1
人口成熟時代のまちづくり
2006年12月20日
日本政策投資銀行
も た に
地域企画部 参事役 藻谷浩介
E-mail: [email protected]
2
正しいのはどれとどれ?
・ 日本からの輸出は、ここ数年中国に負けて減少傾向だ
・日本は近年、中国・韓国・台湾に対しては貿易赤字だが、
ロシア・フランス・イタリアからは貿易黒字を稼いでいる。
・ 首都圏では、新規のオフィス投資が活況を呈しており、
地価は長期的な上昇局面に入った。
・トヨタ系企業群が活況を呈している西三河地方(愛知県
東部)のように、ものづくりがあることで雇用も増え町
も賑わいを増している地域はある。しかし、交通不便な
僻地からは軒並み、人口が流出している。
4
外国から金を稼ぎ続ける日本
日本の「食べ方」の大変化!
15年前:貿易黒字(15兆円)がすべて
所得黒字は1兆円台・サービス赤字も2兆円程度
今:貿易黒字+所得黒字で21兆円
貿易黒字10兆円(長期一定) + 所得黒字11兆円(急増)
サービス赤字(そのほとんどが観光)も特許料増大で減少中
差し引き年間18兆円も黒字なのに
不景気だと言い続けている日本…
5
アジアが栄えるほど儲かる日本
日本 の貿易 収支
兆円
対: 中国+香港
台湾
韓国
日中 の経常 収支 の内訳
AS EAN
3.5
貿易収支
旅行収支
3.0
資料: 財務省統計
3.0
2.5
2.5
2.0
2.0
1. 7
1.0
0. 9
0. 7
0. 2
1. 7
0. 4
0. 3 0. 9 0. 3
0. 7
0.5 0 . 7
1.0
1. 1
0.5 0 . 7
資料: 財務省統計
中国には香港含む
1.5
2. 1
1.5
0.0
兆円
特許料等使用収支
所得+金融サービス収支
0. 6
0. 30. 4
-0 .3
0. 3
0. 6
0. 3
2. 1
0. 5
1. 1
0. 30. 4
- 0 . 4- 0 . 4- 0 . 3- 0 . 3- 0 . 3- 0 . 3- 0 . 4- 0 . 3- 0 . 4- 0 . 4
-0 .3
-0.5
0.0
-1.0
-0.5
1996 1998 2000
2002 2004
1997 1999 2001 2003 2005
1996 1998 2000 2002 2004
1997 1999 2001 2003 2005
歴年
歴年
6
東京圏マンション・オフィス着工床フロー推移
バブル期の東京をめぐる言説
東京圏オフィス
バブル期
のピーク
都心回帰
357
マンション増加
222
323 279 349
REITの隆盛
232
319
773 920
354
907
615
713 731 728
804
632
698 721
604
903
839
899 811
855
579
686
366
271 291 276 275 236
355 308 335
227 289
358
267
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
1,500
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
900
800
ha
700
600
500
400
300
200
100
0
東京圏マンション
「東京一極集中により首都圏でオフィス床が不足する」
出所:
国土交通省「
建築統計年報 18年度版」
、三井不動産「
不動産関連統計集2007」
不動産経済研究所「
全国マンション市場動向 2005年実績・
展望」
また、東京圏とは、東京都・
神奈川県・
埼玉県・
千葉県の1都3県を対象としている。
注:マンションは発売ベース、オフィスについては着工ベースでの認識となっている。
