2012/6/19
医療機関の置かれた環境と
医療事業改善の視点
~データで分かる病院経営の実学~
子どもたちに胸の張れる健全な社会を目指して、
医療・福祉・介護などの対人ケア事業を通じた「人」と「仕組み」を考える。
代表
北川
博一
http://humancare-sys.jp/
本日のテーマ
1
成長する医療市場と改善を阻むもの
2
医療機関の経営状況
3
医療事業の産業特性と改善の着眼点
1
2012/6/19
成長する医療市場と改善を阻むもの
1 成長する医療介護市場
各市場規模の推移
2008年度の市場規模
50
8.1
コンビニエンスストア
40
20.7
百貨店・スーパー
0.6
地域密着型
30
20
在宅介護
3.3
施設介護
2.8
5.4
調剤薬局
10
0
2.6
歯科
診療所(医科)
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
国民医療費
介護費
医療+介護
飲食料品
自動車
建設工事受注
8.5
18.3
病院
0
5
10
15
20
25
兆円
2
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2 支える力の低下
消費税と社会保障
~2010 決算 ~2011 予算
制度別加入者数推移(万人)
35
10,000
30
8,000
25
6,000
20
15
4,000
10
2,000
5
0
0
90 92 94 96 98 00 02 04 06 08
被用者保険
国保
後期高齢者
消費税
社会保障
年金・医療・介護
3 医療機関は淘汰の時代(病院)
病院数の対前年増減
1990
1995
2000
2005
2010
200
150
100
50
0
-50
-100
-150
-200
-250
増加
減少
増減
3
2012/6/19
(診療所)
診療所数の前年増減
1990
1995
2000
人口10万対診療所数
2005
2010
6,000
沖縄
宮崎 鹿…
100.0
大分
熊本
80.0
長崎
佐賀
60.0
福岡
高知
40.0
愛媛
20.0
香川
0.0
徳島
山口
広島
岡山
島根
鳥取
和…
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
4,000
2,000
0
(2,000)
(4,000)
(6,000)
増加
減少
全国
三重
北…
青森
岩手
宮城
秋田
山形
福島
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神…
新潟
富山
石川
福井
山梨
長野
岐阜
静岡
愛知
増減
2010
2000
4 専門性を高める病院
実施施設数の推移
1施設平均の実施数
内視鏡下消化管手術
内視鏡下消化管手術
悪性腫瘍手術
悪性腫瘍手術
全身麻酔
全身麻酔
0
1000 2000 3000 4000 5000
2008
1999
0
20
2008
1999
40
60
4
2012/6/19
5 経営改善を阻むもの(極度の縦割り)
担当業務が部分的
でかつ反復する
求心力を
作りにくい
診療部門
職種別の組織
検査部門
事務部門
過去を否定
しにくい
薬剤部門
看護部門
経営に関心が
弱い
共有情報の不足
(組織内で要求と補填)
• 経営が苦しい理由を要求先が理解す
れば補填される
• 病院も監督部門も内部に目線を向け
るのではなく苦しい理由づけを考え
る。
⇒
政治プロセス
組織・定員部門
人事・給与部門
政策医療のマジックワード
財政部門
許認可
要
求
平成21年度地方公営企業決算の概況から
他会計繰入金は7,710億86百万円で、
前年度に比べ202億28百万円、2.7%の
増加となっている。
このうち、収益的収入分は5,663億90百
万円で、その主なものは、救急医療、精神
科病院、リハビリテーション医療などの不
採算医療及び周産期医療などの高度・特殊
医療に対する繰入金である。
病院事業監督部門
指導監督
要
求
病院
5
2012/6/19
医療機関の経営状況
1 病院の経営動向(法人)
医療法人等
1施設平均医療費
2010
入院 民間病院等
1日医療費と延受診日数
30,000
2009
2008
25,000
2007
2006
一
日
医 20,000
療
費
2005
2004
2003
2002
2010
2000
15,000
2001
2000
0
50,000
法
100,000 150,000 200,000
人 入院
法
人 入院外
10,000
35,000 40,000 45,000 50,000 55,000
延受診日数
6
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(公的)
入院 公的病院
1日医療費と延受診日数
公的病院 1施設平均医療費
45,000
2010
2010
2009
2008
40,000
2007
2006
一
日
医 35,000
療
費
2005
2004
2003
