): hear or send by the agent i
%-----------------------------------------------ihears(M,I,PM):part_of_message_that_i_hears(M,I,PM).
part_of_message_that_i_hears(M,I,PM):output_message_for_i(M,I,P1),
mechanism(M,X),
Q=hear(from:J,to:I,_),
findall(Q,
(
member(Q,X),
J\=I
),
P2),
union(P1,P2,PM).
%total effort
%-----------------------------------------------total_effort(M,star(MX),D):dimension(M,star(MX),D).
%individual effort vector (iefforts)
%-----------------------------------------------iefforts(M,Is,DV):individual_effort_vector(M,Is,DV).
individual_effort_vector(M,Is,DV):mechanism(M,_X),
findall(agent(I),agent(I),Is),
findall(D,
(
member(agent(I),Is),
dimension(M,ihears(agent(I),star(_PM)),D)
),
DV).
22
2つの基本命題とレスポンシビリティと関心
%-----------------------------------------------% some claims about minimality and efficiency
%-----------------------------------------------%claim: minimality implies both dominance and
efficiency
%-----------------------------------------------claim(no(1),2*total_effort(D)=sum_of_iefforts(D1),Z):
total_effort(M,star(_MX),D),
iefforts(M,_Is,DV),
sum(DV,D1),
D0 is 2* D,
(D0 is D1->Z=true;Z=false).
claim(no(2),dimensionally_minimal(D)>efficient_iefforts(DV),Z):dimensionally_minimal(M,_Class,D),
(efficient_iefforts(M,_Is,DV)->Z=true;Z=false).
% concern
%-----------------------------------------------has_concern_with(agent(I),output(K,B,J)):valuation(agent(I),_V,Con),
output(K,B,J),
member((K,B),Con).
concern(agent(I),Y):valuation(agent(I),_V,Con),
findall((K,B,J),
(
member((K,B),Con),
output(K,B,J)
),
Y0),
sort(Y0,Y).
2つの基本性質
命題1:メッセージ空
間全体努力は、個
人努力の合計の半
分。
命題2:次元最小性
が効率性を含意。
各エージェントのレ
スポンシビリティ
%responsibility(i.e., output function)
% activities for which the agent is responsible
%-----------------------------------------------is_responsible_for(agent(I),output(K,B)):agent(I),
output(K,B,agent(I)).
responsibility(agent(I),OUT):agent(I),
findall(output(K,B),
(
output(K,B,agent(I))
),
OUT).
エージェントの関心
出力変数ごとの関
しあるエージェント
企業組織のモデル
concerning_agents(X,Js):X=output(K,B,agent(_I)),
X,
findall((J),
(
valuation(agent(J),_V,Con),
member((K,B),Con)
),
Js0),
sort(Js0,Js).
23
次元最小性と効率性のPrologプログラム
%-----------------------------------------------% evaluation measures for network mechanisms:
% minimality, dominance, and efficiency
%------------------------------------------------
% dominance
%-----------------------------------------------undominated(M,Class,Dx):var(Class),
findall(M1,mechanism(M1,_),C0),
subtract(C0,[pm(0)],Class),
iefforts(M,_Is,Dx),
M \= pm(0),
Case1=(
dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D),
dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1),
D1 > D
),
Case2=forall(agent(I),
(
dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D),
dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1),
D1 = D
)
),
forall(
(member(M1,Class), M1 \= M ),
( Case1;Case2 )
).
% minimality of mechanisms
%-----------------------------------------------dimensionally_minimal(M,Class,dim(star(D))):var(Class),
findall(M1,mechanism(M1,_),C0),
subtract(C0,[pm(0)],Class),
%total_effort(M,star(MX),D),
dimension(M,star(_MX),D),
M \= pm(0),
\+ (
member(M1,Class),
dimension(M1,star(_MX1),D1),
D1 < D
).
dimensionally_minimal(M,Class,dim(star(D))):\+ var(Class),
forall(member(A,Class),clause(mechanism(A,_),true)),
%total_effort(M,star(MX),D),
dimension(M,star(_MX),D),
member(M,Class),
\+ (
member(M1,Class),
dimension(M1,star(_MX1),D1),
D1 < D
).
%efficiency
%-----------------------------------------------efficient_iefforts(M,Is,DV):undominated(M,_Class,_D),
iefforts(M,Is,DV).
企業組織のモデル
undominated(M,Class,Dx):\+ var(Class),
length(Class,_),
forall(member(A,Class),clause(mechanism(A,_),true)),
iefforts(M,_Is,Dx),
member(M,Class),
Case1=(
dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D),
dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1),
D1 > D
),
Case2=forall(agent(I),
(
dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D),
dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1),
D1 = D
)
),
forall(
( member(M1,Class), mechanism(M1,_), M1 \= M ),
( Case1;Case2)
).