暦年
7
日本の主要な大都市圏
・東京
・大阪
・名古屋
・神戸
•京都
・福岡
・札幌
・広島
・仙台
人口2,924万人(東京特別区+124市町村)
人口1,214万人(大阪市+81市町村)
人口 528万人(名古屋市+67市町村)
人口 273万人(神戸市+9市町)
人口 256万人(京都市+19市町村)
人口 237万人(福岡市+27市町)
人口 231万人(札幌市+9市町村)
人口 177万人(広島市+21市町村)
人口 158万人(仙台市+22市町村)
8
日本各地の都市圏の人口動態
人口自 然増減率 = (出生 者数-死亡者 数)÷人口
国勢調査から試算した都市圏の最新の「足による投票」
4% 人口5 万人以上2 60都市 圏の人口動 態
2000- 2005年 の人口流 出入と出生死 亡
ここでの都市圏: 中心市+郊外市町村(1 0%通勤通学圏) - 20 05. 10.1 基準
資料: 国勢調査、住民基本台帳人口動態表
(社会増減=国勢調査人口増減-自然増減で試算し住民票を移さない移動を把握)
沖縄
自然増 加かつ
社会増 加
那覇
湖南
3 . 6%
青ヶ島
刈谷
豊田
安城
千歳
中 標津
石垣 岡崎
名
御 殿場
厚木
盛岡
伊 勢崎 福 岡
つく ば 古
碧南
2% 自然増 加だが
屋
仙
台
4 . 5%
三
沢
四
日市
富 士吉 田
社会減 少
帯広 熊本
大阪
東京
宮 古島
浜松 神戸 鳥栖
近 江八 幡
広
島
名
護
京
都
△ 4 . 2%
八戸
成
北見
網走
軽 井沢
苫 小牧
長
田 鹿 西掛
札幌
西 脇日 立 舞 鶴
川
長
崎
野
佐 世保
5 . 3%
釧路
嶋尾
松本
0% △ 5 . 3%
越 後湯 沢
滝川
△ 4 . 1%
加賀
新庄
藤原
-2%
箱根
日光
岩 見沢
山鹿
横手
栗原
大仙
湯沢
美馬
△ 9 . 7% 高 野
-4%
△ 7 . 9% 吉 野
-4%
八 日市 場
高島
自然減 少かつ
社会減 少
真庭
△ 8 . 2%
旭
函館
室蘭
△ 9 . 5%
旭川
北 九州
矢祭
宇佐 柳井
-1%
伊東
自然減 少だが
社会増 加
粟 島浦
南 小国
中 土佐
館山
紀和
-2%
屋久
差し 引き
人口増加
差し 引き
人口減少
佐渡
-3%
松山 松阪
草津
馬路
能代
萩
山口
南砺
0%
周防
大島
海士
知夫
海南
1%
人口社 会増減率 = (転入 者数-転出者 数)÷人口
2%
3%
工場絶好調の町で消える賑わい
9
財政力指数1.36、愛知県刈谷市(商圏人口28万人)の中心街
商店も建物も
なく空地だら
けの駅前通り
(15分おきの快
速で名古屋へ
17分、毎時上下
24本の電車が
来るというの
に…!)
日曜朝10時半、
唯一残ったアー
ケード街に人影
なし (正面は昭
和35年竣工の防
災街区)
大型店跡地は商業者の夢=無
料平面駐車場になったが肝
心の商店がもはや存在 せ
ず、車庫と化している
3~40年代には市内随一のアーケ
ード街だった刈谷銀座商店街に、
次々と未舗装の空地が発生
工場労働者に満ち満ちた町なの
に、飲み屋街らしきものはこの
一角くらいしかない???
すべての悪条件を越え賑わう町
主産業軒並み不振の佐世保(商圏人口32万人)の中心商店街
1階が切れ目なくつなが
り、人が雑踏を消費しに
集まる、7ブロック・全長
1kmのアーケード
商店街の休日歩行者数が
H12-14の2年間で25%も
増加し、空店舗は2つま
で減少
20分おきに高
速バスが出て
いる福岡とは
厳しく競争
郊外6km先の
ジャスコシティ(2
万8千㎡・無
料駐車場
2,500台)
商店街に8階建の昔ながらのジ
ャスコ (駐車場なし)が健在
商店街に隣接する飲屋街は
土曜日深夜でも元気!
