ライフイベント消費の新たな可能性に向けて
~結婚消費における新たな提案~
菅野ゼミ
1
曾我・佐藤・清水・岩本 班
本研究の流れ
・はじめに
・問題意識と研究目的
・先行研究
・調査
・調査結果
・検証結果
・提案
2
はじめに
3
4
披露宴
家具
指輪
結婚だけでもこれほどの消費がある
新居
結婚式
新婚旅行
5
ライフイベントと消費
ライフイベントとは(Holmes and Masuda 1974)
・人生上の出来事のこと
ライフイベントにおいてなされる消費は、
・個人の人生のパターンの指標、あるいは人生パターンにおけ
日常的な消費と異なる特別な消費、す
る有意味な変化を規定するもの
なわち、アイデンティティに結びついたも
のである(菅野 2008)
代表的なライフイベント(Wheaton 1990; Brammer
1991; George 1993)
・受験、進学、卒業、就職、昇進、転職、退職、失業、結婚、出産、引っ
越し、離婚、病気、家族の死、子供の自立など
6
ライフイベントの心理
ライフイベントでは、何かしらの生活パターンや人
生パターンの変更や、個人の役割が変化する役割
移行が伴う
ライフイベントにはストレスが伴う
人々は、ライフイベントの際に、生活パターンや役
割変更に伴い、ストレスを感じる
ウィリアム・ブリッジズ(1980)
7
ライフイベントとストレス
社会的再適応評定尺度
Holmes&Rahe(1997)
生活上のあらゆる出来事がストレスの原因となると考え、
どのようなイベントがストレッサーとなるのかを調査し、ま
とめたもの。
8
ライフイベントとストレス
再適応得点
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
9
ライフイベント
配偶者の死
離婚
親密な家族の死
夫婦の別居
失業、解雇
自分自身の重大な障害や病気
刑務所収容
親友の死
妊娠
重大な仕事での再適応(組織替えなどの大きな変化)
抵当権や貸付金の請戻し権の喪失
配偶者との和解
家族の増加
家族の健康や行動の変化
財務状況の変化
仕事からの引退
仕事のやり方が変化(転勤・配置転換)
配偶者との口論頻度の変化
結婚
配偶者が仕事をはじめた/やめた
Miller and
Rahe(1997)
この調査で興味深いのは
一般的に喜ばしいライフイ
ベントにおいてもストレス
が伴うということ
119
98
92
79
79
77
75
70
66
62
61
57
57
56
56
54
51
51
50
46
※Miller and Rahe(1997)及びHolmes and Rahe(1967)を元に作成(訳については
東[2004]及び都築[2001]を参照)。なお、20位以下は省略。
結婚においての節目選択の際に生まれるストレス
 10岡本・松下美知子「新・女性の為のライフサイクル心理学」、2002
13項
女性のライフイベント選択の変化
・ライフイベント自体の選択
・ライフイベントの時期の選択
・今までになかったライフイベント選択の出現
これらの選択は、女性の心理状態にストレス
を伴い多大な影響を与えるともいえる
11
女性と結婚
女性はライフイベント選択の中でストレスを伴うことが多い
家族の増加、妊娠などはすべて結婚を通して始まる
女性の結婚選択時のストレスに着目
12
マリッジブルー
マリッジブルーとは結婚という大きな節目を前に、不安や
迷い、焦りで気持が落ち着かないこと
マリッジブルーの原因は? (n=284)
60
マリッジブルーを経験したことが
あるか (n=362)
50
40
30
約8割がマリッジブルーを
経験
20
22%
10
0
はい
いいえ
78%
13
http://wedding.yahoo.co.jp/manual/honne/37.html
マリッジブルーの症状
ス
ト
レ
ス
精神的なものから肉体的なものまで様々
常にイライラする、不安に襲われる、過食、病気、円形脱毛症
なんとかしなくては!
パートナーとの喧嘩から婚約解消に至る場合もある
14
問題意識と
研究目的
15
問題意識
結婚には既に多くの消費があるが、
結婚時のストレスを緩和するための消費
も提案できるのではないか
16
研究目的
マリッジブルーを緩和する
サービス提案による
結婚消費の活性化!
