絨毛癌
急性リンパ性白血病
8班
抗腫瘍薬について
• 使用目的
①治癒的療法
②寛解的療法
③補助化学的療法
④局所療法
• 副作用
①白血球減少(感染症に対する抵抗性の低下)
②血小板減少(出血傾向)
③消化器症状(口内炎、悪心、嘔吐、下痢)
④脱毛
多剤併用療法
• 行う理由
①副作用の軽減
②耐性機序の出現を抑制
③低下した免疫機能を補助
• 注意点
薬物使用は正常細胞の障害が回復可能である範囲に
限定されるべきであり、また有効性を期待するのみでな
く、毒性を予測して治療計画を立てなければならない。
細胞周期依存性抗腫瘍薬
細胞周期非依存性抗腫瘍薬
微小管機能阻害薬
アルキル化薬
プラチナ製剤
アクチノマイシンD
ブレオマイシン
代謝拮抗薬
葉酸代謝拮抗薬
トポイソメラーゼ阻害薬
抗腫瘍薬の分類
• アルキル化薬
DNAの求核部位にアルキル基を共有結合させる
• 代謝拮抗薬
核酸塩基類似物質を取り込み、核酸合成を抑制。
• 制がん抗生物質
DNAを損傷するフリーラジカルを産生
• 微小管阻害薬
微小管に作用し、M期における紡錘体形成を抑制
• ホルモン剤や抗ホルモン薬
ホルモン受容体を持つ腫瘍細胞を抑制
• その他、プラチナ製剤 分子標的薬 L-アスパラギナーゼなど
絨毛癌について
絨毛性疾患
・胞状奇胎
絨毛が変化してできた小さな袋が多数集まり、
全体としてブドウの房のように見える。
子宮外に転移しない。(侵入奇胎を除く)
・ 絨毛癌
胞状奇胎、流産、死産、または正常分娩の後に
残った絨毛から生じる悪性腫瘍。
子宮外に転移する。
疫学
胞状奇胎:人口10万人あたり4.96人(1974年)→0.68人(1997年)
絨毛癌;人口10万人あたり0.158人(1974年)→0.038人(1997年)
絨毛癌について
• 診断方法
・内診
・超音波検査
・血液検査→特に大切なのがβhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ
鎖)の検査
• 治療方法
外科療法、化学療法、放射線療法がある
絨毛癌は早期より血行性転移をきたし、全身的治療である
化学療法(多剤併用療法)が治療の中心を占め、局所療法
である手術、放射線療法は補助的な役割を演じている。
絨毛癌の治療
絨毛癌の化学療法としては
Methotrexate
Etoposide
Actinomycin D
の3剤を中心とした
MEA 療法 が行われている。
• 寛解率 侵入奇胎:ほぼ100%
絨毛癌:90%以上
MEA療法
1) 第1日目
メソトレキセート 150mg/body 静注
コスメゲン
0.5mg/body 静注
ベプシド
100mg/body 点滴静注
メソトレキセート 300mg/body 点滴静注
2) 第2日目
コスメゲン
0.5mg/body 静注
ベプシド
100mg/body 点滴静注
ロイコボリン
15mg/body 筋注 朝夕2回
メトトレキサート
(商品名:メソトレキセート)
• 葉酸代謝拮抗薬
• 効能,効果‐白血病(急性白血病、慢性リンパ
性白血病、慢性骨髄性白血病)絨毛性疾患
(絨毛癌、胞状奇胎)に治療効果が認められ
る。
• 作用機序
2水素葉酸
2水素葉酸
リダクターゼ
メトトレキサート
4水素葉酸
5,10メチリル4水素葉酸
dUMP
dTMP
チミジル酸
合成酵素
10ホルミル4水素葉酸
プリンシンターゼ
DNA合成
• 投薬禁忌
1.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.肝障害のある患者
3.腎障害のある患者
4.胸水、腹水等のある患者
• 飲み合わせ注意
1.サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤
2.スルホンアミド系薬剤
3.ペニシリン
4.レフルノミド など
• 副作用
軽度のもの
吐き気、嘔吐、下痢、口内炎
重大なもの
骨髄抑制、肝不全、肝繊維症、
腎尿細管壊死 など
ロイコボリン
(商品名:ロイコボリン)
• 抗葉酸代謝拮抗薬
• 効能‐葉酸代謝拮抗薬の毒性の軽減
• 作用機序
dUMP
5,10メチリル
4水素葉酸
4水素葉酸
ロイコボリン
2水素葉酸
dTMP
メトトレキサート
DNA
• ロイコボリン救援療法
ある種の癌細胞では能動的なメトトレキセートの取り込
み機能が欠落しているため、メトトレキセートを大量投与
して受動的に取り込ませ、一定時間後にメトトレキサート
の解毒薬であるロイコボリンを投与して能動的にロイコボ
リンを取り込むことのできる正常細胞を救援する。
投与方法
通常、メトトレキサート投与終了3時間目よりロイコボリ
ンとして1回15mgを3時間間隔で9回静脈内注射、以後
6時間間隔で8回静脈内又は筋肉内注射する。
• 投薬禁忌
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患