2002
30,000
2000
2001
2000
0
10
公
20
的 入院
30
公
40
25,000
70,000
50
的 入院外
75,000
80,000 85,000
延受診日数
90,000
病院年度決算 医療経済実態調査
医業費用の対前年度伸率
医業収益の対前年度伸率
その他
減価償却
外来診療
診療材料
特別の療養環境
医薬品
入院診療
給与
-5%
社会保険
公的
0%
公立
5%
国立
10%
医療法人
-5%
社会保険
0%
公的
公立
5%
10%
国立
医療法人
7
2012/6/19
主体別の損益率
設置主体別の100床当たり費用額
(全病院平均を1)
一般病院設置主体別損益率
(介護収入2%未満)
減価償却費
その他法人
委託費
社会保険
公的
診療材料費等
公立
医薬品費
国立
給与費
医療法人
-20%
-10%
2010
0%
10%
2009
0.0
社会保険
0.5
公的
公立
1.0
1.5
国立
2.0
医療法人
費用
費用
単なる収入拡大は
効果が薄い
収入
収入
収入
費用
収入
公的病院群に必要
なのは調達改革
収入
収入
費用
8
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2 診療所の経営状況(内科・外科)
内科診療所の動向
診療科
総医療費
40,000
2010年
38,000
36,000
34,000
8,000
2000年
9,000
1施設平均医療費
8,000
1日当たり医療費
内科の市場・事業規模
7,000
2000年
6,000
12,000
10,000
外科の市場・事業規模
6,000
1日当たり医療費
2000年
診療科
5,000
4,000
8,000
2010年
9,000
1施設平均医療費
13,000
1施設平均延受診日数
14,000
外科診療所の動向
6,000
総医療費
2010年
2010年
5,000
2000年
4,000
15,500
10,000
16,500
17,500
18,500
1施設平均延受診日数
(産婦人科・小児科)
産婦人科診療所の動向
産婦人科の市場・事業規模
6,000
2000年
1,000
3,000
4,000
1施設平均医療費
1日当たり医療費
2010年
2,000
診療科
総医療費
3,000
2010年
5,500
2000年
5,000
7,000
5,000
3,000
2,000
6,000
2010年
2000年
7,000
1施設平均医療費
9,000
小児科診療科の動向
1日当たり医療費
診療科
総医療費
小児科の市場・事業規模
4,000
8,000
1施設平均延受診日数
8,000
5,500
5,000
2010年
2000年
4,500
13,000
14,000
15,000
1施設平均延受診日数
9
2012/6/19
(皮膚科・歯科)
皮膚科診療所の動向
皮膚科の市場・事業規模
2010年
3,000
2000年
2,000
6,000
7,000
1施設平均医療費
1日当たり医療費
4,500
診療科
総医療費
4,000
8,000
3,500
1施設平均医療費
4,000
1日当たり医療費
診療科
総医療費
2000年
23,000
3,000
3,500
17,000
18,000
19,000
1施設平均延受診日数
7,000
2010年
24,000
2000年
2010年
歯科診療所の動向
歯科の市場規模・事業規模
25,000
4,000
2010年
6,000
2000年
5,000
5,500
6,000
1施設平均延受診日数
6,500
診療所の損益率(医療経済実態調査)
一般診療所の損益率
(診療所長収入補正後)
歯科診療所の損益率
(診療所長収入補正後)
医療法人
医療法人
個人(補正後)
個人(補正後)
-10%
-5%
2010
0%
2009
5%
10%
-10.0%
2010
-5.0%
0.0%
5.0%
2009
10
2012/6/19
医療事業の産業特性と改善の着眼点
病院の経営改善の切り口は多様
1
顧客は増え続ける成長産業
(1)高齢化により増え続ける患者数
(2)顧客不足で経営不振の病院の特徴
(3)無いものを欲しがらない・今あるもので顧客満
足度を追求
2 労働集約的な産業
(1)医療密度の向上で増え続ける病院スタッフ数
(2)人数はいるが収益不足の病院の特徴
(3)持てる人材を最大活用・生産性の向上を追求
3
売上費目、単価が同一の産業
(1)他産業では最も重要な「値付け」をしない
特殊性
(2)逸失利益が生じやすいポイント
(3)隠れた課題を見つける・診療部門の知識向上
を図る
4
装置型の産業
(建設投資、設備投資が必要)
5
エネルギー消費型の産業
(空調、熱源、水の使用)
(1)病院建替えで増加するエネルギー費用
(2)エネルギー費用の高い病院の特徴
(3)設計段階での工夫が必須・運用改善は家計の節約
と同じ発想
6
多種多様な診療材料・消耗品を消費する産業
(1)「特別価格」と言われて高価格で大量に買ってい
る?