17
先行研究
18
先行研究
・トランジションモデル
ウィリアム・ブリッジズ(1980)
金井(2002)
・ストレスコーピング
尾関(1993)
19
先行研究①
トランジション (移行期、転換期)
トランジションは、通常、移り変わり、移行、過渡
期、変わり目などと訳されるが、人生の「節目」
とも言える。
金井(2002)
20
先行研究①
トランジション・モデル
独身時代の終わり
終焉
マリッジブルー
中立圏
開始
結婚生活の始まり
21
何かが終わる時期
混乱や苦悩の時期
=アイデンティティの見つめ直し
新しい始まりの時期
ブリッジズ(1980)
先行研究②(ストレスコーピング)
ストレスコーピングとは
ストレス状況下において、ストレスを低減させる目的で行
われた行動。
Folkman&Lazarus(1980)
23
先行研究②(ストレスコーピング)
・問題焦点型対処
ストレスフルな問題や事態を直接変化させることによってストレスを減らそ
うというもの。
・情緒焦点型対処
自分の感情をコントロールすることでストレスに対処しようとする行動。
・回避・逃避型対処
不快な出来事から逃避したり否定的に解釈するなどの行動。
尾関(1993)
24
調査課題①


女性たちは、結婚に際して、どんなストレスを感じている
のか
どんな女性が、結婚に際して、ストレスを多く感じている
のか



25
仮説1:結婚願望が低いほど、ストレスが高い
仮説2:希望結婚年齢が高い人ほど、ストレスが高い
仮説3:結婚に理想がある人ほど、ストレスが高い
調査課題②

女性たちは結婚のストレスをどのように解消している
のだろうか


26
仮説4:結婚のストレス対応として、情緒焦点型もしくは回避
逃避型対処を取りやすい
仮説5:結婚のストレスが高い人ほど、情緒焦点型対処を取り
やすい
調査
27
調査概要
・調査目的
女性の結婚への不安とその対処法を明らか
にする。
・調査対象者
駒澤大学学生 女性35名
・調査方法
質問紙調査
・調査期間
2010年11月17日~22日
28
調査項目
1.あなたはいずれ結婚したいと
思いますか?
結婚したい(5・・4・・3・・2・・1)
全く結婚したくない
2.あなたは何歳ころに結婚した
いと思っていますか。
(
)才
3.結婚式を挙げたいと思います
か。
必ずしたい(5・・4・・3・・2・・1)
全くしたくない
29
4.結婚についてのイメージをお
答え下さい。
{※全くそう思わない[1] あまりそ
う思わない[2] そう思う[3] とて
もそう思う[4]}
楽しみである
不安である
喜ばしい
理想がある
5.将来、子供は欲しいですか?
(はい・わからない・いいえ)
6.あなたは結婚をする決意をし
たとします。その時あなたはど
んなことに最も喜びを感じると
思いますか。(自由回答)
7.あなたは結婚をする決意をしたとします。その時あなたはどんなことに最も不安を
感じると思いますか
{※全くそう思わない[1] あまりそう思わない[2] そう思う[3] とてもそう思う[4]
生活が変わってしまうのではないか不安
環境が変わってしまうのではないか不安
自分の時間がなくなるのではないか不安
友達と会ったりできなくなるのではないか不安
自分自身の不安
自由に使えるお金がなくなるのではないか不安
→ストレス1
結婚相手が見つかるかどうか不安
仕事を続けられるか不安
親と離れるのが不安
結婚相手とうまくやっていけそうか不安
結婚相手の親や親戚とうまくやれるか不安
経済的に不安
子育てがきちんとできるか不安
家事をこなせるか不安
近所付き合いができるか不安
子供ができるか不安
30
将来の家庭の不安
→ストレス2
8.あなたがもし、結婚を決意したときに不安を感じた場合、あなたはどのようにその
不安に対処すると思いますか。
{※全くしない[0] たまにする[1] 時々する[2] いつもする[3]}
現在の状況を変えるように努力する
人に問題解決に協力してくれるように頼む
問題の原因を見つけようとする
自分のおかれた状況を人に聞いてもらう