者
• 副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
その他
頻度不明
過敏症
発疹、発赤、発熱
投与部位
血管痛(静脈内注射時)
一過性の疼痛(筋肉内注射時)
アクチノマイシンD
(商品名:コスメゲン)
• 効能‐絨毛上皮腫、Wilms腫瘍、
睾丸腫瘍
• 作用機序
DNAの塩基対アナログとして塩基対に入り込
み、安定な複合体を形成し、DNA依存性RNA
ポリメラーゼ活性を阻害する。
• 投薬禁忌
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)水痘又は帯状疱疹の患者
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)肝障害のある患者
(2)腎障害のある患者
(3)骨髄機能抑制のある患者
(4)感染症を合併している患者
• 副作用
1)再生不良性貧血、無顆粒球症、汎血球減少症等の骨髄抑制
2)アナフィラキシー様反応
3)肝静脈閉塞症
4)播種性血管内凝固症候群(DIC)
エトポシド
(商品名:ベプシド)
• マンダラケから抽出された
podophylotoxin由来の半合成物質
• 効能‐睾丸腫瘍、小細胞肺癌、
Hodgkin病、急性白血病、
絨毛性疾患、
AIDSにみられるカポジ肉腫
• 作用機序
細胞の分裂に必要な
トポイソメラーゼⅡ
というDNA変換酵
素と結合してDNA
合成を阻害する。
細胞周期のS期後半
からG期に強い作用
を示す。
• 投薬禁忌
(1)重篤な骨髄抑制のある患者
(2)本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者
(3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
• 併用注意
抗悪性腫瘍剤,
放射線照射
• 副作用
– 汎血球減少等の骨髄抑制
– 消化管症状(嘔吐、下痢など)
– ショック、アナフィラキシー様症状
– 間質性肺炎
– 脱毛
急性リンパ性白血病
・主に骨髄において、リンパ球が幼弱な段階で悪化したもの
・白血病細胞が骨髄および末梢血において異常増殖し、正常細胞の減少が
起こる
・10才以下の子供に特に多い
・原因の1つとして9番と22番の染色体相互転座が挙げられる。
症状
・感冒様症状、肺炎、敗血症
・貧血、息切れ
・出血症状
急性リンパ性白血病の治療
化学療法
・寛解導入療法 (約1ヶ月)
↓
・寛解後療法
(約1~2年)
地固め療法 → 維持療法
(&中枢神経浸潤予防治療)
その他、骨髄移植法など
化学療法
寛解導入療法と寛解後療法
●寛解導入療法
通常約1ヶ月の治療期間を要して行う。
抗がん剤による多剤併用療法で 完全寛解 を目指す。
ビンクリスチン、プレドニゾロン、ダウノルビシン、
シクロホスファミドおよびL-アスパラギナーゼなど
この治療による寛解導入率は70~90%とされている
完全寛解: うまく治療が効いて白血病細胞が骨髄の中の細胞の5%以下
になり、正常な細胞が増えてきた状態をいう。
→ 寛解状態になれば寛解後療法へ
●寛解後療法
(地固め療法 、維持療法 、中枢神経浸潤予防治療)
・地固め療法
寛解導入後にも未だ残存する白血病細胞をさらに減らす
→再発を防ぎ治癒を目指す
初回寛解導入療法に用いた抗がん薬とは異なる薬剤を中心に
治療を継続する。
・維持療法
上述の寛解導入療法と地固め療法が終了した時点で完全寛解
が持続していればその後1-2年のあいだ維持治療を行う。この
維持療法がなされないと再発率が上昇し生存期間の延長は望
めない。
・中枢神経浸潤予防療法
急性リンパ性白血病細胞は中枢神経に浸潤しやすい。中枢神経
系へは抗がん薬が到達しにくいため、薬剤を移行させるため前述
の抗がん薬の大量投与や腰椎穿刺による抗がん薬の脊髄腔内投
与を施行する。
また初診時中枢神経病変が明らかな場合は放射線照射を追加す
る。
・骨髄移植法 (造血幹細胞移植法)
病気となった骨髄を健康な骨髄に置き換える治療法
まず病気の骨髄を、大量の化学療法法や放射線療法により破壊
し、ドナーの健康な骨髄(造血幹細胞)をもらう。
ドナーは、患者と一致 (or 非常に類似) したHLAの型をもつ必
要がある。
・放射線療法
主に中枢神経の白血病の予防や治療に用いられる。
予防として、 寛解導入療法の際や、脳や脊髄での白血病の再発
を防ぐため(寛解時)の中枢神経浸潤予防に用いる。
治療としては、白血病が脳や脊髄に広がっている場合に用いる。
ビンクリスチン(vincristine)
(商品名 オンコビン)
作用機序
植物アルカロイド
紡錘体を形成している微小管のチューブリンに結合し、細胞周期を
分裂中期で停止させる
禁忌