24
メカニズムの評価実験
以下は筆者の作成したPrologプログ
ラム(network0.pl)による。
右側は最初の例題に類似するメカニ
ズムが、次元最小でなく、また効率的
でもない。
Agent 1:
output:Q1
Cost:e1
価格U2
Agent 4:
Revenue:e4
価格U1
価格U2
数量Q2
Agent 3:
Output:I
Cost:e3
mechanism:m1
数量Q1
hear(from:agent(4), to:agent(1), price_of(_G292, output(1)))
価格V
数量Q2
Agent 2:
Output:Q2
Cost:e2
数量1
hear(from:agent(1), to:agent(4), quantity_of(_G314, output(1)))
mechanism:m2
hear(from:agent(4), to:agent(2), price_of(_G336, output(2)))
hear(from:agent(4), to:agent(1), price_of(_G292, output(1)))
hear(from:agent(2), to:agent(4), quantity_of(_G358, output(2)))
hear(from:agent(1), to:agent(4), quantity_of(_G314, output(1)))
hear(from:agent(3), to:agent(2), quantity_of(_G380, output(3)))
hear(from:agent(4), to:agent(2), price_of(_G336, output(2)))
hear(from:agent(2), to:agent(3), price_of(_G402, output(3)))
hear(from:agent(2), to:agent(4), quantity_of(_G358, output(2)))
agreement_rule(agent(1), local(cost(_G418)), max(arg([_G314]), _G292*_G314_G418))
hear(from:agent(3), to:agent(2), quantity_of(_G380, output(3)))
agreement_rule(agent(2), local(cost(_G445)), max(arg([_G358, _G380]),
_G336*_G358-_G445-_G402*_G380))
hear(from:agent(3), to:agent(1), quantity_of(_G424, output(3)))
agreement_rule(agent(3), local(cost(_G481)), max(arg([_G380]), _G402*_G380_G481))
agreement_rule(agent(1), local(cost(_G462)), max(arg([_G314, _G424]), _G292*_G314-_G462_G446*_G485))
hear(from:agent(2), to:agent(3), price_of(_G402, output(3)))
hear(from:agent(1), to:agent(3), price_of(_G446, output(3)))
agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G508)), max(arg([_G314, _G358]), _G508_G292*_G314-_G336*_G358))
end_of_model
diagnosis for the mechanism:
mechanism =m1
the total effort =6
the individual efforts =[2, 4, 2, 4]
the mechanism is dimensionally minimal.
the mechanism is efficient.
agreement_rule(agent(2), local(cost(_G498)), max(arg([_G358, _G380]), _G336*_G358-_G498_G402*_G485))
agreement_rule(agent(3), local(cost(_G534)), max(arg([_G424, _G380]), (_G446+_G402)*
(_G424+_G380)-_G534))
agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G570)), max(arg([_G314, _G358]), _G570-_G292*_G314_G336*_G358))
end_of_model
diagnosis for the mechanism:
mechanism =m2
the total effort =8
the individual efforts =[4, 4, 4, 4]
the mechanism is NOT dimensionally minimal.
the mechanism is NOT efficient.
企業組織のモデル
25
調整者つき価格メカニズム
►
►
►
►
►
Marschak and Reichelsteinの価格メカニズムは次のような
ネットワークメカニズムである。
Z(A)-調整者の各出力変数Z(A)に関心のあるエージェント、
つまりZ(A)を自分の評価関数の引数にもつエージェントの一
人を選出する。
Z(A)-調整者は、同じ変数の関心を共有する他のすべての
エージェントに、それぞれ限界価格を送信する。またそれとと
もに彼らからそれぞれ計画数量を聴取する。
各自の関心事の集合A[I]とすると、スムースなメカニズムで
は個人コミュニケーション努力の下界(命題2)が知られる。
dimP*[I](M*)=2abs(A[I])
上記の価格メカニズムはこれを実現する。
企業組織のモデル
26
調整者つき価格メカニズムのメタモデル
► 調整者つき価格メカニ
ズムのメタモデルを次
のように作成した。
► またプログラム
network0.plでは、こ
れをエージェントの
ローカル環境モデルに
対して適用する。その
結果、次元最小かつ
効率的なメカニズムが
生成される。
% a meta model: price mechanism with z(a)-coordinator
%-----------------------------------------------metamodel(mechanism(pm(N),[
%------------message space for network communication -----------(
hear(from:agent(J),to:agent(I),price_of(_U,X)):coordinator(pm(N),J,C),
C=coordinator(agent(J),X,concerning_agents(Ta)),
member(I,Ta),
I \= J
),
(
hear(from:agent(I),to:agent(J),quantity_of(_Q,X)):coordinator(pm(N),J,C),
C=coordinator(agent(J),X,concerning_agents(Ta)),
member(I,Ta),
I \= J
),
%------------agreement rules-----------(
agreement_rule(agent(J),local(VAL),max(arg(ARG),Z+sum(R)-sum(C))):agent(J),
valuation(agent(J),VAL,_Concerns),
member((VAL,Z),[(cost(E),-VAL),(revenue(E),VAL)]),
findall(A,
(
hear(from:agent(J),to:agent(I),A)
),
ARG),
findall((p(U)*q(Q),to(I),X),
(
hear(from:agent(J),to:agent(I),quantity_of(Q,X)),
hear(from:agent(I),to:agent(J),price_of(U,X))
),
C),
findall((p(U)*q(Q),to(I),X),
(
hear(from:agent(I),to:agent(J),quantity_of(Q,X)),
hear(from:agent(J),to:agent(I),price_of(U,X))
),
R)
),
end_of_model
])).