情報を集める
自分で自分を励ます
物事の明るい面を見ようとする
今の経験はためになるとおもうことにする
先のことをあまり考えないようにする
なるようになれと思う
時の過ぎるのに任せる
大した問題ではないと考える
何らかの対応ができるようになるのを待つ
こんなこともあると思ってあきらめる
31
問題焦点型対処
情緒焦点型対処
回避・逃避型対処
尺度については尾関(1993)より引用
調査結果
32
結婚願望
結婚欲
どちらでもない
9%
あてはまる
14%
よくあてはまる
77%
約90%が結婚願望あり
33
希望結婚年齢
年齢
20
18
16
14
12
20代後半に多い傾向にある
10
8
6
4
2
0
22
34
24
25
26
27
28
29
30
年齢
結婚式願望
結婚式
60
50
40
結婚式
30
20
10
0
85%が結婚式願望あり
どちらでもない
35
あてはまる
良くあてはまる
結婚のイメージ
50
45
40
35
77%
80%
57%
74%
全くそう思わない
あまりそう思わない
そう思う
とてもそう思う
30
25
20
15
10
5
0
喜ばしい
36
楽しみ
不安である 理想がある
将来子供が欲しいか
子供欲
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
子供欲
約86%が将来子供が欲しいと回答
そう思う
37
どちらでもない
結婚を決意したとき、どんなことにもっとも喜びを感じ
ると思いますか
・好きな人と一緒にいられる
・家族ができる
・旦那がいる安心感を持てる
・結婚式を挙げることができる
・子供を産んで、育てることができる
・簡単に別れることができない
・誰かのためにご飯を作ることができる
・生活が安定する
・幸せな家庭を築ける
・お互いのために頑張ることができる
・相手がそれだけ自分を好きでいてくれること
・老後が1人じゃないこと
38
結婚時のストレス
ストレス1
4
ストレス2
3
2
1
0
平均値
生
活
変
化
環
境
変
化
自
分
の
時
間
の
消
失
友
人
関
係
自
分
の
金
銭
面
相
手
が
見
つ
か
る
か
仕
事
の
継
続
親
離
れ
相
手
と
の
生
活
相
手
の
親
と
の
関
係
経
済
的
子
育
て
家
事
近
所
づ
き
あ
い
子
供
が
で
き
る
か
(※尺度については、最大値(良くあてはまる)が5、最小値(全くあてはまらない)が1)
39
ストレスへの対処行動
情緒焦点型対
処
問題焦点型対
処
回避・逃避型
対処
2.5
2
1.5
1
0.5
0
平均値
努
力
他
人
に
頼
る
原
因
を
見
つ
け
る
人
に
話
す
情
報
励
ま
す
明
る
く
す
る
た
め
に
な
る
と
思
う
考
え
な
い
な
る
よ
う
に
な
れ
時
間
に
任
せ
る
簡
単
に
考
え
る
対
応
を
待
つ
諦
め
る
(※尺度については、最大値(良くあてはまる)が3、最小値(全くあてはまらない)が0)
40
検証結果
41
仮説1 検証結果
仮説1:結婚願望が低いほど、ストレスが高い
自分自身の不安
将来の家庭の不安
ストレス1,2共に有意確率が10%水準で有意
ではないので
棄却
42
仮説2 検証結果
仮説2:希望結婚年齢が高い人ほど、ストレスが高い
ストレス1は、有意確率が10%水準で有意となった
ストレス2は、有意確率が10%水準
で有意ではないので
43
支持
棄却
仮説3 検証結果
仮説3:結婚に理想がある人ほど、ストレスが高い
ストレス1,2共に有意確率が10%水準で有意
ではないので
棄却
44
仮説4 検証結果
仮説4:結婚のストレス対応として、情緒焦点型対
処、もしくは回避逃避型対処をとりやすい
1.95
1.9
1.85
平均
1.8
1.75
平均値
1.7
1.65
支持
1.6
1.55
45
1.5
問題焦点型
情緒焦点型
回避逃避型
仮説5 検証結果
仮説5:結婚のストレスが高い人ほど、