10
11
都市圏人口当たりの課税対象所得額 (万円/人)
所得と消費は連動しない
200
所得水準と小売販売額
豊田
人口5 万人以 上の256都市圏
2002年
180
平
碧
秦野 塚 南
160
青梅
西尾
140
120
100
80
60
伊賀
蒲郡
広島
大阪
羽生
水 海 道加 西日 立
下館
東京
刈谷の所得は国内
トップクラス
刈 厚木
安城
谷
岡崎
御殿 場 名古 屋
神戸 小田 原
沼津
津
行田
全
国
平
均
福岡
千歳
北九 州
苫小牧
京都 網
仙台 走
札幌
成田
全国平均
敦賀
高松
高山
帯広
伊東
函館 洲 本
岩井
旭川
北見
室蘭
中
条
※
佐
世
保
東
角田 大
益
滝川
岩見沢
川 予
田
佐世保は非常に
新
菊池
横 手 釧路
玉名
所得が低い
宮
宇和 島
山鹿
田川
八
小 林 島湯 五 所 川原
原沢
幡 沖縄
(資料) 小売販売額:商業統計 / 人口:住民基本台帳
浜
課税対象所得額:日本マーケティング教育センター
名護
都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏
60
70
80
90
100
110
120
130
都市圏人口当たりの小売商業販売額 (万円/人)
140
150
※佐世保はジャパネ ット
たかたを除いた試算
12
正しいのはどれとどれ?
・東京圏・名古屋圏では景気が回復し、小売販売額
も増加に転じている
・ 地方経済は一般に、バブル崩壊以降ひたすら衰退を
続けている。東京とは正反対の傾向だ。
・大型店が増えれば、地域全体の売上は伸びる。
たとえば旭川周辺では、大型店投資が続き、市街
地は不振でも小売販売額全体は増えている。
・ トヨタ自動車(ダイハツなどグループ企業含む)は、
昨年度全世界での販売台数がフォードを抜いて2位、
今年度は1位になりそうだ。国内でも販売台数は
堅調に増えている。
増加を続ける札幌都市圏の商業床
13
ところが減少し始めた売上
住民の所得は下がっているのに、商
業施設だけが増え続けているのだか
ら、当然売上は上がらないしどこか
に必ず無理が出てくる
14
減り始めた商業での雇用
施設を増やしたのに売上は伸びない
ので、お店は従業員を減らしてコス
トダウンに走る
15
以上を一枚にまとめてみると
16
経済力の弱い旭川の場合は
17
首都圏でも減り続けるモノ消費
店が増えただけで、
売上は減る一方だし
雇用も減っている!
18
名古屋絶好調説も誤り
19
大阪都市圏の状況はさらに深刻
店が増えただけで、
売上は減る一方だし
雇用も減っている!
20
21
定価販売のコンビニは成長していた
売上で明暗を分けるコンビニと一般小売業
指数 (1997=H9=100)
140
130
120
デフレというのは消費者に金がな
く、高いものが売れないこと
販売額( コンヒ ゙ニエンスストア)
今起きているのが本当に 「
デフレ」なのだったら、な
ぜ定価販売のコンビニの売
上が減らないのか?
店舗数( コンヒ ゙ニエンスストア)
売場面積(全小 売商業)
110
店舗当たり 売上( コンヒ ゙ニエンスストア)
100
販売額( 全小売 商業)
90
坪効率( 全小売 商業)
80
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
※ 全商業データは商業統計より、コンビエンスストアデータは日本フランチャイズチェ ーン協会統計より作成
※ 商業統計では、 97→99年の間に調査対象店舗が増強され、また99年は中間年の簡易調査、02年は本調査
なので、データはこの間連続していない(対象が2回拡大)。にもかかわらず販売額は減少した。
なぜ小売販売額は伸びないのか
22
× 長期不況による「デフレ」が原因だ。デフレさえ
克服すれば小売販売額は回復する。
← ではなぜコンビニの売上は、最近まで落ちなかったのか?
← コンビニの売上が、景気回復が鮮明になった昨年から落ち込み始めた理由は?