(2)材料費・消耗品費が高い病院の特徴
(3)みんなの工夫で単価・使用量の双方を適正化
7 オーナーシップの強い産業
(1)民間病院では所有と経営が一体化
(2)公的病院では行政等の関与レベルが課題
(3)共同経営体制を確立し、全員が経営者の発想で
(1)経験値の少なさから高くなりがちな投資額
(2)過剰投資の病院の特徴
(3)限られた資金の有効活用・稼働の向上を追求
11
2012/6/19
1 高齢化により増え続ける患者数
在院患者数の推移(万人)
2011年以降は推計
疾病別の在院患者数(2008年)
その他
2032
腎尿路生殖器系の疾患
2029
消化器系の疾患
2026
筋骨格系等の疾患
2023
2020
呼吸器系の疾患
2017
神経系の疾患
2014
損傷・中毒等
2011
2008
新生物
2005
循環器系の疾患
2002
精神・行動の障害
1999
0
0
100 200 300 400
0~14歳
15~34歳
65~74歳
75歳以上
35~64歳
50
100
0~14歳
15~34歳
65~74歳
75歳以上
150
200
35~64歳
高齢者は治す医療から支える医療へ
今後の死亡数(千人)
死亡場所の推移
1,800
1,800
1,600
1,600
1,400
1,400
1,200
1,200
1,000
1,000
800
800
600
600
400
400
200
200
0
55 60 65 70 75 80 85 90 95 00 05 09
病 院
自 宅
診療所
介護施設
1,597
1,194
1,254
2010
2020
0
2030
その他
12
2012/6/19
現役世代への医療サービスが低下
75歳以上の年齢別医療費と
1人当たり医療費
110,000
25~29歳の年齢別医療費と
1人当たり医療費
10,000
2008年
年齢別医療費
年齢別医療費
2000年
9,000
100,000
90,000
8,000
7,000
80,000
2009年
2000年
70,000
800.0
6,000
850.0
1人当たり医療費
50.0
900.0
100.0
1人当たり医療費
150.0
2 労働集約的な産業
病院職員の構成(2009年)
職員1名当たり病院医療費・年間
(万円)
1,100
8%
2%
11%
2%
9%
6%
5%
57%
医師・歯科医師
看護職
技師・技士等
事務職
1,000
薬剤師
リハ職
福祉職等
その他
900
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
13
2012/6/19
3 売上費目、単価が同一の産業
(診療報酬の構成)
1
在院患者等に対して、毎日、毎回算定可能な点数
2
入退院時に算定される点数
3
算定要件に人的な要件(資格、研修等)が含まれる点数
4
在院患者に対して算定回数の制限のある点数
5
疾病別に算定される点数
2・3の点数が増える傾向
(財政的な理由+新サービス開発)
4 装置型の産業
稼働しない機械は赤字を生む
国病機構1台平均稼働数(月)
人口100万対設置台数
500
450
400
MRI
1.5テスラ
以上
その他
350
300
250
200
マルチスライス
CT
その他
150
100
50
0
2,000
4,000
6,000
8,000
0
2004
2005
2006
CT
2007
2008
2009
MRI
14
2012/6/19
医療機関の今後の行動原理1
(情報統合による生産性向上)
• 情報抽出
外部情報
• 情報共有
内部情報
• 情報発信
医療機関の今後の行動原理2
(他の主体と経営グループ化)
• 業務標準化(利用共通化)
孤立経営
• 調達共同化
• 経営グループ
経営連合
15
ダウンロード

医療機関の置かれた環境と 医療事業改善の視点