良性腎硬化症
Benign hypertension及び中等度の腎虚血に伴う腎病変。
・ 腎血管系の狭小化、特に細動脈(arteriole)の狭小化を認める。
糸球体は基底膜の肥厚と皺(wrinkling)を伴い様々な程度の
虚脱を認める(図1)。
・ 進行した段階では、虚脱した係蹄壁をボウマン嚢の線維性物
質が取り巻く(図3)。
・ 細動脈の硝子化や内膜肥厚・線維化も常に認められる所見で
ある(図5)。
図1 糸球体基底膜の肥厚とwrinkling(PAS)
図2 糸球体基底膜のwrinkling(EM)
基底膜の
wrinkling
図3 ボウマン嚢内の線維性物質
ボウマン嚢内
の線維性物質
虚脱した
係蹄壁
図4 ボウマン嚢内の線維性物質(EM)
US(Urinary space)を満たしている物質の拡大で膠原繊維からなっていることが
分かる。BBMはボウマン嚢の基底膜。
図5 小動脈の硝子化(PAS)
PASで赤紫色
に強陽性を示す
硝子様沈着物が
内皮から進展し
て中膜の筋細胞
を圧迫している
図6 蛍光抗体法(C3)
解説
• 良性腎硬化症は、人口の高齢化に伴い増加していると思われる。
これのみで腎生検されることはまれであるが、原発性糸球体疾患
に腎硬化症の病変を伴うことは多い。
• この様な合併例では、糸球体病変が非特異的であると光顕のみ
では診断をあやまることがあり注意が必要である。
• 蛍光抗体法では、IgMやC3が小動脈の硝子化沈着物に一致して
陽性を示す。特にC3は免疫グロブリンを伴わず単独に陽性所見
を示すがこれはEntrapmentと考えられている。
用語
• 硝子化(Hyalinosis)
光顕で細胞成分を含まない無構造物質。糖蛋白及び時々脂肪を含む病変。
エオジン好性でPAS強陽性。Trichrome染色で赤色、PAM陰性。
• 硬化(Sclerosis)
メサンギウム基質の増加し形成された線維性物質あるいは基底膜が虚脱・
凝縮してできた病変。エオジン好性でPAS陽性。 Trichrome染色で緑~青
色、PAM陽性。
• 線維化(Fibrosis)
膠原繊維を含んだ病変。硬化病変との鑑別が必要。 Trichrome染色で青色
に染色され。PASやPAMで陰性。
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