企業組織のモデル
27
Prologによる調整者と価格メカニズムの自動設計
►
同じくnetwork0.plを用いてMarschak and Reichelsteinの価
格メカニズムを部分的に模擬生成実験し評価した。
mechanism:pm(2)
mechanism:pm(1)
hear(from:agent(3), to:agent(2), price_of(_G294, output(3)))
hear(from:agent(2), to:agent(3), price_of(_G294, output(3)))
hear(from:agent(2), to:agent(4), price_of(_G316, output(2)))
hear(from:agent(2), to:agent(4), price_of(_G316, output(2)))
hear(from:agent(1), to:agent(4), price_of(_G338, output(1)))
hear(from:agent(1), to:agent(4), price_of(_G338, output(1)))
hear(from:agent(2), to:agent(3), quantity_of(_G360, output(3)))
hear(from:agent(3), to:agent(2), quantity_of(_G360, output(3)))
hear(from:agent(4), to:agent(2), quantity_of(_G382, output(2)))
hear(from:agent(4), to:agent(2), quantity_of(_G382, output(2)))
hear(from:agent(4), to:agent(1), quantity_of(_G404, output(1)))
hear(from:agent(4), to:agent(1), quantity_of(_G404, output(1)))
agreement_rule(agent(1), local(cost(_G420)), max(arg([price_of(_G430, output(1))]), cost(_G420)+sum([ (p(_G456)*q(_G458), to(4), output(1))])-sum([])))
agreement_rule(agent(2), local(cost(_G480)), max(arg([price_of(_G490, output(3)),
price_of(_G498, output(2))]), -cost(_G480)+sum([ (p(_G524)*q(_G526), to(3), output(3)),
(p(_G544)*q(_G546), to(4), output(2))])-sum([])))
agreement_rule(agent(3), local(cost(_G568)), max(arg([quantity_of(_G578, output(3))]),
-cost(_G568)+sum([])-sum([ (p(_G606)*q(_G608), to(2), output(3))])))
agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G628)), max(arg([quantity_of(_G638,
output(2)), quantity_of(_G646, output(1))]), revenue(_G628)+sum([])sum([ (p(_G672)*q(_G674), to(2), output(2)), (p(_G692)*q(_G694), to(1), output(1))])))
coordinators(mechanism(pm(1))):[2, 2, 1]
agreement_rule(agent(1), local(cost(_G420)), max(arg([price_of(_G430, output(1))]), cost(_G420)+sum([ (p(_G456)*q(_G458), to(4), output(1))])-sum([])))
agreement_rule(agent(2), local(cost(_G480)), max(arg([price_of(_G490, output(2)),
quantity_of(_G498, output(3))]), -cost(_G480)+sum([ (p(_G524)*q(_G526), to(4), output(2))])sum([ (p(_G546)*q(_G548), to(3), output(3))])))
agreement_rule(agent(3), local(cost(_G568)), max(arg([price_of(_G578, output(3))]), cost(_G568)+sum([ (p(_G604)*q(_G606), to(2), output(3))])-sum([])))
agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G628)), max(arg([quantity_of(_G638, output(2)),
quantity_of(_G646, output(1))]), revenue(_G628)+sum([])-sum([ (p(_G672)*q(_G674), to(2),
output(2)), (p(_G692)*q(_G694), to(1), output(1))])))
coordinators(mechanism(pm(2))):[3, 2, 1]
coordinator(agent(3), output(3), concerning_agents([2, 3]))
coordinator(agent(2), output(3), concerning_agents([2, 3]))
coordinator(agent(2), output(2), concerning_agents([2, 4]))
coordinator(agent(2), output(2), concerning_agents([2, 4]))
coordinator(agent(1), output(1), concerning_agents([1, 4]))
coordinator(agent(1), output(1), concerning_agents([1, 4]))
diagnosis for the mechanism:
diagnosis for the mechanism:
mechanism =pm(2)
mechanism =pm(1)
the total effort =6
the total effort =6
the individual efforts =[2, 4, 2, 4]
the individual efforts =[2, 4, 2, 4]
the mechanism is dimensionally minimal.
the mechanism is efficient.
the mechanism is dimensionally minimal.
the mechanism is efficient.
企業組織のモデル
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文献
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この分野についての専門家による解説書として以下のものが参考になった:
企業組織のモデル
伊藤秀史(編), 『日本の企業システム:市場と企業』 東大出版.(とくに第4章と第5章)
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