○: 96年をピークに定年退職者>新卒就職者とな
ったために、消費者全体の所得が落ち始めた。
○ 地域の所得が増えないのに店を増やしすぎたた
め、過当競争で値崩れが起きている。
○ 高速道路の延伸と、住宅・オフィス機能の激しい
郊外化に伴う市街地商業衰退で、高度な消費
飲食の需要が、大都市に吸い取られている。
96年を境に所得も消費も低落
個 人所 得とモノ消 費 ( 1 9 90 -1 99 6増 減)
人口10万人以上の158都市圏
個 人所 得とモノ消 費 ( 1 9 96 -2 00 3増 減)
人口10万人以上の157都市圏
30%
20%
20%
福岡
10%
千歳
小売販売額(年度)
小売販売額(年度)
23
北見
帯広
苫 小牧
室蘭 札幌
旭川
名古 屋
10%
函館
0%
東京
大阪
釧路
10%
20%
岩 見沢
30%
40%
札幌
50%
個人所得(歴年)
個人 所得: 課税 対象所得 額 / 小 売販売額 : 商業 統計
都市 圏: 2000年国勢 調査に基づく10%通勤 通学圏
帯広
福岡
-10%
千歳
大阪
函館
室蘭
-20%
岩 見沢
-10%
0%
0%
北見
釧函
路館
東京
名古 屋
苫 小牧
-30%
-20% -15% -10% -5%
0%
5%
10%
個人所得(歴年)
資料 : 同左
市町 村合併の関係 で、左図 より都市 圏数が一つ少ない
石油ショックの頃の日本人の年齢
20-59歳
6,358万人
70歳以上
542万人
24
安定成長の頃の日本人の年齢
20-59歳
6,610万人
70歳以上
668万人
25
プラザ合意の頃の日本人の年齢
20-59歳
6,812万人
70歳以上
827万人
26
27
バブルの頃の日本人の年齢
20-59歳
6,915万人
70歳以上
979万人
阪神震災の頃の日本人の年齢
20-59歳
7,113万人
70歳以上
1,186万人
28
2000年問題の頃の日本人の年齢
20-59歳
7,100万人
70歳以上
1,490万人
29
30
今の日本人の年齢
20-59歳
6,898万人
70歳以上
1,824万人
31
5年後の日本人の年齢
20-59歳
6,531万人
70歳以上
2,111万人
32
10年後の日本人の年齢
20-59歳
6,226万人
70歳以上
2,245万人
33
15年後の日本人の年齢
20-59歳
6,043万人
70歳以上
2,541万人
高齢者が増え現役は減る日本
34
働いて税金や年金を払い、旺盛に消
費する現役世代は年々減少
30年前から少子化の影響で、
若者の数は年々減少
高齢者は年々増加して行く
高齢者が増え現役は減る札幌
35
働いて税金や年金を払い、旺盛に消
費する現役世代は年々減少
30年前から少子化の影響で、
若者の数は年々減少
高齢者は年々増加して行く
高齢者が増え現役は減る東京
37
足元の活況の理由は:
①輸出産業の好調→金余り
②新設物件の競争力→需要集中
③郊外を衰退させての都心集中
働いて税金や年金を払い、旺盛に消
費する現役世代は年々減少
30年前から少子化の影響で、
若者の数は年々減少
+ 昭和20-22年春の出生の少なさ
→ 来年春までの2年半は、退職者<新卒者
2007年問題は冗談ではない
高齢者は年々増加して行く
10%
人口 ピラ ミッ ドの 比較
東 京 都 市圏
8% ( 2 0 0 0 )
島 根 県 (2 0 0 0 )
東 京 都 市圏
(2 025 )
6%
4%
2%
0%
年齢
階層
資料: 2000年 は国勢調 査
2025年 は国立社 会保障・人口問 題研究所中位 推計
東京都 市圏:特別区 の10%通勤通 学圏180市区 町村
0~4
5~9
10~14
15~19
20~24
25~29
30~34
35~39
40~44
45~49
50~54
55~59
60~64
65~69
70~74
75~79
80~84
85~
各年齢階層人口÷総人口
20年後の首都圏は今の島根県
38
時代の根底がひっくり返った
39
41
東アジア全域で進む出生率低下
•
•
•
•
•
•
•
中国では2020年頃に
日本
1.29 (東京都1.00、最低は渋谷区の0.76)
人口増加が止まり、2030年頃
台湾
1.24
から減少が始まるとも言われる
シンガポール
1.20
韓国
1.17
大量生産モデルは行き詰まり
香港
0.94
低所得国からの移民は中国に
上海
0.65 (中国人口問題専門家よりの聞き書き)
集中するのではないか?
