平成25年度地球シミュレータ利用報告会(2014/01/27)
木星型惑星大気の縞状構造の
成因の研究
竹広 真一・佐々木 洋平・石岡 圭一
(京都大学)
2014年1月27日 平成25年度地球シミュレータ利用報告会
木星, 土星の表層の帯状流
• 赤道域: 幅の広い西風(赤道加速)
• 中高緯度: 縞状パターンに対応した
幅の狭い東西流
1/9
「浅い」モデルと「深い」モデル
• 「浅い」モデル
– 回転球面上の二次元乱流
– 回転球面多層モデル
• 結果: 中高緯度の縞状構造
• 問題: 赤道加速ジェットの再現
• 「深い」モデル
– 回転球殻対流
• 結果: 自転が速い→赤道加速
• 問題: 中高緯度の縞状構造の再現
「薄い」回転球殻対流計算
• Heimpel & Aurnou (2007)
– 「薄い」球殻対流計算(1/8セクター計算)
(解像度:192x768x65点)
– 高レイリー数, 低エクマン数
(Ek=3x10‐6, Pr=0.1, Ra*=0.05)
– 赤道付近: 赤道加速流
• レイノルズ応力による
運動量輸送
– 中高緯度: 縞状パターン
• 地形性β面上の
二次元乱流的様相
2/9
研究目的
• 薄い回転球殻対流の全球高解像度計算
– 微細規模の対流や乱流の構造を解像し木星型惑星大気に見られる
表面流の大規模構造の力学的成因を解明することを目指す
• 全球計算
– 制限された領域が流れに影響を与えているかもしれない
• 2 次元乱流の逆カスケードが十分に働かない?
• 帯状流が不安定となるかもしれない?
• なるべく長く時間積分
– 縞状構造は本当に形成されるのか?
• ラインズスケールを超えて逆カスケード
してしまうかもしれない
• なるべくなら超粘性を使わずに
– 超粘性: 小規模な対流を抑制・制御
⇒乱流過程のエネルギー輸送形態を
変えてしまっている可能性
(Obuse et al. 2010)
モデル
• 回転球殻中のブシネスク流体の方程式
• 球殻の厚さ, 自転角速度, 球殻上下端の温度差で
スケーリング
– 無次元パラメター
3/9
数値計算法
• 空間:スペクトル法
– 水平:球面調和関数展開
– 動径:チェビシェフ多項式展開
• 時間積分
– 拡散項:Crank‐Nicolson 法
– その他:2次の Adams‐Bashforth 法
• ISPACK + SPMODEL ライブラリ
– 数式を書くがごとくプログラムができる
(http://www.gfd‐dennou.org/arch/ispack/)
(http://www.gfd‐dennou.org/arch/spmodel/)
チューニング
• 高いベクトル化率: SNPACK/ISPACK の利点
• 並列化率をあげるべく, – OpenMP 並列化および MPI 並列化を主にスペク
トル変換ルーチンに適用
– 利用ノード数の限定解除 24 ノードまで
4/9
計算性能
• 経度・緯度・動径=2048x1024x96 (T683L64)
– 使用ノード数 : 24 node
– ベクトル化率 : 99.260 %
– 並列化率
: 99.4968 %
– CPU 時間
: 400 step /1 hour
実験設定
• 境界条件: 応力無し条件, 温度固定
• パラメター設定
パラメター
実験その1
実験その2
HA2007
プランドル数
0.1
0.1
0.1
内外半径比
0.75
0.85
0.85, 0.9
エクマン数
10‐4
3x10‐6
3x10‐6
修正レイリー数
0.05
0.05
0.05
解像度
512x256x64 1024x512x64
192x768x65
超粘性
l0=85,ε=0.01
• 超粘性
5/9
l0=21,ε=0.01
?
実験1
• t=25000 でのスナップショット
外側境界帯状流
赤道面渦度軸成分
平均帯状流
実験1
• 縞状構造弱い
– 緯度50度付近の小ジェット
• 小スケール対流によるロスビー波の射出?
外側境界平均帯状流
球殻中層速度動径成分
6/9
実験1
• まだ平均帯状流発展途中
– トロイダルエネルギー増加
トロイダル
ポロイダル
外側境界平均帯状流の時間発展
運動エネルギー時間変化
実験2
• t=3000 でのスナップショット
外側境界帯状流
赤道面渦度軸成分
7/9
平均帯状流
実験2
• 縞状構造弱い
– 緯度50度付近の小ジェット
• 小スケール対流によるロスビー波の射出?
外側境界平均帯状流
球殻中層速度動径成分
まとめと今後の課題
• 回転球殻対流モデルのチューニングを行った
• 高解像度全球殻計算を実行中
– まだ時間積分計算が短い
– なんとなく縞状構造ができつつある?
• 超粘性を弱くする/導入しない計算を試みる
8/9
参考文献
• Heimpel, M., Aurnou, J., 2007: Turbulent convection in rapidly rotating spherical shells: A model for equatorial and high latitude jets on Jupiter and Saturn. Icarus, 187, 540‐‐557.
• Obuse, K., Takehiro, S., Yamada, M., 2010: Long‐time asymptotic states of forced two‐dimensional barotropic incompressible flows on a rotating sphere. Phys. Fluids,22, 056601
• 石岡圭一, 2013: ispack-1.0.2, http://www.gfddennou.org/arch/ispack/, 地球流体電脳倶楽部.
• 竹広 真一, 佐々木 洋平, 森川 靖大, 石岡 圭一, 小高 正嗣, 高橋
芳幸, 西澤 誠也, 中島 健介, 石渡 正樹, 林 祥介, spmodel 開発グ
ループ, 2011: 階層的地球流体力学スペクトルモデル集
(SPMODEL), http://www.gfd-dennou.org/library/spmodel/, 地球
流体電脳倶楽部.
9/9
ダウンロード

発表資料