情緒焦点型対処を取りやすい
ストレス1は、有意確率が10%水準で
有意となった
ストレス2は、有意確率が10%水準
で有意ではないので
46
支持
棄却
仮説検証 まとめ
・希望結婚年齢が高い人ほど、自分自身への不安に
対するストレスが高い(仮説2より)
・結婚のストレス対応として、情緒焦点型対処、もしく
は回避逃避型対処をとりやすい(仮説4より)
・結婚のストレスが高い人ほど、自分自身への不安に
対するストレス対処として、情緒焦点型対処をとりや
すい(仮説5より)
47
提案
48
提案~自分自身の不安解消に向けて~
・恋人同士としての最後の旅行
~結婚式前にプチハネムーン~
49
提案~将来の不安解消に向けて~
・コミュニケーションの場の提供
~親子で料理教室~
50
本研究の反省と限界
・調査対象者が少なく、大学生に限ってしまった。そのた
め、サンプル数を増やし研究の正確性を高める必要が
ある。
・質問紙調査では、不安の選択肢が限られていたため、デ
プスインタビュー調査を用いて、潜在的な不安を調査で
きればより効果的なストレス緩和の提案ができたであろ
う。
51
参考文献
・青木幸弘+女性のライフコース研究会[2008]『ライフコースマーケ
ティング』 日本経済新聞社
・松田久幸・田山淳・西浦和樹・木村拓也[2010]『項目反応理論を取
り入れた簡易版ストレスマーピング尺度作成の試み』 宮城学院女
子大学発達科学研究
・内田加奈子・山崎勝之[2008]大学生の感情表出によるストレスコー
ピングが抑うつに及ぼす影響の予測的研究』 日本パーソナリティ
心理学会
・山口裕幸・金井篤子[2007]『産業・心理学』 ミネルヴァ書房
・金井壽宏[キャリアトランジション論の展開』 神戸大学経済経営学
会 第184巻第6号
・笠原俊雄[1997]『懲りない・困らない症候群』 春秋社
・ゼクシィnet
http://wedding.yahoo.co.jp/manual/honne/37.html
http://zexy.net/s/
52
ご清聴ありがとうございました
53
先行研究①(トランジション・モデル)
中立圏(neutral zone)
・自己の内面世界に向き合う段階
・次の段階を迎えるために必要なプロセス
ウィリアム・ブリッジズ(1980)
54
先行研究①(トランジション・モデル)
開始(making a beginning)
終焉と中立圏を通して実現される、「内面の再統合」に
よって始まる。
ウィリアム・ブリッジズ(1980)
55
先行研究①(トランジション・モデル)
終焉(ending)
・離脱
・アイデンティティの喪失
・幻滅
・方向感覚の喪失
ウィリアム・ブリッジズ(1980)
56
仮説4の検証結果
・問題焦点型
合計 293
8, 371428571
1.674285714
・情緒焦点型
合計 202
5,771428571
1.923809523
・回避逃避型
合計 358
10,22857142
1.704761903
57
(35で割ったもの)
(5で割ったもの→平均)
(35で割ったもの)
(3で割ったもの→平均)
(35で割ったもの)
(6で割ったもの→平均)
ライフイベントとストレス
生活上のあらゆる出来事
心理的ストレス刺激
ストレッ
サー
ストレス
の原因
LCU
ストレス強度
社会的再適応評定尺度
58
Holmes&Rahe(1997)
女性の選択の多様化
・
ライフイベント自体の選択(そもそも結婚、出産するのか?)
・いつそのライフイベントを選択するのか(いつ結婚、出産するのか?
・今まではあまり見られなかったライフイベントの選択(大学院に行く、
転職、離婚、再婚・・・)
結婚後、仕事を続けるのか
・妊娠、出産、介護などで仕事を辞める
・子供の就学を機に復職する
・転職や昇進を機に出産を諦める
これらの選択は、女性の心理状態にストレスを伴い多大な影響を与
えるともいえる。
59
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発表資料