中国全体
1.3~1.8(NYタイムズ記事にあった推定値)
※儒教の影響で男尊女卑傾向が強いほど、出生率が低く、しかも
男児ばかりを生もうとする傾向がある(中国では118:100)
42
中国でも早晩日本と同じことが起きる
まだまだ幾らでもいる未就労女性
図1 15歳以上人口の労働力状態 図2 女性の年齢別労働力状態
2005年・日本国居住者(外国人含む)
2005年・日本国居住者(外国人含む)
主に仕事
3,409
1,682
家事のほか仕事 806
通学の傍ら仕事
男
休業者
女
完全失業者
1,655
家事
資料: 2005年国勢 調査
通学
1%抽出推計
その他 827 869
4000 5000
図3 女性就業率の推移
200
300
400
500
48% 47% ←「主に仕事」
45% 46%
万人
1,500
30%
20%
10%
0%
の比率(右軸)
38%
771 675
561 525 482
1,000
主に仕事
403 家事のほか
仕事
750 783 825 761
500 652 680
0
2005
40%
2,000
1985
50%
1980
2005
2000
1995
1985
1990
1980
1970
1975
1965
1960
その他
図4 20-39歳女性の労働力状態
資料: 国勢調査(2005年は1%抽出推計)
70 48% 51% 50%
45% 46% 47% 45%
60
女性就業率
54 56 57
50 (右軸)
52
46 49
40
44
38 41 15歳以上女性総数
34
30
29 31
20
23 24 26 26 26
21
21
20
19
17
10 14 16
女性就業者数
0
1950
1955
100
2000
百万人
万人→ 0
家事
176
115 資料: 図1に同じ
224
79
200 59
154
161 85
143
158 108
110
163
108
93
187 108
128
193
112
189
20~24歳
25~29
30~34
35~39
40~44
45~49
50~54
55~59
1995
1000 2000 3000
家事のほか仕事
1990
0
万人→
主に仕事
家事
その他
資料:
図3に同じ
43
44
女性が家に入るほど下がる出生率
女性の就業率と出生率
女性の家事労働率と出生率
2000年・47都道府県比較
2000年・47都道府県比較
1.6
R2乗 0.326
宮崎
福
井
1.5
愛
知
1.4
兵庫
1.3
1.7
沖縄(1.81)
福島・佐賀 島根
大阪
奈良
埼玉
神奈川
千葉
京都
鳥取 山形
山形
合 計 特殊 出 生 率
合 計 特殊 出 生 率
1.7
1.6
島根 佐賀
鳥取
福井
沖縄(1.81)
福島
宮崎
1.5
愛知
1.4
R2乗 △0.206
1.3
東京(1.03)
兵庫
神奈川 大阪
千葉
東京(1.03)
奈良
埼玉
京都
北海道
1.2
1.2
北海道
40%
45%
50%
55%
60%
65%
15%
20%
25%
30%
35%
2 0 - 39 歳 女 性 に 占 め る 「主 に 仕 事 」の 比 率
2 0 - 39 歳 女 性 に 占 め る 「家 事 」の 比 率
資料・注: 同左
資料: 縦軸=人 口動態調査 、横軸=国 勢調査
注: 合計特 殊出生率は1999 ~2001 年の3ヶ年の単純平 均
商業床の過剰が坪効率を落とす
130
小売商業坪効率 (万円/㎡)
120
東京
青梅
平塚
大阪
京都
札
幌
全
国
平
均
45
小売売場面積と坪効率
人口5 万人以 上の256都市圏・200 2年
識者の観察では、
沼
名
110
小津 岩
人口当たり小売売場面積は
神戸
古
千歳
仙
見
帯広
田
つ
1㎡/人が飽和水準。
屋
台
沢
長
崎
原
豊田
網 走く
これを超えると坪単価は
五 所 川原
100 水 海 道
ば
旭
函
どんどんデフレする
敦賀
浜松
木更 津
鹿児 島
川
館
0.74 全国平均
静岡福岡
成田
島田
高山 伊勢 崎
金
八 日 市場
富
秦野
90 羽 生
広島 刈谷 沢
高松 大
北見
士
松
土
岐
和歌 山
