電磁場解析アプリケーションの
現状と今後
株式会社フォトン
池田文昭
1.はじめに
電磁場を利用した工業製品は無数にある
電磁場と一言でいっても広い分野
静電場、磁場
低周波電場、磁場
高周波電磁場
光
電磁場解析の手法も数多く存在する
2.歴史
コンピュータによる磁界解析が本格化したの
はおよそ30年前
当時は有限要素法による2次元解析が主
手法も差分法や磁気モーメント法などが使わ
れていた
コンピュータ環境
1980年代初頭
IBM3081、
3081、HITAC8690など
8690など
3081、
主記憶 数MB
速度
数MIPS
(Million Instructions Per Second )
TSO(
(Time Sharing Option )で数百人が利用
1ユーザー当り通常128KB
1ユーザー当り通常128
当時の解析例
外鉄形変圧器
節点数 715
要素数 480
計算時間 30秒
連立方程式の解法
直接法(スカイライン法)
主記憶にすべて格納 数百KB必要
数百 必要
外部ディスクを使った解法
数行分を主記憶に読み込む
問題の大規模化
1980年代後半
要素数が数千から数万へ
渦電流を含んだ動的な解析
スーパーコンピュータによる計算
1万要素程度
15分から20分
非線形計算 数時間
節点要素法から辺要素法
節点要素法
節点に未知数
辺要素法
辺にベクトル量の射影成分
辺要素法の利点
連立方程式の解法ICCG法と相性が良い
スパース行列 : 大規模問題
ゲージ条件
: 計算速度
境界条件が電界と同じ
1990年ごろ急速に普及
電磁力の問題
電流に働く力はローレンツ力
磁性体に働く電磁力
マックスウェルの応力は磁性体全体
磁性体の部分に働く力は?
電磁力の問題
現実の磁性体内部には磁歪などがありマク
ロな電磁力だけでは不十分
ミクロな現象をマクロに見る方法として熱力学
がある
磁性体の自由エネルギーが重要
3.電磁場解析
対象とする分野
静電場、静磁場
電荷の移動を伴う電場
渦電流を考慮した磁場
高周波電磁場
解析手法
差分法
有限要素法
磁気モーメント法
境界要素法
FDTD法
併用法
その他
解析例
有限要素法
FDTD法
② 八木ー宇田アンテナ
対称境界
電磁波入力面
E y = E0 sin ω t
ボクセル数:8,640,000
タイムステップ数:300
周波数:1.5GHz
1000mm
400mm
対称境界
100mm
対称境界
電界強度アニメーション
磁気モーメント法
境界要素法
V1
L1
G5
83.23
78.03
72.83
67.63
62.42
57.22
52.02
46.82
41.62
36.42
31.22
26.01
20.81
15.61
Y
筐体
Z
X
Output Set: Frequency = 1.0000D+08
Contour: Currnt dencity (REAL)
V1
L1
アンテナ
10.41
5.208
0.00617
179.9
168.6
157.4
146.1
134.9
123.6
112.4
101.2
89.93
78.69
67.45
56.2
44.96
Y
33.72
22.48
Z
X
Output Set: Frequency = 1.0000D+08
Contour: Electric field (REAL)
11.24
0.
磁界解析の問題点
真空の要素分割が必要である
メッシュ分割の労力
物体どうしの相対運動
相対運動の考慮
スライドインターフェイス
物体移動に伴い空間メッシュを変更する
解析解との連成
4.今後
電磁場解析は顕在化したニーズに対しては
十分に応える能力がある
今後はさらに現実的なシミュレーションを行う
ため大規模な計算が要求される
応力や流体などとの連成が必要となる
顕在化しているニーズは汎用ソフトで扱える
電磁場の分野では顕在化していないニーズ
がまだまだある
個別対応をしている例
近接場効果、プラズモン励起
超伝導モデル
メタマテリアル、新素材
プラズマ
ソフトウェア開発について
CAEソフトの開発は少人数であり担当者が
限定される
他人の担当しているコードが解読困難
構造化プログラムやオブジェクト指向はかな
り前から確立されている
開発者の多くが保守作業に時間を費やして
いる
開発者が新しい問題解決に時間を取れるよう
にする
開発者の視野が広まる
多くの潜在ニーズを顕在化できる
5.おわりに
私が見た磁場解析の歴史をふりかえった
電磁場解析の現状を述べた
電磁場解析の潜在ニーズが多くあると考えられるの
でこの掘り起しが必要である
開発者とユーザーとのコミニュケーションが不可欠
である
新しい問題に取り組むため開発効率を高め
る必要がある
そのためにソフトウェアの構造を単純にし、共
通化した技術を確立する必要がある
コンピュータの性能と両立するためにはハー
ドウェア技術者との連携も必要である
磁場解析を含めたCAEの必要性は今後飛躍
的に増大することを期待する
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電磁場解析アプリケーションの現状と今後