・脱髄性シャルコー・マリー・トゥース病(遺伝性疾患)の患者
→副作用が大変強く現れてしまうため
・髄腔内投与
副作用
・末梢神経機能障害(筋力低下、神経性疼痛、痙攣)
・便秘、腸閉塞
・脱毛
L-アスパラギナーゼ (L-aspraginase)
(商品名 ロイナーゼ)
作用機序
急性リンパ性白血病細胞などの腫瘍細胞は、代謝に必須である
L-アスパラギンを十分に作り出せないため、これを細胞外から取
り込む必要がある。L-アスパラギナーゼは、細胞外のアスパラギ
ンを加水分解し、腫瘍細胞を死滅させる。
アスパラギン+水(H2O)⇔アスパラギン酸+アンモニア(NH4+)
禁忌
過敏症の既往のある患者
副作用
・過敏症状
・急性膵炎
・重篤な凝固異常(肺出血、脳梗塞、脳出血)
(塩酸)ダウノルビシン(daunorubicin)
(商品名 ダウノマイシン)
作用機序
アンスラサイクリン系制癌抗生物質。
細胞の核酸合成過程に作用し、直接DNAと結合し、これにより
DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼを阻害する。
副作用
・心毒性(累積投与量が500mg/m2を超えた場合)
・強い骨髄抑制
・嘔吐
・脱毛
禁忌
心機能異常またはその既往歴のある患者
→心筋障害が現れることがあるため
その他
主に肝臓で代謝され、胆汁に排出されるので高ビリルビン血症の
あるときは注意が必要である
シクロホスファミド(Cyclophosphamide)
(商品名 エンドキサン)
作用機序
腫瘍細胞選択的に作用するアルキル化薬
肝臓の薬物代謝酵素チトクロームP450で代謝、活性化され、がん細胞の
DNAをアルキル化し、DNAの合成を阻害することで、がんの成長を止め
る
・糖質ステロイドが奏功しない自己免疫疾患の治療にも用いられる。
禁忌
・ペントスタチン(商品名:コホリン)との併用
~機序・危険因子~
明らかな機序は不明である
しかし、本剤は用量依存性の心毒性があり,ペントスタチンは心筋細胞
に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する
そのため、両剤の併用により心毒性が増強すると考えられている
副作用
・脱毛
・吐き気や嘔吐
・発疹
・出血性膀胱炎
・骨髄抑制(白血球減少など)
・心筋障害,心不全,心タンポナーデ,心膜炎
プレドニゾロン(prednisolone)
(商品名 プレドニン錠)
作用機序
副腎皮質ホルモン(合成糖質コルチコイド)
抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用、広範囲にわたる代謝作用を
持ち、リンパ球やリンパ系腫瘍細胞に対しては、アポトーシスを誘導し、細胞
融解作用を示す。
禁忌
steroid全般の投薬禁忌事項として、ヘルペス、結核、消化性潰瘍、精神病
緑内障、高血圧が挙げられる。
副作用
・血糖の上昇(糖尿病)
・血圧上昇
・精神症状(不眠やいらいら)
・感染症
・胃・十二指腸潰瘍
・骨粗鬆症
※骨髄抑制はない
その他、注目される治療法
分子標的治療薬
分子標的治療薬
とは
疾患を引き起こす原因となる遺伝子
やたんぱく質を特定し、それらに直接
作用するように理論的に作り上げる薬剤
《長所》
従来の抗がん剤に比べて副作用が著しく少ない
《短所》 臨床試験への応用には高いリスクが伴う
原因が分かっている癌にしか応用されない
治療費が高額である
[従来の抗がん剤と分子標的薬の違い]
従来の抗がん剤
分子標的薬
作用機序
DNAなどの合成や修
復、細胞の分裂・増殖
過程に作用し、がん細
胞を殺す
がん細胞の増殖、転移などに関
わる分子を標的にそれを阻害し、
がんの増殖を抑えたり、進展を阻
害する
がん細胞への特異的作用
低い
高い
抗腫瘍効果
期待
期待
種類
アルキル化剤
抗生物質
代謝拮抗剤
植物アルカロイド
血管新生阻害剤
シグナル伝達阻害剤
細胞周期調節剤
免疫療法、ワクチン
長期投与
できない
できる
副作用(全般)
重篤なものが多い
特殊な副作用
骨髄抑制
高頻度
ほとんど出ない
心毒性、腎毒性、脱毛、口内炎
高頻度
薬により特徴的副作用
悪心・嘔吐
高頻度
消化器症状が出る場合も
急性リンパ性白血病の
分子標的治療薬
●イマチニブ(Imatinib)
(商品名:グリベック)
作用機序
チロシンキナーゼ活性阻害剤
Bcr-Abl、v-Abl、c-Ablチロシンキナーゼ活性を阻害する。
更に、PDGF受容体及びSCF受容体であるKITのチロシンキナーゼ活性を阻害し、
PDGFやSCFが介する細胞内シグナル伝達を阻害する。
副作用
・嘔気(吐き気)、嘔吐、下痢
・浮腫(むくみ)
・発疹・皮膚炎
・筋肉痛・関節痛
・骨髄抑制
急性リンパ性白血病の治療法の選択
スライド作成者
24 木村祐樹
80 松本千寿
96 森田寛也
ダウンロード

化学療法