田
岩井 水俣
飯
本
那覇
山 伊原
田
二※ 佐 世 保
釧 諏
口 東
諏訪
北 九 州 室蘭 苫
80 行 田 八 幡 浜 戸 白 石
小 路 訪
佐
久
牧
滝川
久
角田
菊
人
吉
慈
延
岡
柳井
名護
池
島
国分 鳥栖
玉名
人口当り床面積が
70
古
名 八
原
富岡
田川
増えるほど、坪効
川 中 津 白む つ 横 手 丸
瀬 女 阿 志摩
亀
率は落ちる
南山
新 湯本 鹿 赤 河
大
観
小
60 (資料) 商業指標: 2002年 商業統計
中 林 牟 沖 縄居 沢渡出 屋 穂 松
音 1.72
鹿 喜
四
国
阪
浜
人口: 住民基本台帳
田
寺
東条
水
鹿
中
央
都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏 多 予
大川 島
方
50
0.8
※佐世保はジャパネ ット
たかたを除いた試算
0.9
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
都市圏人口当たりの小売売場面積 (㎡/人)
1.6
1.7
デフレではなく商業床の過剰①
46
– 「いい品をどんどん安く!」が経済を成長させた幸せな時代の成功体験 –
( )
商
業
床
の
坪
効
率
P
0
昔々の日本:商業施設が少なすぎ、既存商店の坪効率
は高いが、坪効率×床面積=売上は増えない状態
(大型店規制や寡占に甘えた商売が成長を阻害)
坪効率低下による売上減
よりも、床面積増加による
売上増加の方が大きい
(価格弾性値>1)
いわゆる
需要曲線
→商業施設が増えると
坪効率は下がるが売上は増える
商業床の供給量(Q)
デフレではなく商業床の過剰②
47
– 価格弾力性<1の状況下で新規店舗増設を続ければどうなるか –
( )
商
業
床
の
坪
効
率
P
0
今の日本:商業施設が増えすぎ、坪効率が下がりすぎ
て、坪効率×床面積=売上までもが減っていく状態
(郊外乱開発→経済音痴の過当競争が逆に成長を阻
害)
床面積と坪効率の
値下げによる売上減の方が、販売量増
バランスで、売上
加による売上増よりも大きい
が最大化していた
(価格弾力性<1)
行政の郊外乱開発にフリー
ライドして商店が増加
商業床の供給量(Q)
いわゆる
需要曲線
商業床過剰が総販売額を減らす
15%
小売販売額増減率 (1999年→2002年)
小売店舗面積増減と販売額増減
御 殿場
名護 国分
人口5万人以上 の256都市圏
10%
全国
平均
5%
武雄
島田
0%
千歳
水俣
五 所川 原
売場面積が減った割
に販売額は減ってい
ない
-5%
苫小牧
-10%
十 日町
糸 魚川
室蘭
函館
旭川
売場面積が減り販
売額も減少(27%)
-20%
-15%
-10%
-5%
名
古
屋
福 大阪
岡
広
島
神戸
姫路
京都
下館
四 日市
七尾 平塚
二戸
大館
岩見沢
-15%
東京
札幌
売場面積が増えており
販売額も増加(10%弱)
しかし売場面積が増えた割
には販売額は増えていない
気 仙沼
沖縄
い わき
三沢
太田
大洲
北上 郡山 四国
中央
帯広
刈谷
赤 穂 丸 亀鳥 取
名 瀬 富 岡 喜 多方
仙台
釧路
北見
本渡
原町
48
出水
松阪
白河
全国平均
成田
上田
売場面積が増えているのに
販売額は減少(62%)
(資料) 商業統計
都市圏: 2000年国調10%通勤通学圏
0%
5%
10%
15%
20%
25%
小売店舗面積増減率 (1999→2002年)
30%
35%
税収を増やさない郊外開発
市街地商業衰退の激しい佐賀市(人口17万人)での例
郊外での積極的な区画
整理→諸機能の郊外拡
散で、中心市街地では
地価下落が著しい
郊外区画整理地区の地価は、それでも市
街地の1/3程度にしかなっていない
ほぼ開発の終了した郊外区画整理地区だ
が、土地利用が粗放的(平面駐車場多し)
で、建物の密度は高まらない
つまり、区画整理に際した道路上下水道投資+今後の修繕投資
に対する固定資産税収での回収効率が、非常に悪い
49
50
戦後ニッポンの常識が逆転する
人口減少時代のまちづくり

需要の裏打ちのない「超高層利用」は無用!
