生命科学基礎C
第2回 筋収縮の信号
カルシウムイオンの役割
和田 勝
東京医科歯科大学教養部
発生の基礎
動物の発生は、体細胞分裂によって細胞の
数を増やすところから始まる。
受精卵の分裂を卵割といい、卵割によって
生じた細胞を割球という。
卵黄量によって卵割のようすが異なる
等黄卵
卵黄少ない
端黄卵
不等黄卵
卵黄多い
心黄卵
全割
等割・不等割
全割
部分割
不等割(両生類)
盤割(魚類・鳥類)
(棘皮動物)
表割(節足動物)
発生の基礎
ヒトデの発生(等黄卵・全割・等割)
未受精卵 大矢印は卵核胞
四細胞期
受精卵 矢印は受精膜
八細胞期
ニ細胞期
三十二細胞期
ヒトデの発生
陥入が始まる
初期胞胚(blastula)
後期胞胚 B:胞胚腔
初期嚢胚 原口(矢印)が
見える
中期嚢胚
初期嚢胚(gastrula) AP:動物極
後期嚢胚 中胚葉原基が
見える
初期ビピンナリア幼生
2:中胚葉、3:口、5:肛門
カエルの発生(端黄卵・全割・不等割)
最初の3回の卵割(1st~3rd)
卵割が進み、胞胚になる
カエルの発生
後期胞胚
陥入が始まる
初期嚢胚 BP:原口
中期嚢胚 A:原腸
後期嚢胚 YP:卵黄栓 赤い部分は中胚葉
カエルの発生
後期嚢胚 動物極部分のみの正中断
三層構造になっている
初期神経胚 中胚葉が脊索と沿軸中胚葉になる
後期神経胚 沿軸中胚葉は体節になる
カエルの発生
ニワトリの発生(端黄卵・部分割・盤割)
卵黄が多いので、細胞質がある部分はごく一部
これを胚盤といい、ここが卵割する。
1:胞胚腔、矢印は胚盤葉下層
1:胞胚葉上層、3:胚盤葉下層、2:卵黄顆粒
胚盤葉下層は上層の細胞が落ち込んでできる。
ニワトリの発生
やがて胚盤の後方に縦に切れ込み(原条)が生じ、胚盤葉上層
の細胞が原条を通って中へ移動する。これがニワトリ胚の陥入
である。
ニワトリの発生
24時間経ったニワトリ胚。神経板ができ、脊索(notochord)、
体節(somite)が認められる。
筋肉と神経の発生
体節の頂点近くの細胞群が筋節となり、筋
細胞へ分化する。
筋節に由来する一つの筋芽細胞が分裂し、
融合して多核の筋細胞となる。
筋肉と神経の発生
運動神経は、神経管の腹側部に生じ、軸索
を伸ばしていく。その先端は成長円錐と呼ば
れ、多数の糸状仮足を四方に出す。
筋肉と神経の発生
運動ニューロンの軸索は「目的地」である骨
格筋に到達してシナプス(終板)を形成する。
横紋筋の構造
筋原繊維と
筋節の構造
筋節の模式図・収縮
筋収縮の信号
運動神経の刺激によって、カルシウムイオン
が筋小胞体から細胞質へ出て、細胞質のカル
シウムイオン濃度を上げる。
筋収縮の信号
・カルシウムイオン
細胞質のカルシウムイオン濃度は10-7M、細
胞外では10-3M以上
常に細胞膜のNa+-driven Ca2+ antiporterと
Ca2+-ATPaseにより細胞外へ排出、また Ca2+ATPaseによるカルシウム貯蔵部への取り込み
細胞質のカルシウムイオン濃度の上昇は細胞
内での信号となる
筋収縮の信号の流れ
刺激
筋小胞体からのカルシウムイオンの放出
カルシウムイオンのトロポニンへの結合
トロポミオシンの変形
ミオシン頭部へのATPの結合
収縮
神経と筋肉の共通の性質
細胞膜は興奮性伝導膜の性質を持つ
刺激を受けると、細胞膜は電気的変化を
起こし、その変化は細胞膜を伝わって拡大
その結果、興奮性伝導膜を持つ細胞(筋
繊維・神経細胞)は仕事をする
神経から筋肉への信号
筋収縮の最初の信号は終板経由で運動
神経から伝えられる
M:筋繊維、T:軸索末端
神経から筋肉への信号
終板は運動神経と筋肉の間のシナプス
で、神経筋接合部(NMJ)と呼ぶこともある
シナプス
小胞
ax. - 軸索, fil. - ニューロ
フィラメント, mit. - ミトコン
ドリア, glyc. - グリコーゲ
ン, syn. ves. - シナプス小
胞, Schw. c. - シュワン細
胞, dig. - シュワン細胞の
突起, subn. fo. - シナプス
後膜ののひだ, bas. l. 基底層, act. z. - シナプス
後膜アクティブゾーン
神経伝達物質
軸索の末端には、多数のシナプス小胞が
存在する
シナプス小胞には神経伝達物質であるア
セチルコリンが含まれている
神経伝達物質がシナプス間隙へ放出され、
信号を筋肉へ伝える
神経伝達物質アセチルコリン
アセチルコリンはコリンとアセチルCoAか
らアセチルトランスフェラーゼという酵素に
より合成
コリンエステラーゼという酵素により分解
この物質が、どうして信号を伝えるはたら
きがあるのかは、次回以降へつづく!!
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