中高層の建築物への需要は今やマンションくらいしかない (×商業施設)
しかし今後団塊の世代の相続が増えると、特に地方で開発可能地が増える
そこで高度利用をすると、床が過剰供給になり、土地デフレに拍車がかかる
土地利用方策の抜本的な見直しが必要
供給を増やせば増やすほど値段が下がる (←経済的に当たり前) 時代になった
税収増を狙った都計区域増加・容積率引上は、自分の首を絞める禁じ手

唯一のデフレ対策:「市街地の建蔽率の向上」
1階部分に店が切れ目なく連続すれば、歩行者数が増え賃料水準が下げ止まる
土地供給削減=開発面積の縮小+中心部密度の向上、だけが地価暴落を防ぐ手段
数十年越しに、住民と事務系事業所を市街地周辺に誘導していく必要がある
福祉・医療・学習・交流などの公共機能も建替えの際に市街地集中を!
51
人口増加の米国で実践される Smart Growth に対して
Smart Decline(賢い縮小)の提唱

要素① 郊外の再編集(拠点集中+再田園化)
郊外地では、駅前などの拠点への人口諸機能再集中と、外延部の再田園化を進める
→ 中途半端な郊外開発地を、長期的に山や海や田んぼに戻していくことが必要
バブル期の地価想定で行った土地開発は、地権者が損切りする以外に道なし
遠郊外戸建地区は、農地規制緩和で、田畑付の豪邸街に変えていくのが一番
要素② 容積率削減→都心空間の原則中層化
高層マンションは、著しく低い修繕積立と共益費の下、将来的にスラム化の懸念
→ 高層化ではなく、建蔽率フル利用で周囲と連担した中層化こそが先進国の道
マンハッタンでも超高層地区は全体の数%しかないという事実を直視しよう
NYのビレッジや、パリのような街並みをつくることが都心の本当の目標

要素③ 次世代に残せる質の建物ストックの形成
有名建築家の自己拡張欲求に迎合した、インスタレーション建築はもう増やすな
将来建て替えるときも同じデザインが選ばれる、良質で汎用的な建築を増やせ
国の産業が栄えているうちに住宅と街並みを残すのは、今の世代の使命!
52
生きている中心市街地の共通点
~ 心の中の本来の市街地:まちなか
~「まちなか」の3要素~
•「住む人」と「来る人」の共生
雑踏の中で、人々が場と時間を共有
•「器」の上への「変転」ある「雑居」
まちという器の上に、諸機能・諸事業・諸人が、入れ替わりつつ
雑居
•文化・気風・ブランド
統制者不在にもかかわらず、競争と自由の中から醸成される、
そのまち独自の文化・気風そして魅力
道内の市街地各所は「まちなか」でしょうか???
53
空洞化するまちの共通点
 市全体の人口は増えないのに、
なし崩しの郊外開発が各所で展開される
 皆が「まち=商店街」と思っている (住居、業務、医
療福祉、教育といった他の機能のことは眼中にない)
 市街地の地権者は、「景気回復」や「街路拡幅」
を 待って、空地や空店舗を空いたままにしてい
る
 まちの「中身」ではなく、「足」の話(道路拡幅
や駐車場整備…)ばかりが問題にされる
 個別の再開発や街路整備はあるが、民間投資
54
まちは「花」
「根」
「葉」
「茎」
「花」
=
=
=
=
家
企業の事業所
病院・学校・役所・集会所
お店
 根・葉・茎なくして花咲かず!(造花しかできな
い)
 公共(茎)と商業(花)だけの「切花」は、はかない
 道路や駐車場は「用水路」のようなもの (いく
55
「まちなか=花」を壊すもの

郊外開発→機能拡散→密度低下の弊害無自覚
戦後半世紀の人口8割増=開発地拡大の必要性、がまだ続いているという誤解
とにかく田んぼを埋めたい農地所有者・自治体議員・建設事業者の政治力
道路上下水道初期投資への国庫補助+単年度予算主義=更新投資の忘却
郊外から戻って来たい人や事業者を受け入れら
れない、市街地の地権者の無知・無自覚・無能

経済合理性のない高地価 - 多くの市街地の地価は、誰も払わない水準に高止ま
り

やる気のなさ – 自分が当事者と思わず、物納への道を転げ落ちる多くの地権者

地権者を放置する行政 – 商店街支援に退行する経済産業政策 / 条件反射で言い
値を払ってしまうインフラ整備政策 / 税収減・コスト増に無自覚な自治体政策
56
中心市街地活性化対策の本筋
利害関係者
動機
自らやるべきこと
①事業の継続
②できれば収益拡大
③権利売却可能性の確保
①自分自身の事業の高度化
地権者
①土地建物の保有継続
(相続税原資や建替資金の獲得)
②できれば収益拡大
③権利売却可能性の確保
①自分自身の経営高度化
→ 空店舗の有効活用
→ リーシングノウハウの研鑽
②まちなか居住促進への協力
住民・外野の人
①消費機会の充実(衣・食&遊)
②居住機会の充実(住&遊)
③職業機会の拡大(出店・就職)
①自らが中心市街地にお金を
落とすことで維持に貢献
②まちづくりの側に自ら参加
行政
①住民の生活の質の向上(上記)
②税収増(特に固定資産税)
③中小企業振興
④交流人口増加→経済活性化
①ビジョン提示・事業者支援・
インフラ整備などの既存策
事業者
(商店・サービス)
②中心商業地全体の活性化支援
②郊外開発の規制→抑制
57
地価低下の風を活かした市街地再生
~ いったん下げるだけ下げて、狙うは長期的な上げ
対処すべき
根本原因に対応して
根本原因に対応して
根本原因
住む人を増やす施策
来る人を増やす施策
ユーザーの
単機能指向
まちなかの雑居状態を好む
まちなかでの事業を選ぶ
住民の受け入れ
事業者の受け入れ
雑居を選ぶ客層に向けた
雑居を選ぶ事業者層に向けた
賃貸住宅の供給
賃貸物件の供給
定期借地を活用した
定期借地を活用した
土地を買わぬ住宅開発
土地を買わぬ面開発
高地価
高賃料
地権者の
時代錯誤
「損して得取る」姿勢の地権者の土地だけを、
安い賃料で有効利用 (×家賃補助 ×高額補償)
58
市街地再生の4つのステップ
1. 継続的なフォーラム(勉強会)形成
何かをきっかけに、問題意識を持つ人たちの集まりができる
→ 勉強会・視察・議論・交流会などを継続的に行うようになる
→ イベントや提言など、一時的な事業を実施するようになる
2. 散発的に継続的な取り組みはじまる
メンバーの内外から、空店舗利用など新コンテンツ導入の動きが出る
特定の地区で継続的なイベントが実施されるようになる
予算
百万円単位
予算
千万円単位
3. 動きが面的につながる地区ができていく 予算
新コンテンツが導入された建物がつながって、面的な広がりをもつ
億円単位
イベントが、周囲にも飛び火したり、横に拡大したりするようになる
4. 大きな再活性化投資が行われる
予算
数十億円単位
インパクトの大きいプロジェクトが民間主導で(行政支援を受け)実施される
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